2020年12月13日

Asi『Minimus + Compartidas』

アルゼンチン人SSWの2nd/3rdの2in1☆Asi『Minimus + Compartidas』

発表年:2020年
ez的ジャンル:アルゼンチン産インディー・ロック/音響ポップ
気分は... :脱力系!

新作からアルゼンチン人SSW、Gonza Sanchezを中心としたプロジェクトAsiの日本独自2in1CD『Minimus + Compartidas』です。

Asiはアルゼンチン、コルドバ出身の男性シンガー・ソングライターGonza Sanchezによるプロジェクト。

これまで『marmas』(2018年)、『Minimu』(2019年)という2枚のアルバムをリリースしています。

本作『Minimus + Compartidas』は、最新3rdアルバム『Compartidas』(2020年)と『Minimu』(2019年)の日本独自2in1CDです。

『Minimu』(2019年)は、Rodrigo Lagos(b)、Facu Gentile(ds)、Exequiel Bertino(syn)等によるバンド編成のスタイルをとっていますが、『Compartidas』(2020年)ではソロ・プロジェクトの色合いが強まっています。

また、『Minimu』『Compartidas』共に、当ブログでもアルゼンチン新世代フォルクローレ作品『Octogono』を今年紹介したコルドバ出身の男性SSW、Rodrigo Carazoが参加しています。

『Minimu』(2019年)は、メロディアスな脱力系ポップ・チューンがズラリと並びます。『Compartidas』(2020年)は、そのポップ路線を継承しつつ、より音響や音空間に拘ったエクスペリメンタル・ポップという印象を受けます。

アルゼンチン/南米の音楽に興味がなくてもポップ好きの人であれば、かなり楽しめる1枚だと思います。

この年末に一番ハマっている1枚です。

全曲紹介しときやす。

『Minimu』(2019年)

「Sonrriandando」
メロウ・ポップな脱力系インディー・ロックといったオープニング。女性コーラスも加わり、メロウ増し増しな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=myZE0ed5hYY

「No te olvides」
和みモードのビューティフル・ポップ。聴いているだけで童心に戻っていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6HJfWvDm1jU

「Ei como estas」
僕好みのドリーミー・ポップ。Gonzaのポップ・センス全開の1曲。英米インディー・ロック/ポップ好きの人も気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=INH2DxVa8sY

「Agua」
Rodrigo Carazo参加。新世代フォルクローレ×エクスペリメンタル・ポップ的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kCUcZSb9rKw

「Siete andando」
フォーキー・メロウ・ポップですがシタール、タブラによるアクセントが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=t9zErZF_AE4

「Dejo caer」
幻想的なポップ・チューン。終盤なリズミックなアクセントもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=L6G1TK5HyNc

「Llore las hojas」
僕好みの陽だまりメロウ・ポップ。初めて聴くのに懐かしい感じがします。
https://www.youtube.com/watch?v=WHWsFUusr5Y

「Sigo por ahi」
Gonzaのポップ・センスを感じる1曲。穏やかなドリーミー感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HM8qdKAJZrc

「Las formas tristes」
ギターとシンセが織り成す幻想的なポップ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=sM-gmEa8Nqw

「Solo sos」
『Minimu』のラストはGonzaがすべての演奏を担当したエクスペリメンタルなビューティフル・ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=_DkhQUaKjiw

『Compartidas』(2020年)

「Pacifica atlantica」
女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・チューンがオープニング。音の響きや音のない間がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=iPH2yzY17zo

「Casita celeste」
この曲も女性ヴォーカルをフィーチャー。子供の声も聴こえてくるビューティフル・メロウ。これも童心に戻れそうな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=qnCjkU7XBhI

「Corasonidos」
美しいヴォーカル・ワークに魅了されるビューティフル・ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=esJpsXR-p1M

「Gravedad」
エクスペリメンタルなドリーミー・ポップ。後半はジャズ風のエッセンスも聴こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=bAqrdJ5evAk

「Hadanaranhada」
これは完全にブラジリアン・メロウですね。ブラジル音楽好きの人であれば気に入るはず。Rodrigo Carazo参加。
https://www.youtube.com/watch?v=DM-KOJXhu5g

「Dia livre」
女性ヴォーカルをフィーチャーしたミステリアスな仕上がり。同じフレーズをおまじないのように繰り返します。
https://www.youtube.com/watch?v=Fj8pi8mLvGA

「Alejandra」
ポップ職人的な音響ポップ。白日夢の中に吸い込まれそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=Z9UO87oUXps

「Casa」
ラストはGonzaの妹の子供の声を素材に音をつけた遊び心のあるトラックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MPE2RIZ4JUc

Rodrigo Carazo『Octogono』(2020年)
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2020年12月06日

Gregory Porter『All Rise』

"ザ・リアル・ヴォイス"の最新作☆Gregory Porter『All Rise』

発表年:2020年
ez的ジャンル:黒人男性ジャズ・シンガー
気分は... :大きな愛で、より良い世界に!

黒人男性ジャズ・シンガーGregory Porterの最新作『Take Me To The Alley』です。

ソウルフルで温かみのあるバリトン・ヴォイスで人々を魅了する"ザ・リアル・ヴォイス"Gregory Porterの紹介は、2014年のグラミー賞でBest Jazz Vocal Albumを受賞した3rdアルバム『Liquid Spirit』(2013年)、同じく2017年のグラミー賞でBest Jazz Vocal Albumを受賞した4thアルバム『Take Me To The Alley』(2016年)に続き3回目となります。

Nat King Coleへのトリビュートアルバム『Nat King Cole & Me』(2017)以来の新作となる『Take Me To The Alley』。オリジナル中心の新作という意味では『Take Me To The Alley』(2016年)以来、4年ぶりとなります。

8月終わりのリリースですが、冬の時期に聴いた方がフィットする1枚なのでは?

本作ではTroy Millerをプロデューサーに迎え、L.A.とパリでレコーディングし、ロンドン録音のロンドン交響楽団のストリングスも加わっています。

Troy Miller以外にGregory PorterKamau Kenyattaもプロデュースに加わり、レコーディングにはEmanuel Harrold(ds)、Jahmal Nichols(b)、 Chip Crawford(p)、Keyon Harrold(tp、flh)等のミュージシャンが参加しています。

全曲Gregory Porterのオリジナルです(共作1曲含む)。

ジャズ、ソウル、ブルース、ゴスペルを融合させた"ザ・リアル・ヴォイス"らしい1枚に仕上がっています。

愛に満ちたオープニング「Concorde」Bill Withers「Grandmas's Hands」を意識した「Dad Gone Thing」、ロンドン交響楽団を従えたジェントル・バラード「If Love Is Overrated」、ゴスペル・フィーリングの「Revival Song」Marvin Gayeを意識した「Faith In Love」、深い愛に包まれた「Everything You Touch Is Gold」、実質的なタイトル曲「Phoenix」、"ザ・リアル・ヴォイス"らしいビューティフル・バラード「Real Truth」など充実の全15曲です。

先の見えない世界の危機的状況に希望を与えてくれる"ザ・リアル・ヴォイス"に耳を傾けましょう。

全曲紹介しときやす。

「Concorde」
自分にとってかけがえのない場所が家族であることを歌った愛に満ちたオープニング。オープニングから感動的な"ザ・リアル・ヴォイス"で胸に込み上げてくるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=jvIb__axcDI

「Dad Gone Thing」
Bill Withers「Grandmas's Hands」を意識した楽曲。タイトルにもそれが反映されています。ソウルなGregory Porterを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=1zBgR2ihC6E

「Revival Song」
Gregory Porter/Oli Rockberger/Troy Miller作。ハンドクラップ入り!ゴスペル・フィーリングのダイナミックな1曲。女性コーラス隊を従え、どんな時もベストな自分でいろ、少なくともそれを目指せ!と困難な時代を生きる我々を鼓舞します。
https://www.youtube.com/watch?v=kLUzdIFCBWY

「If Love Is Overrated」
ロンドン交響楽団の美しいストリングスを従えたジェントル・バラード。"ザ・リアル・ヴォイス"の優しい歌声が心を温めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=na01DRa_XH0

「Faith In Love」
僕の一番のお気に入り。Marvin Gayeを意識した現代のニューソウル。大きな愛で聴く者を包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hjILTwRfGDk

「Merchants Of Paradise」
ソプラノ・サックスのソロやマリンバによるアクセントをはじめ、美しいサウンドと"ザ・リアル・ヴォイス"の調和が素晴らしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=UGA2uWKaCNg

「Long List Of Troubles」
タイトルの通り、トラブル・ムードがサウンドにもヴォーカルにも表れています。
https://www.youtube.com/watch?v=jIs1A5eBcpQ

「Mister Holland」
Black Lives Matterに触発され、人種問題について語った社会派ソング。"ザ・リアル・ヴォイス"の切実な歌声が聴く者の問題意識を高めます。
https://www.youtube.com/watch?v=1rC3JKlaer0

「Modern Day Apprentice」
再びロンドン交響楽団の美しいストリングスを従えた感動バラード。しみじみとした感じがたまりません・・・
https://www.youtube.com/watch?v=CxPHpa3i9zQ

「Everything You Touch Is Gold」
深い愛に包まれた感動バラード。聴いているだけに気持ちが優しくなります。Keyon Harroldがソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zHctV8ZofSs

「Phoenix」
『All Rise』というタイトルとも結びついた実質的なタイトル曲。多くの人がGregory Porterに求めているであろうグルーヴィー&ソウルフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=T3GG8NRZaD8

「Merry Go Round」
ジェントルなジャズ・バラード。童心に戻ったような気分になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=x-wtXdn93Iw

「Real Truth」
"ザ・リアル・ヴォイス"らしい大きな愛に包まれたビューティフル・バラード。12月の気分にフィットする感動的な1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=AS61CpBhjTY

「You Can Join My Band」
オーセンティックながらも2020年仕様のジャズになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oEXGpW7FU8k

「Thank You」
ラストはスウィンギーな演奏にゴスペル調コーラスが加わり、楽しげな雰囲気です。12月の気分にピッタリな1曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3yRZK43gfyE

Gregory Porterの他作品もぜひチェックを!

『Water』(2011年)
Water

『Be Good』(2012年)
Be Good

『Liquid Spirit』(2013年)
リキッド・スピリット

『Take Me To The Alley』(2016年)
希望へのアレイ

『Live in Berlin』(2016年)


『Nat King Cole & Me』(2017)


『One Night Only: Live at the Royal Albert Hall』(2018年)
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2020年11月29日

Butcher Brown『#KingButch』

新世代ファンク・バンドが遂にメジャー・デビュー☆Butcher Brown『#KingButch』

発表年:2020年
ez的ジャンル:新世代ファンク・バンド
気分は... :啐啄同時!

新作からファンク・バンドButcher Brownのメジャー・デビュー作『#KingButch』です。

Butcher Brownは、マルチ奏者/プロデューサーのDJ Harrison (Devonne Harris)を中心にバージニア州リッチモンドで結成されたファンク・バンド。

2013年にEP「Backtracks」でデビュー。アルバムも『All Purpose Music』(2014年)、『Grown Folk』(2015年)、『Live at Vagabond』(2017年)、『The Healer』(2017年)、『Camden Session』(2018年)といった作品をリリースしています。

現在のラインナップは、DJ Harrison (Devonne Harris)(key)、Andrew Randazzo(b)、Morgan Burrs(g)、Marcus Tenney(Tennishu)(sax、tp、rap)、Corey Fonville(ds)という5名。

Concordからのメジャー・デビュー作となる本作『#KingButch』

プロデュースはButcher BrownChris Dunn

新世代ファンク・バンドという括りですが、ラップを織り交ぜたHip-Hop調の演奏や70年代ジャズ/フュージョンからの影響を感じる演奏もあり、彼らの音楽のバリエーションを楽しめる1枚に仕上がっています。

ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような曲名の「Cabbage (DFC)」、ジャジーHip-Hop調の「#KingButch」「Gum In My Mouth」、ブギー・ファンクな「1992」Mtumeのカヴァー「Love Lock」、ゲストのFly Anakinのラップをフィーチャーした「For The City」、アーバンなジャズ・ダンサー「IDK」あたりが僕のおススメです。

満を持してのメジャー・デビューに相応しい充実作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Fonkadelica」
少しP-Funkを意識したかのような短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=otlea_BlkO8

「#KingButch」
タイトル曲はDJ Harrisonのメロウ・エレピをバックに、Tennishuがラップする生音ジャジーHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UmBGNbtdngQ

「Broad Rock」
Marcus Tenneyのトランペット、サックスがリードするインスト。アーバン・ムードがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-UmLgGsCCWM

「Cabbage (DFC)」
ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような「キャベツ」という曲名がまず気になりますね(笑)。Andrew RandazzoとCorey Fonvilleのリズム隊が生み出すグルーヴにグッとくるファンキー・チューン。Marcus Tenneyのトランペット、サックス、Morgan Burrsのギター、DJ Harrisonのエレピも見せ場を作っています。
https://www.youtube.com/watch?v=WlloRjnCAxY

「Gum In My Mouth」
Tennishuのラップ調ヴォーカルをフィーチャーしたるジャジー&メロウHip-Hop。適度なローファイ感もあっていい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=4nGTDuaBkgE

「Frontline (Intro)」
Andrew Randazzoのベース、チェロを楽しむ次曲に向けたイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=Paf4-egHKdI

「Frontline」
アーバン・メロウなインスト。新しさはないけど、オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=h7orUMuAPyI

「1992」
Butcher Brown流のブギー・ファンクで楽しませてくれます。彼らしいセンスが織り込まれたブギー・ファンクになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2-aCZ2XYDoc

「Love Lock」
Mtumeのカヴァー(James Mtume/Reggie Lucas作)。オリジナルはアルバム『Kiss This World Goodbye』(1978年)収録。当ブログではFlora Purim『Carry On』のカヴァーを紹介済みです(『Carry On』収録)。僕好みのアーバンなメロウ・フュージョンなに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=nmKnPNVtLtE

「Hopscotch」
Hip-Hop×ジャズのクロスオーヴァーが格好良いスリリングな小曲。もっと長尺で聴きたい!
https://www.youtube.com/watch?v=NciRxl5BzoE

「Tidal Wave」
William Jeffery作。多分、オリジナルはRonnie Laws『Pressure Sensitive』(1975年)だと思います。70年代クロスオーヴァー・ジャズへのオマージュ的なミステリアス&メロウな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=yPJNFckZLSY

「For The City」
Fly Anakinのラップをフィーチャー。Hip-Hop経由の新世代ファンク・バンドらしさが反映されている演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=xtZ1-4-FePI

「IDK」
ラストはシャープでアーバンなジャズ・ダンサーで締め括ってくれます。緩急のアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=1qO-UK7tXSM

Butcher Brownの他作品をチェックを!

『All Purpose Music』(2014年)


『Live at Vagabond』(2017年)


『Camden Session』(2018年)
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2020年11月22日

Various『Blue Note Re:Imagined』

UK新世代によるBlue Note作品の新解釈☆Various『Blue Note Re:Imagined』

発表年:2020年
ez的ジャンル:UK次世代ジャズ・コンピ
気分は... :濃密な2枚組!

今回は新作アルバムから話題のコンピ作品Various『Blue Note Re:Imagined』です。

本作はUKのDrccaとUSのBlue Noteがタッグを組み、UK新世代ジャズを中心とした新鋭アーティスト達が、Blue Noteに残されたジャズ名曲をカヴァーするCD2枚組の企画作品です。

参加したアーティストはJorja SmithEzra CollectivePoppy AjudhaJordan RakeiSkinny PelembeAlfa MistIshmael EnsembleNubya GarciaSteam DownBlue Lab BeatsYazmin LaceyFiehMr Jukes
Shabaka HutchingsMelt Yourself DownEmma-Jean Thackrayという16組。さらに国内盤ボーナス・トラックでは日本人ビートメイカーKan Sano(佐野観)が参加しています。

単なるカヴァーではない、新鋭アーティスト達によるBlue Note名曲の現在進行形の解釈を楽しめます。

新鋭アーティストといっても、既に知名度の高いアーティストから先物買いの無名アーティストまでバラツキがあるところも魅力です。

オリジナルと聴き比べるのも楽しいですが、オリジナルを知らずとも、またジャズ・ファンで無くとも

南ロンドン新世代ジャズを中心とした今のUK音楽シーンの面白さが凝縮されたナイス・コンピだと思います。

全曲紹介しときやす。

Jorja Smith「Rose Rouge」
オリジナルSt Germain『Tourist』(2000年)収録。
デビュー・アルバム『Lost & Found』(2018年)が高い評価を得ていた女性R&BシンガーJorja Smithがフランス人ハウス/テクノ/Nu JazzアーティストSt Germainの人気クロスオーヴァー・チューンをカヴァー。改めて、St Germain『Tourist』がBlue Noteからのリリースというのが面白いですよね。
オリジナルはDave Brubeck Quartet「Take Five」、Marlena Shaw「Woman of the Ghetto (Live)」のサンプリングが印象的でしたが、ここではJorja Smithが「Woman of the Ghetto」ネタ部分をうまく歌いこなし、幻想的かつクールなジャズ・ダンサーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HwSfURSe18Q

(オリジナル)St Germain「Rose Rouge」
 https://www.youtube.com/watch?v=6QImCMjW-PM
『Tourist』(2000年)
Tourist

Ezra Collective「Footprints」
オリジナルWayne Shorter『Adam's Apple』(1966年)収録。人気キーボード奏者Joe Armon-Jonesも在籍する南ロンドンのアフロ・ジャズ・ファンク・バンドEzra CollectiveWayne Shorterの名曲をカヴァー。J Dilla以降のジャズを感じる現在進行形ジャズらしいビート感覚で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I1O6Fg2-Stg

(オリジナル)Wayne Shorter「Footprints」
 https://www.youtube.com/watch?v=3XvJFW0DHbU
『Adam's Apple』(1966年)
Adam's Apple

Poppy Ajudha「Watermelon Man (Under The Sun)」
オリジナルHerbie Hancock『Takin' Off』(1962年)収録。Tom Misch『Geography』(2018年)、Moses Boyd『Dark Matter』(2020年)にも参加していた女性シンガーPoppy AjudhaHerbie Hancockの名曲をカヴァー。この名曲を次世代ネオソウルなメロウ・チューンで聴かせてくれる実に新鮮な「Watermelon Man」です。
https://www.youtube.com/watch?v=Dotx0uHg-pg

(オリジナル)Herbie Hancock「Watermelon Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=_QkGAaYtXA0
『Takin' Off』(1962年)


Jordan Rakei「Wind Parade」
オリジナルDonald Byrd『Places and Spaces』(1975年)収録。オーストラリア出身、ロンドンを拠点に活動する次世代ネオソウル・シンガー/ソングライター/マルチ奏者Jordan Rakeiの参加は嬉しいですね。そんな彼がMizell BrothersのSky High Productionsにチャレンジ!って感じですかね。彼による一人スカイ・ハイ・サウンドもアーバン・メロウな魅力があっていいですよ!
https://www.youtube.com/watch?v=c8xZB5bWTbI

(オリジナル)Donald Byrd「Wind Parade」
https://www.youtube.com/watch?v=uoCS0LQ5so8
『Places and Spaces』(1975年)
Places and Spaces

Skinny Pelembe「Illusion (Silly Apparition)」
オリジナルAndrew Hill『Change』(1966年)収録。南アフリカのヨハネスブルグ生まれで、昨年 Gilles PetersonのBrownswood Recordingsからアルバム『Dreaming Is Dead Now』をリリースしたマルチ奏者Skinny Pelembeが、天才ピアニストAndrew Hillの作品をカヴァー。アフロ・スピリチュアルな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=UoHEaV0a-Zg

(オリジナル)Andrew Hill「Illusion」
 https://www.youtube.com/watch?v=XueShCJ2_yk
『Change』(1966年)


Alfa Mist「Galaxy」
オリジナルEddie Henderson『Sunburst』(1975年)収録。J Dillaの影響を感じるデビュー・アルバム『Antiphon』(2017年)でシーンに大きなインパクトを与えた、イーストロンドン出身の新世代ジャズ・ピアニストAlfa Mistの登場。ピアニストではなくトランぺッターの作品を取り上げるところが面白いですね。僕のイメージするAlfa Mistよりもエキサイティングな感じがします。こういった企画作品だからこその選曲、演奏かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=iAvVQgvjeZ8

(オリジナル)Eddie Henderson「Galaxy」
 https://www.youtube.com/watch?v=5HBVsFPeGXI
『Sunburst』(1975年)
サンバースト

Ishmael Ensemble「Search for Peace」
オリジナルMcCoy Tyner『The Real McCoy』(1967年)収録。サックス奏者Pete Cunningham率いるジャズ・エレクトロニカ・グループIshmael Ensemble。昨年デビュー・アルバム『A State Of Flow』をリリースしています。McCoy Tynerのバラードを幻想的な雰囲気で聴かせてくれます。大自然をテーマにしたドキュメンタリーのエンディングテーマにフィットしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=B-964KSiu_E

(オリジナル)McCoy Tyner「Search for Peace」
 https://www.youtube.com/watch?v=9XVNzU9OqMc
『The Real McCoy』(1967年)
The Real McCoy

Nubya Garcia「A Shade of Jade」
オリジナルJoe Henderson『Mode For Joe』(1966年)収録。南ロンドン次世代を牽引する一人、女性サックス奏者Nubya Garciaの登場。彼女がジョー・ヘンをどのように調理するのかは興味深かったですが、オーソドックスな中にも南ロンドン新世代ならではのフィーリングを織り交ぜた演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4kAzCIogkoI

(オリジナル)Joe Henderson「A Shade of Jade」
 https://www.youtube.com/watch?v=L_Wy6t56msI
『Mode For Joe』(1966年)


ここまでがDISC1です。続いてDISC2に突入!

Steam Down feat Afronaut Zu「Etcetera」
オリジナルWayne Shorter『Et Cetera』(1980年)収録。Steam Downは南ロンドンで毎週イベントを主宰しているアーティスト・チームらしいです。ジャズ×アフロなクロスオーヴァー感覚が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=WL6mMhkkyL4
Wayne Shorter「Etcetera」
 https://www.youtube.com/watch?v=lEHAelwHYeo

(オリジナル)Wayne Shorter『Et Cetera』(1980年)


Blue Lab Beats「Montara」
オリジナルBobby Hutcherson『Montara』(1975年)収録。当ブログでも絶賛した期待のUKビートメイキング・デュオBlue Lab Beatsが定番サンプリング・ソースとても人気の名曲をカヴァー。彼らお得意のジャズ・フィーリングに満ちたJ Dilla経由のビートメイキングを満喫できます。ヴァイヴ、フルート、トランペットの音色が心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=nH0epWTAtQ8

(オリジナル)Bobby Hutcherson「Montara」
 https://www.youtube.com/watch?v=J8XogeXBXVk
『Montara』(1975年)
Montara

Yazmin Lacey「I’ll Never Stop Loving You」
オリジナルDodo Greene『My Hour of Need』(1962年)収録。Jorja Smithに続くネオソウル・ディーヴァYazmin Laceyを起用。少し気怠いヴォーカルがフィットするジャジー・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=5Ci7nd4FGmE
Dodo Greene「I’ll Never Stop Loving You」
 https://www.youtube.com/watch?v=5va93Houmew

(オリジナル)Dodo Greene『My Hour of Need』(1962年)


Fieh「Armageddon」
オリジナルWayne Shorter『Night Dreamer』(1964年)収録。ノルウェー、オスロを拠点とする女性ヴォーカルSofie Tollefsbol率いるネオソウル・バンドFiehの登場。ロンドンでも注目された彼らは2019年にDecca Recordsからデビューアルバム『Cold Water Burning Skin』をリリースしています。スケールの大きな演奏とSofieのコケティッシュなヴォーカルは南ロンドン新世代ジャズとシンクロする音世界です。
https://www.youtube.com/watch?v=e4j_rDA-eo0

(オリジナル)Wayne Shorter「Armageddon」
 https://www.youtube.com/watch?v=nNIeiB5ZUzM
『Night Dreamer』(1964年)
Night Dreamer

Mr Jukes「Maiden Voyage」
オリジナルHerbie Hancock『Maiden Voyage』(1965年)収録。Mr Jukesは、UKロック・バンドBombay Bicycle ClubのフロントマンJack Steadmanのソロ・プロジェクト。お馴染みのジャズ名曲を重厚なコーラスとジャズ・フィーリングのビートメイキングによる新世代感覚で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DKyQeJXPmxY

(オリジナル)Herbie Hancock「Maiden Voyage」
 https://www.youtube.com/watch?v=Q-DGCQ-zXZ8
『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

Shabaka Hutchings「Prints Tie」
オリジナルBobby Hutcherson『San Francisco』(1970年)収録。南ロンドン次世代ジャズをリードする代表格であるサックス奏者Shabaka Hutchings。取り上げたのはBobby Hutcherson作品。オリジナルの持つ不穏な雰囲気を見事にShabaka Hutchingsならではの音世界に取り込んでいますね。居心地の悪さが魅力の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=yZDEIqN6Mxg

(オリジナル)Bobby Hutcherson「Prints Tie」
 https://www.youtube.com/watch?v=UGt65Qxb7mI
『San Francisco』(1970年)
San Francisco

Melt Yourself Down「Caribbean Fire Dance」
オリジナルJoe Henderson『Mode For Joe』(1966年)収録。Pete Warehamを中心に2012年に結成されたクロスオーヴァーなジャズ・ユニットMelt Yourself Down。かつてはShabaka Hutchingsも参加していました。オリジナルの持つ呪術的パワーを受け継ぎつつ、現在のUKらしいアフロ・ジャズな電脳ダンス・チューンに仕上がっています。クラブジャズ/クロスオーヴァー好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=CZ9p1k6XYzU

(オリジナル)Joe Henderson「Caribbean Fire Dance」
 https://www.youtube.com/watch?v=CbquuL5Kamk
Joe Henderson『Mode For Joe』(1966年)


Emma-Jean Thackray「Speak No Evil(Night Dreamer)」
オリジナルWayne Shorter『Speak No Evil(1964年)、『Night Dreamer』(1964年)収録。本編ラストは女性ジャズ・トランペット奏者Emma-Jean Thackrayを起用。Shorterの名曲2曲をクラブ仕様のジャズ・ハウスで聴かせるとは意表を突かれました。
https://www.youtube.com/watch?v=-9WjBVuykF0

(オリジナル)>Wayne Shorter「Speak No Evil」
 https://www.youtube.com/watch?v=fvRkGglLe-U
(オリジナル)>Wayne Shorter「Night Dreamer」
 https://www.youtube.com/watch?v=4mJS8HXbYn4
Wayne Shorter『Speak No Evil(1964年)(左)
Wayne Shorter『Night Dreamer』(1964年)(右)
スピーク・ノー・イーヴルNight Dreamer

Kan Sano「Think Twice」
オリジナルDonald Byrd『Stepping Into Tomorrow』(1974年)収録。国内盤ボーナス・トラックとして日本人ビートメイカーKan Sano(佐野観)のトラックを収録。オリジナル16トラックと並べても引けを取らない素敵なジャジー・メロウ・トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9rdhNlUMnUo

(オリジナル)Donald Byrd「Think Twice」
 https://www.youtube.com/watch?v=tX9Eup3Brtk
『Stepping Into Tomorrow』(1974年)
ステッピン・イントゥ・トゥモロー (完全期間限定盤)
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2020年11月15日

Little Dragon『New Me,Same Us』

新作はNinja Tuneから!☆Little Dragon『New Me,Same Us』

発表年:2020年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・エレクトロニカ
気分は... :新しい自分、変わらない私たち・・・

今回は日系スウェーデン人の女性シンガーYukimi Nagano率いるスウェーデンの4人組バンドLittle Dragonの最新6thアルバム『New Me,Same Us』です。

今年3月下旬のリリースですが、リリース直後の購入機会を逸してしまい、このタイミングでの紹介となりました。。

スウェーデン、ヨーテボリで結成されたYukimi Nagano(vo、per、key)、Fredrik Kallgren Wallin(key、b)、Hakan Wirenstrand(key)、Erik Bodin(ds、key)の4人組Little Dragonの紹介は、デビュー・アルバム『Little Dragon』(2007年)、5thアルバム『Season High』(2017年)に続き3回目となります。

3年ぶりの新作となる本作『New Me,Same Us』は、人気レーベルNinja Tuneに移籍してのリリースです。

プロデュースは久々にグループのセルフ・プロデュース。
ソングライティングも演奏もKali Uchisをフィーチャーした1曲を除いてメンバーのみという全編自作自演の1枚に仕上がっています。

Ninja Tuneへの移籍を機に、自分たちの立ち位置を再確認したような1枚に仕上がっています。

先行シングルとなったディスコ・ファンク調の「Hold On」、独特の雰囲気を持った「Rush」、ドリーミー・ソウルな「Another Lover」「New Fiction」、ビューティフル&ドリーミーな「Where You Belong」Kali Uchisをフィーチャーした「Are You Feeling Sad?」、ボーナス・トラックのダンサブルなクロスオーヴァー「Let Me Know」あたりがおススメです。

自分たちの音楽スタイルをワンランクアップさせたグループの成長を感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Hold On」
先行シングルとなったオープニング。Little Dragon流のディスコ・ファンクといったキャッチーな仕上がり。吹っ切れた感じが好きです。デモ段階ではMassive Attack「Unfinished Sympathy」のような仕上がりだったのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=JmDvTxGeJuY

「Rush」
ダンスホール・レゲエ×トロピカル×シンセ・ポップのような独特の雰囲気を持った1曲。不思議な魅力に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1pI9kVTynX0

「Another Lover」
クールなシンセとシンセベースを効かせてたサウンドをバックに、Yukimiが魅惑のヴォーカルを披露してくれるドリーミー・ソウル。Little Dragonならではの音世界を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=a5OLk6PgIds

「Kids」
北欧シンセ・ポップ調ですが、立体的な音空間の広がりがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=fi61UQrtnbU

「Every Rain」
少し寂しげなYukimiのヴォーカルが印象的な哀愁チューン。雨の日の憂鬱な気分にピッタリ!
https://www.youtube.com/watch?v=AEdn_hIno3Q

「New Fiction」
ドリーミーでソウルフルな僕好みの1曲。うまく表現できませんが、Little Dragonの美学が凝縮された1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=u7VSswF24Eg

「Sadness」
Yukimiのコケティッシュ・ヴォーカルが映えるシンセ・ポップ。ドリーミーな前半と、ドライブ感のある後半のコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=41ijqvnETpg

「Are You Feeling Sad?」
US女性シンガーKali Uchisをフィーチャー。ダンサブルなシンセ・ポップをバックにKaliとYukimiが魅力的なヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HmRnpBQ3gBc

「Where You Belong」
Little Dragonならではのビューティフル&ドリーミーなポップ・ワールドを展開します。夢の中を彷徨っているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=lB_VTqaPC08

「Stay Right Here」
シンセベースを効かせた幻想的な1曲。美しくも儚い感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tbgxQjcX76E

「Water」
本編ラストは正に水のようなサウンドの中にYukimiのコケティッシュ・ヴォーカルが響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=2pv_ExqDsHU

「Let Me Know」
国内盤ボーナス・トラック。本編とは少し異なる雰囲気のダンサブルなクロスオーヴァー・チューン。個人的にはかなり好みの音です。

Little Dragonの他作品もチェックを!

『Little Dragon』(2007年)
Little Dragon

『Machine Dreams』(2009年)
Machine Dreams

『Ritual Union』(2011年)
リチュアル・ユニオン

『Nabuma Rubberband』(2014年)
Nabuma Rubberband

『Season High』(2017年)
Season High
posted by ez at 01:46| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする