2008年06月04日

Stanley Turrentine『Easy Walker』

クラブ・ジャズ世代の人気も高いソウル・ジャズな1枚☆Stanley Turrentine『Easy Walker』
イージー・ウォーカー+2
録音年:1966年、1967年、1969年
ez的ジャンル:ソウル・ジャズ
気分は... :まぁ、仕切り直しで!

今回はジャズ・サックス奏者Stanley Turrentineの紹介です。

Stanley Turrentine(1934-2000年)はピッツバーグ出身。1950年代はブルース・ギタリストLowell Fulsonのグループに兄Tommy Turrentineと共に参加。当時このグループにはピアニストとしてRay Charlesもいました。

その後N.Y.へ昇ります。Max Roachのグループを経て、初リーダー作『Stan The Man Turrentine』(1960年)をレコーディング。その後Jimmy Smithのグループへ参加すると同時に、Blue Noteとの契約に成功し、名作『Blue Hour』(1960年)を吹き込みました。

その後1960年代はBlue Noteで勢力的に作品をリリースしています。また、1960年にはオルガン奏者のShirley Scottと結婚しました。夫婦共演作も数多くレコーディングしています。1970年にはCTIへ移籍し、その第1弾アルバム『Sugar』をヒットさせました。その後もコンスタントに活動を続けますが、2000年にN.Y.のBlue Note出演前に倒れ、間もなく死去してしまいます。

僕は持っているStanley Turrentine作品は、『Blue Hour』(1960年)、『Easy Walker』(1966年)、『Sugar』(1971年)の3枚のみ。あとはAstrud Gilbertoとの共演盤『Gilberto With Turrentine』(1971年)やJimmy Smithのリーダー作『Midnight Special』(1960年)等を通じて、彼の演奏を聴いています。

そんな中から、今回はソウル・ジャズの魅力満載のアルバム『Easy Walker』(1966年)をセレクト。クラブ系のファンからも支持が高いアルバムですよね。

特に、CD化の際にはオリジナル6曲に加え、未CD化のアルバム『Ain't No Way』からの4曲を含む5曲がボーナス・トラックとして収録という嬉しいオマケが付きました。

メンバーはオリジナルがStanley Turrentine(ts)、McCoy Tyner(p)、Bob Cranshaw(b)、Mickey Roker(ds)という布陣です。ボーナス・トラックのうち、『Ain't No Way』からの4曲はStanley Turrentine(ts)、McCoy Tyner(p)、Gene Taylor(b)、Billy Cobham(ds)、残り1曲がオリジナルの布陣でドラムがMickey RokerからRay Lucasに代わったメンバーです。

クラブ・ジャズ世代に受け入れられるノリの良い演奏に加えて、バラードの仕上がりもなかなか絶品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Meat Wave」
オリジナル盤ではこの曲がイチオシです。クラブ世代にウケるのも納得のカッチョ良いジャズ・ロック調の作品。Hip-Hopのサンプリング・ネタにも使われています。僕が好きな弾けた俗っぽさに溢れています。

「They All Say I'm the Biggest Fool」
Buddy Johnsonによる1946年のR&Bヒットのカヴァー。「Meat Wave」から一変し、ミッドナイト気分のソウルフルかつムーディーなバラードを聴かせてくれます。Turrentineにはこういった曲がハマりますよね。

「Yours Is My Heart Alone」
Franz Lehar作曲のスタンダード。リラックス・モードの軽快な演奏が楽しめるスウィンギーな仕上がり。McCoy Tynerの軽やかなタッチが印象的ですね。

「Easy Walker」
タイトル曲はジャズ・ピアニストBilly Taylorの作品。タイトルの通り、ファンキー・テイストのミドル・テンポの演奏はタイトル通りウォーキングしているようですね。

「What the World Needs Now」
Jackie De ShannonやMichele LeeのヒットやDionne Warwickのカヴァーで知られているお馴染みHal David/Burt Bacharach作品です(邦題「世界は愛を求めている」)。原曲の良さも手伝ってか、ポップかつメロウな演奏がグッドです。僕のような永遠のジャズ初心者にはピッタリですね。

「Alone Together」
1932年のミユージカル『Flying Colors』の挿入歌(Arthur Schwartz/Howard Dietz作品)だったお馴染みのスタンダードです。本ブログではDinah Washingtonのカヴァーを以前に紹介しました。ここではミドル・テンポの小粋な仕上がりで聴かせてくれます。

ここまでがオリジナル盤の6曲です。

「A Foggy Day」
ここからがボーナス・トラック。この曲は1937年のミュージカル映画『A damsel in distress』のために書かれたGershwin兄弟作品です。本曲はボーナス・トラックで唯一『Ain't No Way』以外のものです(1967年録音)。

「Stan's Shuffle」
「Intermission Walk」
この2曲は前者がTurrentineのオリジナル、後者が兄Tommy Turrentineの作品です。共にリラックス・ムードの演奏を聴かせてくれます。

「Watch What Happens」
ボーナス・トラックの目玉1曲目はMichel Legrand作品です。映画『The Umbrellas of Cherbourg(シェルブールの雨傘)』でお馴染みの曲ですね。ロマンティック・ムード満点の演奏を聴かせてくれます。いやぁ、聴けば聴くほどいいですねぇ。Turrentineらしくないリリカルな演奏が魅力かもしれません(笑)

「Wave」
ボーナス・トラックの目玉2曲目はボサノヴァの巨人Antonio Carlos Jobimの超有名曲です。クラブ・ジャズ好きの方は歓喜する1曲なのでは?

夫人だったShirley Scottとの共演盤を聴いたことがないので、機会があればぜひ聴いてみたいと思います。
posted by ez at 09:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
好きなジャケットではありませんが、
内容はいいですね?
シャーリーとの共演が好きだったので
結構集めました。
Let It Go (インパルス)はなかなか
いいですよ。
Posted by あばちゃん at 2011年08月29日 00:38
☆あばちゃんさん

ありがとうございます。

確かにジャケは少しチープかもしれませんね(笑)

この記事投稿から3年以上が経過していますが、まだShirley Scottとの共演盤は聴くことができていません(泣)
Posted by ez at 2011年08月30日 02:02
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