発表年:1993年
ez的ジャンル:Acid Jazzギタリスト
気分は... :ジョーダンじゃない心地良さ( ̄○ ̄)
今回はAcid Jazzブームの中で大活躍したギタリストRonny Jordanの2ndアルバム『The Quiet Revolution』(1993年)の紹介です。
Ronny Jordanは、1962年ロンドン生まれのジャズ・ギタリスト。
アシッド・ジャズ・ブームの真っ只中、1992年にデビュー・アルバム『The Antidote』をリリース。
クラブ・ミュージックを通過したジャズ・ギターは、アシッド・ジャズ・ブームの追い風も手伝って、多くの音楽ファンを魅了しました。特に、Miles Davisの名曲「So What」のカヴァーはシングル・ヒットもしました。
1993年リリースの2ndアルバム『The Quiet Revolution』では、GangstarrのGuruが参加するなどAcid JazzとHip-Hopの見事な融合を聴かせてくれました。Guruとのコラボは、GuruのプロジェクトJazzmatazzの『Jazzmatazz』(1993年)、『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)といったアルバムでも聴くことができます。
さらに1994年には、日本が誇るDJ Krushによるリミックス・アルバム『Bad Brothers』をリリースし、話題となりました。
現在はN.Y.を拠点に活動し、円熟味を増したプレイを聴かせてくれているようです。
Ronny Jordanと言えば、The Brand New Heavies、Young Disciples、US3、Galliano、Incognito、D-Influence、Snowboy、JTQ(James Taylor Quartet)らと並び、Acid Jazzを代表するアーティストですよね。
シーンに与えたインパクトという点では、「So What」を含む1st『The Antidote』が上ですが、作品の完成度という点では本作『The Quiet Revolution』が上という気がします。
特にGuruの『Jazzmatazz』が大好きな僕としては、そちらとの関連性が高い本作がお気に入りです。
全曲紹介しときやす。
「Season for Change」
Guruをフィーチャーした本曲が僕の一番のお気に入りです。Hip-HopのビートにジャジーなRonnyのギター、淡々としたGuruが絡めば、極上のAcid Jazzチューンの出来上がり。Jazzmatazzがお好きな方ならば、気に入ると思います。Ronny参加のJazzmatazzのシングル曲「No Time To Play」あたりと一緒に聴きたいですね。
『Bad Brothers』に収録されているリミックスもお気に入りです。
「In Full Swing」
アルバムの中で最もアグレッシヴな曲かもしれませんね。フルートとギターとオルガンの絡みがいい感じです。
「Slam in a Jam」
「Season for Change」、「Come With Me」と並ぶお気に入り。RonnyならではのHip-Hopビートの効いたメロウ・グルーヴに仕上がっていると思います。
「Mr. Walker」
Ronnyが敬愛するジャズ・ギターの巨人Wes Montgomeryのカヴァー。RonnyのギターってWesの影響が大きいって、わかりますよね。そう言えば、本曲をリリースした大衆ジャズ路線時代のWes Montgomeryと、アシッド・ジャズ・ブームにおけるRonnyの立ち位置って似ている気がしませんか?
「The Jackal」
Dana Bryantのポエトリー・リーディングをフィーチャー。NY出身のDanaはGil Scott-Heronの名曲「Revolution Will Not Be Televised」もカヴァーしていますね。この曲も『Bad Brothers』に収録されているので、そちらもどうぞ!
「Come With Me」
一般にはこの曲を本作のハイライトに挙げる人が多いのでは?ブラジル出身のジャズ・シンガーTania Mariaのカヴァーです。Fay Simpsonのヴォーカルをフィーチャーしています。プロデューサーRay Haydenのセンスも加わった、メロウかつスタイリッシュなブラジリアン・アシッド・ジャズに仕上がっています。気持ち良すぎの1曲です。
「The Morning After」
タブラのリズムをバックに、ロマンティックなRonnyのギターが響くメロウ・チューン。
「Under Your Spell」
Fay SimpsonのヴォーカルとTruth AnthonyのラップをフィーチャーしたHip-Hopチューン。ジャジーなアングラHip-Hopが好きな人は気に入ると思います。
「Tinsel Town」
『世界の車窓から』のBGMにピッタリな感じのメロウ・グルーヴ。一歩前へ前進したくなる1曲ですね。
「Vanston Place (00 AM) 」
お休み前のメロウ・チューンといった感じ。頭の中をメロウネスだらけにして、ぐっすり眠ろう!
本作と併せて『Bad Brothers』(1994年)もセットでどうぞ!
Bad Brothers
後、Ray Haydenのメジャー仕事でアルバム1枚手掛ける、ってこれが最初で、その仕事のクオリティの高さが、後々の日本での高い評価を掴むきっかけになったんじゃないでしょうか。
この後、まさか八代亜紀まで手掛ける、なんて当時は想像もつかなかったわけですが。
http://columbia.jp/artist-info/aki/COCP-31739.html
ありがとうございます。
Ray Haydenプロデュース作で言うと、やはり出世作であるMartine Girault「Rivival」の印象が強いですね。確かRonny JordanやIncognitoもこの曲がきっかけで、プロデュースを依頼したんですよね。Mica Paris好きの僕としては「One On One」も好きでした。
日本人アーティストで言うと、マンデイ満ちるのRay Haydenプロデュース作を愛聴していました。でも、八代亜紀まで手掛けているとは知りませんでした。