2009年12月13日

Bev Kelly『Love Locked Out』

ジャケも中身も実にスタイリッシュ!☆Bev Kelly『Love Locked Out』
ラヴ・ロックト・アウト
録音年:1959年
ez的ジャンル:女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :ジャケ買い大正解でした!

今回は女性ジャズ・シンガーBev Kellyのアルバム『Love Locked Out』(1959年)です。

Bev Kelly(Beverly Kelly)は、1934年オハイオ州生まれの女性ジャズ・シンガー。

1954年にピアニストPat Moranのグループに参加し、『The Pat Moran Quartet』(1956年)等のレコーディングに参加しています。1957年にはPat Moranのトリオをバックに初リーダー作『Beverly Kelly Sings』をレコーディングしています。ちなみに『Beverly Kelly Sings』でベースを弾いていたのは、後にBill Evans Trioで活躍するScott LaFaroです。

その後Pat Moranから独立し、Riversideでレコーディングの機会を得ます。これを機にBeverly KellyではなくBev Kellyと表記するようになりました。同時代に活躍していた女性ジャズ・シンガーBeverly Kenney(1932-1960年)と名前が似ていたため、混同されないようにこのような表記になったようです。

Riversideから『Love Locked Out』(1959年)、『In Person』(1960年)という2枚のアルバムをリリースしたものの、これを最後にシーンから突如消えてしまいました。前述のBeverly Kenneyも1960年に死去しており、二人のBeverlyが同時期にジャズ・シーンから居なくなったというのは奇妙な運命ですね。

後年、1959年にレコーディングされた『You Go To My Head』というアルバムもリリースされています。

正直、本作を購入するまでBev Kelly(Beverly Kelly)というシンガーについて全く知りませんでした。本作を購入したのも印象的なジャケに魅了されゲットしたものでした。

上記のジャケ写真では帯があるのでわかりづらいですが、50年代のアルバムでこれほどスタイリッシュなジャケってなかなか無いですよね。

帯のないジャケのイメージはこんな感じです。
Love Locked Out

レコーディングにはBev Kelly(vo)以下、Jimmy Jones(p)、Kenny Burrell(g)、Milt Hinton(b)、Roy Haynes(ds)、Jerome Richardson(fl、ts)、Osie Johnson(ds)、Harry Edison(tp)、Johnny Cresci(ds)というメンバーが参加しています。有名どころではKenny Burrellの参加が目立ちますね。

ジャケに負けず中身もスタイリッシュです。何よりBev Kellyがジャズ・ヴォーカリストとして魅力的なのがいいですね。曲ごとに様々な表情のBevのヴォーカルに出会うことができます。

メジャーなジャズ・ヴォーカリストではありませんが、ジャズ初心者の方でも十分楽しめるジャズ・ヴォーカル・アルバムです。

全曲を紹介しときやす。

「My Ship」
Ira Gershwin作詞、Kurt Weill作曲のスタンダード。元々はミュージカル『Lady In The Dark』の挿入歌です。当ブログでは以前にMiles Davisのカヴァーを紹介しています(アルバム『Miles Ahead』収録)。

このムーディーなバラードを聴いて、"ジャケ買い大正解!"と確信した次第です。レイジー&キュートなBevのヴォーカルとそれを優しく包み込むバックが実に調和しています。

「Lost April」
Nat King Coleなどが取り上げたEddie DeLange/Hubert Spencer/Emil Newman作品。実に表情豊かなヴォーカルを聴かせてくれます。セクシー・ムードがムンムンなのもいいですね。Harry Edisonのトランペットが盛り上げてくれます。

「Lonelyville」
Hal Hackaday/Walter Marks作品。哀愁モードの曲ですが、ジャズ・ヴォーカルらしくカラっとした感じがいいですね。

「I'm Gonna Laugh You Right out of My Life」
Nat King Coleなどが取り上げたJoseph Allan McCarthy/Cy Coleman作品。Milt HintonのベースがBevのヴォーカルを先導する感じがいいですね。淡々とした中にもジャズ・ヴォーカルらしい味わいを堪能できます。

「Weak for the Man」
Jeanie Burns作品。思わせぶりなBevのヴォーカルのメロメロです。こんな雰囲気で女性に甘えられたら、何でも言う事きいてあげちゃいそうです(笑)

「Love, Look Away」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein IIの名コンビによるミュージカル『Flower Drum Song』(1958年)挿入歌のカヴァー。ここではロマンティック&プリティな雰囲気が相当グッときます。特に女性が気に入るカヴァーという気がします。

「Thursday's Child」
Elisse Boyd/Murray Grand作品。タイトルはマザーグースからとったものらしいです。落ち着いた中にもドリーミーな雰囲気が漂います。

「Love Locked Out」
タイトル曲はMax Kester Dodgson/Ray Noble作品。Bevのキュートな魅力を堪能できるバラードです。

「Away from Me」
David Ward作品。哀愁モードの絶品バラード。純粋にジャズ・ヴォーカリストとしてのBevを堪能するのであればこの曲が一番かも?リリカルなJimmy JonesのピアノやKenny Burrellのギターによるサポートもバッチリです。

「Fool That I Am」
1946年に作られたFloyd Hunt作品。Etta Jamesのカヴァーで有名ですね。若いリスナーの方はAdeleのライブ・カヴァーを聴いた方もいるのでは?表情豊かなヴォーカルを楽しめるのが僕好みです。

Adele「Fool That I Am」
http://www.youtube.com/watch?v=xgrL5P-DaiM

「Gloomy Sunday」
「暗い日曜日」という邦題で知られる1933年にハンガリーで発表された楽曲です。ハンガリーや世界中で本作を聴いて数百人が自殺したと言われ、自殺ソングとして有名な曲です。Bevのヴァージョンは哀愁感は漂いますが、自殺ソングという雰囲気ではありませんね。

「Gloomy Sunday」は自殺ソングと呼ばれているにも関わらず、1936年の発表されたフランスのシャンソン歌手Damiaのカヴァーで世界中に広まったのをはじめ、数多くのアーティストがカヴァーしています。当ブログで紹介したアーティストだけで見ても、Sarah VaughanElvis CostelloSerge GainsbourgBjorkPortisheadがカヴァーしています。

Billie Holiday「Gloomy Sunday」
 http://www.youtube.com/watch?v=48cTUnUtzx4
Portishead「Gloomy Sunday」
 http://www.youtube.com/watch?v=iyKXEdnN8b4
Sarah McLachlan「Gloomy Sunday」
 http://www.youtube.com/watch?v=sjWMtQcNJXI

YouTubeに本作の音源は全くアップされていないのですが、唯一あった他作品の音源でBevの歌声をご確認下さい。

Beverly Kelly「Lover Come Back To Me」(From 『Beverly Kelly Sings』)
 http://www.youtube.com/watch?v=AdY-LEE7Kt4
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2009年11月03日

Kenny Dorham『Quiet Kenny』

秋の夜には静かなる男がよく似合う!☆Kenny Dorham『Quiet Kenny』
Quiet Kenny
録音年:1959年
ez的ジャンル:いぶし銀系ハードバップ
気分は... :静かなるケニー

今日はジャズ気分です。
ということで、Kenny Dorham『Quiet Kenny』(1959年)をセレクト。

Kenny Dorham(1924-1972年)はテキサス出身のジャズ・トランペッター。Billy Eckstine、Dizzy Gillespie、Lionel Hampton等のビッグ・バンドやCharles Parkerのグループなどの活躍しました。Art BlakeyのJazz Messengersの初代メンバーとしても活動し、Messengers退団後の1950年代半ばには自身のグループJazz Profetsを結成しています。

1950年代半ばから1960年代半ばにかけてコンスタントにレコーディングを行っていますが、1972年に腎臓病により死去しています。

僕のKenny Dorhamに対するイメージは"いぶし銀"って感じですかね。
当ブログで紹介した『Page One』『In 'N Out』といったJoe Henderson作品での印象が強いので、余計にそんなイメージなのかもしれません。

多分、僕がKenny Dorhamの名前を初めて意識したのは、『Page One』収録の名曲「Blue Bossa」の作者としてかもしれません。Hendersonの初リーダー作のためにDorhamが書き下ろした哀愁ボッサは今でも大好きな曲です。

Dorhamのリーダー作ということになると、やはり『Afro-Cuban』(1955年)と『Quiet Kenny』(1959年)の2枚ですかね。ジャズ・ファンはご存知の通り、前者は"動のケニー"、後者は"静のケニー"を代表する作品ですね。

今回は秋に似合う"静のケニー"『Quiet Kenny』(1959年)をセレクトしました。

メンバーはKenny Dorham(tp)、Tommy Flanagan(p)、Paul Chambers(b)、Art Taylor(ds)というワン・ホーン編成です。

日本ではかなり人気のあったアルバムらしいですね。
その分、ジャズ・ファンによる手厳しい意見もあるみたいですが。

僕のような"永遠のジャズ初心者"にとっては、とても聴きやすいアルバムですね。決して派手さはないですが、逆にそこがいい気がします。Kenny Dorhamというミュージシャンの人柄が音に滲み出ている感じが好きです。

人情味溢れる狭い小料理屋で一杯やるような喜びを感じる作品ですね。

全曲紹介しときやす。

「Lotus Blossom」
邦題「蓮の花」。Dorhamのオリジナルですが、数多くのジャズ・ミュージシャンによって演奏されている名曲ですね。Sonny Rollinsなどは「Asiatic Raes」の曲名で演奏していますね。オリジナルはオリエンタル・テイストのクールに疾走する格好良いハードバップに仕上がっています。多少フラフラしながらもクールに疾走するDorham、 エレガントなピアノに惚れ惚れするFlanagan、ドラム・ソロでバシッとキメてくれるTaylorが印象的えですね。やはりアルバムで一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=T2OL7_4Mmt8

「My Ideal」
フランスの人気俳優Maurice Chevalierのハリウッド進出第一弾となった映画『The Playboy of Paris』(1930年)で歌われたスタンダード(Leo Robin/Richard A. Whiting/Newell Chase作)。美しくリリカルなバラードに仕上がっています。抑えた演奏がジャケのDorhamの枯れた雰囲気とマッチしていて好きですね。このシブさがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=fPNDsRwPFug

「Blue Friday」
Dorhamのオリジナル。酒場で酔いどれてグダグダ・モードの気分で聴きたくなる演奏ですね(笑)。Chambersベースに誘われ、Dorhamが雰囲気のあるプレイを聴かせてくれます。

「Alone Together」
1932年のミユージカル『Flying Colors』の挿入歌であったスタンダード(Arthur Schwartz/Howard Dietz作品)。当ブログではDinah Washington『Dinah Jams』収録)、Stanley Turrentine『Easy Walker』収録)のヴァージョンを紹介済みです。ここでは正攻法にスタンダードを聴かせてくれます。哀愁ムードに浸り方はどうぞ!

「Blue Spring Shuffle」
Dorhamのオリジナル。塩辛と日本酒で一杯やりたくなるようなシブい1曲。Chambersのベースが目立っています。

「I Had the Craziest Dream」
1942年の映画『Springtime in the Rockies(邦題:ロッキーの春風)』で歌われたスタンダード(Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲)。「Lotus Blossom」と並んで好きな演奏です。落ち着いた軽やかさって感じが好きですね。Flanaganのソロを聴いているとホッとします。

「Old Folks」
1938年にDedette Lee Hill/Willard Robinsonによって作られたスタンダード。当ブログではMiles Davis『Someday My Prince Will Come』収録)の演奏を紹介済みです。Milesの演奏もそうですが、この曲は男の哀愁感が漂う演奏が似合いますね。その意味ではDorhamにぴったりかも?

「Mack the Knife」
CDのボーナス・トラックとして追加収録されたスタンダード。Bertolt Brecht/Kurt Weillによる『The Threepenny Opera(三文オペラ)』の中の1曲ですね。「Moritat」の曲名でも演奏されています。当ブログではこれまで、Sonny Rollins『Saxophone Colossus』収録)、Jimmy Smith『Crazy! Baby』収録)のヴァージョンを紹介済みです。なかなか小粋な演奏でグッときます。でも"静かなるケニー"というよりも"動き出すケニー"って雰囲気かもしれませんね。

"動のケニー"を聴きたい方は『Afro-Cuban』(1955年)をどうぞ!
『Afro-Cuban』
アフロ・キューバン
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2009年07月31日

Chet Baker『Chet Baker Sings And Plays』

夏に相応しいウェストコースト・ジャズ☆Chet Baker『Chet Baker Sings And Plays』
Chet Baker Sings and Plays with Bud Shank, Russ Freeman and Strings
録音年:1955年
ez的ジャンル:モテ男系ウェストコースト・ジャズ
気分は... :中性的ヴォーカルがグッとくる!

夏気分ということで、ウェストコースト・ジャズが聴きたくなりました。

今回は栄光と挫折のトランペット奏者Chet Bakerのアルバム『Chet Baker Sings And Plays』(1955年)です。

Chet Baker(1929-1988年)は、オクラホマ出身のジャズ・トランペット奏者。

Charlie Parkerに見出され、1952年にウエストコーストのGerry Mulliganのグループに参加し、華やかなデビューを飾ります。翌1953年には自身のコンボを結成し、初のリーダー・セッションを行っています。そして、人気を決定付けたアルバム『Chet Baker Sings』(1954-56年録音)ではヴォーカルも披露しています。

こうしてChet Bakeは瞬く間にウエストコースト・ジャズを代表するトランペット奏者として注目され、当時は帝王Miles Davisをも凌ぐ人気を誇っていたようです。

しかしながら、50年代後半から麻薬問題、傷害事件などのトラブルが続発し、長きにわたり演奏できない状態にあったようです。その後1970年代にカムバックを果たしますが、1988年にオランダ、アムステルダムのホテルの窓から転落し、波乱万丈の人生の幕を閉じました。

僕の中でChet Bakerは、"パシフィック・ジャズ"、"ウエストコースト・ジャズ"といった言葉から受ける眩しい印象も重なり、"色男"、"伊達男"という言葉が似合うモテ男ジャズ・ミュージシャンというイメージが強かったですね。

特に、トランペットに止まらず、ヴォーカルまでこなしてしまうという点に格好良さを感じたものです。それだけに転落死のニュースは衝撃的でした。光と影...両極端な人生だったのかもしれませんね。

そんなChet Bakerの代表作として真っ先に挙げられるのが、おそらく『Chet Baker Sings』(1954-56年)だと思います。「My Funny Valentine」をはじめ、いい曲が揃っていますからね。僕も昔は『Chet Baker Sings』ばかり聴いていました。
『Chet Baker Sings』
チェット・ベイカー・シングス

しかしながら、最近のお気に入りは今日紹介する『Chet Baker Sings And Plays』(1955年)です。この作品は『Chet Baker Sings』に続いて録音されたヴォーカル作品です。

録音は1955年2月28日と同年3月7日の2回に分けて行われ、2月28日に録音された4曲は、Chet Baker(tp、vo)、Russ Freeman(p)、Red Mitchell(b)、Bob Neel(ds)、Bud Shank(fl)、Corky Hale(harp)というメンバーにストリングスを加えた布陣、3月7日に録音された6曲は、Chet Baker(harp)、Russ Freeman(p)、Carson Smith(b)、Bob Neel(ds)という布陣になっています。

Chet Bakerの唯一無二の中性的ヴォーカルと親しみやすいトランペットをコンパクトに堪能できます。特に、本作ではストリングス入りの演奏が4曲あり、アルバム全体としてのメリハリがある点がいいですね。

彼の中性的ヘタウマ・ヴォーカルって不思議な魅力がありますよね。
当時、女の子もキャー、キャー言っていたというのも納得です(笑)

順番から言えば、まずは『Chet Baker Sings』をゲットすべきだと思いますが、ぜひセットで本作を揃えておくことをオススメします。

クールで小粋なウェストコースト・ジャズを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Let's Get Lost」
いきなり本作のハイライト。Frank Loesser作詞、Jimmy McHugh作曲のスタンダード。Frank Sinatra等も歌っていますね。Chet Bakerの死後に公開された自伝的ドキュメンタリー映画のタイトルが『Let's Get Lost』であり、Chetのキャリアを代表するレパートリーと言えるでしょうね。

Russ Freemanの小粋なピアノをバックに、Chetのトランペット&ヴォーカルを堪能できます。さすが伊達男!って感じでキマりすぎの出来栄えです。サバービア好きの方は要チェックの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=Q0ZBaZoBCaA

「This Is Always」
オリジナルは1946年の映画『Little Girls In Blue』のために書かれたもの(Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲)。この曲も様々なジャズ・ミュージシャンがカヴァーしていますが、Cal Tjaderのヴァージョンあたりは僕好みです。Chetヴァージョンは、ストリングスを従えたエレガントなアレンジで、甘くロマンティックなヴォーカル&トランペットを際立たせています。

「Long Ago and Far Away」
Ira Gershwin作詞、Jerome Kern作曲のスタンダード。オリジナルはミュージカル映画『Cover Girl』(1944年)のために書かれたものです。この曲ではヴォーカルもさることながら、Chetのトランペットを堪能しましょう!

「Someone to Watch Over Me」
「Let's Get Lost」と並ぶお気に入り。Ira Gershwin作詞、George Gershwin作曲のスタンダード(邦題「やさしき伴侶」)。オリジナルはミュージカル『Oh, Kay!』(1926年)のために書かれたもの。曲自体が大好きなのですが、Chetヴァージョンは彼の中性的ヴォーカルが曲、アレンジと実にマッチしていると思います。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=CCTIpclVQe4

Chet以外にも数多くのアーティストが取り上げている名曲ですね。オールド・ファンならば、Ella Fitzgerald、Frank Sinatra、Perry Comoあたりが王道でしょうか。ポップス・ファンであればLinda Ronstadtヴァージョン、若いリスナーであればAmy Winehouseヴァージョン(Ella Fitzgeraldヴァージョンを意識したもの)で聴いているのでは?

Ella Fitzgerald「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=PzjLzUn_9oc
Frank Sinatra「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=mlgWm7Yly-I
Perry Como「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=dqVUg-0hzac
Linda Ronstadt「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=S0oRfg5RyVA
Amy Winehouse「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=Wo5--q2GPNo

「Just Friends」
Sam M. Lewis作詞、John Klenner作曲のスタンダード。Russ Columboが1931年にヒットさせたらしいです。Charlie Parkerも演奏していますね。
ここでは軽快なヴォーカル&演奏を聴かせてくれます。ノリの良いバック陣にChetのトランペットも気持ち良さそうです!
http://www.youtube.com/watch?v=88CqlgFAJ-k

「I Wish I Knew」
オリジナルは映画『Diamond Horseshoe』(1945年)のために書かれたもの。「This Is Always」と同じくMack Gordon作詞、Harry Warren作曲です。当ブログでは、これまでJohn ColtraneBill Evansの演奏を紹介してきました。Chetヴァージョンは、スタンダード・ムード満点のロマンティックな仕上がりです。優しげなヴォーカルに野郎の僕もウットリしてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=D0fq1szgiN4

「Daybreak」
この演奏も大好き!中世的なヴォーカル、親しみやすいトランペットとChetの魅力がコンパクトに凝縮されている気がします。
Ferde Grofe/Harold Adamson作品。

「You Don't Know What Love Is」
Don Raye/Gene De Paul作。ミュージカル映画『Keep 'Em Flying』の挿入歌です。数多くのジャズ・ミュージシャンが演奏しているスタンダードですね。当ブログでは、これまでJohn ColtraneSonny Rollinsの演奏を紹介したことがあります。Chetヴァージョンも素敵な哀愁バラードに仕上がっています。♪ブルースの意味が分かるようにならなければ、恋も分かるようにはならない...
http://www.youtube.com/watch?v=MDsaQhxvXS4

「Grey December」
Frank Campo作品。タイトルから想像できるように、哀愁ムードのバラードに仕上がっています。いつも明快なChetのトランペットも何処か寂しげ...

「I Remember You」
ラストは映画『The Freet's In!(邦題:艦隊入港)』(1942年)の挿入歌(Johnny Mercer作詞、Victor Schertzinger作曲)。に仕上がっています。Russ Freemanをはじめとするバックの演奏がキマっていますね。

日本のバンド勝手にしやがれ(グループ名です)が、本作のジャケをパロったアルバム『Let's Get Lost』(2007年)をリリースしています。

勝手にしやがれ『Let's Get Lost』(2007年)
LET’S GET LOST(初回生産限定盤)(DVD付)

ジャズと言えば、以前にエントリーしたThe Quiet Nights Orchestra『Chapter One』の音源をYouTubeで見つけたので、記事に加えておきました。今年の新作クラブ・ジャズの中でも大プッシュしたい1枚なので、ぜひ音源を聴いてみてください。
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2009年06月16日

Thelonious Monk『Monk's Music』

Monk作品の中でも異色の人気作☆Thelonious Monk『Monk's Music』
モンクス・ミュージック
録音年:1957年
ez的ジャンル:ハプニング系ハードバップ・ジャズ
気分は... :完璧ではない楽しさ!

個性派ジャズ・ピアニストThelonious Monkの4回目の登場です。

当ブログでこれまで紹介したMonk作品は以下の3枚。

 『Brilliant Corners』(1956年)
 『Thelonious Himself』(1957年)
 『Mulligan Meets Monk』(1957年) ※Gerry Mulliganの共演

4枚目に紹介するのはThelonious Monk『Monk's Music』(1957年)です。

Monk作品の中でも異色の傑作(?)ですね。
演奏中にハプニングが生じた迷演をそのままリリースした作品であり、"最高の失敗作"なんて形容もされる作品ですね。

"永遠のジャズ初心者"である僕は、演奏の細かなことは正直よくわかりません。そんな僕でも十分に楽しめる作品であり、演奏の内容云々に関わらす愛着が湧く作品です。そういったハプニングをそのままリリースしてしまうというセンスがさすがMonk!と拍手を送りたくなりますね。

レコーディング・メンバーは、Thelonious Monk(p)以下、Ray Copeland(tp)、Coleman Hawkins(ts)、John Coltrane(ts)、Gigi Gryce(as)、Wilbur Ware(b)、Art Blakey(ds)という顔ぶれです。大先輩Coleman HawkinsやJohn ColtraneArt Blakeyあたりに目がいきますね。特にHawkinsとBlakeyはいろんな意味で大活躍しています(笑)

クラブ・ジャズ世代の若いリスナーの方が聴いても、サウンド自体にはあまりグッとくる作品ではないかもしれません。でも、完璧ではない楽しさも含めてジャズやMonkの魅力が詰まっている作品という気がします。

いろんな意味でMonkの個性が堪能できる作品なのでは?
この独特の変テコ感がクセになります!

ジャケを観て、グッときた人は聴くべし(笑)

全曲紹介しときやす。

「Abide with Me」
Ray Copeland、Coleman Hawkins、John Coltrane、Gigi Gryceというホーン隊4人による賛美歌の演奏でアルバムは幕を開けます。偶然かもしれませんが、この曲の作者もMonk(W. H. Monk)です。

「Well, You Needn't」
本作のハイライトと言えば、この演奏ですね。曲自体はMonkが1942年に作曲したスタンダードですが、演奏開始から2分21秒前後にMonkがColtraneに対して「Coltrane! Coltrane!」と叫ぶ...という名曲の迷演ですね。 "Monkが自分のソロの小節数を間違えて2小節短く終えてしまった"という説明が長らくなされてきましたが、どうやら睡魔に襲われたColtraneを起こすためにMonkが叫んだというのが真実のようですね。

結果として、Coltrane自体は正しいタイミングでソロを開始しますが、驚いたArt Blakeyのドラムが遅れてしまい、そのBlakeyのドラムにさらに驚いたWilbur Wareが戸惑ってしまい...と歴史的な迷演が生まれたようです。

ハプニングも含めて、興味の尽きないモンクならではの演奏になっているのでは?特に序盤のミスをリカバリーしようとするBlakeyのドラム・ソロが好きですね(笑)

「Ruby, My Dear」
ここではMonk、Coleman Hawkins、Wilbur Ware、Art Blakeyというワン・ホーンで演奏されています。Hawkinsのテナーを中心にしたバラードは、あまりMonk作品らしくありません(笑)。異端児Monkも大先輩Hawkinsに大きな敬意を払っているようです。

関連して1969年の演奏の映像を紹介しておきます。
Thelonious Monk「Ruby, My Dear」(Paris, 1969)
http://www.youtube.com/watch?v=aFNGppc9pJ8

「Off Minor(Take 5)」
Monk独特の変テコ感を堪能できる1曲。この何処か収まりが悪い感じこそがMonkですよね!さまにMonk's Musicって感じが好きです。

「Epistrophy」
このMonk1942年作のスタンダードも「Well, You Needn't」に続く迷演です。ここでの迷演の主役はHawkins。二箇所で演奏のタイミングを間違えてしまいます。聴いている方がハプニングの前後は緊張してしまいますね(笑)

曲自体もMonkらしくて好きです。YouTubeに1966年の演奏の映像があったので紹介しておきます。
Thelonious Monk「Epistrophy」(Paris, 1966)
http://www.youtube.com/watch?v=F2s6LZUdYaU

「Crepuscule with Nellie(Take 6)」
ラストはMonkの愛妻Nellieの名が入ったタイトル。アドリブが許されず、ソロパートが全くない珍しい演奏になっています。Take6となっているように、演奏になかなか満足できなかったMonkの様子が窺えます。

僕の保有するCDには「Off Minor(Take 4)」「Crepuscule with Nellie(Takes 4 & 5)」の2曲がボーナス・トラックとして追加されています。

NBAファイナルは、やはりレイカーズが一気に行きましたね。
第5戦の一方的な展開はマジックにとっては残酷でしたね。
やはり、第4戦終了間際のフィッシャーの3点シュートが全てだったと思います。

NBAが終了すると、僕の興味はNFLへ...
我がマイアミ・ドルフィンズの新シーズンに向けたトレーニングが気になります。新シーズンではワイルド・キャットの進化形を観たいですね!
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2009年03月31日

Anita O'Day『This Is Anita』

センス抜群の女性ジャズ・ヴォーカル☆Anita O'Day『This Is Anita』
ジス・イズ・アニタ
録音年:1956年
ez的ジャンル:奔放系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :落ち着きのない年度末ですが...

今日は女性ジャズ・ヴォーカルが聴きたい気分...

今日は偉大な女性ジャズ・シンガーの一人Anita O'Dayの代表作『This Is Anita』(1956年)です。女性ジャズ・ヴォーカルの名盤として紹介されることの多い彼女の代表作の1枚です。

Anita O'Day(1919-2006年)はシカゴ生まれの女性ジャズ・シンガー。Billie HolidayElla FitzgeraldSarah Vaughanらと並び称される偉大な女性ジャズ・シンガーの一人ですね。正直、細かい経歴については詳しくないので割愛しますが、僕の中では生き方も歌い方も"奔放なジャズ・シンガー"というイメージが強いです。

あとAnita O'Dayと言えば、やはり映画『真夏の夜のジャズ(Jazz On A Summer's Day)』(1959年)ですね。第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバル(Newport Jazz Festival)の模様を収めた、このドキュメンタリー映画の中でもAnitaの存在感は抜群です。

Anita O'Day「Sweet Georgia Brown」
http://www.youtube.com/watch?v=xuzWegDm2HY

Anita O'Day「Tea for Two」
http://www.youtube.com/watch?v=1UP8c_cU0-c

華奢な体型からもわかるように、決して声量があるシンガーではありませんが、ジャズ・シンガーとしてのセンス抜群という感じが映像からも伝わってきますよね。

Anita O'Dayのアルバムと聞いて、僕が思い浮かべるのは本作『This Is Anita』(1956年)と『Anita Sings the Most』(1957年)の2枚です。

Anita Sings the Most
Anita Sings the Most

『Anita Sings the Most』のジャケこそが、Anita O'Dayのイメージという気がします。それと比較すると清楚な雰囲気で腰掛けている本作『This Is Anita』のジャケは完璧に猫をかぶっていますね(笑)

ノリノリのスウィンギーな曲のみならず、しっとりとした大人のバラードまで聴かせる本作の構成を考えれば、このジャケもアリなのかも?

本作では編曲担当Buddy Bregmanの手腕が光ります。バックはそのBuddy Bregman & his Orchestraをはじめ、Paul Smith(p)、Barney Kessel(g)、Joe Mondragon(b)、Alvin Stoller(ds)のカルテット、Milt Bernhart、Lloyd Elliot、Joe Howard、Si Zentnerというトロンボーン隊が務めます。Paul Smithのピアノ、Barney Kesseのギターにもグッときます。

女性ジャズ・ヴォーカル・アルバムの醍醐味を存分に堪能できる名作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「You're the Top」
オープニングはCole Porter作品。1934年のミュージカル『Anything Goes』のために書かれた曲です。その後映画『海は桃色』(1936年)とそのリメイク『夜は夜もすがら』(1956年)でも歌われています。

トロンボーンのアンサンブルをバックにスウィンギーに歌うAnita版の楽しさは、何と言っても途中から歌詞を改変し、Sarah Vaughan、Charlie Parker、Miles Davis、Billy Eckstine、Lester Young、Lena Horne、Benny Goodmanといったジャズ・ミュージシャンの名前が次々と登場する点ですね。

個人的にはBarbra Streisand版(映画『What's Up, Doc?(おかしなおかしな大追跡)』挿入歌)も好きです。
Barbra Streisand「You're the Top」
http://www.youtube.com/watch?v=b2_GCClUPyk

「Honeysuckle Rose」
Andy Razaf作詞、Fats Waller作曲のスタンダード(1928年作品)。Ella Fitzgerald with Count Basie His Orchestraのヴァージョンも有名ですが、ベースのみの伴奏から、カルテットが加わり、トロンボーンが加わり...という展開と共にAnitaのフェイクが冴えまくってくるAnitaヴァージョンは相当カッチョ良いと思います。「Nightingale Sang in Berkeley Square」らと並ぶ本作のハイライトの1つなのでは?小粋なヴォーカルという言葉がピッタリのスウィング感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Mc_efbzjDAE

「Nightingale Sang in Berkeley Square」
Eric Maschwitz作詞、Manning Sherwin作曲のスタンダード(1940年)。オリジナルはJudy Campbel。Anitaの代表的レパートリーであり、本作のハイライトです。ロマンティックなストリングスをバックに情感たっぷりのヴォーカルを聴かせてくれます。イントロのオルゴールのような響きをバックにしたAnitaの歌声だけで相当グッときます。サイコー!

「Who Cares?」
George Gershwin/Ira Gershwin作品。Paul Smithの絶妙なピアノとピッタリ息の合ったAnitaのヴォーカルが絶好調です。こういう曲を聴くとジャズ・シンガーの"センス"を実感できますね。

「I Can't Get Started」
Ira Gershwin作詞、Vernon Duke作曲(1935年作)。当初は「I Can't Get Started With You」のタイトルだったようですね。切々と語りかけてくるかのようなAnitaのヴォーカルにうっとりのロマンティックなバラード。

「Fine and Dandy」
Kay Swift作品。アップテンポで飛ばしまくります。アップ度ではアルバム中一番ですね。このスピード感のAnitaの奔放さが見事にシンクロしている感じですね。Paul SmithのピアノとBarney Kesselのギターが大活躍です。

「As Long as I Live」
Ted Koehler作詞、Harold Arlen作曲(1934年作)。ミディアム・テンポの軽快なスウィング感が魅力ですね。

「No Moon at All」
邦題「月とでもなく」。David Mann/Redd Evans作。出だしのスキャット、トロンボーン・ソロが印象的です。

「Time After Time」
Sammy Cahn/Jule Styne作のスタンダード。1947年の映画『It Happened in Brooklyn』で使われたのが最初です。エレガントなオーケストラをバックにし、落ち着きのあるしっとりとしたヴォーカルを聴かせてくれます。

「I'll See You in My Dreams」
Isham Jones/Gus Kahn作のスタンダード。1925年にIsham Jones & The Ray Miller Orchestraがヒットさせました。Anitaは期待通りスウィンギーな歌を聴かせてくれます。

「I Fall in Love Too Easily」
Sammy Cahn作詞、Jule Styne作曲。季節外れのクリスマス・ソングですが....オーケストラをバックにしみじみ聴かせます。

「Beautiful Love」
Victor Young等の共作。Bill Evansの演奏でもお馴染みの曲ですね。Anitaの少し憂いを伴ったスウィング感にグッときます。Paul SmithのピアノとBarney Kesselのギターも大活躍です。個人的にはかなり好きな演奏です。

落ち着きのない年度末になってしまいました。
でも1つの区切りなので、明日から決意を新たに頑張ります。
posted by ez at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする