発表年:2023年
ez的ジャンル:UK次世代ジャズ
気分は... :有明の月・・・
新作からUK新世代ジャズを象徴するプロデューサー/ピアニストAlfa Mistの最新作『Variables』です。
アルバム『Antiphon』(2017年)で、J Dillaの影響を感じるUK次世代ジャズで一躍注目の存在となったAlfa Mist。
J Dillaの影響を感じるUK次世代ジャズというのは、いかにも僕好みのアルバムだし、実際に聴いて内容も悪くないと思っていたのですが、何故か『Antiphon』は未購入のままでした。
その後、『Structuralism』(2019年)、『Bring Backs』(2021年)といったアルバムをリリースしています。
最新作『Variables』は、『Bring Backs』(2021年)に続くAnti-からの第2弾アルバムとなります。
『Antiphon』未購入の僕が今回『Bring Backs』を購入したのは、反対に“J Dillaの影響”という呪縛から解放されて、より幅広いジャズ・ワールドを探索しているように感じたからかもしれません。
プロデュース/ソングライティングはすべてAlfa Mist自身。
(フィーチャリング・アーティストとの共作含む)
レコーディングにはAlfa Mist(p、key、ds、vo)以下、Kaya Thomas-Dyke(b、vo)、Jamie Leeming(g)、Jas Kayser(ds)、Junior Alli-Balogun(per)、Avishai Rozen(ds)、Johnny Woodham(tp)、Samuel Rapley(b clarinet、ts)、Peggy Nolan(cello)、Shekinah Anosike(vo)、Bongeziwe Mabandla(vo)といったミュージシャンが参加しています。
「Borderline」、「4th Feb (Stay Awake)」といったAlfa MistらしいメロウなHip-Hop調の演奏もありますが、個人的にはそれ以上に、
ビッグバンド調の「Foreword」、Kaya Thomas-Dykeをフィーチャーしたメロウ・フォーキー「Aged Eyes」、南アフリカのフォーク・シンガーBongeziwe Mabandlaをフィーチャーした「Apho」、壮大なスケールを感じる「The Gist」や「Variables」、エキサイティング&ダイナミックにスパークする「BC」といった演奏に惹かれます。
さらにスケール・アップし、音楽性も広がったAlfa Mistのジャズ・ワールドを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Foreword」
ビッグバンド調のホーン・サウンドが印象的なオープニング。演奏全体もUK次世代ジャズらしいスリリングな魅力に満ちています。
https://www.youtube.com/watch?v=liA11Leyuds
「Borderline」
Alfa MistらしいメロウなHip-Hopジャズ。自らラップ調ヴォーカルをとります。従来からのファンは一安心なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=93PqLcJfsuE
「Aged Eyes」
Alfa Mist作品ではお馴染みの女性SSW、Kaya Thomas-Dykeをフィーチャー。アコースティックな質感を生かした哀愁メロウ・フォーキーに仕上がっています。美しいチェロのアクセントもグッド。
https://www.youtube.com/watch?v=PvQStSZIiD4
「Cycles」
短いインストながら、UK次世代ジャズならではのクールネスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=lSbAFzQ1_q4
「The Gist」
7分45秒超の長尺演奏。壮大なスケールを感じるインスト。UK次世代ジャズならではのコズミックを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=4NrzAtWUSHs
「Genda (Go Away)」
Alfa Mistの9歳の姪Shekinah Anosikeがヴォーカルをとる、アフロ・ジャズ・テイストの軽やかな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=TkaCuOwTLg8
「Apho」
南アフリカのフォーク・シンガーBongeziwe Mabandlaをフィーチャー。軽やかなリズムのアフロ・フォーキー・サウンドをバックに、Bongeziwe Mabandlaがエモーショナルなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l1J4MvyL2to
「Variables」
タイトル・トラックは神秘的で感動的なコズミック・ジャズ。星空を眺めながら聴きたい気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=X99HNJPhq78
「4th Feb (Stay Awake)」
Alfa MistらしいメロウなHip-Hopジャズ。メロウなエレピの調べに続き、最後は美しいチェロが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Bg7-VHGLDhk
「BC」
僕の一番のお気に入り。Jas Kayserのドラミングが牽引する、これぞUK次世代ジャズと呼びたくなるエキサイティング&ダイナミックにスパークする演奏です。Jamie Leemingのギターも格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=nMLxnRGHqh4
Alfa Mistの他作品もチェックを!
『Antiphon』(2017年)がAmazonで入手しづらいのが残念ですが・・・
『Structuralism』(2019年)
『Bring Backs』(2021年)