発表年:2008年
ez的ジャンル:UK女性R&Bシンガー/ラッパー
気分は... :Fugees、Lauryn Hill好きにオススメ!
Amy Winehouse、Leona Lewis等々最近のUK女性R&Bシンガーの活躍には驚かされます。
今回紹介するEstelleも、そんなUK女性R&Bシンガーの勢いを感じさせるアーティストの1人です。
Estelle(本名:Fanta Estelle Swaray)は1980年ロンドン生まれの女性シンガー&ラッパー。2004年デビュー・アルバム『The 18th Day』をリリースしています。同年にはBand Aid 20のメンバーとして「Do They Know It's Christmas?」のレコーディングにも参加しています(今回初めて知りました)。
『The 18th Day』にも参加していたJohn Legendが立ち上げたレーベルHomeschool Recordsの第1弾アーティストとして迎えられ、リリースした2ndアルバムが今回紹介する『Shine』です。
John Legendがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、Kanye West、Cee-Loがゲスト参加し、Will.i.am、Wyclef Jean、Swizz Beatz等多彩なプロデューサーが楽曲を手掛けるという、なかなかの豪華メンバーです。
ただし、John Legendのレーベルと聞いて、正統派の女性R&Bアルバムを期待するとギャップのあるアルバムかもしれません。
僕が本作を聴いた第一印象は、"FugeesやLauryn Hillに似た肌触りのアルバムに久々出会った!"というものでした。
シンガー&ラッパーというスタイルはLauryn Hillに通じるものですし、R&B/ソウル、Hip-Hopに止まらず、レゲエ/ラガ、カリブ等も取り入れた構成はFugeesを彷彿させます。FugeesのメンバーであったWyclef Jeanが参加しているので余計にそういった印象を受けるのかもしれませんが。いずれにしてもFugees、Lauryn Hill大好きの僕にとっては嬉しい限りです。
全体的にレゲエ/ラガのテイストが強いのはUKのアーティストらしいですね。
UKらしさをあまり感じないLeona Lewisには全く興味が湧かない僕ですが、EstelleのようなUKらしいアーティストならば大歓迎です。
全曲紹介しときヤス。
「Wait A Minute (Just a Touch)」
アルバムからの1stシングルはWill.i.amプロデュース。Will.i.amらしい軽快なトラックにのって、Estelleのラップ&ヴォーカルを堪能できます。
自身のソロやSergio Mendes『Encanto』あたりはイマイチ好きになれないWill.i.amですが、 Estelleの魅力をうまく引き出していますね。昨年Chrisette Micheleをプロデュースしたの同様の相性の良さを感じます。
Screamin' Jay Hawkins「I Put a Spell on You」、Slave「Just A Touch Of Love」 、Edwin Star「Easin' In」ネタ。
「No Substitute Love」
Wyclef Jeanプロデュース。このカリブ・テイストはまさにFugeesが復活したような仕上がりです。Lauryn Hillが歌っても全然ハマる気がします(笑)George Michael「Faith」、Half Pint「Substitute Lover」ネタ。
「American Boy」
アルバムからの2ndシングル。Kanye WestをフィーチャーしたWill.i.amプロデュース曲です。UKチャートでは第1位になっています。
エレクトロなトラックが印象的ですね。どこかで聴いたことがある?それもそのはず、昨年出たWill.i.amのソロ・アルバム『Songs About Girls』収録の「Impatient」と同じトラックを使っています。
「Impatient」を聴いてもイマイチなのに、本曲が良く聴こえるのは何故ですかね。Estelleの華やかさのおかげ?Kanye Westとエレクトロ・サウンドの組み合わせだからでしょうか?
「More Than Friends」
John Legendがソングライティング&バック・コーラスで参加しているせいか、John Legendテイストのソウルフルな仕上がりです。Keezo Kaneプロデュース。Aretha Franklin「Bridge Over Troubled Water」ネタ。
「Magnificent」
「Come Over」
レゲエ・チューン2曲。「Magnificent」ではKardinal Offishallをフィーチャーしています(Dave & Ansel Collins「Double Barrel」ネタ)。Estelle自身はジャマイカ系イギリス人ではありませんが、UKのシンガーらしくレゲエをやっても馴染んでいますね。
「So Much Out The Way」
一番のお気に入り曲。Wyclef Jeanプロデュースのラガ・テイストHip-Hopチューンです。Estelleに対してLauryn HillのようなR&B/Hip-Hopの枠を超えたスケールの大きなアーティストになって欲しいという、僕の願望があるのかもしれません。Grover Washington Jr.「Hydra」 、Boogie Down Productions「Criminal Minded」ネタ。
「In The Rain」
Love Unlimited「Walkin' in the Rain With the One I Love」ネタをふんだんに使った1曲。こういったキャッチーなR&Bチューンでも(良い意味で)Lauryn Hillっぽいですよね。
「Back In Love」
しっとりとした哀愁メロウ・チューン。ホッと落ち着く1曲。
「You Are」
John Legendとのデュエット。 John Legend好きの方は絶対気に入るコンテンポラリーなR&Bチューン。
「Pretty Please (Love me)」
先日Gnarls Barkleyを紹介したばかりのCee-Loとのデュエット。共にラッパー&シンガーという組み合わせは興味深いですよね。 ここではお互いシンガーに徹して、ポップなソウル・チューンを真っ当にやってます(笑)
「Shine」
エンディングを飾るタイトル曲はSwizz Beatzプロデュース。ラティーノのりがいいですね。
GW明けはイマイチ気合いが入りませんが、いい音楽聴いて上げモードにせねば!
@とAに引っかかったのでしょうか?
このアルバムはレコードだったらすり切れてなくなってるくらい聞いてます。
CDって画期的!
estelleの声質、R&BとHipHopを自由に行き来する感覚がまさに私のツボでして。
ezさんのレビューまさに同感です。
ありがとうございます。
「Wait A Minute (Just a Touch)」が「Just A Touch Of Love」ネタですね。
おっしゃる通り、EstelleはR&BとHipHopを自由に行き来するのがいいですね。
Lauryn Hillに通じるものを感じます。
そろそろ新作を期待したくなりますね!
Slaveについては、『Slave』、『Stone Jam』の2枚を記事エントリーしています。
「Just A Touch Of Love」収録の『Just A Touch Of Love』もそのうち記事にしたいですね!