発表年:1974年
ez的ジャンル:パワフル系女性R&Bグループ
気分は... :♪イチ・ギチ・ヤ・ヤ・ダ・ダ♪
5日前に『Erykah Badu「Honey」のPVに観る名盤ジャケ』のエントリーでLabelle『Chameleon』のジャケを紹介したら、久々にLabelleが聴きたくなりました。
ということで、今日はLabelle最大のヒット・アルバム『Nightbirds』(1974年)を紹介します。
LaBelleの前身グループThe Bluebellesは、1961年にPatti LaBelle、Cindy Birdsong、Nona Hendryx、Sarah Dashという4人のメンバーによりフィラデルフィアで結成されました。1965年にはAtlanticに入り、同社で2枚のアルバムをリリースしています。しかし、1967年にCindy BirdsonがSupremesへ参加するために脱退してしまいます。
残されたメンバー3人は、"LaBelle"として1970年より活動を始めます。1st『Labelle』(1971年)、2nd『Moon Shadow』(1972年)、『Pressure Cookin'』(1973年)という3枚のアルバムをリリースしましたが、商業的に成功を収めることはできませんでした。
起死回生を期したLaBelleはEpicへ移籍し、移籍第1弾アルバムのプロデューサーとしてニューオリンズR&Bの大物Allen Toussaintを迎えます。こうした制作された4thアルバム『Nightbirds』(1974年)からは、全米ポップ・チャート、R&Bチャート共に第1位となった「Lady Marmalade」という大ヒット・シングルが生まれ、アルバムもゴールド・ディスクを獲得します。
その後Epicで『Phoenix』(1975年)、『Cameleon』(1976年)という2枚のアルバムをリリースしますが、メンバー間の意見の食い違いから『Cameleon』リリース後に解散してしまいます。
解散後、各メンバーはそれぞれソロ活動を展開しています。
僕が最初にLabelleというグループを知ったのは、Laura Nyroのアルバム『Gonna Take A Miracle』(1971年)だったかもしれません。ファンの方はご存知の通り、Gamble & HuffがプロデュースしたこのアルバムでLabelleはコーラスとして全面参加していました。
今振り返ると、Patti LaBelle、Nona Hendryx 、Sarah Dashという3人のメンバーのソロ活動のうち、R&BファンとしてフォローすべきはPatti LaBelleだと思うのですが、ロック中心の洋楽ライフを過ごしていた学生時代にはNona Hendryxの印象が強かったですね。
Nona Hendryxって、Talking Heads『Remain in Light』やBill Laswell率いるMaterialの作品に参加したり、自身のアルバムでKeith Richardsと共演するなどロック系ミュージシャンとの交流が盛んでしたよね。なのでNona Hendryxにはアヴァンギャルドな黒人女性シンガーというイメージがありました。
一方Patti LaBelleのソロについては、ちゃんと聴いたのはMichael McDonaldとのデュエットで全米ポップ・チャート、R&Bチャート共に第1位となった「On My Own」が最初だったかもしれません。「On My Own」はかなり抑え気味のヴォーカルでしたが、本来パワフルで独特な歌声の女性ソウル・シンガーですよね。
そんな個性的なメンバーが集まったグループLabelleと言えば、やはりシングル「Lady Marmalade」、アルバム『Nightbirds』で決まりではないでしょうか?
前述のように、Allen Toussaintをプロデューサーに迎え、バックをThe Metersが務めるというニューオリンズR&B最強の布陣がバック・アップした結果、実にファンキーでコクのあるR&Bアルバムに仕上がっています。Allen Toussaint、The Metersの充実の仕事ぶりを堪能するアルバムとしても楽しめますね。
どうしても「Lady Marmalade」ばかりが注目されがちなアルバムですが、アルバム全体の出来としてもなかなかだと思います。Patti LaBelleのパワフルなヴォーカルに加えて、全10曲のうち半分の5曲をソングライティングしたNona Hendryxにも拍手を!
オススメ曲を紹介しときやす。
「Lady Marmalade」
前述のグループの代表曲であり、アルバムのハイライト曲(Bob Crewe/Kenny Nolan作品)。全米ポップ・チャート、R&Bチャート共に第1位となりミリオン・セラーを記録しました。オリジナルはLabelleではなく、ソングライティングを手掛けたKenny NolanもメンバーだったEleventh Hourです(正直このグループよく知りません)。
Allen Toussaint、Metersによるニューオリンズらしいリズム感を持ったファンク・ディスコ調の演奏、♪Itchy Gitchi Ya Ya Da Da〜♪Voulez-vous coucher avec moi, ce soir?♪といったお下劣ななフレーズが続く歌詞、酸いも甘いも知り尽くした大人のメンバーによるパワフルかつ挑発的なヴォーカル、これらが三位一体となった魅力的な仕上がりです。
Nicole Kidman主演の映画『Moulin Rouge』(2001年)で使われた Christina Aguilera、Pink、Lil Kim、Myaという歌姫4人によるカヴァー(Missy Elliott/Rockwilderプロデュース)もNo.1ヒットとなりましたね。それ以外にもAll Saints等様々なアーティストがカヴァーしています。また、Finesse & Synquis「Soul Sisters」、Angie Stone「Soul Insurance」等のネタにもなっていますね。
「Somebody Somewhere」
Nona Hendryx作品。個人的には「Lady Marmalade」、「What Can I Do for You?」に次いで好きなミッド・グルーヴ。大人のファンキー・グルーヴって感じがサイコーです。
「Are You Lonely?」
Nona Hendryx作品。ブルージーかつアーシーな味わいがですね。ニューオリンズらしいホーン・セクションも好きです。
「Don't Bring Me Down」
Allen Toussaint作品。Allen Toussaintならではのコクのあるグルーヴ感がいいですね。ホント、ニューオリンズ・リズムとLaBelleのヴォーカルの相性は抜群ですね。
「What Can I Do for You?」
「Lady Marmalade」に続くハイライト曲。ハウス・ファンにはガラージ・クラシックとしてお馴染みの1曲ですね。リズムが面白いと思います。Metersサイコーですな!勿論、Patti LaBelleを中心としたヴォーカル&コーラスもグッドです。ハウス・ファンの方は、What Can You Do For Me RemixやBlazeプロデュースのDee Hollowayによるカヴァー等をお聴きかもしれませんね。
「Nightbird」
タイトル曲はNona Hendryx作品。ジワジワと盛り上がってくるスロウ・チューン。ヴォーカル・グループとしてのLaBelleの魅力を堪能できる1曲です。
「Space Children」
Nona Hendryx作品。ニューオリンズR&Bとレゲエが融合したようなリズムが面白いですね。僕の中のNona Hendryxのイメージとぴったり合致します。
「All Girl Band」
Allen Toussaint作品。フットワークの軽い明るくポップな仕上がりです。LaBelleらしいとは思いませんが、アクセントをつける1曲としては良いのでは?
「You Turn Me On」
Nona Hendryx作品。ハートに響く熱唱が印象的なスロウ・チューン。
個人的にはPatti LaBelleのソロ作のコレクションを充実させたいですね。
とりあえず、『I'm in Love Again』(1983年)、『Winner in You』(1986年)、『Be Yourself』(1989年)、『Gems』(1994年)あたりは手元に置きたいですね。
ありがとうございます。
>Keith Nolan?。Kenny Nolanじゃないの?。
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ご指摘の通りです。失礼いたしました。
該当箇所を訂正しておきました。
何でKeithにしたのでしょうね?
Keith Richard、Keith Moon、Keith Sweat好きだからでしょうか(笑)
Eleventh Hourって黒人グループだったっけ?。
ありがとうございます。
> Eleventh Hourって黒人グループだったっけ?。
記事にも書いているとおり、
正直このグループについてはよく知りません(泣)
でもKenny Nolanって白人ですよね?