2008年04月24日

Grant Green『Carryin' On』

ソウル/ファンク系のカヴァーがグッド!☆Grant Green『Carryin' On』
Carryin' On
録音年:1969年
ez的ジャンル:ファンキー・グルーヴ系Jazzギター
気分は... :プラスのストロークで音楽ライフを楽しみましょう!

心理学の概念で「ストローク」というものがあります。

"相手の存在や価値を認める働きかけ"を意味する言葉であり、大まかには相手と肯定する(認める)「プラスのストローク」と相手を否定する(認めない)「マイナスのストローク」に分けることができます。

プラスのストロークを心掛けて周囲とコミュニケーションしている人は、仕事でもプライベートでも豊かな生活を過ごしていることと思います。ストロークの受け手の立場で考えれば、プラスのストロークを出している人とは仲良くなりたいと思いますが、マイナスのストロークを出している人とはそうなりたくないですからね。

こんな事当たり前の話だと思われるかもしれませんが、人間の嫉妬や自尊心ってヤツが、その当たり前のことを妨げているケースって案外多いように思います。

その意味で、音楽の話というのはプラスのストロークを出しやすいと思います。多くの人は楽しむために音楽を聴いていますからね。

みんなプラスのストロークで楽しい音楽ライフを過ごしましょう!

ジャズ・ギタリストGrant Greenの久々の登場っす。

前回の『Live at the Lighthouse』(1972年)に続いて紹介するのは『Carryin' On』(1969年)です。

限られた作品しか聴いていませんが、基本的にGrant Greenのアルバムはどれも好きですね。特に、70年代前半のファンキー・グルーヴ満載の作品がお気に入りです。

『Green Is Beautiful』(1970年)、『Alive』(1970年)あたりをセレクトしようと思ったのですが、部屋のCD棚から何となく手に取っていたのが本作『Carryin' On』でした。

多分、このジャケを見たかったのでしょうね(笑)
実は数あるBlue Note作品の中でも、かなりお気に入りの1枚です。
(ちなみにReid Milesのデザインではありません。)

メンバーは、Grant Green(g)、Claude Bartee(ts)、Willie Bivens(vib)、Clarence Palmer(el-p)、Earl Neal Creque(el-p)、Jimmy Lewis(el-b)、Idris Muhammad(ds)といった布陣です(Earl Neal Crequeは「Cease the Bombing」のみ参加)。

エレピやエレクトリック・ベースを導入しているあたりからも分かるとおり、全体的にはジャズ・ファンクですね。

楽曲もMeters、Little Anthony & The Imperials、James Brownといったソウル/ファンク系アーティストのカヴァーが多く収録されています。

ただし、テンション高めではなく、比較的リラックスして聴けるユルい感じが本作の特徴かもしれませんね。

全曲紹介しときヤス。

「Ease Back」
Metersの3rdシングル(1969年)のカヴァー。レア・グルーヴ・ファンにはお馴染みの曲ですね。オリジナル同様黒いグルーヴ感は残しつつ、もう少しライトな感覚で聴かせてくれます。一昨日のLabelleに続き、Meters絡みですね。

「Hurt So Bad」
Little Anthony & The Imperials、1965年のヒット曲のカヴァー(Teddy Randazzo作品)。Linda Ronstadtのカヴァー・ヒット等でもお馴染みの作品ですね。このドラマティック・ソウルを甘く切ない哀愁モードで聴かせてくれます。

「I Don't Want Nobody to Give Me Nothing (Open Up the Door I'll Get It Myself) 」
James Brownの1969年のヒット曲のカヴァー。僕の一番のお気に入りです。ブラック・フィーリングたっぷりのジャズ・ファンクに仕上がっています。本作の狙いが一番ストレートに反映されている演奏なのでは?ただただカッチョ良いの一言です!

「Upshot」
この曲のみGrant Greenのオリジナル。アップテンポでグイグイ飛ばしてくれます!各メンバーのソロを充分堪能できる演奏です。

「Cease the Bombing」
この曲のみ参加のNeal Crequeの作品。Neal Crequeは、Pucho & the Latin Soul Brothersのキーボード奏者としてお馴染みですね。アルバム『Yaina』収録のPucho & the Latin Soul Brothersヴァージョンと聴き比べるのも楽しいと思います。ラテン・ソウルなPuchoヴァージョンに対して、本ヴァージョンはエレピ、ギター、ヴァイヴの音色が心地良いメロウな仕上がりです。

そう言えば、このジャケの男女の表情・仕草こそまさにプラスのストロークですよね!
僕には男性が女性をナンパしているように見えるのですが、何とか誘おうと必死でプラスのストロークを出しまくっている男性に対して、女性の方もまんざらではない表情を浮かべています。

プラスのストロークを多く出すほど、自分にもプラスのストロークが返ってくる!
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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