2020年11月29日

Butcher Brown『#KingButch』

新世代ファンク・バンドが遂にメジャー・デビュー☆Butcher Brown『#KingButch』

発表年:2020年
ez的ジャンル:新世代ファンク・バンド
気分は... :啐啄同時!

新作からファンク・バンドButcher Brownのメジャー・デビュー作『#KingButch』です。

Butcher Brownは、マルチ奏者/プロデューサーのDJ Harrison (Devonne Harris)を中心にバージニア州リッチモンドで結成されたファンク・バンド。

2013年にEP「Backtracks」でデビュー。アルバムも『All Purpose Music』(2014年)、『Grown Folk』(2015年)、『Live at Vagabond』(2017年)、『The Healer』(2017年)、『Camden Session』(2018年)といった作品をリリースしています。

現在のラインナップは、DJ Harrison (Devonne Harris)(key)、Andrew Randazzo(b)、Morgan Burrs(g)、Marcus Tenney(Tennishu)(sax、tp、rap)、Corey Fonville(ds)という5名。

Concordからのメジャー・デビュー作となる本作『#KingButch』

プロデュースはButcher BrownChris Dunn

新世代ファンク・バンドという括りですが、ラップを織り交ぜたHip-Hop調の演奏や70年代ジャズ/フュージョンからの影響を感じる演奏もあり、彼らの音楽のバリエーションを楽しめる1枚に仕上がっています。

ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような曲名の「Cabbage (DFC)」、ジャジーHip-Hop調の「#KingButch」「Gum In My Mouth」、ブギー・ファンクな「1992」Mtumeのカヴァー「Love Lock」、ゲストのFly Anakinのラップをフィーチャーした「For The City」、アーバンなジャズ・ダンサー「IDK」あたりが僕のおススメです。

満を持してのメジャー・デビューに相応しい充実作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Fonkadelica」
少しP-Funkを意識したかのような短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=otlea_BlkO8

「#KingButch」
タイトル曲はDJ Harrisonのメロウ・エレピをバックに、Tennishuがラップする生音ジャジーHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UmBGNbtdngQ

「Broad Rock」
Marcus Tenneyのトランペット、サックスがリードするインスト。アーバン・ムードがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-UmLgGsCCWM

「Cabbage (DFC)」
ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような「キャベツ」という曲名がまず気になりますね(笑)。Andrew RandazzoとCorey Fonvilleのリズム隊が生み出すグルーヴにグッとくるファンキー・チューン。Marcus Tenneyのトランペット、サックス、Morgan Burrsのギター、DJ Harrisonのエレピも見せ場を作っています。
https://www.youtube.com/watch?v=WlloRjnCAxY

「Gum In My Mouth」
Tennishuのラップ調ヴォーカルをフィーチャーしたるジャジー&メロウHip-Hop。適度なローファイ感もあっていい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=4nGTDuaBkgE

「Frontline (Intro)」
Andrew Randazzoのベース、チェロを楽しむ次曲に向けたイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=Paf4-egHKdI

「Frontline」
アーバン・メロウなインスト。新しさはないけど、オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=h7orUMuAPyI

「1992」
Butcher Brown流のブギー・ファンクで楽しませてくれます。彼らしいセンスが織り込まれたブギー・ファンクになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2-aCZ2XYDoc

「Love Lock」
Mtumeのカヴァー(James Mtume/Reggie Lucas作)。オリジナルはアルバム『Kiss This World Goodbye』(1978年)収録。当ブログではFlora Purim『Carry On』のカヴァーを紹介済みです(『Carry On』収録)。僕好みのアーバンなメロウ・フュージョンなに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=nmKnPNVtLtE

「Hopscotch」
Hip-Hop×ジャズのクロスオーヴァーが格好良いスリリングな小曲。もっと長尺で聴きたい!
https://www.youtube.com/watch?v=NciRxl5BzoE

「Tidal Wave」
William Jeffery作。多分、オリジナルはRonnie Laws『Pressure Sensitive』(1975年)だと思います。70年代クロスオーヴァー・ジャズへのオマージュ的なミステリアス&メロウな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=yPJNFckZLSY

「For The City」
Fly Anakinのラップをフィーチャー。Hip-Hop経由の新世代ファンク・バンドらしさが反映されている演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=xtZ1-4-FePI

「IDK」
ラストはシャープでアーバンなジャズ・ダンサーで締め括ってくれます。緩急のアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=1qO-UK7tXSM

Butcher Brownの他作品をチェックを!

『All Purpose Music』(2014年)


『Live at Vagabond』(2017年)


『Camden Session』(2018年)
posted by ez at 02:59| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月22日

Various『Blue Note Re:Imagined』

UK新世代によるBlue Note作品の新解釈☆Various『Blue Note Re:Imagined』

発表年:2020年
ez的ジャンル:UK次世代ジャズ・コンピ
気分は... :濃密な2枚組!

今回は新作アルバムから話題のコンピ作品Various『Blue Note Re:Imagined』です。

本作はUKのDrccaとUSのBlue Noteがタッグを組み、UK新世代ジャズを中心とした新鋭アーティスト達が、Blue Noteに残されたジャズ名曲をカヴァーするCD2枚組の企画作品です。

参加したアーティストはJorja SmithEzra CollectivePoppy AjudhaJordan RakeiSkinny PelembeAlfa MistIshmael EnsembleNubya GarciaSteam DownBlue Lab BeatsYazmin LaceyFiehMr Jukes
Shabaka HutchingsMelt Yourself DownEmma-Jean Thackrayという16組。さらに国内盤ボーナス・トラックでは日本人ビートメイカーKan Sano(佐野観)が参加しています。

単なるカヴァーではない、新鋭アーティスト達によるBlue Note名曲の現在進行形の解釈を楽しめます。

新鋭アーティストといっても、既に知名度の高いアーティストから先物買いの無名アーティストまでバラツキがあるところも魅力です。

オリジナルと聴き比べるのも楽しいですが、オリジナルを知らずとも、またジャズ・ファンで無くとも

南ロンドン新世代ジャズを中心とした今のUK音楽シーンの面白さが凝縮されたナイス・コンピだと思います。

全曲紹介しときやす。

Jorja Smith「Rose Rouge」
オリジナルSt Germain『Tourist』(2000年)収録。
デビュー・アルバム『Lost & Found』(2018年)が高い評価を得ていた女性R&BシンガーJorja Smithがフランス人ハウス/テクノ/Nu JazzアーティストSt Germainの人気クロスオーヴァー・チューンをカヴァー。改めて、St Germain『Tourist』がBlue Noteからのリリースというのが面白いですよね。
オリジナルはDave Brubeck Quartet「Take Five」、Marlena Shaw「Woman of the Ghetto (Live)」のサンプリングが印象的でしたが、ここではJorja Smithが「Woman of the Ghetto」ネタ部分をうまく歌いこなし、幻想的かつクールなジャズ・ダンサーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HwSfURSe18Q

(オリジナル)St Germain「Rose Rouge」
 https://www.youtube.com/watch?v=6QImCMjW-PM
『Tourist』(2000年)
Tourist

Ezra Collective「Footprints」
オリジナルWayne Shorter『Adam's Apple』(1966年)収録。人気キーボード奏者Joe Armon-Jonesも在籍する南ロンドンのアフロ・ジャズ・ファンク・バンドEzra CollectiveWayne Shorterの名曲をカヴァー。J Dilla以降のジャズを感じる現在進行形ジャズらしいビート感覚で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I1O6Fg2-Stg

(オリジナル)Wayne Shorter「Footprints」
 https://www.youtube.com/watch?v=3XvJFW0DHbU
『Adam's Apple』(1966年)
Adam's Apple

Poppy Ajudha「Watermelon Man (Under The Sun)」
オリジナルHerbie Hancock『Takin' Off』(1962年)収録。Tom Misch『Geography』(2018年)、Moses Boyd『Dark Matter』(2020年)にも参加していた女性シンガーPoppy AjudhaHerbie Hancockの名曲をカヴァー。この名曲を次世代ネオソウルなメロウ・チューンで聴かせてくれる実に新鮮な「Watermelon Man」です。
https://www.youtube.com/watch?v=Dotx0uHg-pg

(オリジナル)Herbie Hancock「Watermelon Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=_QkGAaYtXA0
『Takin' Off』(1962年)


Jordan Rakei「Wind Parade」
オリジナルDonald Byrd『Places and Spaces』(1975年)収録。オーストラリア出身、ロンドンを拠点に活動する次世代ネオソウル・シンガー/ソングライター/マルチ奏者Jordan Rakeiの参加は嬉しいですね。そんな彼がMizell BrothersのSky High Productionsにチャレンジ!って感じですかね。彼による一人スカイ・ハイ・サウンドもアーバン・メロウな魅力があっていいですよ!
https://www.youtube.com/watch?v=c8xZB5bWTbI

(オリジナル)Donald Byrd「Wind Parade」
https://www.youtube.com/watch?v=uoCS0LQ5so8
『Places and Spaces』(1975年)
Places and Spaces

Skinny Pelembe「Illusion (Silly Apparition)」
オリジナルAndrew Hill『Change』(1966年)収録。南アフリカのヨハネスブルグ生まれで、昨年 Gilles PetersonのBrownswood Recordingsからアルバム『Dreaming Is Dead Now』をリリースしたマルチ奏者Skinny Pelembeが、天才ピアニストAndrew Hillの作品をカヴァー。アフロ・スピリチュアルな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=UoHEaV0a-Zg

(オリジナル)Andrew Hill「Illusion」
 https://www.youtube.com/watch?v=XueShCJ2_yk
『Change』(1966年)


Alfa Mist「Galaxy」
オリジナルEddie Henderson『Sunburst』(1975年)収録。J Dillaの影響を感じるデビュー・アルバム『Antiphon』(2017年)でシーンに大きなインパクトを与えた、イーストロンドン出身の新世代ジャズ・ピアニストAlfa Mistの登場。ピアニストではなくトランぺッターの作品を取り上げるところが面白いですね。僕のイメージするAlfa Mistよりもエキサイティングな感じがします。こういった企画作品だからこその選曲、演奏かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=iAvVQgvjeZ8

(オリジナル)Eddie Henderson「Galaxy」
 https://www.youtube.com/watch?v=5HBVsFPeGXI
『Sunburst』(1975年)
サンバースト

Ishmael Ensemble「Search for Peace」
オリジナルMcCoy Tyner『The Real McCoy』(1967年)収録。サックス奏者Pete Cunningham率いるジャズ・エレクトロニカ・グループIshmael Ensemble。昨年デビュー・アルバム『A State Of Flow』をリリースしています。McCoy Tynerのバラードを幻想的な雰囲気で聴かせてくれます。大自然をテーマにしたドキュメンタリーのエンディングテーマにフィットしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=B-964KSiu_E

(オリジナル)McCoy Tyner「Search for Peace」
 https://www.youtube.com/watch?v=9XVNzU9OqMc
『The Real McCoy』(1967年)
The Real McCoy

Nubya Garcia「A Shade of Jade」
オリジナルJoe Henderson『Mode For Joe』(1966年)収録。南ロンドン次世代を牽引する一人、女性サックス奏者Nubya Garciaの登場。彼女がジョー・ヘンをどのように調理するのかは興味深かったですが、オーソドックスな中にも南ロンドン新世代ならではのフィーリングを織り交ぜた演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4kAzCIogkoI

(オリジナル)Joe Henderson「A Shade of Jade」
 https://www.youtube.com/watch?v=L_Wy6t56msI
『Mode For Joe』(1966年)


ここまでがDISC1です。続いてDISC2に突入!

Steam Down feat Afronaut Zu「Etcetera」
オリジナルWayne Shorter『Et Cetera』(1980年)収録。Steam Downは南ロンドンで毎週イベントを主宰しているアーティスト・チームらしいです。ジャズ×アフロなクロスオーヴァー感覚が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=WL6mMhkkyL4
Wayne Shorter「Etcetera」
 https://www.youtube.com/watch?v=lEHAelwHYeo

(オリジナル)Wayne Shorter『Et Cetera』(1980年)


Blue Lab Beats「Montara」
オリジナルBobby Hutcherson『Montara』(1975年)収録。当ブログでも絶賛した期待のUKビートメイキング・デュオBlue Lab Beatsが定番サンプリング・ソースとても人気の名曲をカヴァー。彼らお得意のジャズ・フィーリングに満ちたJ Dilla経由のビートメイキングを満喫できます。ヴァイヴ、フルート、トランペットの音色が心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=nH0epWTAtQ8

(オリジナル)Bobby Hutcherson「Montara」
 https://www.youtube.com/watch?v=J8XogeXBXVk
『Montara』(1975年)
Montara

Yazmin Lacey「I’ll Never Stop Loving You」
オリジナルDodo Greene『My Hour of Need』(1962年)収録。Jorja Smithに続くネオソウル・ディーヴァYazmin Laceyを起用。少し気怠いヴォーカルがフィットするジャジー・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=5Ci7nd4FGmE
Dodo Greene「I’ll Never Stop Loving You」
 https://www.youtube.com/watch?v=5va93Houmew

(オリジナル)Dodo Greene『My Hour of Need』(1962年)


Fieh「Armageddon」
オリジナルWayne Shorter『Night Dreamer』(1964年)収録。ノルウェー、オスロを拠点とする女性ヴォーカルSofie Tollefsbol率いるネオソウル・バンドFiehの登場。ロンドンでも注目された彼らは2019年にDecca Recordsからデビューアルバム『Cold Water Burning Skin』をリリースしています。スケールの大きな演奏とSofieのコケティッシュなヴォーカルは南ロンドン新世代ジャズとシンクロする音世界です。
https://www.youtube.com/watch?v=e4j_rDA-eo0

(オリジナル)Wayne Shorter「Armageddon」
 https://www.youtube.com/watch?v=nNIeiB5ZUzM
『Night Dreamer』(1964年)
Night Dreamer

Mr Jukes「Maiden Voyage」
オリジナルHerbie Hancock『Maiden Voyage』(1965年)収録。Mr Jukesは、UKロック・バンドBombay Bicycle ClubのフロントマンJack Steadmanのソロ・プロジェクト。お馴染みのジャズ名曲を重厚なコーラスとジャズ・フィーリングのビートメイキングによる新世代感覚で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DKyQeJXPmxY

(オリジナル)Herbie Hancock「Maiden Voyage」
 https://www.youtube.com/watch?v=Q-DGCQ-zXZ8
『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

Shabaka Hutchings「Prints Tie」
オリジナルBobby Hutcherson『San Francisco』(1970年)収録。南ロンドン次世代ジャズをリードする代表格であるサックス奏者Shabaka Hutchings。取り上げたのはBobby Hutcherson作品。オリジナルの持つ不穏な雰囲気を見事にShabaka Hutchingsならではの音世界に取り込んでいますね。居心地の悪さが魅力の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=yZDEIqN6Mxg

(オリジナル)Bobby Hutcherson「Prints Tie」
 https://www.youtube.com/watch?v=UGt65Qxb7mI
『San Francisco』(1970年)
San Francisco

Melt Yourself Down「Caribbean Fire Dance」
オリジナルJoe Henderson『Mode For Joe』(1966年)収録。Pete Warehamを中心に2012年に結成されたクロスオーヴァーなジャズ・ユニットMelt Yourself Down。かつてはShabaka Hutchingsも参加していました。オリジナルの持つ呪術的パワーを受け継ぎつつ、現在のUKらしいアフロ・ジャズな電脳ダンス・チューンに仕上がっています。クラブジャズ/クロスオーヴァー好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=CZ9p1k6XYzU

(オリジナル)Joe Henderson「Caribbean Fire Dance」
 https://www.youtube.com/watch?v=CbquuL5Kamk
Joe Henderson『Mode For Joe』(1966年)


Emma-Jean Thackray「Speak No Evil(Night Dreamer)」
オリジナルWayne Shorter『Speak No Evil(1964年)、『Night Dreamer』(1964年)収録。本編ラストは女性ジャズ・トランペット奏者Emma-Jean Thackrayを起用。Shorterの名曲2曲をクラブ仕様のジャズ・ハウスで聴かせるとは意表を突かれました。
https://www.youtube.com/watch?v=-9WjBVuykF0

(オリジナル)>Wayne Shorter「Speak No Evil」
 https://www.youtube.com/watch?v=fvRkGglLe-U
(オリジナル)>Wayne Shorter「Night Dreamer」
 https://www.youtube.com/watch?v=4mJS8HXbYn4
Wayne Shorter『Speak No Evil(1964年)(左)
Wayne Shorter『Night Dreamer』(1964年)(右)
スピーク・ノー・イーヴルNight Dreamer

Kan Sano「Think Twice」
オリジナルDonald Byrd『Stepping Into Tomorrow』(1974年)収録。国内盤ボーナス・トラックとして日本人ビートメイカーKan Sano(佐野観)のトラックを収録。オリジナル16トラックと並べても引けを取らない素敵なジャジー・メロウ・トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9rdhNlUMnUo

(オリジナル)Donald Byrd「Think Twice」
 https://www.youtube.com/watch?v=tX9Eup3Brtk
『Stepping Into Tomorrow』(1974年)
ステッピン・イントゥ・トゥモロー (完全期間限定盤)
posted by ez at 03:19| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月15日

Little Dragon『New Me,Same Us』

新作はNinja Tuneから!☆Little Dragon『New Me,Same Us』

発表年:2020年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・エレクトロニカ
気分は... :新しい自分、変わらない私たち・・・

今回は日系スウェーデン人の女性シンガーYukimi Nagano率いるスウェーデンの4人組バンドLittle Dragonの最新6thアルバム『New Me,Same Us』です。

今年3月下旬のリリースですが、リリース直後の購入機会を逸してしまい、このタイミングでの紹介となりました。。

スウェーデン、ヨーテボリで結成されたYukimi Nagano(vo、per、key)、Fredrik Kallgren Wallin(key、b)、Hakan Wirenstrand(key)、Erik Bodin(ds、key)の4人組Little Dragonの紹介は、デビュー・アルバム『Little Dragon』(2007年)、5thアルバム『Season High』(2017年)に続き3回目となります。

3年ぶりの新作となる本作『New Me,Same Us』は、人気レーベルNinja Tuneに移籍してのリリースです。

プロデュースは久々にグループのセルフ・プロデュース。
ソングライティングも演奏もKali Uchisをフィーチャーした1曲を除いてメンバーのみという全編自作自演の1枚に仕上がっています。

Ninja Tuneへの移籍を機に、自分たちの立ち位置を再確認したような1枚に仕上がっています。

先行シングルとなったディスコ・ファンク調の「Hold On」、独特の雰囲気を持った「Rush」、ドリーミー・ソウルな「Another Lover」「New Fiction」、ビューティフル&ドリーミーな「Where You Belong」Kali Uchisをフィーチャーした「Are You Feeling Sad?」、ボーナス・トラックのダンサブルなクロスオーヴァー「Let Me Know」あたりがおススメです。

自分たちの音楽スタイルをワンランクアップさせたグループの成長を感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Hold On」
先行シングルとなったオープニング。Little Dragon流のディスコ・ファンクといったキャッチーな仕上がり。吹っ切れた感じが好きです。デモ段階ではMassive Attack「Unfinished Sympathy」のような仕上がりだったのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=JmDvTxGeJuY

「Rush」
ダンスホール・レゲエ×トロピカル×シンセ・ポップのような独特の雰囲気を持った1曲。不思議な魅力に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1pI9kVTynX0

「Another Lover」
クールなシンセとシンセベースを効かせてたサウンドをバックに、Yukimiが魅惑のヴォーカルを披露してくれるドリーミー・ソウル。Little Dragonならではの音世界を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=a5OLk6PgIds

「Kids」
北欧シンセ・ポップ調ですが、立体的な音空間の広がりがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=fi61UQrtnbU

「Every Rain」
少し寂しげなYukimiのヴォーカルが印象的な哀愁チューン。雨の日の憂鬱な気分にピッタリ!
https://www.youtube.com/watch?v=AEdn_hIno3Q

「New Fiction」
ドリーミーでソウルフルな僕好みの1曲。うまく表現できませんが、Little Dragonの美学が凝縮された1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=u7VSswF24Eg

「Sadness」
Yukimiのコケティッシュ・ヴォーカルが映えるシンセ・ポップ。ドリーミーな前半と、ドライブ感のある後半のコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=41ijqvnETpg

「Are You Feeling Sad?」
US女性シンガーKali Uchisをフィーチャー。ダンサブルなシンセ・ポップをバックにKaliとYukimiが魅力的なヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HmRnpBQ3gBc

「Where You Belong」
Little Dragonならではのビューティフル&ドリーミーなポップ・ワールドを展開します。夢の中を彷徨っているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=lB_VTqaPC08

「Stay Right Here」
シンセベースを効かせた幻想的な1曲。美しくも儚い感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tbgxQjcX76E

「Water」
本編ラストは正に水のようなサウンドの中にYukimiのコケティッシュ・ヴォーカルが響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=2pv_ExqDsHU

「Let Me Know」
国内盤ボーナス・トラック。本編とは少し異なる雰囲気のダンサブルなクロスオーヴァー・チューン。個人的にはかなり好みの音です。

Little Dragonの他作品もチェックを!

『Little Dragon』(2007年)
Little Dragon

『Machine Dreams』(2009年)
Machine Dreams

『Ritual Union』(2011年)
リチュアル・ユニオン

『Nabuma Rubberband』(2014年)
Nabuma Rubberband

『Season High』(2017年)
Season High
posted by ez at 01:46| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月08日

Jarrod Lawson『Be The Change』

Moonchild参加。6年ぶりの2ndアルバム☆Jarrod Lawson『Be The Change』

発表年:2020年
ez的ジャンル:US白人ソウル・シンガー
気分は... :キャンディーズ、サイコー!

昨晩はNHK BSプレミアムで解散コンサートを含む伝説のアイドル・グループ、キャンディーズの特番のリマスター版再放送で大興奮!

涙なしには見られない解散コンサートのみならず、子どもの頃、一番楽しみなバラエティ番組だった『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』での伊東四朗、小松政夫とのコント・シーンも流れて鼻血ブー状態でした(笑)

解散から42年が経っていますが、ランちゃん、ミキちゃん、スーちゃんの歌声、歌う姿には永遠の輝きがあります!
ということで、本当はキャンディーズ・ソングのセレクトでもエントリーしたいところですが・・・

新作からUS白人ソウル・シンガーJarrod Lawsonの2ndアルバム『Be The Change』です。

1976年オレゴン州ポートランド近郊出身の白人ソウル・シンガー/ピアニスト/ソングライターJarrod Lawsonの紹介は、デビュー・アルバム『Jarrod Lawson』(2014年)に続き2回目となります。

自主制作盤としてリリースされたものが話題となり、UKの人気レーベルDomeからリイシュー盤がリリースされ、さらには国内盤もリリースされたデビュー・アルバム『Jarrod Lawson』(2014年)。日本でもソウル好きの間で話題となりましたね。僕もこのデビュー・アルバムに魅了された一人です。

そして6年歳月を経て、ようやく2ndアルバム『Be The Change』が届けられました。

ただし、その間に他アーティスト作品への参加、楽曲提供、プロデュースなど活動の幅を広げると同時に、Orpheus名義のインスト・アルバム『Visions』(2019年)(アナログ・リリースのみ)もリリースしています。

本作もDomeからのリリースです。

楽曲はすべてJarrod Lawsonのオリジナルです。

新世代ネオソウルを代表するユニットMoonchildをフィーチャリングされ、1960年代から活躍し、数多くのミュージシャンの作品に参加している人気パーカッション奏者Sammy Figueroaも参加しています。

デビュー・アルバム『Jarrod Lawson』(2014年)と同じく、ソウルに自然なかたちでジャズをブレンドしたアーバンでメロウなソウル・ワールドが展開されます。派手さはありませんが、前作以上にサウンドが緻密になっています。

グッドヴァイヴに溢れたタイトル曲「Be The Change」MoonchildAmber Navranとのデュエット「I'll Be Your Radio」、メロウ・エレピの映える「Universal Chord」、アナログ・シンセの質感を生かした「Why Don't You Call Me Baby Anymore」、ブラジリアン・フレイヴァーの「Connected」、引き算のメロウ・ソウル「Embrace What We Are」、ソウル、ジャズ、ラテンのクロスオーヴァー「How Long」など僕好みのグッド・ソウルがズラリと並びます。

本作の唯一の不満は、国内盤CDに参加ミュージシャンのクレジットが一切ない点ですかね。国内盤という付加価値をつけるならば、発売元にはその程度の情報は補足してほしいですね。ライナーノーツも読むべき点は少なかったし、これならば輸入盤で十分かも?

まぁ、アルバム中身自体は素晴らしいので、ぜひ皆さんにもチェックして欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Be The Change」
オープニングを飾るタイトル曲はグッドヴァイヴに溢れた爽快メロウ。2020年版フリーソウルとでも呼びたくなります。Jarrodのソウルフル・ヴォーカルと落ち着いたピアノがいい感じです。Sammy Figueroaの軽やかなパーカッションもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=o9_unJ41hMg

「I'll Be Your Radio」
Moonchildをフィーチャーしたメロウ・ミディアム。ファンには嬉しい共演ですね。Amber Navranの陽だまりのコケティッシュ・ヴォーカルとJarrodのスウィートなソウルフル・ヴォーカルの組み合わせはサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=y4oK33Y2Q7k

「Battlefield」
アナログ・シンセの音色がいい感じのミディアム・ソウル。ヴィンテージ・ソウルをモダン・フィーリングで聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8S35CK2KqGA

「Love Isn't Always Enough」
ムーディーなトランペットと共に始まるバラード。ここでもオーセンティックなスウィート・ソウルにJarrodのピアノをはじめとするジャズ・フィーリングを違和感なく融合させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=U0qn3ib5VHo

「Universal Chord」
メロウ・エレピの映えるアーバン・ソウル。少しミステリアスでドリーミーに浮遊する音世界に惹き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=W-bzfEwkO18

「Why Don't You Call Me Baby Anymore」
アナログ・シンセの質感を生かした僕好みのミディアム・グルーヴ。♪Why Don't You Call Me Baby Anymore♪のフレーズを思わず口ずさんでしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=EjgpM3VgMY4

「Evalee」
オーセンティックなソウル・バラード。控えめのサウンドで、その分ヴォーカル・ワークで聴かせる1曲に仕上がっています。

「Connected」
ブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・ソウル。Jarrodのファルセット・ヴォーカルが映える寛いだメロウ・ワールドがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=EJoSQnRsrTw

「Embrace What We Are」
引き算の美学がある生音フィーリングが実に心地好い僕好みのメロウ・ソウル。Sammy Figueroaのパーカッションも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=nNetDaN523Y

「Soul Symphony」
タイトルの通り、Jarrodのソウル愛に満ちたミディアム・バラード。気負いのない自然体の演奏、ヴォーカルが実にいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=77r2sDRVnlo

「How Long」
ラストはSammy Figueroaのパーカッションと共に始まるソウル、ジャズ、ラテンのクロスオーヴァーが心地好い1曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1tBtK-P-Qfc

未聴の方はデビュー・アルバム『Jarrod Lawson』(2014年)もチェックを!

『Jarrod Lawson』(2014年)
ジャロッド・ローソン
posted by ez at 03:49| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月01日

Brandi Disterheft Trio with George Coleman『Surfboard』

カナダ人女性ベーシストによるブラジリアン・ジャズ☆Brandi Disterheft Trio with George Coleman『Surfboard』

発表年:2020年
ez的ジャンル:女性ジャズ・ベーシスト系ブラジリアン・ジャズ
気分は... :このジャケで瞬殺!

新作アルバムから女性ジャズ・ベーシストのBrandi Disterheftの最新作Brandi Disterheft Trio with George Coleman『Surfboard』です。

Brandi Disterheftは1980年カナダ生まれの女流ベーシスト/シンガー/コンポーザー。

2007年のデビュー・アルバム『Debut』をリリースした直後は、ウッドベースを抱え弾き歌うことから"カナダのEsperanza Spalding"とも称されました。

最新作『Surfboard』では、Tania Mariaなどのバックを務めたブラジル人ベテラン・ドラマーPortinho(ds)と彼と長年活動してきたKlaus Mueller(p)とトリオを組んでいます。

さらにスペシャル・ゲストとして、1950年代から活動する大ベテラン・ジャズ・サックス奏者George Coleman(as)を迎えています(Colemanは3曲に参加)。

4人ともに現在はN.Y.を拠点に活動しています。

アルバムはブラジリアン・ジャズ中心の構成ですが、ストレートアヘッドなジャズも収録されています。全16曲がBrandiのオリジナルが8曲、残り8曲がカヴァーという構成です。

カヴァーについては、Antonio Carlos JobimMoacir Santosといったブラジル人アーティストの作品や、「My Foolish Heart」「Speak Low」「On Broadway」「Where or When」といったスタンダードに加えて、Sam JonesOscar PettifordといったBrandiが敬愛するジャズ・ベーシストの作品も取り上げています。

軽快なブラジリアン・ジャズのタイトル曲(Jobim作品)「Surfboard」
Moacir Santosの名曲カヴァー「Nana」George Coleman参加の「Coup de Foudre」「My Foolish Heart」「Speak Low」という3曲、Brandiのコケティッシュ・ヴォーカルの魅力が映える「Manhattan Moon」「Where or When」、ジャズ・ベーシストとしてのBrandiの腕前を楽しめる「Pendulum at Falcon's Lair」など僕好みの演奏が満載です。

軽やかながらもエレガントで華のあるブラジリアン・ジャズをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Surfboard」
オープニングを飾るタイトル曲はAntonio Carlos Jobim作品のカヴァー。当ブログではBossacucanova & Roberto Menescalのカヴァーも紹介済みです。トリオでの軽快なブラジリアン・ジャズを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=v-Tcgn-_DgE

「Prelude to Coup de Foudre」
「Coup de Foudre」
Brandi Disterheft作。Brandiがしっとりと歌い上げるプレリュードから華のあるブラジリアン・ジャズの本編へ。本編ではGeorge Colemanが衰えを感じさせない躍動感のあるブロウを聴かせてくれます。Klausの端正なピアノもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=GyDA_SHzIqo

「My Foolish Heart」
作詞Ned Washinton、作曲Victor Youngによるスタンダード。映画『My Foolish Heart』(1949年)の主題歌です。当ブログではBill Evans TrioRoman AndrenAstrud GilbertoGabor Szaboのカヴァーを紹介済みです。Colemanのムーディーなサックスを大きくフィーチャーした素敵なバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=fNSUeeJjsC4

「Nana」
Moacir Santosの名曲をカヴァー(Moacir Santos/Mario Telle作)。Portinhoのドラムが牽引するリズミックながらも気品のあるブラジリアン・ジャズに仕上がっています。

本曲に関して、当ブログではMoacir Santos自身のセルフカヴァー、Bossa RioNara LeaoBossacucanova & Roberto MenescaSonzeiraのカヴァーも紹介済みです。

「Manhattan Moon」
Brandi Disterheft作。チャーミングなBrandiのヴォーカルにグッとくるロマンティックなブラジリアン・メロウ・ジャズ。

「Pendulum at Falcon's Lair」
Brandiが敬愛するジャズ・ベーシストOscar Pettifordの作品をカヴァー。ジャズ・ベーシストとしてのBrandiの腕前を大きくフィーチャーした演奏です。

「On Broadway」
The Driftersのヒット曲をカヴァー(Jerry Leiber/Barry Mann/Mike Stoller/Cynthia Weil作)。当ブログではMongo Santamariaのカヴァーを紹介済みです。Brandiのキュートな歌声と抑えたトーンながらも息の合った小粋なトリオ演奏を楽しめます。

「Speak Low」
Kurt Weill/Ogden Nash作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。元々はミュージカル『One Touch of Venus』(1943年)のために書かれた楽曲です。ここではColemanのベテランらしいプレイを楽しめるブラジリアン・ジャズに仕上がっています。

本曲に関して、当ブログではStefania RavaThe Latin Jazz Quintet with Eric DolphyCybill ShepherdMarisa Monteのカヴァーも紹介済みです。

「One Dream」
Brandi Disterheft作。前半はBrandiのヴォーカル&ベースのみで展開されます。中盤からはトリオ演奏となり、ジャズ・バラードをしっとりと聴かせてくれます。

「Portrait of Porto」
Brandi Disterheft作。軽やかな中にも華やかさがあるブラジリアン・ジャズをトリオ演奏で聴かせてくれます。演奏全体がヴィヴィッドでいいですね。

「Where or When」
1937年のミュージカル『Babes in Arms』のために書かれたLorenz Hart/Richard Rodgers作品をカヴァー。当ブログではClifford BrownJane BirkinNorman Feelsのカヴァーを紹介済みです。Brandiのコケティッシュ・ヴォーカルの魅力が映える僕好みのロマンティックな仕上がりです。

「Del Sasser」
Brandiが敬愛するジャズ・ベーシストSam Jonesの作品をカヴァー。トリオの各メンバーに見せ場がある躍動感のある演奏で楽しませてくれます。

「Reveries」
Brandi Disterheft作。ラストは抑えたトーンながらも、絶妙なアンサンブルを繰り広げるトリオ演奏で締め括ってくれます。

Brandi Disterheftの他作品もチェックを!

『Debut』(2007年)


『Second Side』(2009年)


『Gratitude』(2012年)


Brandi Disterheft With Harold Mabern & Joe Farnsworth『Blue Canvas』(2016年)
posted by ez at 00:21| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする