2020年10月25日

Ledisi『The Wild Card』

自主レーベルで輝きを取り戻したレディ・ソウル☆Ledisi『The Wild Card』

発表年:2020年
ez的ジャンル:実力派女性R&Bシンガー
気分は... :この移籍は大歓迎!

新作から実力派女性R&BシンガーLedisiの最新作『The Wild Card』です。

1972年ニューオリンズ生まれの女性R&BシンガーLedisiについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。、

 『Soulsinger』(2000年)
 『Lost & Found』(2007年)
 『Pieces Of Me』(2011年)

最新作『The Wild Card』は長年在籍していた大手Verve Recordsを離れ、自主レーベルListen Back Entertainment からのリリースです。

このように書くと都落ちのイメージですが、正直Verveの近作はLedisi本来の魅力が薄れ、彼女にメジャーの水は合わないと感じていたので、Verveからの離脱は正解であったと思います。

結果として、最新作『The Wild Card』Ledisiらいしソウル・フィーリングに溢れた1枚に仕上がっています。彼女が自分がやりたい音楽をやっている感じが伝わってくるのがいいですね。

メイン・プロデュースはLedisi自身と長年彼女の作品を支えてきたRex Rideout

また、現代ジャズ・シーンを牽引するジャズ・ピアニストRobert Glasperも2曲プロデュースしています。

それ以外にJeff "Gitty" GitelmanIvan Barias等もプロデュースを手掛けています。

また、Cory Henry、女性ラッパーSa-Rocがフィーチャリングされています。

D'Angelo「Untitled (How Does It Feel)」を思わせるリード・シングル「Anything for You」Ivan Bariasプロデュースの2ndシングル「Where I Am」Robert Glasperプロデュース、Sa-Rocをフィーチャーした「Wake Up」Chaka Khanを彷彿させるファンキー・グルーヴ「WKND」Harry Nilssonの大ヒット曲カヴァー「Without You」Cory Henryをフィーチャーしたソウル・グルーヴ「What Kinda Love Is That」などLedisiファンを歓喜させる楽曲が並びます。

本来のレディ・ソウルらしい原点に立ち戻ったLedisiの再出発を歓迎します。

全曲紹介しときやす。

「Anything for You」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。アルバムからの1stシングルがオープニング。よく言われているように、D'Angelo『Voodoo』(2000年)収録の名曲「Untitled (How Does It Feel)」をヴィンテージ風にしたような素敵なソウル・バラードです。この1曲を聴いただけで、彼女のレーベル移籍は成功だと思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=XauB5LZaOpI

アルバム未収録ですが、PJ Mortonとのデュエット・ヴァージョンもあります。
Ledisi & PJ Morton「Anything for You (The Duet)」
https://www.youtube.com/watch?v=uOT5_mFQZHw

「Next Time」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。Ledisiのヴォーカルがジワジワと沁み渡ってくるミディアム・ソウル。レディ・ソウルらしい地に足のついた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NZQB-YY7rfI

「Same Love」
Jeff "Gitty" Gitelmanプロデュース。歌を大事にする本作のスタンスを象徴するようなバラード。あくまでもLedisiの歌世界を引き立てるアレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uBTEIifwKp8

「Now or Never」
Robert Glasper/Ledisiプロデュース。Robert Glasper絡みの1曲目。Glasper(p)、Brandon Owens(b)、Justin Tyson(ds)のトリオがバッキングを務めます。多重録音によるヴォーカル・ワークを活かしたミディアム・ソウル。控えめな演奏でLedisiのヴォーカルを引き立てる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JByX_GOdhAY

「Stay Gone」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。ソウル・バンド感のあるバッキングを従えて、Ledisiが堂々としたヴォーカルを披露します。
https://www.youtube.com/watch?v=mSTJ36sdoQg

「Where I Am」
(Carvin & Ivanでお馴染みの)Ivan Bariasプロデュース。アルバムからの2ndシングル。Ivan BariasらしさとLedisiらしさが噛み合った幻想的なネオソウルに仕上がっています。次世代ネオソウルなんかにも呼応しているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=I7MN-5DktcY

「WKND」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。思わずChaka Khanのカヴァー?なんて言いたくなりそうなパワフルなファンキー・グルーヴ。サイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=Cx0NXqzEmS4

「What Kinda Love Is That」
Cory Henry(p)をフィーチャー。Rex Rideout/Ledisiプロデュース。生演奏ならではのリラックスしたグルーヴが心地好い1曲。思わず身体を揺らしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=uu0FreBVgZE

「Sunrise (Interlude)」
Cory Henryプロデュース。Cory Henryによるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=soxgRs0JS1Y

「In It to Win」
Phil Beaudreauプロデュース。Justin Bieberの最新作『Changes』でも1曲プロデュース&ソングライティングで参加していた人です。ここではすべての演奏も行っています。ラテン・フレイヴァーを効かせた哀愁グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SJKSq_muCfI

「One」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。情感たっぷりの歌いまわしが印象的な哀愁ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=nKnNP62Zofc

「Wake Up」
Robert Glasper/Ledisiプロデュース。Robert Glasper絡みの2曲目は女性ラッパーSa-Rocをフィーチャー。アルバムからの3rdシングルにもなっています。ここでもGlasper(p)、Brandon Owens(b)、Justin Tyson(ds)のトリオがバッキングを務めます。今度はGlasperの現在進行形ジャズ・ワールドにLedisiに飛び込んでいっている感じです。今ジャズ好きの人も楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=nVZoU3g3ET8

「Stone」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。自主レーベルだからこそのソウル・チューンって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=U5N9yDKw4mY

「Without You」
Harry Nilsson、1971年の大ヒット曲をカヴァー。オリジナルはBadfinger(Tom Evans/Pete Ham作)。Rex Rideout/Ledisiプロデュース。Rexのピアノをバックに、Ledisiの感動的な歌声に聴かせてくれます。思わず涙腺が緩んでしまう至極のカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=sjuHPMCCAsg

「Sunset (Outerlude)」
Cory Henryプロデュース。Cory Henryによるアウトロ。
https://www.youtube.com/watch?v=w5mIZnKr68U

Ledisiの他作品もチェックを!

『Soulsinger』(2000年)
Soulsinger

『Feeling Orange but Sometimes Blue』(2002年)
FEELING ORANGE BUT SOMETIMES BLUE

『Lost & Found』(2007年)


『It's Christmas』(2008年) ※クリスマス・アルバム
It's Christmas

『Turn Me Loose』(2009年)
Turn Me Loose

『Pieces Of Me』(2011年)
Pieces of Me

『The Truth』(2014年)


『Let Love Rule』(2017年)
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2020年10月18日

Avant『Can We Fall In Love』

Robert Glasperも参加した5年ぶりの新作☆Avant『Can We Fall In Love』

発表年:2020年
ez的ジャンル:オトナ男性R&B
気分は... :Can We Fall In Love…

今回はベテラン男性R&BシンガーAvantの最新アルバム『Can We Fall In Love』です。

1978年生まれの男性R&BシンガーAvantについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の7枚。

 『My Thoughts』(2000年)
 『Ecstasy』(2002年)
 『Private Room』(2003年)
 『Director』(2006年)
 『Avant』(2008年)
 『The Letter』(2010年)
 『Face The Music』(2013年)

デビューから20年以上。ベテランの域に入りマイペースでの作品リリースが続くAvant。本作は『The VIII』(2015年)以来5年ぶりの新作となります。

本作も前作に続きTravis Saylesとタッグを組んでおり、プロデュース、殆どのソングライティングを二人で手掛けています。

セクシー&ロマンティックなスロウ中心の構成であり、Avant好きは納得の1枚に仕上がっています。

決して歌いすぎずに、心の機微をセクシーに伝えれくれる感じがたまりません。

タイトル・トラック「Can We Fall In Love」、Maurice Brownがトランペット・ソロで盛り上げてくれる「You Don't Love Me No More」、ヴィンテージ感のあるソウル・バラード「Not Gone Lose」Robert Glasperをフィーチャーした「Take It Slow」、ビューティフル・バラード「Worth It」など素敵なスロウがズラリと並びます。

円熟味を増したAvantのセクシー&ロマンティックなR&Bワールドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「You Don't Love Me No More」
Avant/Maurice Brown/Travis Sayles作。Avantらしい素敵なスロウがオープニング。エフェクトのかかったヴォーカルと共に切ない思いが伝わってきます。終盤にはソングライティングにも参加しているMaurice Brownがトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qFyDJp3rI-g

「Can We Fall In Love」
Avant/Travis Sayles作。タイトルはこれぞAvant節!というロマンティックな極上スロウ。このトラックを聴いて本作の購入を決めました。しばらく僕のiTunesヘビロテになえそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=0ETs_pGRD_U

「Not Gone Lose」
Avant/Travis Sayles作。アルバムに先行してシングル・リリースされたトラック。ヴィンテージ感のあるソウル・バラード。Avantのヴォーカルの魅力を知るには、こういうソウル・バラードもいいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=twuFvftvyJk

「All In My Head」
Avant/Travis Sayles作。セクシーな語り口のスロウ。エフェクトを巧みにつかって妖しいムードを醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ptcf5VnoRJQ

「Take It Slow」
Robert Glasperをフィーチャー。Avant/Travis Sayles/Robert Glasper/Joe "Thelonius" Harley作。Glasperの美しいピアノをバックに、セクシー・モード全開のベッドルーム・モードのスロウを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=q3384iDnVZY

「Edible」
Avant/Travis Sayles作。Avantのハイトーン・ヴォーカルが映える幻想的なミディアム。さり気ないですが、気づくとAvantワールドの只中に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=cLdsbdKfv3o

「Irreplaceable」
Avant/Travis Sayles作。本作の中では比較的動きのあるトラック。エレクトリックな音色の中にAvantの歌声が溶け込んでいくような感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Jo0jd04NTs

「Nothing Without You」
Avant/Travis Sayles作。ロマンティックなスロウ。抑えたトーンで余韻で楽しませてくれる感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=J6OXT6z7Rd4

「Live A Lie」
Avant/Travis Sayles作。アコギの質感が印象的な哀愁スロウ。歌いすぎないことで逆に切ない思いが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=vDW9cbAU8C4

「Worth It」
Avant/Travis Sayles/Shawn Carrington/Slavic Livins作。ラストは僕好みのビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0RabNi0W9T8

Avantの他作品もチェックを!

『My Thoughts』(2000年)
My Thoughts

『Ecstasy』(2002年)
エクスタシー

『Private Room』(2003年)
Private Room

『Director』(2006年)
Director

『Avant』(2008年)
Avant

『The Letter』(2010年)
The Letter

『Face The Music』(2013年)
Face the Music

『The VIII』(2015年)
VIII
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2020年10月11日

Rodrigo Carazo『Octogono』

アルゼンチン新世代フォルクローレ☆Rodrigo Carazo『Octogono』

発表年:2020年
ez的ジャンル:アルゼンチン新世代フォルクローレ
気分は... :素朴なようで実は緻密・・・

新作アルバムからアルゼンチン新世代フォルクローレ作品Rodrigo Carazo『Octogono』です。

Rodrigo Carazoはアルゼンチン、コルドバ出身のシンガー・ソングライター/マルチ・インストゥルメンタリスト。

これまで『Oir E Ir』(2015年)を含む2枚のアルバムをリリースしており、本作『Octogono』は3枚目のアルバムとなります。

この国内盤CDにはCarlos Aguirreがライナーノーツを特別寄稿しています。

アルバムには、アルゼンチン人パーカッション奏者Santiago Vazquezの弦楽カルテットMagnolia Cuarteto de Cuerdas等のアーティストがフィーチャリングされています。

多彩な楽器が使われながらもミニマルな美学を感じる、緻密に計算された繊細で美しい音世界に魅せられます。

フォルクローレの原始的な瑞々しさを残しつつ、進化している新世代フォルクローレの創造性を楽しみましょう。

深夜に大自然の映像を観てるような癒しがあります。

全曲紹介しときやす。

「Antes Del Tiempo」
繊細な美しさを感じる素敵な"静かなる音楽"がオープニング。聴く者の心を浄化し、優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GxcnUTPvYXY

「Hora Minima」
フォルクローレらしい素朴なのに緻密な創造性に溢れた音世界に魅せられます。バンドネオンの響きがアルゼンチン。フォルクローレらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SESnPBkDnsU

「Mis Ideas」
El David Aguilar/Santiago Vazquezをフィーチャー。マリンバの響きが心地好い牧歌的な仕上がり。El David Aguilarの口笛にも癒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Mephk8h1R5M

「So Pra Ficar」
To Brandileone/Pedro Pastor/Lior Shoov/Leila Martialというブラジル、フランスのミュージシャンをフィーチャー。全体としてはブラジリアンSSW風の仕上がり。アルバムの中では異色のトラックかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=BQccPVwmjgQ

「Una Luna」
Santiago Vazquezをフィーチャー。フォルクローレらしい味わいの中に新世代ならではのサムシングを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=mui97vXqYPo

「Horas Este Mar」
枯山水の石庭でも眺めながら聴きたくなる和を感じるトラック。ミニマルな美学を感じるところもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9ukALaeTxfk

「Miradas Nuevas」
素朴なフォルクローレで始まりますが。途中から弦楽カルテットMagnolia Cuarteto de Cuerdasの美しい弦の響きが加わり、一気に音世界が広がる感じがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=aEkH4dJNlz0

「Valparaiso」
この曲でもMagnolia Cuarteto de Cuerdasをフィーチャー。音で埋め尽くすのではなく、あえて余白を残すところがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GUxFmH6p36s

「Nosmica」
フォーキーなフォルクローレ(変な表現?)といった感じですね。ロードムービーのBGMなんかに似合いそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PrCKydn-GF0

「Cantabrico」
ラストも緻密な創造性に溢れたフォルクローレで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WSacY95rv7U

ご興味がある方はRodrigo Carazoの他作品や本作に参加しているSantiago Vazquezの作品もチェックを!

『Oir E Ir』(2015年)


Santiago Vazquez『Raamon』(2004年)


Santiago Vazquez『Santiago Vazquez』(2014年)
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2020年10月04日

Chico Pinheiro『City Of Dreams』

ブラジル人ギタリスト10年ぶりの新作☆Chico Pinheiro『City Of Dreams』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ジャズ・ギタリスト
気分は... :余白のクリエイティビティ・・・

今回はブラジル人ジャズ・ギタリストChico Pinheiroの10年ぶりのソロ・アルバム『City Of Dreams』です。

Chico Pinheiroは1975年ブラジル、サンパウロ生まれのギタリスト/コンポーザー。

1996年に渡米し、バークリー音楽院で本格的にジャズを学び、その後プロとしてキャリアを歩みます。

これまで『Meia Noite Meio Dia』(2003年)、『Chico Pinheiro』(2005年)、『There's a Storm Inside』(2010年)といったソロ・アルバムやAnthony Wilsonとの共演アルバム『Nova』(2008年)、Antonio LoureiroSergio Santosとの共演アルバム『Triz』(2012年)といった作品をリリースしています。2017年からは拠点をサンパウロからN.Y.に移して活動しています。

本作『City Of Dreams』は、『There's a Storm Inside』(2010年)以来10年ぶりのソロ・アルバムとなります。

レコーディング・メンバーはChico Pinheiro(g、vo)、Tiago Costa(p、key)、Bruno Migotto(b)、Edu Ribeiro(d)、Chris Potter(ts)。

人気のUSジャズ・サックス奏者Chris Potter以外はChicoと同じサンパウロ出身のミュージシャン達です。Maria Rita好きの僕としては、Maria Rita作品でお馴染みのTiago Costaの参加が目を引きます。

本作への布石となったのがChico Pinheiroが参加したThe Reunion ProjectのアルバムThe Reunion Project『Varanda』(2017年)です。同作にはTiago CostaBruno MigottoEdu Ribeiroも参加しており、サンパウロ出身の4人のミュージシャンが結束が本作へと導いたと言えるでしょう。

アルバムはブラジル音楽とUSジャズのスペクトラムの間に位置する演奏で構成されています。

楽曲はすべてChico Pinheiroのオリジナルです。

ブラジル色の強い「Encantando」「​Estrada Real」の2曲が僕のお気に入りです。

それ以外に素晴らしいアンサンブルを楽しめるタイトル曲「City Of Dreams」、Chicoのギタリストとしての魅力を満喫できる「Up In The Air」Wayne Shorterへ捧げた「Invisible Lights」、ボッサ・フィーリングを取り入れた「Vila Madalena」あたりもおススメです。

ブラジル人ギタリストならではの感性を楽しめるジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「City Of Dreams」
4名のブラジル人ミュージシャンの素晴らしいアンサンブルを楽しめるオープニング。中盤のChicoのギター、Tiagoのピアノによる静かなデュオを挟んで再び4人の生への躍動に満ちたアンサンブルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=KHYxknX1NEo

「Interlude」
タイトルの通り、インタールド的なChicoのギター、Tiagoのピアノのデュオ演奏。

「​Long Story Short」
Chris Potterが参加した演奏はUSジャズな雰囲気です。N.Y.ジャズ・シーンでも活躍するジャズ・ギタリストたしいChico PinheiroとChris Potterがソロで盛り上げてくれます。

「​Estrada Real」
100%ブラジル音楽なミステリアスでトラディショナルな演奏です。Baden Powellの流れを汲むブラジル人ギタリストらしいギター・プレイとスキャットを聴かせてくれます。

「Gesture」
ギター、ピアノ、ベースによるトリオ演奏。静かなる音楽モードの清らかな演奏で、聴く者の心を浄化してくれます。

「Invisible Lights」
Wayne Shorterへ捧げた1曲なのだとか。Bruno Migottoはエレクトリック・ベースをプレイしています。USジャズ・テイストのアンサンブルで楽しませてくれます。

「Encantando」
僕の一番のお気に入り。ミナス派のエッセンスを感じるブラジル・モード全開のスキャット入りの演奏です。Chris Potterのサックスもいいアクセントになっています。

「Theme」
元々映画音楽として書かれた曲なのだとか。1曲の中にドラマを感じるシネマチックな演奏です。何とも言えない哀愁が漂います。

「Vila Madalena」
ボッサ・フィーリングを取り入れたメロウな演奏です。とは言ってもモロにボサノヴァではなく、演奏全体はUSジャズ的な雰囲気に仕上がっています。

「Farol」
ギター、ピアノのみのデュオ演奏。透明感のあるクラシカルな雰囲気のアンサンブルで魅せてくれます。

「Up In The Air」
ラストは明日への希望を意識した素晴らしい演奏で締め括ってくれます。Chicoのギタリストとしての才がよく分かる演奏だと思います。

Chico Pinheiroの他作品もチェックを!

『Meia Noite Meio Dia』(2003年)


『Chico Pinheiro』(2005年)


Chico Pinheiro & Anthony Wilson『Nova』(2008年)


『There's a Storm Inside』(2010年)


Antonio Loureiro/Chico Pinheiro/Sergio Santos 『Triz』(2012年)
Triz

The Reunion Project『Varanda』(2017年)
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2020年09月27日

Flavia K『Janelas Imprevisiveis』

ブラジリアン・ネオソウルの新星☆Flavia K『Janelas Imprevisiveis』
flavia k janelas imprevisiveis.jpg
発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ネオソウル
気分は... :グルテン・フリー・・・

今回はブラジリアン・ネオソウルの新星のデビュー・アルバムFlavia K『Janelas Imprevisiveis』です。

2019年サブスクとしてリリースされ、最近になり日本で世界初CD化が実現しました。

Flavia Kは1996年サンパウロ州サン・カエターノ・ド・スル生まれの女性シンガー/ピアニスト/コンポーザー。

幼い頃からジャズ、ソウル、ファンク、ボサノヴァに親しみ、クラシック・ピアノとジャズ・ピアノを学んでいました。

18歳となった2014年にEd Motta等をゲストに迎えた4曲入りEP「Tudo o que Soul」をリリースしています。

そして2019年に入念な準備を経てデビュー・アルバムとなる本作『Janelas Imprevisiveis』をリリースしています。

日本では、鎌倉の人気カフェ、ヴィヴモン・ディモンシュのオーナー兼マスター堀内隆志氏がコンパイルしたコンピ・アルバム『鎌倉のカフェから〜café vivement Dimanche 25th Anniversary』(2019年)に本作収録の「Sem Gluten」がセレクトされたことで注目されるようになり、その流れで『Janelas Imprevisiveis』のCD化が実現しました。

プロデュースはサンパウロのHip-Hopシーンで活動するベーシストJulio Mossil

楽曲はすべてFlavia Kのオリジナル(共作含む)。多くの曲で彼女の母Anete Kが作詞を担当しています。

アルバムには大ベテランRoberto Menescal(g)をはじめ、Marcellus Meirelles(g)、Slim Rimografia(rap)といったアーティストがフィーチャリングされています。

それ以外にVander Carneiro(ds)、Sidiel Vieira(b)、Leandro Cabral(p)等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。Leandro Cabralは自身のピアノ・トリオ作品もリリースしているジャズ・ピアニストです。

2000年代前半のネオフィリーあたりに通じるジャジー・ソウルとブラジリアン・メロウ・ジャズ、MPBあたりがナチュラルに融合している雰囲気のアルバムです。

前述のコンピ『鎌倉のカフェから〜』収録の「Sem Gluten」Roberto Menescalをフィーチャーした「Cancao do Sol」、Marcellus Meirellesをフィーチャーした「Se Pa Tum Dere」、Slim Rimografiaをフィーチャーしたハイパー&メロウHip-Hop「Atelier do Silencio」、ブラジリアン・ネオソウルな「Plural」、Leandro Cabralのトリオとの共演「Janelas Imprevisiveis」あたりが僕のおススメです。

ネオソウルという部分をあまり気にしないで、ブラジルの新星女性アーティストとして楽しめばいいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Neon」
ブラジル人アーティストらしい雰囲気のジャジー・ポップがオープニング。ミュート・トランペットのアクセントがいい感じのミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=eeyA6KKgjeQ

「Sem Gluten」
前述のコンピ『鎌倉のカフェから〜』に収録されていた楽曲。タイトルは「グルテン・フリー」という意味。若い女性アーティストらしいですね。ブラジリアン・ネオソウルの雰囲気を楽しめるジャジー・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=JCjtKhfVVSw

「Janelas Imprevisiveis」
タイトル曲はLeandro Cabralのトリオとの共演によるメロウ・ミディアム。メロウ・エレピの心地好い響きが、初々しいFlavia Kのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=SPksY_FbX90

「Cancao do Sol」
レジェンド・ボサノヴァ・ギタリストRoberto Menescalをフィーチャー。ボサノヴァではありませんが、ブラジリアン・メロウ好きならば大満足の素敵なアコースティック・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=U8Nj7ghLovA

「Contramao」
このトラックもLeandro Cabralのピアノ・トリオとの共演。ここではFlavia Kがエレピを弾いています。ジャズ・フィーリングのミディアム・バラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=eTdns1DAP8s

「Se Pa Tum Dere」
Marcellus Meirellesをフィーチャー。Flavia Kの素晴らしい多重録音コーラスとMarcellus Meirellesの絶品ギターが織り成すビューティフル・トラック。2分に満たないトラックですが、もっと長い尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KWm5iSB1eBU

「Tom」
ブラジリアン・ネオソウルなメロウ・ミディアム。2000年代前半のネオフィリーあたりと一緒に聴いてもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=wZtwWlZevYI

「Plural」
このトラックもネオソウルなメロウ・ミディアム・グルーヴ。Flavia Kのヴォーカルもバッキングも肩の力が抜けている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TbIc5mgRY3c

「Atelier do Silencio」
20年のキャリアを誇るブラジルのHip-HopアーテイストSlim Rimografiaをフィーチャー。メロウでハイパーなHip-Hopトラックはかなり刺激的です。Flavia Kらしくはないのかもしれませんが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=rYTY84sxHmo

「Atras do Vidro」
ラストはメロウなジャジー・ソウルで締め括ってくれます。ロッキンなギターがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mlO2SQSS0Q0

『鎌倉のカフェから〜café vivement Dimanche 25th Anniversary』(2019年)
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