2021年02月28日

Seba Kaapstad『Konke』

注目の多国籍ネオソウル・ユニット☆Seba Kaapstad『Konke』

発表年:2020年
ez的ジャンル:多国籍ネオソウル・ユニット
気分は... :注目の南アフリカ!

新作アルバムから多国籍ネオソウル・ユニットSeba Kaapstadの2ndアルバム『Konke』(2020年)です。

Seba Kaapstadは、エスワティニ(旧スワジランド)出身のNdumiso Manan(vo)、南アフリカ出身のZoe Modiga(vo)、ドイツ出身のSebastian Schuster(b、key、syn、strings)とPhilip Scheibel(prog、ds、syn、fx)からなるネオソウル・ユニット。

リーダー格のSebastian Schusterが南アフリカの文化や音楽に魅了されたことがきっかけで結成されました。

本作『Konke』は、デビュー・アルバム『Thina』(2019年)に続く2ndアルバム。

アルバムにはUSデトロイト出身のラッパーQuelle Chris、ワシントンD.C.出身のプロデューサー/ラッパーOddisee、当ブログでもお馴染みの女性R&BアーティストGeorgia Anne Muldrowがフィーチャリングされています。

注目の南アフリカの音楽シーンが輩出したネオソウル・ユニットです。

勿論、南アフリカを感じるトラックもいくつかありますが、それ程アフリカ色を前面に打ち出しているわけではありません。

むしろRobert Glasper以降のHip-Hop経由の現在進行形ジャズやMoonchildに代表される次世代ネオソウルのベクトルとも符合する音世界が魅力のアルバムだと思います。

個人的にはErykah Baduを思わせるZoe Modigaのヴォーカルに惹かれます。

南アフリカの音楽シーンが注目される理由がよく分かる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Our People」
Quelle Chrisをフィーチャー。USネオソウル好きの人でも気に入るであろうピースフル・トラックがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=kHDgyo3O7as

「www」
穏やかな雰囲気が心地好いネオソウル。ポジティヴなメロウ・ヴァイヴがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1sSBcdW8RZE

「Cloud」
ビートミュージックやRobert Glasper以降の現在進行形ジャズも感じるインスト・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=16pwX6FEKts

「You Better」
Erykah Baduを思わせるZoeのヴォーカルが映えるメロウなネオソウル。Moonchildあたりの次世代ネオソウルにも通じるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=KMvRs5P9GYY

「The Kingdom」
時の流れに思いをはせる壮大なスケールの1曲。1曲の中に歴史の流れを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZRnxzhLZ5d8

「I'm Scared」
Oddiseeをフィーチャー。ネオソウルと今ジャズのエッセンスをうまく融合させた1曲。派手さはありませんが、センスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=wbP_h55y-PU

「Konke」
タイトル曲は南アフリカ産ネオソウルといった雰囲気です。このユニットの持つ魅力をよく実感できる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=DaHZSn8UgYg

「Please」
Moonchild好きは気に入るであろう、浮遊するメロウ・トラック。Zoeのキュートで軽やかな語り口もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cKT08i_TY38

「Fred」
Ndumisoのオートチューン・ヴォーカルの寂しげな雰囲気が印象的な哀愁ミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=UcER7JiHTyg

「Magic」
前半はジャジー・ソウル風ですが、後半はアフリカ・モードのリズミックな展開になります。
https://www.youtube.com/watch?v=8tGbwcAQgpM

「Free」
Georgia Anne Muldrowをフィーチャー。才女Georgia Anne MuldrowとSeba Kaapstadはベクトルが同じ感じがします。そんな期待の通り、壮大なコズミック・ソウルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jVA9eAkkMlc

「Friday That's Good」
現在進行形ジャズのエッセンスを取り入れたインスト。Robert Glasper好きの人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=LqSTllrQ4mE

「Home」
しっかりネオソウルしながらも母なる大地アフリカを感じる美しいメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=SdVfHAKo4Yo

「Peace of Mind」
ラストはピアノとストリングスによるバラードでしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=93AMIpsf6SM

『Thina』(2019年)
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2021年02月21日

Funk Style Quality『Reprise Tonight』

本家P-Funk軍団も参加したファンク/ディスコ作品☆Funk Style Quality『Reprise Tonight』

発表年:2020年
ez的ジャンル:P-Funkマニア系モダン・ファンク/ディスコ
気分は... :継承されるP-Funk魂

新作からモダン・ファンク/ディスコ作品Funk Style Quality『Reprise Tonight』(2020年)です。

Funk Style Quality(FSQ)は、P-FunkマニアのChuck Da Fonk FishmanとP-Funkの総帥George Clintonの甥であるSa'D "The Hourchild" AliことDwayne Maultsbyが意気投合して結成したP-Funkユニット。

2014年のEP「Zule Congo Call」を皮切りに、作品をリリースしていましたが、2018年にSa'D "The Hourchild" Aliが他界してしまいます。

しかし、彼の存命中からアルバムが制作されており、それを完成させたのが本作『Reprise Tonight』(2020年)です。

本作におけるFSQメンバーとして、Chuck Da Fonk FishmanSa'D "The Hourchild" Aliも含めて、Chas BronzG KoopOne EraMorgan Wileyの6名がクレジットされています。

アルバムには、P-Funkの総帥George Clintonをはじめ、George Clintonの息子Trey LewdFunkadelicのオリジナル・ベーシストBilly Bass Nelson、元Funkadelic/ParliamentメンバーRodney Curtis、メンバーのG-Koopがバークリー音楽大学に作っていたユニットG-Koop & O-Man、元LabelleのメンバーNona Hendryx、ベテラン女性シンガーDenise King、70年代から活躍する女性セッション・シンガーDolette McDonald、ディスコ・ヒット「Over Like A Fat Rat」(1982年)で知られる女性シンガーFonda Rae、ディスコ系クリエイター/DJのMichael The Lionがゲスト参加しています。

こういった豪華ゲストを楽しめるのも本作の魅力の1つです。

内容はP-Funk愛に満ちたモダン・ファンク/ディスコ作品ですが、P-Funkで全編通している訳ではありません。昨今のモダン・ファンク/ディスコ・ブームの流れに乗ったトラックやミュンヘン・ディスコ調のトラックもあります。

国内盤CDのボーナス・トラック4曲も含めて、P-Funk好き、モダン・ファンク/ディスコ好きを楽しませてくれる1枚です。

継承されるP-Funk魂を満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Reprise Tonight (Original Mix)」
Denise Kingをフィーチャー。タイトル曲はP-Funkマニアらしいスペイシーな重量ファンク。随所にP-Funk愛に満ちた小ネタがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=aIrwlzapf-A

「Vibe Out Now」
Nu Disco/モダン・ファンク系DJ/プロデューサーLoose Shusと制作したトラックがベース。モダンなディスコ・ファンクで楽しませてくれます。G Koopのカッティング・ギター&ファズ・ギターも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Vy3hI7Ohr3k

「Dancefloor Democracy」
George ClintonTrey Lewd、Billy Bass Nelsonをフィーチャー。P-Funk軍団を招きながらも、ミュンヘン・ディスコ風のダークで妖しげなディスコ・チューンに仕上がっているのが面白いですね。One Eraのパーカッションが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=dzImy3gaZDM

「The Infinite Reprise」
G Koop & O-Manをフィーチャー。ストリングス入りのインスト・ファンク。生音ファンクとトラック・メイカー的センスを融合させています。
https://www.youtube.com/watch?v=fifhLI_pZVw

「Peel Back」
Nona Hendryx、G Koop & O-Manをフィーチャー。P-Funk愛を感じる重量モダン・ファンク。Parliamentのスペース・オペラ的な音世界をモダン・ファンクに落とし込んでいる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YCzAf-eZrsg

「What They Don't Know」
Dolette McDonald、Rodney Curtis、One Era、Michael The Lionをフィーチャー。Dolette McDonaldがヴォーカル、Rodney Curtisがベースです。P-Funkらしさはありませんが、僕好みの哀愁モダン・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=w28g0SaapMA

「11 AM」
Fonda Raeのヴォーカル、Chas Bronzのギターをフィーチャー。Fonda Raeの個性的なヴォーカルが映えるモダン・ディスコ。甘い誘惑に満ちた感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=RpnhiSEfiJk

「Reprise (Disco Mix)」
本編ラストはタイトル曲のリミックス。P-Funk度を落としたディスコ・リミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=HCjeWiksH6I

さらに国内盤CDには以下の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Reprise Tonight (Original Mix) (Ray Mang Remix)」
タイトル曲のリミックス。パーカッシヴなP-Funkって雰囲気がいいですね。

「The Infinite Reprise (A Tom Moulton Mix)」
「The Infinite Reprise」のリミックス。Tom Moultonの名が嬉しいですね。その名に相応しいディスコ・リミックスに仕上がっています。

「Dancefloor Democracy (Dr Rubberfunk Remix)」
「Dancefloor Democracy」のリミックス。本編は全くP-Funkらしくありませんでしたが、リミックス名からも想像できるように、こちらはP-Funk仕様のディスコ・ファンクです。

「11 AM (DJ Rocca Italo Discomix Vocal)」
「11 AM」のリミックス。リミックス名の通り、イタロ・ディスコ仕様です、

アートワークは、かつてZapp、P-Funk関連作品のジャケも手掛けたRonald P. Edwardsです。
posted by ez at 01:46| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月14日

Rhye『Home』

柔らかく進化した3rdアルバム☆Rhye『Home』

発表年:2021年
ez的ジャンル:アンビエント/オルタナティヴR&B
気分は... :王様の美術館・・・

新作からジェンダーレスなヴォーカルが印象的なオルタナティヴR&B作品Rhye『Home』です。

カナダ出身のシンガー/プロデューサーMike MiloshによるプロジェクトRhyeの紹介は、デビュー・アルバム『Woman』(2013年)に続き2回目となります。

元々はMike Miloshとデンマーク出身のプロデューミュージシャン/プロデューサーRobin Hannibalの男性デュオとしてスタートし、デビュー・アルバム『Woman』(2013年)が各方面で絶賛されましたが、Robinが抜けてMiloshのソロ・プロジェクトとなり、2017年に2ndアルバム『Blood』をリリースしたRhye

その後、12"シングル「Summer Days」(2018年)、8曲入りEP「Spirit」(2019年)をリリースしています。

3rdアルバムとなる最新作『Home』は、まずジャケが印象的ですね。これまでモノトーンのジャケ・イメージが定着していましたが、今回はカラフル・ジャケしかもヴィヴィッドではなく淡い色使いが印象的です。そんなジャケを反映してかサウンド面でも合唱団やストリングスを巧みに用いて、より温もりのあるサウンドを聴かせてくれます。

勿論、本作でもMiloshのジェンダーレスなハイトーン・ヴォーカルで魅せてくれます。

柔らかな光を感じる「Beautiful」、儚いメロウR&B「Helpless」、Rhye流ディスコ「Black Rain」といった既に昨年先行リリースした楽曲が本作を強く印象づけます。

それ以外に、アコースティックとエレクトロの融合が美しい「Safeword」、シンセとストリングスの融合が絶妙な「Hold You Down」、美しくも儚い「My Heart Bleeds」あたりもおススメです。

心の安らぎを得られる"ホーム"のような音世界を満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
デンマーク国営ラジオ局主宰の女性合唱団DR Pigekoretをフィーチャー。美しいア・カペラ女性コーラスを聴いていると瞑想モードへ誘ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6KYFJufEGeU

「Come In Closer」
Rhyeらしい北欧シンセ・ポップ調のダンサブル・チューンですが、ストリングスがドラマティックな雰囲気を演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cG2SFddXgBk

「Beautiful」
昨年先行リリースされていた楽曲。本作らしい柔らかな光を感じるトラック。官能的ながらも開放的なムードが本作らしいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=SXNFDhtyVmA

「Safeword」
これはモロに僕好み。アコースティック・ギターとエレクトロ・サウンドの融合が美しいダンサブル・チューン。Miloshのジェンダーレスなハイトーン・ヴォーカルが映えます。Milosh、James Alan Ghaleb、Ian Meltzerによるプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=Ps9rc3tplKY

「Hold You Down」
シンセ・サウンドとストリングスの融合が絶妙なポップ・チューン。DR Pigekoretがバック・コーラスで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pA5g1aNsRaY

「Need A Lover」
Miloshのハイトーン・ヴォーカルの魅力を存分に満喫できるビューティフル・バラード。ここでもストリングスが効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=y5DEOqMDnOg

「Helpless」
この曲も昨年先行リリースされていた楽曲。Miloshに加えて、BLVK、Biakoもプロデューサーとしてクレジットされています。Rhyeらしい儚いムードのメロウR&Bに仕上がっています。PVには女優のConor Leslieが出演しています。
https://www.youtube.com/watch?v=G4z64YEAiIk

「Black Rain」
この曲も昨年先行リリースしていました。Rhye流ディスコ・チューン。ダンサブルなのに儚い感じがするのがRhyeらしいですね。PVにはイギリス人俳優 Aaron Taylor-Johnsonが出演し、ダンスを披露しています。
https://www.youtube.com/watch?v=0fizVDRsvOI

「Sweetest Revenge」
哀愁シンセ・ポップですが、ストリングス、エレクトリック・ギターを効果的に使ったドラマティックなアレンジが印象的です。カラフルなのにヒンヤリな感じがRhyeらしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=VW5XJIL0mdQ

「My Heart Bleeds」
美しくも儚いメロウネスが魅力のオルタナティヴR&B。多重録音によるヴォーカル・ワークもいい感じです。Milosh、Biako、Austin Brownによるプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=WQ-MVj65qe0

「Fire」
美しいピアノにエレクトロな質感を加えた哀愁バラード。聴く者の内面の奥に沁み渡っていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=reCixCJMzDs

「Holy」
聖なる雰囲気で始まりますが、ジャズ・ギター風がいいアクセントとなっています。DR Pigekoretのバック・コーラスが厳かなホーリー気分を高めてくれます。MiloshとBen Schwierの共同プロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=KoB1C3nLShg

「Outro」
本編のラストもDR Pigekoretによるア・カペラ・コーラスで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=32q-wj62JUk

「Beautiful (Deconstructed Mix) 」
国内盤ボーナス・トラックその1。「Beautiful」のリミックス。ピアノとコーラスによるシンプルでピュアな音世界はまさにビューティフル!

「Helpless(live) 」
国内盤ボーナス・トラックその2。「Helpless」のライヴ・ヴァージョン。オリジナルとは異なる質感を楽しめます。

Rhyeの他作品もチェックを!

『Woman』(2013年)


『Blood』(2017年)
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2021年02月07日

The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』

Madlib×Karriem Rigginsによるジャズ・ユニット☆The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』

発表年:2020年
ez的ジャンル:最新型ブラック・ジャズ
気分は... :下手なフランス語ですみません!

新作アルバムから人気Hip-HopアーティストMadlibKarriem Rigginsと組んだユニットThe Jahari Massamba Unitの初アルバム『Pardon My French』です。

Madlib(本名:Otis Jackson Jr.)に関して、当ブログでは以下の8作品を紹介済みです。

 Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
 Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
 Jaylib『Champion Sound』(2003年)
 Yesterdays New Quintet『Stevie』(2004年)
 Sound Directions『The Funky Side Of Life』(2005年)
 Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
 Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
 Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)

Hip-Hopアーティストであると同時に、ジャズに強い愛着を持ち、マルチプレイヤーぶりを発揮しながら架空ジャズ・ユニットYesterdays New Quintet(YNQ)でHip-Hop経由のジャズ作品をリリースしてきたMadlib

そんなMadlibが今回タッグを組んだのがKarriem RigginsMadlibと同じくHip-Hopプロデューサー/トラックメイカーとジャズ・ドラマーという二刀流で活躍するアーティストですね。

ユニット名については、かつてMadlibが用いていたThe Jahari Massamba Unitの名を復活させています。

こうしてレコーディングされたのが本作『Pardon My French』です。

アルバム全体としては、ジャズ、ワールド、Hip-Hop、ソウル/ファンクなどを昇華させたブラック・ジャズといった印象です。

Pharoah SandersHerbie HancockLonnie Liston Smithあたりの影響を感じる演奏を楽しめます。

スピリチュアル・ジャズ、アフロ・ジャズ、フリー・ジャズ、ジャズ・ファンク、新主流派ジャズなど過去のジャズ・スタイルをHip-Hopプロデューサー/トラックメイカーの感性とジャズ・ミュージシャンとしての衝動でアップデートさせている感じが魅力です。

アルバム・タイトルやジャケのセンスも含めて僕好みの1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Je Prendrai Le Romanee-Conti (Putain De Leroy)」
フリー・ジャズな短い演奏がオープニング。ドラム、サックス等がフリーキーに鳴り響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=LtFOI1vXSIY

「Les Jardins Esmeraldins (Pour Caillard)」
1分15秒に満たない演奏ですが、壮大な音世界を感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=d6WkinG_iTY

「Un Bordeaux Pre-Phylloxera (Pour Le Riche Encule)」
Pharoah Sandersあたりを意識したであろうスピリチュアル・ジャズ。Pharoah Sanders好きの僕としては嬉しい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=DWeDloOjoyQ

「Deux Fakes Jayers (Aussi Pour Le Riche Encule)」
コズミックなブラック・スピリチュアル・ジャズ。女性のヴォイスもコズミック・フィーリングを高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3g6cQ2mEXR8

「Riesling Pour Robert」
演奏の格好良さで言えば、コレが一番かもしれませんね。Karriemの叩き出す硬質なビートがメチャ格好良すぎです!この二人の共演であれば、こういうジャズを期待してしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=FmaRE6qPce8

「Du Morgon Au Moulin-A-Vent (Pour Duke)」
ヴィブラフォンの音色が印象的です。前半は60年代のBobby HutchersonHerbie Hancock等の新主流派ジャズを意識したような演奏です。中盤からは一気に加速したリズミックでトライバルな演奏へ変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=u56HJsbZ2rw

「Trou Du Cul (Ode Au Sommelier Arrogant)」
アフロ・リズムで突き抜ける短い尺のトライバルな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=CH1clAUL6tg

「Etude Montrachet」
コズミック・ファンク×スピリチュアル・ジャズな演奏です。このユニットの世界観を感じれる音なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=y5WVpPiwmq0

「Le Feu (Pour Belluard)」
30秒強の短い演奏ですが、Lonnie Liston Smith的な魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=VZwO1DO4dr4

「Merde (Basse-cour)」
ドラム・ブレイクと共に始まります。Hip-Hop的なコズミック・ジャズはこのユニットらしい演奏だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=R0Yxz11C1-8

「Inestimable Le Clos」
クラヴィネットが唸りを上げるアッパー&トライバルな演奏です。現代ビートミュージックをミニマル感覚のジャズに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=rkMkbMXwcb8

「La Closerie (Pour Prevost)」
ブラックスプロイテーション・サントラ調のスリリングな演奏はモロに僕好み。2分強の演奏ですが、もっと長尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=v-8SPsdYxR4

「Hommage A La Vielle Garde (Pour Lafarge Et Rinaldi)」
ラストはHip-Hop経由のジャズ・ミュージシャンらしいビートで締め括ってくれます。適度なメロウネスもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=jyANKtmmzbg

Madlib関連の過去記事もチェックを!

Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
Angles Without Edges by Yesterdays New Quintet (2001-05-03)

Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Shades of Blue

Jaylib『Champion Sound』(2003年)
Champion Sound

Yesterdays New Quintet『Stevie』(2004年)
Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder

Sound Directions『The Funky Side Of Life』(2005年)
Funky Side of Life

Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Liberation

Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
Sujinho

Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
Yessir Whatever
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2021年01月31日

Marcos Ruffato『Vata』

ミナスの男性シンガー・ソングライター☆Marcos Ruffato『Vata』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ミナス系ブラジル人シンガー・ソングライター
気分は... :音楽家は静寂のスタイリスト!

新作アルバムからMarcos Ruffato『Vata』(2020年)です。

Marcos Ruffatoは、1983年ミナスジェライス生まれの男性シンガー・ソングライター。

音楽一家に育ち、Choro da Merceariaというショーロ・グループを結成し、地元で演奏活動を行っていました。

本作『Vata』は、クラウド・ファンディングで資金を集めて制作されたデビュー・アルバムです。

プロデュースはMarcos RuffatoRafael Dutra
楽曲はすべてMarcos Ruffatoのオリジナル(共作含む)。

レコーディングにはMarcos Ruffato(vo、g)以下、Sergio Santos(vo)、Trio Amaranto(vo)、Jose Luis Braga(vo)、Rafaela Sueitt(vo)、Maira Manga(vo)、Barbara Barcellos(vo)、Leopoldina Azevedo(vo)、Edelson Pantera(vo)、Claudia Manzo(vo)、Irene Bertachini(vo)、Rafael Dutra(vo)、Mariah Carneiro(vo)、Rafael Macedo(vo)、Alexandre Andres(vo)、Toninho Horta(g)、Felipe Vilas Boas(g)、Carlos Walter(g)、Cristovao Bastos(p)、Davi Fonseva(el-p)、Camila Rocha(b)、Sa Reston(b)、Fabio Gouve(b)、Aloizio Horta(b)、Analu Braga(per)、Jack Will(per)、Taui Castro(per)、Daniel Guedes(per)、Yuri Vellasco(ds)、Eduardo Sueitt(ds)、Esdra "Nenem" Ferreira(ds)、Nonato Lima(accordion)、Breno Mendonca(sax)等のミュージシャンが参加しています。

ヴォーカルをMarcos Ruffato以外のシンガーに譲っている曲も多く、シンガーというよりトータル志向のミュージシャンという印象を受けます。

僕が本作を購入したのは昨年末ですが、もう少し早く購入して聴き込んでいれば、『ezが選ぶ2020年の10枚』に間違いなくセレクトしていたと思いまます。

たおやかで叙情あふれる歌心、ナチュラルな響きが美しい彩り豊かなアンサンブル、多彩なハーモニーとリズムを見事に昇華したという販売元の宣伝文句そのままの素敵な1枚に仕上がっています。

本作に参加しているミナスを代表する名ギタリストToninho Hortaは、本作を聴いて「山と海が出会う場所にいる感覚になった」と賛辞を述べています。

ブラジル音楽ファンのみならず、Carlos AguirreRodrigo Carazoあたりのアルゼンチン・フォルクローレ好きの方にもフィットする1枚だと思います。

ブラジル音楽の新たな才能の誕生を祝福しましょう!

全曲紹介しときやす。

「O Azul」
本作の持つ、透明感に満ちた美しく躍動する音世界を満喫できるオープニング。言葉にできない感動が胸一杯に広がっていきます。Trio Amarantoがバック・コーラスを務め、Cristovao Bastos(p)、Camila Rocha(b)、Yuri Vellasco(ds)
https://www.youtube.com/watch?v=WR1W46Yfmfc

「Carta ao Patriota」
ミナスの新世代バンドGraveolaのメンバーJose Luis Bragaのヴォーカルをフィーチャー。コンテンポラリー感のある1曲に仕上がっています。Davi Fonsevaのエレピ、Felipe Vilas Boasのギターも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=w9xLCsFLAaw

「Peao-Rei」
ヴォーカルはRafaela SueittとMarcos。Taui Castroのパンデイロのビートが印象的なリズミックな演奏です。Nonato Limaのアコーディオンもいいアクセントとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yCKXNIvGgts

「O Passo Faz o Chao」
ヴォーカルはIrene BertachiniとMarcos。Alexandre AndresとRafael Dutraがバック・コーラスで参加。伝統的なブラジル音楽とジャズをドラマティックに融合させた演奏がいいですね。Breno Mendoncaのフリーキーなサックスも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=M5X7TPPf4fY

「Frevo pra Acorda」
Toninho Hortaが参加。ヴォーカルはBarbara BarcellosとMarcosと。マルシャの軽々なリズム、Barbara Barcellosの晴れやかな歌声、Toninho Hortaの素晴らしいギター・ソロが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=pfFyolnH94Q

「Pescador」
ヴォーカルはMaira Manga。彼女の味わいのある歌声が映える深遠なフォーキー。フルートやバイオリンがいい雰囲気を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=oQV-jfP89kc

「Desanuvio」
波音の効果音をバックに、Leopoldina Azevedoがア・カペラで歌う小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=ta2xo55ABAc

「Jericoacoara e o Vento」
ヴォーカルはRafaela Sueitt。透明感のあるアコースティック・サウンドの響きの美しさが印象的な序盤、中盤以降は一転して躍動するというドラマティックな展開の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=trqUkyiigGY

「Farol」
ヴォーカルはMarcos自身。弾き語り調の前半で一度演奏が終了後にサンバ調のリズムミックな後半が始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=kItv_PVUAJg

「Setembro」
ヴォーカルはSergio Santos。フルートやクラリネットの音色でブラジル伝統音楽に室内楽的なアクセントが加わっている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Pe4YsSuGd3Y

「A Significacao Antitetica das Auroras Primitivas」
ヴォーカルはClaudia ManzoとMarcos。伝統的な音楽を少しだけモダンな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=W94Xm5Lu4yU

「Serra de Luz」
ヴォーカルはMariah Carneiro。僕好みのブラジリアン・メロウ。キュートなMariahの歌声とコンテンポラリーなブラジリアン・サウンドの組み合わせがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=oOLYlMoHFoM

「Cortejo」
ヴォーカルはRafael MacedoとMarcos。少しノスタルジックな雰囲気の演奏が終わると、雨音と共にアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=f-epol5XJ-M

早くも1月最終日。
どうやら緊急事態宣言は1か月延長になりそうですね。

ネット注文していたエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー著『スモール イズ ビューティフル』(講談社学術文庫)が届きました。1973年の本ですが、今読むべき1冊として先人の知恵に学びたく思います。
posted by ez at 01:54| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする