発表年:1983年
ez的ジャンル:初期エレクトリック・ファンク
気分は... :僕の名は???
MtumeはEM-TOO-MAY(エムトゥーメイ)と発音する!
『Juicy Fruit』の裏ジャケにわざわざこのように説明している。よっぽど間違って発音されるんだろうね。これって英語版フリガナになるのかねぇ?
実は僕の本名も珍しい姓でなかなか読みづらい。正しく読んでもらえる確率は4人に1人くらいかな。だから、レストランの順番待ちなどで自分の名前を書くのがが大キライだ。このような説明を加えるJames Mtumeの気持ちがよく理解できるよね。
Mtumeは、ジャズの帝王Miles Davisのグループで活動していたパーカッション奏者のJames MtumeとギタリストのReggie Lucasによって結成されたグループだ。二人はエレクトリックMiles仕込みのファンクとメロウなフュージョン・サウンドをうまく融合させ、「Closer I Get To You」、「Love Lock」などの名作を残した。特に、「Closer I Get To You」は大名曲だと思う。この曲については、Dennis Brown & Janet Kayによるラヴァーズ・ロック(レゲエのラブソング)のカヴァーが僕の大のお気に入りだ。
また、二人はプロデューサー・チームとしても大活躍した。Phyllis Hyman、Stephanie Mills、Marc Sadane、Sunfireあたりが有名かな。でも、そんな人気コンビも1982年にReggieが脱退し、残ったJamesは女性ボーカルのTawatha以外のメンバーを一新して制作されたアルバムが本作『Juicy Fruit』(1983年)である。それまでの生演奏主体のフュージョン風ファンクから、打ち込み主体のエレクトリック・ファンクへとガラリと変わった。初期エレクトリック・ファンクとしてはZapp、Midnight Star、S.O.S Bandあたりと並んで僕のお気に入りデス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Juicy Fruit」
何と言ってもこのアルバムの目玉は超有名なこのタイトル曲。当時R&Bチャートで8週間No1となる大ヒットとなったが、POPチャートではTop40にも入らなかった。彼らのサウンドがどのように受け入れられていたのかを象徴していマス!
The Notorious B.I.G.「Juicy」を筆頭に、Warren G.「Do You See」 、Faith Evans「Faithfully」 、 Alicia Keys「Juiciest」、 Jennifer Lopez「Loving You」 、Allure「No Question」、213「Joysticc」といった曲の元ネタとしても有名だよね!
肝心の曲は、重心の低いミディアム・メロウ・グルーヴに、Tawathaの妖艶なフェロモン出まくりボーカルが絡むセクシーソングです。歌詞はエロすぎて書けませ〜ん。
「Green Light」
Midnight Starなんかにも通ずる典型的なエレクトリック・ファンク。ソリッドだけどとってもキャッチーです。
「Hips」
ボコーダー使いのファンク・ナンバー。「Juicy Fruit」以外ならばこの曲がイチオシかなぁ。Zappが好きな人なら絶対気に入る曲デス。
「Would You Like to (Fool Around)」
アルバム中一番ソウルテイストが強いメロウ・ナンバー。Tawathaの伸びやかなボーカルがイイ感じです。
「Hip Dip Skippedabeat」
シンセのベースラインが印象的なカッチョ良いファンク・ナンバー。
「After 6 Mix (Juicy Fruit Part II)」
アルバムの最後を飾るのは「Juicy Fruit」の演奏主体の別バージョン。名曲の余韻を楽しめます。飲みの最後のお茶漬けのようデス。
この次のアルバム『You,Me And He』(1984年)も地味だけど佳作デス。
この間部屋で久々にLPの整理をしていたら、Tawathaが1987年に出したソロアルバム『Welcome To My Dream』が見つかった...懐かしかったね。それにしても『Juicy Fruit』も含めて80年代のR&B/Funk系アルバムのジャケットはダサいねぇ。僕なんかはそういうアルバムを好んで購入していたんだけど。