2021年01月27日

Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet』

双頭コンボの第一弾☆Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet』
Basso Valdambrini Quintet
録音年:1959年
ez的ジャンル:伊達男ハードバップ
気分は... :Grazie!

今回はGianni Basso(ts)とOscar Valdambrini(tp)の双頭コンボQuintetto Basso-Valdambri『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)です。

サックス奏者Gianni Basso(1931-2009年)とトランペット奏者Oscar Valdambrini(1924-1997年)を双頭リーダーにしたイタリアン・ジャズの至宝コンボについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
 Quintetto Basso-Valdambri『Walking in the Night』(1960年)
 Sestetto Basso-Valdambrini『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)

1955年の結成から1973年までイタリアのジャズ・シーンを牽引してきたイタリア・ジャズ界の功労者と呼べるコンボであると同時に、今日のクラブジャズに多大な影響を与えたBasso-Valdambri

クラブジャズ世代からBasso-Valdambriへのリスペクトは、イタリアのクラブジャズ・ブームの立役者であるマエストロNicola ConteがプロデュースしたBasso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)に象徴されています。

本作『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)は、この双頭コンボの第一弾アルバムとなる作品です。

レコーディング・メンバーはGianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini(tp)、Renato Sellani(p)、Giorgio Azzolini(b)、Gianni Cazzola(ds)の5名。

他の作品同様に、今聴いても全く色褪せないスタイリッシュで格好良い演奏に魅了されます。

次作『Walking in the Night』でも演奏していたアフロ・キューバン人気曲「Lotar」をはじめ、「Come Out Wherever You Are」「Parlami D'Amore Mariu'」といったスリリングな演奏に魅了されます。

リリカルなバラード「Everything Happens To Me」、落ち着きが魅力の「Fan-Tan」「Like Someone In Love」、開放的でスタイリッシュな「Gone With The Wind」あたりも僕のお気に入りです。

伊達男たちのハードバップ、格好良すぎます!

全曲を紹介しときやす。

「Come Out Wherever You Are」
Jule Styne作。Basso-Valdambriniの素敵なアンサンブルと共にアルバムは幕を開けます。このコンボらしい格好良いハードバップを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=DTsAarcSY08

「Fan-Tan」
Russ Freeman作。落ち着いたオトナ・ジャズといった感じです。Valdambrini〜Basso〜Sellaniと続くソロも紳士な雰囲気でグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Rg6Pa0LqQ8E

「I Wanna Be Kissed」
Harold Spina作。ミュージカル『Good Boy』(1928年)のために書かれた曲をカヴァー。リラックスした演奏で聴く者を和ませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qJQ52HI2BL0

「Parlami D'Amore Mariu'」
Cesare Andrea Bixio作。このコンボお得意のスリリングに疾走するアフロ・キューバン調のハードバップが格好良すぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=lOVH-qKs368

「Everything Happens To Me」
Matt Dennis作。Frank SinatraをフィーチャーしたTommy Dorsey Orchestraヴァージョンがオリジナル。Chet Baker『It Could Happen To You』(1958年)ヴァージョンでも知られる1曲。Basso-Valdambriniのリリカルなプレイを満喫できるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9q9GUKiY1o0

「Lo Struzzo Oscar」
Oscar Valdambrini作。Azzoliniのウォーキング・ベースが牽引する緩急をつけた演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=eQPQ-y41pN0

「Lotar」
Oscar Valdambrini作。前述のSchema Sextetのカヴァーでも知られ、次作『Walking in the Night』でも演奏していたアフロ・キューバン人気曲。あえて比較すれば、スタイリッシュな『Walking in the Night』ヴァージョンに対して、本ヴァージョンはパッションを感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=MrlWFhTM0DE
「Lotar」(From 『Walking in the Night』
https://www.youtube.com/watch?v=RIb36PVE-LU

「Like Someone In Love」
Jimmy Van Heusen作。映画『Belle of the Yukon』(1944年)のために書かれたポピュラー・スタンダードをカヴァー。今聴いても全く古さを感じないこのコンボのセンスの良さを感じる落ち着いた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=BrPvFMG1ydU

「C'Est Si Bon」
Henri Betti作。フレンチ・ポピュラーのスタンダードをカヴァー。軽やかなスウィングで聴く者の心も軽やかにしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3i4xnR8mhJw

「Gone With The Wind」
Mack David/Max Steiner作。開放的でスタイリッシュなアンサンブル、ソロで楽しませてくれるハードバップ。後味スッキリなのがこのコンボの演奏の魅力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JCDJCZSgHuM

「Ballad Medley(「I Can't Get Started」/「Lover Man」)」
「I Can't Get Started」
Vernon Duke作。バラード・メドレー1曲目はValdambriniのリリシズム溢れるソロに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_s8Uk0m9no
「Lover Man」
Jimmy Davis作。バラード・メドレー2曲目はBassoのジェントルなテナーが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l63-Jh-_wME

「I Can't Get Started」に関して、当ブログではAnita O'DayCybill Shepherdのカヴァーも紹介済みです。
「Lover Man」に関して、当ブログではPatti LaBelleJose JamesMaria Muldaurのカヴァーも紹介済みです。

「Chet To Chet」
Oscar Valdambrini作。ラストはChet Bakerに捧げられた Valdambriniのオリジナルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=F8HfgfD4Tus

他のBasso/Valdambrini作品もどうぞ!

『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
Plus Dino Piana

『Walking in the Night』(1960年)
ウォーキング・イン・ザ・ナイト

『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
バッソヴァルダンブリーニセクステット

『Exciting 6』(1967年)
basso-valdambrini exciting 6.jpg

ご興味がある方は、Basso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)も併せてチェックを!

Schema Sextet『Look Out』(2000年)
Look Out
posted by ez at 01:43| Comment(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月30日

Machito『Kenya (Afro Cuban Jazz)』

50年代N.Y.アフロ・キューバン・ジャズの熱気!☆Machito『Kenya (Afro Cuban Jazz)』

発表年:1958年
ez的ジャンル:N.Y.アフロ・キューバン・ジャズ巨匠
気分は... :アフロ・キューバン・ジャズで体を熱く!

N.Y.アフロ・キューバン・ジャズの巨匠Machito『Kenya (Afro Cuban Jazz)』(1958年)です。

キューバ、ハバナ出身でマンボをジャズに取り入れたアフロ・キューバン・ジャズの確立に大きく貢献したコンガ奏者/シンガー/バンドリーダーMachito(本名:Frank Grillo)(1912-1984年)の紹介は、Machito Orchestra『Fireworks』(1977年)に続き2回目となります。

本作『Kenya (Afro Cuban Jazz)』(1958年)は、マンボをジャズに取り入れたN.Y.アフロ・キューバン・ジャズの盛り上がりが収められた一大セッションです。

本作では特にCannonball Adderley(as)、Joe Newman(tp)という二人のジャズ・ミュージシャンがフィーチャリングされています。

Machito(leader)以下、Mario Bauza(musical directer、arr、tp)、Rene Hernandez(arr、p)、A.K. Salim(arr)、Doc Cheatham(tp)、Paul Cohen(tp)、Ray Santos(ts)、Eddie Bert(tb)、Santo Russo(tb)、Bobby Rodriguez(b)、Candido(congas)、Carlos "Patato" Valdes(congas)、Jose Mangual(bongos)、Ubaldo Nieto(timbales)等のミュージシャンが参加しています。

この時代らしいアフロ・キューバン・ジャズと、この時代とは思えないクラブジャズ的なアフロ・キューバン・ジャズが混在している面白さがある1枚です。個人的には後者のタイプの演奏が目当てなのですが・・・

その意味ではハイスピード&パーカッシヴな「Wild Jungle」、アフロ・キューバン・ジャズ・ダンシング「Tururato」、ラテン・リズム・シャワー「Frenzy」Candidoのコンガが疾走する「Minor Rama」が僕のおススメです。

ラテン・ジャズ好きの方は、ラテン・ジャズ名曲カヴァー「Tin Tin Deo」Cannonball Adderley好きの方は「Cannonology」「Oyeme」あたりも楽しめるはずです。

50年代N.Y.アフロ・キューバン・ジャズの熱気が詰まった1枚で体を熱くしましょう。

全曲紹介しときやす。

「Wild Jungle」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。いきなりハイスピードのパーカッシヴ・ラテン・ジャズで躍動します。トロンボーン・ソロはEddie Bert。しかし、ここでの主役は灼熱のコンガ・ソロを展開するCandido!後半にはDizzy Gillespie/Chano Pozo作のラテン・ジャズ名曲「Manteca」のフレーズが挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=GRKryJSnVcE

「Congo Mulence」
A.K. Salim作。Cannonball AdderleyとJoe Newmanというゲスト2人がソロを披露する本作らしいジャズ×アフロ・キューバンな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=64_iNllbMcQ

「Kenya」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。タイトル曲はオーケストラらしい鮮やかなアレンジが映える演奏です。華やかなホーン・アンサンブルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FQtIP_H_D_4

「Oyeme」
A.K. Salim作。パーカッシヴなラテン・リズムをバックに、Adderley、Newmanがソロで盛り上げてくれます。特にCharlie Parkerを意識したかのようなAdderleyのプレイが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=PO2TobgbSW

「Holiday」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。軽やかなラテン・リズムが心地好い演奏です。ソロはDoc Cheatham(tp)とRay Santos(ts)。
https://www.youtube.com/watch?v=PlfsbSs0mgg

「Cannonology」
A.K. Salim作。タイトルの通り、Adderleyを主役に据えた演奏です。個人的にはJose Mangualのボンゴ・ブレイクがサイコーに格好良いです!
https://www.youtube.com/watch?v=jzivTuKiRws

「Frenzy」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。これぞラテン・リズム・シャワー!Candido、Carlos "Patato" Valdesのコンガを中心にラテン・リズムを存分に満喫できます。メリハリの効いたホーン・アンサンブルのアレンジもお見事!
https://www.youtube.com/watch?v=9j-x7sUwcJ8

「Blues A La Machito」
A.K. Salim作。ラテン・ブルースですが湿っぽくありません。Newmanが雰囲気のあるソロで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7hSv8SWojME

「Conversation」
A.K. Salim作。Carlos "Patato" Valdesのコンガとホーン隊のアンサンブルがいい感じ!ソロはNewmanとAdderley
https://www.youtube.com/watch?v=4rKeUye1huQ

「Tin Tin Deo」
前述の「Manteca」と並ぶDizzy Gillespie/Chano Pozo作のラテン・ジャズ名曲をカヴァー。スケールの大きな華やかな演奏で名曲を楽しめます。ソロはSanto Russo(tb)とDoc Cheatham(tp)。
https://www.youtube.com/watch?v=QjoEgv1zqyA

「Minor Rama」
A.K. Salim作。Candidoの疾走するコンガが演奏を牽引します。キレのあるホーン・アンサンブル、NewmanとAdderleyのソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=2TQTdHNV5J0

「Tururato」
A.K. Salim作。ラストはアッパーなアフロ・キューバン・ジャズ・ダンシング。Candido、Carlos "Patato" Valdes、Bobby Rodriguezのリズム隊の格好良さがたまりません。ホーン・アンサンブル、Newman、Adderleyのソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7HOb1YqUUsM

Machitoの他作品もチェックを!

『Vacation at the Concord』(1958年)
Vacation at the Concord

『Machito with Flute to Boot』(1959年)
マチート・ウィズ・フルート・トゥ・ブート<SHM-CD>

『Machito at the Crescendo』(1961年)
Machito at the Crescendo

『Soul of Machito』(1971年)
Soul of Machito

『La Voz De Graciela』(1972年)
LA VOZ DE GRACIELA (日本独自企画盤、解説付き、世界初CD化)

『Fireworks』(1977年)
ファイアーワークス スペシャル・ゲスト・アーティスト ラロ・ロドリゲス (BOM1206)

『Machito And His Salsa Big Band』(1982年)
1982

『Machito!!!』(1983年)
Machito!!!

『Live At North Sea '82』(1983年)
Live at North Sea 1982
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2020年09月16日

Marty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』

『踊り子』と並ぶ代表作『お風呂』☆Marty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』
アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー<SHM-CD>
録音年:1959年
ez的ジャンル:ウエスト・コースト系ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :お風呂でジャズを・・・

今回は50年代ビッグ・バンド・ジャズからMarty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』(1959年)です。

TotoDavid Paichの父親としても知られるカリフォルニア州オークランド出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー/バンド・リーダーMarty Paich(1925-1995年)の紹介は、『踊り子』の愛称で知られる『The Broadway Bit』(1959年)に続き2回目となります。

『踊り子』と並ぶ代表作が『お風呂』の愛称で知られる本作『I Get a Boot Out of You』(1959年)です。

『踊り子』同様、名アレンジャー/バンド・リーダーとしてのMarty Paichの才を楽しめる1枚です。

ビッグ・バンドのメンバーはMarty Paich(conductor)以下、Art Pepper(as)、Bill Hood(bs)、Bill Perkins(ts)、Al Porcino(tp)、Conte Candoli(tp)、Jack Sheldon(tp)、Bobby Envoldsen(tb)、George Roberts(tb)、Russ Freeman(p)、Joe Mondragon(b)、Mel Lewis(ds)、Victor Feldman(vibe)という面々。コンパクトながらも各プレイヤーのソロも随所で楽しめます。

全8曲中Duke Ellington絡みの曲が4曲取り上げられているのが印象的です。

名アレンジャーによる洗練されたアンサンブルによるモダンなビッグ・バンド・サウンドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)」
Duke Ellingtonのカヴァーその1。名曲「スイングしなけりゃ意味ないね」のカヴァーです(Duke Ellington/Irving Mills作)。ビッグ・バンドらしい華やかで軽快な演奏で盛り上げてくれます。Art Pepper、Bill Hood、Bill Perkins、Bobby Envoldsen、Jack Sheldonがそれぞれコンパクトながらも素敵なソロを聴かせてくれます。Victor Feldmanのヴァイヴもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=i-H7JmdJDwo

「No More」
Billie Holidayでお馴染みのスタンダードをカヴァー(Bob Russell/Tutti Camarata作)。Jack Sheldonのトランペットをフィーチャーした哀愁バラードをしっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TAJ7lY9241A

「Love For Sale」
Cole Porter作。Cole Porterの名曲カヴァー。ラテン・フレイヴァーを効かせた僕好みの演奏です。ソロはArt Pepper、Conte Candoli、Bobby Envoldsen、Victor Feldman。特にFeldmanのヴァイヴ・ソロにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=ff57ENy32kY

本曲に関して、当ブログではJorge DaltoGene HarrisDexter GordonAnita O'DayLes McCannJane BirkinThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方は過去記事をご参照下さい。

「Moanin'」
Bobby Timmons作。Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染みの名曲をカヴァー。Russ Freemanのピアノがあのお馴染みのメロディを奏でます。Art Pepperが雰囲気のあるソロを聴かせてくれるのも嬉しいですね。それ以外にConte Candoliがソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UtmBH5qYowk

本曲に関して、当ブログではJon Hendricksが歌詞をつけたLambert, Hendricks & RossJose Jamesのヴァージョンも紹介済みです。

「Violets For Your Furs」
Matt Dennis/Tom Adair作。Art Pepperの情感たっぷりのアルト・サックスをフィーチャーした素敵なバラードです。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=_jwZii0BbPQ

「What Am I Here For/Cottontail」
Duke Ellingtonのカヴァーその2。Ellington作品2曲のメドレー。エレガントな「What Am I Here For」に続き、ジャンプ・ナンバー「Cottontail」で一気にテンポアップします。Feldmanの疾走するヴァイヴ・ソロにホーン隊が続きます。
https://www.youtube.com/watch?v=Vme1-uzKppk

「「What Am I Here For」について、当ブログではClifford Brown & Max Roachのカヴァーを紹介済みです。

「Warm Valley」
Duke Ellingtonのカヴァーその3(Bob Russell/Duke Ellington作)。Bill Hoodのバリトン・サックスをフィーチャーしたロマンティック・バラード。バリトン・サックスらしいムーディーさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uHfrc0o0eIQ

「Things Ain't What They Used To Be」
Mercer Ellington/Ted Parsons作。Duke Ellingtonの息子Mercerの作品であり、Duke Ellington楽団もクロージング・テーマとして演奏していた楽曲です。Russ Freemanのピアノ、Feldmanのヴァイヴの小粋な音色と雰囲気たっぷりのホーン・アンサンブルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=nnfYYnCQ-QE

未聴の方は『踊り子』もぜひ!

『The Broadway Bit』(1959年)
ブロードウェイ・ビット<SHM-CD>

Marty Paichの他作品もチェックを!

『Jazz for Relaxation』(1956年)
Jazz for Relaxation

『Tenors West』(1956年)
Tenors West

The Jazz City Workshop『The Jazz City Workshop』(1956年)
ザ・ジャズ・シティー・ワークショップ

『A Jazz Band Ball』(1957年)
Jazz Band Ball First Set

『Hot Piano』(1957年)
ホット・ピアノ

『The Picasso of Big Band Jazz』(1957年)
Picasso of Big Band Jazz

『Marty Paich Trio』(1957年)
Marty Paich Trio (Remastered)

『Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper』(1958年)
マーティ・ペイチ・カルテット・フィーチャリング・アート・ペッパー (紙ジャケット仕様)

『Take Me Along』(1959年)
Take Me Along by Marty Paich

『Lush Latin & Cool』(1960年)
Lush Latin & Cool

『The Rock-Jazz Incident』(1966年)
ロック・ジャズ・インシデント<SHM-CD>
posted by ez at 01:50| Comment(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月02日

Marty Paich Big Band『The Broadway Bit』

『踊り子』で知られるビッグ・バンド・ジャズ☆Marty Paich Big Band『The Broadway Bit』
ブロードウェイ・ビット<SHM-CD>
録音年:1959年
ez的ジャンル:ウエスト・コースト系ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :歴史が動いた・・・

今回は久々に1950年代カテゴリー作品からMarty Paich Big Band『The Broadway Bit』(1959年)です。

前回の1950年代カテゴリーのエントリーLambert, Hendricks & Ross『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)が2011年12月03日だったので、約7年ぶりの1950年代作品の紹介となります。

Marty Paich(1925-1995)はカリフォルニア州オークランド出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー/バンド・リーダー。名アレンジャーとしてお馴染みですね。TotoDavid Paichの父親としても知られていますね。

そんなMarty Paichのリーダー作で人気なのが、今回紹介する『The Broadway Bit』(通称:『踊り子』)と『I Get a Boot Out of You』(通称:『お風呂』)の2枚です。

『I Get a Boot Out of You』(1959年)
アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー<SHM-CD>

今回どちらを取り上げるか迷いましたが、ジャケの気分で『踊り子』をセレクト。

レコーディング・メンバーはMarty Paich(p)、Frank Beach(tp)、Stu Williamson(tp)、Bob Enevoldsen(tb、ts)、George Roberts(tb)、Art Pepper(as)、Bill Perkins(ts)、Jimmy Giuffre(bs、clarinet)、Vincent DeRosa(french horn)、Victor Feldman(vibe)、Scott LaFaro(b)、Mel Lewis(ds)といったウエスト・コーストのジャズ・ミュージシャンの面々が名を連ねます。

Art PepperBill Evans Trioでもお馴染みのScott LaFaroの参加が目を引きます。

楽曲はすべてスタンダードのカヴァー。素晴らしいアレンジによる洗練されたスウィンギーなウエスト・コースト・ジャズを楽しめます。

今聴いても十分楽しめる色褪せない1950年代作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「It's All Right With Me」
Cole Porter作。トロンボーンがリードする見事なホーン・アンサンブルと共に疾走します。Victor Feldmanのヴァイヴ・ソロやScott LaFaroのベース・ソロもグッド!今聴いても実に格好良い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=jgD0sNigKM0

「I've Grown Accustomed To Her Face」
Al Lerner/Frederick Loewe作。ミュージカル『My Fair Lady』(1956年)挿入歌をカヴァー。当ブログではWes Montgomeryのカヴァーも紹介済みです。Jimmy GiuffreのムーディーなクラリネットとArt Pepperのアルト・サックスがリードするロマンティックなビューティフル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KGPs6fxtTN4

「I've Never Been In Love Before」
Frank Loesser作。Art Pepperの軽やかなソロと共にスタート。華やかな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fY-kX4IIOqY

「I Love Paris」
Cole Porter作。当ブログではDexter GordonDwight Trible With Matthew Halsallのカヴァーも紹介済みです。スパイ・コメディ映画のBGMにハマりそうな演奏が僕好み。抑えたトーンながらも表情豊かなサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=OA5yMuvCs1Q

「Too Close For Comfort」
1956年のブロードウェイ・ミュージカル『Mr. Wonderful』の挿入歌のカヴァー(Jerry Bock/Larry Holofcener/George Weiss作)。当ブログではJohnny Lytleのカヴァーを紹介済みです。ビッグ・バンドらしいスウィンギーで小粋なアンサンブルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=JIkv4ak4JvY

「Younger Than Springtime/The Surrey With The Fringe On Top」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein IIの名コンビ作品のメドレー。前者はミュージカル『South Pacific(南太平洋)』(1949年)挿入歌、後者はミュージカル『Oklahoma!(オクラホマ)』(1943年)挿入歌です。落ち着いた雰囲気の品のあるアンサンブルが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=3qnhsEQtRFI

「If I Were A Bell」
Frank Loesser作。当ブログではSvante Thuressonのカヴァーを紹介済みです。思わず一緒にフィンガースナップしてしまう、実にいい雰囲気のスウィンギーな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=MTnT7_Q9SGQ

「Lazy Afternoon」
Jerome Moross/John Latouche作。当ブログではPete La RocaAlive!のカヴァーも紹介済みです。正にレイジーなバラード演奏です。Vincent DeRosaのフレンチ・ホルンやPaichのピアノが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=CX9scFy1dg4

「Just In Time」
Adolph Green/Betty Comden/Jule Styne作。ラストは僕も大好きな名スタンダードで締め括ってくれます。ホーン隊のソロ・リレーと共にスウィンギーに疾走する演奏でこの曲の持つ魅力を余すことなく伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=R6BppCuWj7g

本曲に関して、当ブログではMilano Jazz Dance ComboThe Kenny Clarke-Francy Boland Big BandSvante Thuressonのカヴァーも紹介済みです。

ご興味がある方は『I Get a Boot Out of You』(通称:『お風呂』)やMarty Paichの他作品もチェックを!

『I Get a Boot Out of You』(1959年)
アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー<SHM-CD>

『Jazz for Relaxation』(1956年)
Jazz for Relaxation

『Tenors West』(1956年)
Tenors West

The Jazz City Workshop『The Jazz City Workshop』(1956年)
ザ・ジャズ・シティー・ワークショップ

『A Jazz Band Ball』(1957年)
Jazz Band Ball First Set

『Hot Piano』(1957年)
ホット・ピアノ

『The Picasso of Big Band Jazz』(1957年)
Picasso of Big Band Jazz

『Marty Paich Trio』(1957年)
Marty Paich Trio (Remastered)

『Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper』(1958年)
マーティ・ペイチ・カルテット・フィーチャリング・アート・ペッパー (紙ジャケット仕様)

『Take Me Along』(1959年)
Take Me Along by Marty Paich

『Lush Latin & Cool』(1960年)
Lush Latin & Cool

『The Rock-Jazz Incident』(1966年)
ロック・ジャズ・インシデント<SHM-CD>
posted by ez at 03:09| Comment(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月03日

Lambert, Hendricks & Ross『The Hottest New Group In Jazz』

ワクワク感が伝わってくるホットなジャズ・コーラス☆Lambert, Hendricks & Ross『The Hottest New Group In Jazz』
Hottest New Group in Jazz
録音年:1959年
ez的ジャンル:ヴォーカリーズ系ジャズ・コーラス
気分は... :タイトルが全てを言い表している!

12月はクリスマス・アルバムやゴスペル作品が聴きたくなる季節ですが、小粋なジャズ・コーラスの持つ華やかな雰囲気もこの時期にはいいのでは?

ということで、ジャズ・コーラスの名盤Lambert, Hendricks & Ross『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)です。

Lambert, Hendricks & Ross(LH&R)は、Dave LambertJon Hendricksというアメリカ人男性シンガー2人と紅一点のイギリス出身の女性シンガーAnnie Rossの3人から成るによるジャズ・コーラス・グループ。ヴォーカリーズをモダン・ジャズ・コーラスに取り入れた先駆け的グループです。

1957年に結成され、『Sing a Song of Basie』(1957年)、『Sing Along With Basie』(1958年)、『The Swingers!』(1959年)、『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)、『Sing Ellington』(1960年)、『High Flying』(1961年)といったアルバムをリリースしています。しかし、1962年にAnnie Rossが病気を理由に脱退し、グループの歴史は幕を閉じます。

その後、残ったLambert、Hendricksの2人は、新たにセイロン(現スリランカ)出身の黒人女性シンガーYolande Bavanをメンバーに迎え、Lambert, Hendricks & Bavanとして、『Live At Basin Street East』(1963年)、『At Newport '63』(1963年)、(1964年)という3枚のアルバムを残しています。しかし、Dave Lambertが1966年に交通事故で他界してしまいました。

その後、ジャズ・コーラス・グループに大きな影響を与えたグループとしても有名ですし、Jon HendricksAnnie Rossはソロ作品も人気がありますね。

当ブログで前々からAnnie Ross『Sings A Song With Mulligan!』(1959年)を紹介しようと思っていたのですが、何故かタイミングを逃し、今回を意を決してエントリーを作成しようとしたのですが、今の時期ならばLH&Rの方がマッチすると思い、『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)にしました。

僕が保有するCDは、1993年に世界初CD化が実現した時のものですが、そのライナー・ノーツはピチカート・ファイヴの小西康陽氏が執筆しています。小西氏が熱烈に支持するグループという点からも、ジャズ・ファンに止まらない普遍的な魅力を持っている作品であることを理解していただけると思います。

小西氏もライナー・ノーツで書いているように、テクニックの追求に走っていないところがいいですね。僕の場合、ここぞとばかり超絶テクニックを披露するジャズ・コーラスって逆に聴いていて疲れてしまいます。その点、LH&Rは純粋にジャズ・コーラスの持つ楽しさがビンビンに伝わってくるのが魅力です。

そんなLH&Rを代表するアルバムが本作『The Hottest New Group In Jazz』です。アルバム・タイトルが全てを言い表していますね。僕は「Charleston Alley」「Moanin'」という冒頭2曲で本作の虜になってしまいました。

アルバムに"with Ike Isaacs Trio, The featuring Harry Edison"のクレジットもある通り、Gildo Mahones(p)、Ike Isaacs(b)、Walter Bolden(ds)というIke Isaacs Trioがバックを務め、さらにHarry "Sweets" Edison(tp)がゲストとして参加しています。

ホットなジャズ・コーラスの持つワクワク感を満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Charleston Alley」
Annie Rossの女性ヴォーカルとHarry "Sweets" Edisonのミュート・トランペットと共にスタートするオープニング。本作の持つ小粋なジャズ・フィーリングとLH&Rの素晴らしいコーラス・ワークを満喫できる1曲です。全体的に華やかな感じがいいですね。Jon Hendricks/Leroy Kirkland/Horace Henderson作。
http://www.youtube.com/watch?v=CTBkZkc1F4I

「Moanin'」
Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染み、ファンキー・ジャズを代表するBobby Timmons作の名曲にJon Hendricksが歌詞をつけたもの。モーニングよりもミッドナイトが似合う少しビターな味わいが魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=pmAKPHYJMwc

「Twisted」
Annie Ross/Wardell Gray作。Annie Rossのヴォーカルを満喫できる1曲。♪精神分析医は言ったわ、私は狂っているって・・・♪なんて歌われたたらたまりません(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=JXwMgIlmoaM

「Bijou」
Jon Hendricks/Ralph Burns作。実にチャーミングなコーラスにグッときます。ピチカート・ファイヴが影響を受けたというのも頷けます。
http://www.youtube.com/watch?v=wAlwvV19ZvQ

「Cloudburst」
Leroy Kirkland/Jimmy Harris作。LH&Rの真髄を存分に味わえる1曲。ジャズ・コーラスの素晴らしさを再認識できます。The Pointer Sistersもデビュー・アルバム『The Pointer Sisters』(1973年)でカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=LDbAsndZGW0

「Centerpiece」
Jon Hendricks/Harry Edison作。本作のゲストHarry "Sweets" Edisonの作品。ここでは主役の座をEdisonに譲り、コーラスも控えめです。
http://www.youtube.com/watch?v=QVpW490YCaU

「Gimme That Wine」
Jon Hendricksのオリジナル。タイトルの通り、酔っ払いソングです。飲まずにいられない心境をコミカルな雰囲気で歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=EJnQoi8DSE8

「Sermonette」
Jon Hendricks/Cannonball Adderley作。Nat Adderley『To The Ivy League From Nat』で初めて取り上げられたCannonball Adderley作品。LH&Rに加え、Harry EdisonやIke Isaacs Trioの小粋な演奏もいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=Xy6GCWN70fk

「Summertime」
お馴染みのGershwinをカヴァー。ここでは帝王Miles Davis & Gil Evansのヴァージョン(アルバム『Porgy and Bess』収録)がベースになっているようです。
http://www.youtube.com/watch?v=vVWVMUP5ok4

「Everybody's Boppin'」
ラストはJon Hendricksのオリジナル。タイトルの通り、ハイテンポで弾けまくります。このスピード感もLH&Rの魅力なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=wcTvx7idknQ

興味がある方は、Lambert, Hendricks & Rossの他作品やLambert, Hendricks & BavanJon HendricksAnnie Rossの作品もチェックしてみて下さい。

Lambert, Hendricks & Ross『Sing a Song of Basie』(1957年)
Sing a Song of Basie

Lambert, Hendricks & Ross『Sing Along With Basie』(1958年)
シング・アロング・ウィズ・ベイシー

Lambert, Hendricks & Ross『The Swingers!』(1959年)
ザ・スインガーズ!

Lambert, Hendricks & Ross『Sing Ellington』(1960年)
Sing Ellington (Duke)

Lambert, Hendricks & Bavan『Live At Basin Street East』(1963年)
Basin Street East

Lambert, Hendricks & Bavan『At Newport '63』(1963年)
At Newport 63

Lambert, Hendricks & Bavan『Havin' a Ball at the Village Gate』(1964年)
Having a Ball at the Villa

Jon Hendricks『Salud! Joao Gilberto Originator of the Bossa Nova』(1963年)
ジャイヴ・サンバ~ジョアン・

Jon Hendricks『Tell Me the Truth』(1975年)
テル・ミー・ザ・トゥルース

Annie Ross『Sings A Song With Mulligan!』(1959年)
Sings a Song With Mulligan

Annie Ross『A Handful of Songs』(1963年)
A Handful of Songs

Annie Ross & Pony Poindexter『Annie Ross & Pony Poindexter』(1967年)
オール・ブルース

Georgie Fame, Annie Ross, Hoagy Carmichael『In Hoagland』(1981年)
In Hoagland
posted by ez at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする