2011年08月10日

Kenny Dorham『Afro-Cuban』

"動のケニー"はクラブジャズ・シーンでも人気!☆Kenny Dorham『Afro-Cuban』
アフロ・キューバン
録音年:1955年
ez的ジャンル:ジャズ・メッセンジャーズ系アフロ・キューバン・ジャズ
気分は... :1955年の演奏なんてシンジラレナイ・・・

今回はアフロ・キューバン・ジャズ作品Kenny Dorham『Afro-Cuban』(1955年)です。

ジャズ・トランペッターKenny Dorham(1924-1972年)の紹介は、『Quiet Kenny』(1959年)に続き2回目となります。

前回紹介した『Quiet Kenny』(1959年)が"静のケニー"を代表する作品であるのに対して、今回紹介する『Afro-Cuban』(1955年)は"動のケニー"を代表する作品です。

タイトルの通り、本作はDorhamがアフロ・キューバン・ジャズにアプローチした作品です。

1950年代半ばの作品ですが、クラブジャズ・シーンでも評価が高い作品ですね。特にオープニングの「Afrodisia」は、大人気のジャズ・ダンス・クラシックです。

本作はオリジナルLPのA面を占める1955年3月29日録音のセッションとB面を占める1955年1月30日録音のセッションから成ります。

1955年3月29日のセッションは、Kenny Dorham(tp)、 J.J. Johnson (tb)、Hank Mobley(ts)、Cecil Payne(bs)、Horace Silver(p)、Oscar Pettiford(b)、Art Blakey(ds)、Patato Valdes(conga)、Richie Goldberg(cowbell)というメンバーです。

1955年1月30日のセッションは、Kenny Dorham(tp)、Hank Mobley(ts)、Cecil Payne(bs)、Horace Silver(p)、Percy Heath(b)、Art Blakey(ds)というメンバーです。

Art BlakeyHorace SilverHank MobleyKenny DorhamというJazz Messengersのメンバーが揃っているのも注目ですね。

2つのセッションのうち、1955年3月29日録音のセッションがアフロ・キューバンな演奏を満喫できます。

とても50年代半ばとは思えない、洗練された演奏に驚かされる1枚です。

Gigi Gryce作「Basheer's Dream」以外はKenny Dorhamのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Afrodisia」
クラブジャズ・シーンで大人気のジャズ・ダンス・クラシック。日本を代表するクラブジャズ・バンドquasimodeもカヴァーしていますね。50年代半ばにこんなにヒップなジャズが演奏されていたことが驚きですね。特にリズム隊が完璧にクラブジャズしています!文句なしのオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=7myLXPUBB_w

「Lotus Flower」
『Quiet Kenny』に収録の「Lotus Blossom」と曲名が似ていてややこしいですが、こちらはライトなラテン・リズムが心地好い素敵なバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=AueNA-2sZ0c

「Minor's Holiday」
「Afrodisia」と並びクラブジャズ・ファンを歓喜させる1曲。突き抜けるリズムと4管の魅力が上手く融合したヒップな仕上がりです。ジャズ・ファンは『The Jazz Messengers at the Cafe Bohemia, Vol. 1』(1955年)での演奏もお馴染みかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=zwPU-LZi7F4

「Basheer's Dream」
ラテンの熱気が伝わってくる演奏です。アフロ・キューバン・ジャズの魅力を存分に満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=ppy-k9HFzSE

ここまでが1955年3月29日のセッションです。

「K.D.'s Motion」
ここからは1955年1月30日録音です。本曲はそれまでの熱いラテンから一転し、スウィンギーで小粋な演奏を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=4DTd6Sqjrns

「The Villa」
Art Blakeyのドラム・ソロと共にスタートする小気味良い1曲。疾走感のある演奏はなかなかグッときます。Dorhamの快調なソロにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=kjBSy2iDp7A

「Venita's Dance」
ラストは小粋なホーン・アンサンブルを満喫できます。

『Quiet Kenny』(1959年)
Quiet Kenny
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2010年12月22日

Chet Baker『It Could Happen To You』

独特の雰囲気を醸し出すBakerのヴォーカルを堪能できるスタンダード集☆Chet Baker『It Could Happen To You』
イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー~チェット・ベイカー・シングス
録音年:1958年
ez的ジャンル:モテ男系ウェストコースト・ジャズ
気分は... :あとは自分の気持ち次第!

今日はサラッと聴くことができるアルバムを聴きたい気分です。

ウェストコースト・ジャズを代表するトランペット奏者&ヴォーカリストChet Bakerの2回目の登場です。

『Chet Baker Sings And Plays』(1955年)に続いて紹介するのは、1958年録音の『It Could Happen To You』です。

Riverside録音の第1弾アルバムとなる本作は、Bakerのヴォーカルとトランペット・ソロを前面に押し出したスタンダード集です。

Bakerの中性的なヴォーカルは、決して上手いとは言えませんが、独特のセクシーさを醸し出していますよ。この雰囲気はBakerにしか出せない唯一無二のものですね。

レコーディング・メンバーは、Chet Baker(tp、vo)、Kenny Drew(p)、George Morrow(b)、Sam Jones(b)、Philly Joe Jones(ds)、Dannie Richmond (ds)という編成です。特にKenny Drewの貢献が大きいと思います。

特別なことをしている印象は受けませんが、そのさり気なさが魅力のアルバムです。コンパクトながらも気の効いたバッキングもグッドです!

Bakerワールドを存分に堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Do It The Hard Way」
ブロードウェイ・ミュージカル『Pal Joey』挿入歌(Lorenz Hart/Richard Rodgers作品)。Frank Sinatraヴァージョン等でも有名です。Kenny Drewの小粋なピアノに先導されてBakerが魅惑の下手ウマ・ヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1VWOO4U0ABs

「I'm Old Fashioned」
ミュージカル映画『You Were Never Lovelier(晴れて今宵は)』(1942年)で使われたJohnny Mercer作詞/Jerome Kern作曲のスタンダード。当ブログではJohn Coltraneのカヴァーを紹介済みです。ここではDrewの美しいタッチのピアノに合わせて、Bakerがムーディーに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=WcfZ3pjRgsg

「You're Driving Me Crazy」
1930年作のブロードウェイ・ミュージカル『Smiles』のために書かれた作品(Walter Donaldson作)。スウィンギーなノリがグッド!ここでようやくBakerのトランペットを聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=GpGoxarhBVQ

「It Could Happen To You」
タイトル曲は1944年作のミュージカル・コメディ映画『And the Angels Sing』のために書かれた作品(Johnny Burke作詞/Jimmy Van Heusen作曲)。上手くない分、逆に情感が伝わってくる感じが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=WfGcJ-0Yr84

「My Heart Stood Still」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作品の2曲目。1927年のミュージカル『One Dam Thing after Another』のために書かれた曲。Bakerのヴォーカル&トランペットをバランス良く堪能できます。 Drewのピアノ・ソロもグッド!

「The More I See You」
Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲。映画『Diamond Horseshoe』(1945年)のために書かれた曲。個人的には一番のお気に入り。軽快な演奏とBakerの線の細いヴォーカルがマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=_eelPdIB2eI

「Everything Happens To Me」
Tom Adair/Matt Dennis作。Bakerのセクシーさを存分に堪能できるバラード。技量云々を超越したBakerのヴォーカルの持つ不思議な魅力に吸い寄せられます。
http://www.youtube.com/watch?v=TRhOD4u_tCM

「Dancing On The Ceiling」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作品の3曲目。1930年のミュージカル『Ever Green』のために書かれた曲。バックの演奏も含めてセンス抜群ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=PbKUEt2yh9k

「How Long Has This Been Going On?」
Ira Gershwin作詞、George Gershwin作曲。1928年のミュージカル『Funny Face』のために書かれた曲。ヴォーカル良し!トランペット良しの素敵なバラードに仕上がっています。

「Old Devil Moon」
1947年のミュージカル『Finian's Rainbow』のために書かれた曲(E.Y. Harburg作詞/Burton Lane作曲)。Philly Joe Jonesのドラムを中心とした軽快な演奏が印象的です。

CDにはボーナス・トラックとして「While My Lady Sleeps」(Gus Kahn/Bronislaw Kaper作)、「You Make Me Feel So Young」(Mack Gordon/osef Myrow作)が収録されています。

『Chet Baker Sings And Plays』(1955年)
Chet Baker Sings and Plays with Bud Shank, Russ Freeman and Strings
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2010年06月24日

Kenny Burrell & John Coltrane『Kenny Burrell & John Coltrane』

双頭クインテットによる豪華セッション☆Kenny Burrell & John Coltrane『Kenny Burrell & John Coltrane』
ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン
録音年:1957年
ez的ジャンル:双頭クインテット系ハードバップ
気分は... :奇跡のロスタイム決勝弾!

サッカーW杯のグループCの最終戦は劇的でしたね。
多くの人がイングランドの勝利に一安心したところに、米国が奇跡のロスタイム決勝弾で16強入りを決めました。たまたま米国の劇的ゴールを生中継で目撃でき、「日本対カメルーン」戦以来の興奮の雄叫びをあげてしまいました(笑)

間もなく始まるグループDも大混戦ですね。
果たしてドイツは大丈夫なのでしょうか?

今回はKenny Burrell(g)とJohn Coltrane(ts)の共演作品『Kenny Burrell & John Coltrane』(1957年)です。

今日は1年以上John Coltrane作品を紹介していないので、最初『Soultrane』(1957年)あたりを紹介しようと思いましたが、同じ聴きやすいColtrane作品ならばギター入りのコチラの方が今の気分にマッチしていたので本作をセレクト!

ジャズの求道者John Coltrane作品の紹介は7回目の登場です。
これまで紹介してきたColtrane作品は以下の6枚です。

 『Blue Train』(1957年)
 『My Favorite Things』(1960年)
 『Ballads』(1962年)
 『Impressions』(1961年、62年、63年)
 『Kulu Se Mama』(1965年)
 『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)

そして、もう一人の主役Kenny Burrellの紹介は初めてとなります。

サイドメンとしての参加作品もBev Kelly『Love Locked Out』(1959年)くらいしか紹介していないと思います。自分ではあまり意識していませんでしたが、Kenny Burrell絡みの作品をあまり所有していないのかもしれません。

Kenny Burrellは1931年ミシガン州デトロイト出身のジャズ・ギター奏者。Dizzy GillespieやOscar Petersonとの共演で腕を磨き、1956年には初リーダー作『Introducing Kenny Burrell』をレコーディングしています。その後も代表作『Midnight Blue』(1967年)をはじめとするリーダー作をレコーディングすると同時に、サイドメンとしても数多くのレコーディングに参加し、そのブルージーなギター・プレイを披露しています。

さて、本作『Kenny Burrell & John Coltrane』ですが、上昇気流に乗っていた二人の顔合わせといった感じだったのですかね?

僕の中ではKenny Burrellというスペシャル・ゲストを招いたColtrane作品というイメージが強いのですが、実際にはその逆でKenny Burrellメインという色合いの方が強いのかもしれませんね。

レコーディング・メンバーはKenny Burrell(g)、John Coltrane(ts)、Tommy Flanagan(p)、Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds)というクインテット編成です。この中では双頭リーダーのつなぎ役として、Tommy Flanaganの存在が大きいと思います。

Coltrane作品として聴いた場合、単独リーダー作以上にリラックスした雰囲気があると同時に、BurrellやFlanaganのスムーズな演奏が全体をより聴きやすいものにしていると思います。その意味では、『Soultrane』あたりと並びColtrane入門作品に適しているのでは?

全曲紹介しときやす。

「Freight Trane」
Tommy Flanagan作品。紛らわしいタイトルですが「Freight Train」ではなく「Freight Trane」です(笑)。スピード感溢れるテンポの良さが魅力です。BurrellとColtraneのユニゾンに続き、Coltraneのテナーが快調にColtrane節を聴かせてくれます。それに続くBurrellのギター、Flanaganのピアノが実に小気味良くていいですね。Chambersのベース・ソロも入り、本セッションのメンバーお披露目的な楽しさもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=no4U_-NDV7Y

「I Never Knew」
Gus Kahn/Ted Fio Rito作のスタンダードをカヴァー。全体的にリラックスした雰囲気がいいですね!Burrellの軽やかにメロディを奏でるギターを堪能できます。Coltraneのテナーもクネクネしていますが聴きやすいです(笑)。主役の二人に混じり、Flanaganが実に気の利いたピアノを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=oufgQARY3JQ

「Lyresto」
Kenny Burrell作品。本作の中では比較的目立たない存在ですが、実にハードバップらしい演奏が魅力です。ChambersとCobbのリズム隊の推進力がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=QY3U756o7jM

「Why Was I Born?」
舞台「Sweet Adeline」のために書かれたOscar Hammerstein II/Jerome Kern作のスタンダードをカヴァー。BurrellとColtraneの共演ということで言えば、2人のみのデュオかつアルバム唯一のバラードとなる本演奏がアルバムのハイライトでしょうね。本曲狙いでアルバム購入された方も多いのでは?ただただ美しくムーディーなバラード演奏を堪能しましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=ofRaeRBcK1Q

「Big Paul」
ラストはTommy Flanagan作のブルース作品。Chambersのイントロに続き、作者Tommy Flanaganの小粋なピアノ・ソロを存分に楽しめます。ここでのColtraneのソロは正直少し退屈な気もします。それとは対照的にBurrellのギターは本演奏のブルージーな流れと実にマッチしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=gU9Gr-3h6k4 ※Part1
http://www.youtube.com/watch?v=r6nfcxvju_k ※Part2

Kenny BurrellJohn ColtraneTommy Flanaganの共演で言えば、『The Cats』(1957年)もありますね。僕は未聴ですが。

『The Cats』(1957年)
ザ・キャッツ
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2010年05月07日

Anita O'Day『Anita O'Day Swings Cole Porter with Billy May』

Billy May楽団をバックにしたCole Porter集☆Anita O'Day『Anita O'Day Swings Cole Porter with Billy May』
Anita O'Day Swings Cole Porter with Billy May
録音年:1959年
ez的ジャンル:奔放系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :イラっとするけど...

昨日は小さなイラっとすることが重なった結果、大きなイライラとなり爆発しそうです!
悪循環に陥らないように少し頭をクールダウンしないと・・・

そんな状態でCD棚を物色していて何気なく手にしたのが今日の1枚、Anita O'Day『Anita O'Day Swings Cole Porter with Billy May』(1959年)です。

偉大な女性ジャズ・シンガーAnita O'Dayの紹介は、『This Is Anita』(1956年)に続き2回目となります。

タイトルの通り、Billy May楽団をバックに従えたCole Porter作品のカヴァー集です。

Anita O'Dayのアルバムと言えば、『This Is Anita』『Anita Sings the Most』(1957年)の2枚が有名ですが、聴き易さという点では本作あたりから入るのもいいかもしれませんね。僕のような永遠のジャズ初心者向けにもフィットする作品です。

お馴染みのスタンダードがズラリと並ぶ分、Anita O'Dayの個性が浮き彫りになり、彼女のヴォーカルを存分に堪能できると思います。

Anita O'Dayの奔放なヴォーカルが魅力的なのは勿論のこと、それを支えるBilly May楽団の演奏もなかなかエキサイティングです。アップテンポのスウィンギーな演奏も多く、スタンダード集にありがちな一本調子で中だるみすることがないのがいいですね。正統派ジャズ・ファン以外にクラブジャズ好きの人が聴いてもそれなりに楽しめると思います。

Cole Porterの名曲の数々とAnita O'Dayのヴォーカルの相性はバッチリですよ!
Cole Porter作品を整理する機会にもなります!

全曲紹介しときやす。

「Just One of Those Things」
オープニングは1935年のミュージカル『Jubilee』挿入歌。Billy May楽団のスウィンギーな演奏をバックにAnita姉さんもノッっている感じが伝わってきます。かなりグッドなつかみなのでは?

「Love for Sale」
1930年のミュージカル『The New Yorkers』挿入歌。多くのジャズ・ミュージシャンがカヴァーしている人気曲ですね。当ブログでもJorge DaltoGene HarrisDexter Gordonのカヴァーを紹介済みです。でも当時は歌詞の内容が過激で放送禁止だったようですね。そんな刺激的な歌がAnitaのキャラにバッチリはまっている気がします。

「You'd Be So Nice to Come Home To」
1943年のミュージカル映画『Something To Shout About』のために書かれたものです。この曲と言えば、Clifford Brownの演奏をバックに歌うHelen Merrillのカヴァーがあまりにも有名ですね。でもAnita姉さんのヴァージョンもいい雰囲気でグッときますよ。Helen Merrillヴァージョンと聴き比べるのも楽しいですね。

「Easy to Love」
1936年のミュージカル映画『Born To Dance』挿入歌。ウォーキングベースとAnitaの絡みがグッド!聴いていると、何故か昭和の銀座の夜の映像が思い浮かんできます。

「I Get A Kick Out Of You」
1934年のミュージカル『Anything Goes』挿入の有名曲。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。スピード感溢れるスウィンギーな演奏&ヴォーカルはクラブジャズ・ファンが聴いてもグッとくるのでは?

「All of You」
1936年のミュージカル『Silk Stockings』挿入の有名曲。個人的には当ブログで紹介したMiles DavisBill Evans Trioのカヴァーを愛聴しています。Anitaヴァージョンは軽快な仕上がりが実に小粋です。

「Get Out of Town」
1938年のミュージカル『Get Out of Town』挿入歌。Ella Fitzgeraldヴァージョンが有名なようですが、Anitaヴァージョンもドラマチックでいいですよ!

「I've Got You Under My Skin」
1936年のミュージカル映画『Born To Dance』挿入歌。Frank SinatraやThe Four Seasonsなど数多くのアーティストがカヴァーしているスタンダード。当ブログでも先日紹介したばかりのJoe HendersonSonny RollinsDinah Washingtonのカヴァーを紹介済みです。Anitaヴァージョンは軽くラテン・テイストが入っているのがいいですね。

「Night and Day」
数あるCole Porter作品の中でも一番有名な曲かもしれませんね。元々は1932年のミュージカル『Gay Divorce』のために書かれたものです。当ブログではJoe HendersonTracey ThornLennie Dale & Sambalanco TrioSergio Mendes & Brasil '66のカヴァーを紹介済みです。Anitaヴァージョンはスピーディー&スウィンギーで実にスリリングです。

「It's De-Lovely」
1936年のミュージカル『Red Hot and Blue』挿入歌。今回聴き直してみて結構グッときたのがこの曲。50年代女性ジャズ・ヴォーカルの魅力がギュッと詰まっています。

「I Love You」
1944年のミュージカル『Mexican Hayride』挿入歌。Anita O'DayとBilly May楽団の共演らしい出来栄えです。

「What Is This Thing Called Love?」
1929年のレヴュー『Wake Up And Dream』挿入歌。当ブログではBill Evans Trioのカヴァー(アルバム『Portrait In Jazz』)を紹介済みです。Anitaヴァージョンはスリリングかつエレガントな仕上がりで、「I Get A Kick Out Of You」と並ぶ僕のお気に入りです。

CDにはオリジナル12曲に加えて、「You're the Top」(1955年録音)、「My Heart Belongs to Daddy」(1959年録音)、「Why Shouldn't I?」(1960年録音)、「From This Moment On」(1955年録音)、「Love for Sale」(1952年録音)、「Just One of Those Things」(1954年録音)というボーナス・トラック6曲が追加収録されています。

本作を気に入った方はAnitaとBilly Mayの共演第2弾『Anita O'Day And Billy May Swing Rodgers And Hart』 (1960年)もセットでどうぞ!タイトルの通りRichard Rodgers/Lorenz Hartコンビの楽曲をカヴァーした作品です。

『Anita O'Day And Billy May Swing Rodgers And Hart』 (1960年)
アニタ・オデイ・アンド・ビリー・メイ・スウィング・ロジャース・アンド・ハート(紙ジャケット仕様)
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2010年03月22日

John Lewis & Sacha Distel『Afternoon In Paris』

"パリの昼下がり"に似合う小粋なジャズ☆John Lewis & Sacha Distel『Afternoon In Paris』
AFTERNOON IN PARIS
録音年:1956年
ez的ジャンル:フレンチ・ジャズ+MJQ
気分は... :久々に50年代を!

今年に入って50年代カテゴリーから1枚もセレクトしていなかったので、今回は50年代ジャズ作品の中から1枚!

セレクトしたのはModern Jazz QuartetのリーダーJohn Lewisとフランス人ミュージシャンSacha Distelの共演アルバム『Afternoon In Paris』です。

以前からパリに対する強い思いを抱いていたJohn Lewisがフランスの人気ジャズ・ミュージシャン達とパリと録音した作品が本作『Afternoon In Paris』です。

もう一人の主役Sacha Distel(1933–2004年)については詳しく知らないのですが、ギタリストのみならずシンガーしても人気を博し、俳優としても活動していたミュージシャンのようです。

レコーディング・メンバーはJohn Lewis(p)、Sacha Distel(g)、Barney Wilen(ts)、Pierre Michelot(b)、Percy Heath(b)、Connie Kay(ds)、Kenny Clarke(ds)。オリジナルLPのA面3曲のリズム隊がPierre MichelotとConnie Kay、B面3曲がPercy HeathとKenny Clarkeとなっています。

Milt Jacksonを除く新旧Modern Jazz Quartetメンバーとフランス人若手ミュージシャンの共演といったところです。

この中で本来の主役であるJohn LewisSacha Distel以上に目立っているのが、テナー・サックスのBarney Wilenです。

Barney Wilenは本作の翌年にMiles Davisが音楽を担当した映画『Ascenseur Pour L'Echafaud(邦題:死刑台のエレベーター)』のレコーディングに参加し一躍脚光を浴びることになりますが、本作でもBarneyの若々しい演奏に魅了されます。

全体としてはJohn Lewisの持つクラシカルなエッセンスとフランス人ミュージシャンのセンスの良さが上手く融合し、まさに"パリの昼下がり"といった雰囲気の小粋なジャズ作品に仕上がっています。

Sacha Distelも主役にはなりきれていませんが、彼の気の利いた演奏が全体の調和を上手くもたらしており、その意味で本作に欠かせない存在になっていると思います。

エッフェル塔をバックにトレンチコート姿で佇むLewisとSachaの二人にトリコロール・カラーを重ねたジャケも大好きです。

全曲紹介しときやす。

「I Cover The Waterfront」
Edward Heyman作詞、Johnny Green作曲のスタンダード(1933年作)。John Lewisらしいクラシカルなムードのピアノでスタートし、Sachaのロマンティックなギターを経て、Barneyの小粋なテナーに魅了されます。主役は完璧にBarneyですね。最後はLewisがエレガントに締め括ってくれます。

「Dear Old Stockholm」
Stan Getzの演奏で有名なスウェーデン民謡(原曲は「Ack Varmeland Du Skona」、「Warmland」の題名で表記されることもあります)。当ブログでは以前にMiles Davis『'Round About Midnight』のヴァージョンを紹介しています。ここではLewisのピアノ、Barneyのテナーサックス、Sachaのギター、Michelotのベースが無伴奏で交錯する気品あるテーマとBarneyやDistelがスウィングするソロ・パートのコントラストが印象的です。フレンチ・ジャズらしい洗練を感じる演奏です。

「Afternoon In Paris」
本作のために用意したJohn Lewisのオリジナル。まさにパリの昼下がりといったムードテーマに続き、Barney→Sacha→Lewis→Michelotの順にソロが展開します。それまでのエレガントムードもお構いなしのBarneyのテナーと、再びエレガントムードに引き戻すSachaの円やかのギターの対比が面白いですね。

「All The Things You Are」
Oscar Hammerstein II作詞、Jerome Kern作曲。1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために書かれた楽曲です。本作のハイライトとしてBarneyのプレイが冴え渡る本曲を挙げる方も多いのでは?美しいLewisのピアノに続き、ハードボイルドな格好良さに溢れたBarneyのソロを堪能できます。ここからリズム隊がPercy Heath & Kenny Clarkeとなりますが、彼らのスウィンギーな推進力も聴き逃せません。

「Bag's Groove」
Milt Jackson作品。当ブログでは以前にMiles Davis『Bag's Groove』のヴァージョンを紹介したことがあります。ここでは唯一参加していないMJQメンバーを気遣ったのでしょうか(笑)。ここではLewisの小粋なピアノにグッときます。Percy Heath & Kenny Clarkeのリズム隊もかなりいい感じです。結果的にはMJQメンバーが目立つ演奏になっていますね。

「Willow Weep For Me」
「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード(Ann Ronnell作品)。女性作曲家Anne RonellがGeorge Gershwinに捧げた曲です。当ブログではDexter GordonWynton Kelly『Kelly Blue』Red GarlandClifford BrownWes Montgomeryのヴァージョンを紹介済みです。

本ヴァージョンはいかにもJohn Lewisらしいクラシカルな演奏を堪能できます。本作のムードに相応しいかは別として、John Lewis絡みのアルバムならばこの手の演奏は1曲は聴きたいですよね。

僕の所有CDはオリジナル6曲のみですが、最近のCDにはボーナス・トラックとして「Little Girl Blue」と「D&E」の2曲が追加収録されているようです。
posted by ez at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする