2020年04月12日

Thundercat『It Is What It Is』

メロウ路線に磨きがかかった最新作☆Thundercat『It Is What It Is』
It Is What It Is [解説・歌詞対訳 / ボートラ追加収録 / 国内盤] (BRC631)
発表年:2020年
ez的ジャンル:Brainfeeder系天才ベーシスト
気分は... :人生はそういうものさ・・・

新作アルバムから最も旬なアーティストであり、天才ベーシストThundercatの最新作『It Is What It Is』です。

黒人ドラマーRonald Bruner Sr.を父に、グラミー受賞歴を持つ敏腕ドラマーRonald Bruner Jr.を兄に持つ天才ベーシストであり、Flying Lotusの右腕としてBrainfeederを牽引するThundercat(本名Stephen Bruner)について、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の3枚。

 『The Golden Age of Apocalypse』(2011年)
 『Apocalypse』(2013年)
 『Drunk』(2017年)

従来にはないヴォーカル重視のメロディアスな新境地を示し、各方面で絶賛された3rdアルバム『Drunk』(2017年)。

4thアルバムとなる最新作『It Is What It Is』は、『Drunk』路線をさらに推し進めたヴォーカル重視&メロディアスな1枚に仕上がっています。

アルバム・タイトル"It Is What It Is"は、「仕方ないさ」「そういうものさ」という変わりようのない現実を、諦めの気持ちを込めて表現するフレーズです。

新型コロナウイルスの感染防止のため、ステイホームをせざるを得ない世界中の人々の気持ちともリンクするタイトルですね。

プロデュースはFlying LotusThundercat

アルバムにはLouis ColeKNOWER)、Childish GambinoThe Internetの中核メンバーSteve Lacy、元SlaveSteve ArringtonZack FoxLil BTy Dolla $ign、ブラジルの才能あるギタリストPedro Martinsといったアーティストがフィーチャリングされています。

さらに国内盤ボーナス・トラックでは、Michael McDonaldがフィーチャリングされています。

それ以外にKamasi WashingtonBadBadNotGoodMiguel Atwood-FergusonSounwaveMono/PolyDennis HammRonald Bruner Jr.Brandon ColemanTaylor GravesScott Kinsey等のミュージシャンが参加しています。

メロディアスな曲作り、メロウ・サウンド、ファルセット・ヴォーカルにさらに磨きがかかった内容で全編楽しませてくれます。

♪次、どうなるかなんて、はっきりわからない♪
♪でも大丈夫、こうやって呼吸している限りは大丈夫さ♪

全曲紹介しときやす。

「Lost In Space/Great Scott/22-26」
L.A.のプログレッシヴ・フュージョン・バンドTribal Techでの活動で知られるキーボード奏者Scott Kinseyとの共作。評論家はScott Kinsey経由で無理矢理Joe Zawinulに結び付けたがっていますが、Thundercat本人にそういった意図はないようです。キーボードとベース、ヴォーカルのみの演奏ですが、宇宙の失われた場所へのメッセージが本作の雰囲気をよく伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kNlDipE9E14

「Innerstellar Love」
「Lost In Space/Great Scott/22-26」から繋がっています。Kamasi Washingtonも参加したコズミック・フュージョン。Thundercatらしいベース・プレイも堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=yA4R9qLa26E

「I Love Louis Cole」
KNOWERLouis Coleをフィーチャー。Louis Cole主導で制作され、そこにThundercatのヴォーカル&ベースを乗っけたらしいです。ポップ職人であると同時に、L.A.ジャズ・シーンで腕を磨いてきたドラマーでもあるLouis Coleの個性を楽しめるアッパー・チューン。ポップ×ビートミュージックなさじ加減が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=YHTufn3VWq0

「Black Qualls」
Childish Gambino、The Internetの中核メンバーSteve Lacy、元SlaveSteve Arringtonをフィーチャー。Steve Arringtonについては、親交のあったDam Funkに紹介してもらったようです。Steve Lacyについては、Thundercatの弟Kintaro(Jameel Bruner)が元The Internetメンバーだったので、その繋がりでしょう。この顔合わせならばファンク・チューンを期待しますが、その期待通りのメロウ・ファンクで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_p7dXbDAXuQ

「Miguel's Happy Dance」
タイトルから予想できるように、Miguel Atwood-Fergusonのことを歌ったもの。Thundercatのファルセット・ヴォーカルが映えます。ドラム・プログラミングはFlying Lotus
https://www.youtube.com/watch?v=_D_DGhBR7NA

「How Sway」
『Apocalypse』の頃のThundercatらしい超絶ベースを楽しめる1曲。歌詞には「Aye」「Yo」の二語しかありません。
https://www.youtube.com/watch?v=QwQeEmY1QxI

「Funny Thing」
『Drunk』からのメロウ路線に磨きがかった、ファルセット・ヴォーカル冴えまくるポップ・ダンス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=lSrKfSDwIi0

「Overseas」
Zack Foxをフィーチャー。メロディアスなドリーミー・ポップ。この曲のメロウネスも格別です。
https://www.youtube.com/watch?v=HE-2bO2I_es

「Dragonball Durag」
タイトルの通り、Thundercatの『ドラゴンボール』愛が反映された1曲。曲自体はメロウAOR的な仕上がりなので、そのギャップが楽しいかも?Kamasi Washingtonも参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ormQQG2UhtQ

「How I Feel」
1分強のインタールード的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=qIOMiQ3d80A

「King Of The Hill」
Brainfeederの10周年記念コンピ『Brainfeeder X』(2018年)にも収録されていた楽曲であり、カナダのジャズ・ユニットBadBadNotGoodとの共演です。メロウ路線を象徴するドリーミーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=VOVi-INLRWI

「Unrequited Love」
報われない愛の孤独感を切々と歌い上げます。ファルセット・ヴォーカルが似合う曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eRo_FFrliAs

「Fair Chance」
Lil B/Ty Dolla $ignをフィーチャー。抑えたトーンの美しい演奏にラップが乗りますが、違和感なくいい雰囲気を醸し出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IoFOXgIme9M

「Existential Dread」
1分に満たない曲ですが、♪次、どうなるかなんて、はっきりわからない♪でも大丈夫、こうやって呼吸している限りは大丈夫さ♪という歌詞は沁みてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=f728T_wocZ8

「It Is What It Is」
本編ラストはブラジル人ギタリストPedro Martinsをフィーチャーしたタイトル曲。ソングライティングも二人の共作です。メロディアスなヴォーカル入り前半と、♪Hey Mac♪と2018年9月に逝去したMac Millerへ呼びかけるインスト中心の後半との二部構成です。
https://www.youtube.com/watch?v=lqDs_quhy0I

「Bye For Now」
国内盤ボーナス・トラック。前作でも話題となったMichael McDonaldを再びフィーチャリング。二人の共演らしいAOR調メロウ・チューンに仕上がっています。この曲にも亡き友人Mac Millerへの想いが込められているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=j35c7si8ztU

Thundercatの過去記事もご参照下さい。

『The Golden Age of Apocalypse』(2011年)
The Golden Age of Apocalypse [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC302)

『Apocalypse』(2013年)
Apocalypse [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC383)

『Drunk』(2017年)
Drunk [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤]  (BRC542)
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2020年04月05日

Becca Stevens『Wonderbloom』


さらに進化を遂げた新作☆Becca Stevens『Wonderbloom』
ワンダーブルーム【日本先行発売/CD日本盤のみ/ボーナス・トラック収録】
発表年:2020年
ez的ジャンル:ハイブリッド女性SSW
気分は... :別様のありかた・・・

注目の女性シンガー・ソングライターBecca Stevensの最新作『Wonderbloom』です。

ノースカロライナ出身、N.Y.のニュースクール大学でジャズ・ヴォーカルを専攻した女性シンガー・ソングライターBecca Stevensの紹介について、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 Becca Stevens Band『Weightless』(2011年)
 Becca Stevens Band『Perfect Animal』(2014年)
 Tillery『Tillery』(2016年)
 Becca Stevens『Regina』(2017年)

前作『Regina』(2017年)から3年ぶりの新作となる『Wonderbloom』

アルバム・タイトルは亜熱帯雨林地域に自生する数年に一度、それも二日程度しか咲かない巨体花「タイタン・アルム(Titan Arum)」にインスパイアされたものなのだとか。

前作『Regina』(2017年)では、多彩なゲストを迎えて、ロンドン・レコーディングも行うなど一気にアーティストとしての幅を広げた印象を受けました。

本作『Wonderbloom』も前作同様、多彩なゲストを迎えると同時に、多様でハイブリッドな音楽性を披露してくれます。特にプログラミングやエレクトロニクスを駆使した楽曲やダンサブル・サウンドが印象に残ります。

プロデュースはBecca StevensNic Hard

アルバムには、Beccaも参加したコラボ・アルバム『Here If You Listen』(2018年)への参加メンバーであるDavid CrosbyMichelle WillisSnarky PuppyMichael Leagueの3名、同じくSnarky PuppyJustin StantonMike "Maz" Maher、L.A.ミニマル・ファンク・バンドVulfpeckCory Wong、、前作にも参加していたJacob Collier(key、vo)やAlan Hampton(b、vo)、フランス人女性ハープ奏者Laura Perrudinそれ以外にRyan ScottRoosevelt Collierといったアーティストがフィーチャリングされています。

それ以外にMark LettieriBob LanzettiMark LettieriNate Werth小川 慶太Marcelo Woloski というSnarky Puppyのメンバーや、かつてのBecca Stevens Band同僚であるLiam Robinson(key)、Chris Tordini(b)、Jordan Perlson(ds)の3名など多彩なミュージシャンが参加しています。

イスラエルをルーツに持つ女性シンガー・ソングライターで、Jose Jamesの奥方であるTalia Billig等がソングライティングで参加しています。

「I Wish」「Good Stuff」「Slow Burn」といったダンサブル・チューンが分かりやすいですが、それ以外の楽曲でも進化するBecca Stevensに出会うことができます。

Becca Stevensの音世界はどこまでも広がっていく・・・

全曲紹介しときやす。

「Low On Love」
Becca Stevens作。プログラミングを駆使したオープニング。シンセの音色を巧みに生かしたサウンド・メイキングがいいですね。エレクトリック・チャランゴの音色がいいアクセントとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5Tl9fxHH4d0

「I Wish」
Cory Wong/Justin Stanton/Michael Leagueをフィーチャー。Becca Stevens作。聴いた瞬間、Vulfpeckファンは思わずニンマリする1曲なのでは?BeccaにPrince殿下が憑依している感じも面白いポップ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=0wdpA_mBvEQ

「Between Me & You」
Becca Stevens/Justin Berger作。SSWらしい楽曲ですが、奥行きのあるサウンドが深遠な雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=-D1fPGk99xM

「Good Stuff」
Becca Stevens/Kaveh Rastegar作。プログラミング&エレクトロニクスを駆使したダンサブル・チューン。Beccaの新たな一面に出会うことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=_aJ0wLy7C68

「Slow Burn」
Jacob Collierをフィーチャー。Becca Stevens/Talia Billig作。プログラミング&エレクトロニクスを駆使しつつ、トーキング・ドラムによるアフロ・エッセンスも加味したファンキーなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=g014-1Tsiv0

「Charlemagne」
Alan Hamptonをフィーチャー。Becca Stevens/Alan Hampton作。Beccaらしい歌詞世界とAlan Hamptonとのコラボらしい幻想的な音世界がとてもよく調和していると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=s9QM6p2vMYs

「I Will Avenge You」
Ryan Scottのギター&ベースをフィーチャー。 Becca Stevens作。アメリカのTVシリーズ『In The Dark』にインスパイアされて書かれた楽曲。重厚なダークネス感が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=sxSPwHCl_Cs

「You Didn't Know」
Becca Stevens作。R. Kellyの性的虐待を糾弾する活動への応援ソング。R. Kelly作品を愛聴してきた身としては複雑な思いですが・・・告発した勇気ある女性たちをやさしい歌声で包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=aJugMip8jo8

「True Minds」
Becca Stevens作。シェイクスピアのソネット116番にBeccaがメロディをつけたもの。プログラミングとストリングス、さらにはチャランゴ、バンジョーなどを織り交ぜたBeccaらしいハイブリッドな音世界を存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=We8kA34M-1o

「Feels Like This」
Becca Stevens/Talia Billig/Jacob Bergson作。従来からのBeccaらしい音世界をさらに深化させた雰囲気があります。エレクトロニクスな奥行き感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2xl-996W_fk

「Never Mine」
Becca Stevens/Kaveh Rastegar作。多重録音によるヴォーカル・ワークによる幻想的な雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AyXWaXxg1A8

「Response To Criticism」
Roosevelt Collierのラップ・スティール・ギターをフィーチャー。Becca Stevens/Jane Tyson Clement作。ここでのBeccaはアフリカの弦楽器であるコラとンゴーニを弾いています。さり気ないですが、独特の味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YEHkzYFG6Y8

「Halfway」
Laura Perrudinのハープをフィーチャー。Becca Stevens/Talia Billig/Jacob Bergson作。Laura PerrudinのハープとBeccaのチャランゴが織り成す美しい弦の響きに惹かれるビューティフル・ソング。
https://www.youtube.com/watch?v=Jh81ORI5Gv0

「Heathers Letters To Her Mother」
ラストはDavid Crosby/Michelle Willis/Mike ‘Maz’ Maherをフィーチャー。Becca Stevens作。『Here If You Listen』(2018年)で共演したDavid Crosby/Michelle Willisが参加。2017年8月バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者による自動車突入テロ事件の犠牲者Heather Heyerさんに捧げれた曲です。社会派シンガー・ソングライターとして一面を見せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NZ6rN1vhx_8

「Between Me & You (Live Studio Version) 」
国内盤ボーナス・トラック。「Between Me & You」のライヴ・スタジオ・ヴァージョンです。

Becca Stevensの他作品もチェックを!

Becca Stevens Band『Tea Bye Sea』(2008年)
ティー・バイ・シー

Becca Stevens Band『Weightless』(2011年)
Weightless

Becca Stevens Band『Perfect Animal』(2014年)
パーフェクト・アニマル

Tillery『Tillery』(2016年)
ティレリー

Becca Stevens『Regina』(2017年)
レジーナ【日本先行発売】

David Crosby, Becca Stevens, Michelle Willis, Michael League『Here If You Listen』(2018年)
HERE IF YOU LISTEN
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2020年03月29日

Shabaka And The Ancestors『We Are Sent Here By History』

次世代UKジャズの旗手が放つ現代のグリオ☆Shabaka And The Ancestors『We Are Sent Here By History』
ウィー・アー・セント・ヒア・バイ・ヒストリー
発表年:2020年
ez的ジャンル:次世代UKジャズ/アフロ・ジャズ
気分は... :外出自粛の夜には・・・

新作から次世代UKジャズの旗手の一人Shabaka Hutchings率いるShabaka And The Ancestorsの最新作『We Are Sent Here By History』です。

1984年ロンドン生まれのサックス/クラリネット奏者Shabaka Hutchingsについては、Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』(2018年)を紹介しています。

Sons Of KemetThe Comet Is ComingMelt Yourself Downといったユニットでも作品をリリースしているShabaka Hutchings

今回紹介するShabaka And The Ancestorsは、Shabaka Hutchingsが南アフリカの精鋭ジャズ・ミュージシャンと組んだユニット。

本作『We Are Sent Here By History』は、『Wisdom Of Elders』(2016年)に続く2ndアルバムとなります。名門Impulse!からのリリースです。

本作におけるShabaka And The Ancestorsメンバーは、Shabaka Hutchings(ts、clarinet)、Mthunzi Mvubu(as)、Siyabonga Mthembu(voice)、Gontse Makhene (per)、Ariel Zamonsky(b)、Tumi Mogorosi(ds)という6名。

それ以外にNduduzo Makhathini(el-p)、Mandla Mlangeni(tp)という前作メンバーやThandi Ntuli(p)が参加しています。

楽曲はすべてShabakaのオリジナルです。

本作はShabakaが現代におけるグリオとして作ったのだとか。
グリオとは文字を持たなかった人々が神話や歴史を歌にして吟じた西アフリカの伝承音楽のことです。

アフロ・ジャズ、アフリカの伝統音楽、カリブのエッセンスが加わった次世代UKブラックジャズは、今の僕の嗜好にフィットした1枚に仕上がっています。

普段ジャズを聴かない人も直感的に格好良いと感じる演奏なのでは?
クラブジャズ好きの人も意外にスンナリと聴けると思います。

主役は勿論、Shabaka Hutchingsのサックス、クラリネットですが、格好良さの肝はAriel Zamonskyのダブルベースにあると思います。

Shabaka Hutchingsが伝承したいジャズ・ワールドを確かめましょう。

全曲紹介しときやす。

「They Who Must Die」
トライバルなパーカッションにダブルベースが絡むイントロが格好良いアフロ・ジャズがオープニング。ダークでコズミックなグルーヴが僕好み。現在の世界の危機的状況とリンクさせると不吉なタイトルも気になります。
https://www.youtube.com/watch?v=rpyoP3x9-hk

「You've Been Called」
まさにストーリーテラーといった雰囲気で始まりますが、本編はしっかりブラック・ジャズしています。スピリチュアル・ジャズ好きの人にフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=4bG5dL3RUZs

「Go My Heart, Go To Heaven」
伝承音楽×ジャズな雰囲気が伝わってくる演奏です。Ariel Zamonskyの格好良いベースがShabakaのサックスを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=eg-0rBD38Lc

「Behold, The Deceiver」
コズミックな疾走感が格好良い僕好みの1曲。ShabakaとMthunzi Mvubuのホーン・アンサンブルもグッド!クラブジャズ好きの人にもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Y8XCaxVsslg

「Run, The Darkness Will Pass」
ここではShabakaのクラリネットを満喫できます。アフリカ×カリブ×ジャズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0E-WEVbTBMQ

「The Coming Of The Strange Ones」
イントロのAriel Zamonskyのベースの格好良さで一発KOされてしまうアフロ・ジャズ。Shabakaらしいブラック・ジャズ・ワールドにテンション上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=Crhs76o9mvw

「Beast Too Spoke Of Suffering」
フリー・ジャズでスタートし、そこにアフリカの伝統音楽のエッセンスが加わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=0E-WEVbTBMQ

「We Will Work (On Redefining Manhood)」
序盤はグリオ的な展開ですが、それに続く本編はまたまたAriel Zamonskyのベースの格好良いベースが先導するエキサイティングな演奏です。ここでのShabakaはクラリネットを演奏していますが、彼がクラリネットをプレイすると一気にカリビアン・テイストが増すのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vq5A4WtsrgQ

「'Til The Freedom Comes Home」
ベース、パーカッション、サックスの絡みがエキサイティングです。中盤でさらにハイテンションになっていくのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DimK2Wjdq38

「Finally, The Man Cried」
Tumi Mogorosiのドラミングにグッとくるスケールの大きな演奏です。アフリカ×UKブラックジャズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jPGDdjxfAKw

「Teach Me How To Be Vulnerable」
ラストはピアノをバックにShabakaのサックスが寂しげに響きます。この音色が示すメッセージは・・・
https://www.youtube.com/watch?v=zBMUnmZRa1A

他のShabaka Hutchings関連作品もチェックを!

Shabaka And The Ancestors『Wisdom Of Elders』(2016年)
Wisdom of Elders [帯解説 / 国内盤] (BRC529)

Sons Of Kemet『Burn』(2013年)
BURN

Sons Of Kemet『Lest We Forget What We Came Here to Do』(2015年)
LEST WE FORGET

Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』(2018年)
Your Queen Is A Reptile

Melt Yourself Down『Melt Yourself Down』(2013年)
Melt Yourself Down

Melt Yourself Down『Last Evenings On Earth』(2016年)
Last Evening On Earth

The Comet Is Coming『Channel The Spirits』(2016年)
Channel The Spirits

The Comet Is Coming『Trust In The Lifeforce Of The Deep Mystery』(2019年)
Trust in the Lifeforce..

The Comet Is Coming『Afterlife』(2019年)
Afterlife
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2020年03月22日

The Seshen『Cyan』

ベイエリア産フューチャー・ソウル☆The Seshen『Cyan』
Cyan [輸入盤CD] (TRUCD376)_928
発表年:2020年
ez的ジャンル:ベイエリア産フューチャー・ソウル
気分は... :メランコリーの時代を生きる・・・

新作アルバムからベイエリアのフューチャー・ソウル・ユニットThe Seshenの最新作『Cyan』です。

日系4世のAkiyoshi Ehara(b)を中心に、サンフランシスコで結成されたフューチャー・ソウル・ユニットThe Seshenの紹介は、『Flames & Figures』(2016年)に続き2回目となります。

本作『Cyan』は、セルフ・リリースの『The Seshen』(2012年)、Tru Thoughts第一弾となった前作『Flames & Figures』(2016年)に続く3rdアルバム、Tru Thoughtsからの第二弾アルバムとなります。

本作のメンバーはAkiyoshi Ehara(b)、Lalin St. Juste(vo)、Kumar Butler(software instrument)、Mahesh Rao(key)、Mirza Kopelman(per)、Chris Thalmann(ds)という6名。

プロデュース、ソングライティング、アレンジ、エンジニアリング、ミックスはすべてAkiyoshi Ehara

前作以上にエレクトロ・サウンドとLalin St. Justeのキュート・ヴォーカルに磨きがかかっています。

同じエレクトロ・サウンドでもドリーミーな楽曲とメランコリックな楽曲のバランスがいいですね。80年代エレポップを2020年仕様にアップデートさせたような楽曲があるのも僕好み。

前作以上に僕の嗜好にフィットした1枚です。
というより僕の嗜好がThe Seshenの音世界に寄ったのかも?

全曲紹介しときやす。

「Take It All Away」
クールなドリーミー感が心地好いオープニング。フューチャー・ソウルなErykah Baduといった雰囲気のLalin St. Justeのヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bUJmc4pzW_w

「4AM」
幻想的なエレクトロ・サウンドが印象的なエレクトリック・ソウル。キュートな気怠さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ey5NYVDfJg4

「Still Dreaming」
ドリーミーなダンサブル・チューン。本作らしいポップなエレクトロ感を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=8RZhxxHPbOE

「Head to Head」
哀愁モードのダンス・サウンドを聴いていると、90年前後にタイムスリップしたような感覚になります。
https://www.youtube.com/watch?v=_hQAbvvDW08

「Close Your Eyes」
ロウ・ハウス調のメランコリックなダンス・チューン。美しくも儚いムードが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=mevfjYt3e7w

「1000 Lights」
祈りのようなLalin St. Justeのヴォーカルが印象的なビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=TzSkzc5Ci1g

「Faster Than Before」
アルバムの中で最もフューチャー・ソウル・バンドらしいかもしれません。2020年版ニューウェイヴ/エレポップといった趣がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_PyBCMJzzRQ

「Don't Answer」
アコギ&ストリングスによる清らかなサウンドが印象的なドリーミー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=lrJPC1IOJDM

「Can't Pretend」
これも2020年版エレポップといった雰囲気のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=0cowtn2jZ1M

「Dive」
先行シングルにもエレクトロ・ポップ。Erykah BaduばりのコケティッシュなLalin St. Justeのヴォーカルが映える1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=AMEjfkT_wVA

「Stones」
エレクトロニカ色の強い哀愁フューチャー・ソウル。美しくも儚いメランコリックな音世界が今の僕の嗜好にフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=geb694Iiv_k

「Wander」
ラストはワンダー・モードのミディアムで幻想的なエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZnK-xagX4zo

『Flames & Figures』(2016年)
Flames & Figures [帯・解説付 / 国内流通仕様盤CD] (BRTRU330)
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2020年03月15日

Ben Williams『I Am A Man』

新世代ジャズ・ベーシストの最新作は社会派ネオソウルBen Williams『I Am A Man』
アイ・アム・ア・マン
発表年:2020年
ez的ジャンル:新世代ジャズ・ベーシスト系ネオソウル
気分は... :ズシリと重い・・・

今回は新世代ジャズ・ベーシストBen Williamsの最新作『I Am A Man』です。

1984年ワシントンDC生まれ。ジュリアード音楽院で学び、2009年にはThelonious Monk International Jazz Bass Competitionで優勝し、一躍注目のジャズ・ベーシストとなったBen Williamsの紹介は、初のリーダー作『State Of Art』(2011年)に続き2回目となります。

自身のグループSound Effectを率いたり、Pat MethenyのグループUnity Bandへ参加などでも知られるBen Williams

Jazz The New Chapterブームのなかで、Jamire WilliamsKris BowersMatthew StevensGerald ClaytonChristian Scott aTunde Adjuahらによる若手ジャズメンのオールスター・ユニットNEXT Collectiveのメンバーとして注目を浴び、初リーダー作『State Of Art』(2011年)にもスポットが当てられました。

『State Of Art』は、Go-Go調、ジャズ・ラップ調、ブラジル調、アフリカ調、ブルース調とバラエティに富んだ演奏で、トータルなサウンドにこだわった僕好みの1枚でした。

その『State Of Art』(2011年)、『Coming Of Age』(2015年)に続く、3枚目のソロ・アルバムとなるのが本作『I Am A Man』(2020年)です。

Jose Jamesが立ち上げたレーベルRainbow Blondeからのリリースです。

そのレーベル主宰者Jose Jamesの最新作『No Beginning No End 2』(2020年)と呼応するように、本作『I Am A Man』(2020年)もネオソウル的アプローチが強調された1枚に仕上がっています。Ben自身もヴォーカルに挑戦しています。

"I Am A Man"というアルバム・タイトルは1968年の衛生労働者のストライキのとき、黒人労働者が首から下げていたプラカードに由来するものです。それ以外にもキング牧師の死の前日のスピーチに由来する「Promised Land」、黒人差別の象徴であるエメット・ティル事件(1955年)を綴ったBob Dylanの初期作品カヴァー「The Death Of Emmett Till」、黒人公民権運動で歌われていたLouise Shropshire作の賛美歌「We Shall Overcome」など黒人公民権運動をテーマにした楽曲がズラリと並ぶ社会派作品という印象も強いです。

「The Death Of Emmett Till」「We Shall Overcome」以外はBen Williamsおよび参加メンバーのオリジナルです。

レコーディング・メンバーはBen Williams(b、vo、syn)、Kris Bowers(key、p)、David Rosenthal(g)、Marcus Strickland(ss、ts、bass clarinet)、Bendji Allonce(per)、Kenyon Harrold(tp)、Anne Drummond(fl)、Jamire Williams(ds)、Justin Brown(ds)、Brian Bender(prog)、Justina Sullivan(cello)、Celia Hatton(viola)、Maria Im(violin)、Chiara Fasi(violin)等。

また、Kendra FosterMuhsinahWes FeltonNilesがフィーチャリングされています。

ジャズ・ミュージシャンである以前に、黒人ミュージシャンとしてのアイデンティティを表明した1枚、その重みをしっかり受け止めて聴きましょう。

『I Am A Man』preview
https://www.youtube.com/watch?v=CzPkS6A1n14

全曲紹介しときやす。

「Intro: I Am A Man」
Ben自身のヴォーカルがエコーのように響き渡る深遠なオープニング。

「If You Hear Me」
本作らしいネオソウルなメロウ・グルーヴ。Jamire Williamsが叩くビートと美しいストリングスをバックに、Ben自身が雰囲気のあるジェントル・ヴォーカルを披露してくれます。Kenyon Harroldがトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=yjXi820_fd4

「March On」
Wes Feltonのラップをフィーチャー。J Dilla調ビートとロッキン・ビートが交錯するメリハリ感がいいですね。ジャズの枠に囚われないRainbow Blondeらしいカラーの1曲に仕上がっているのでは?

「Promised Land」
Kendra Fosterの女性ヴォーカルをフィーチャー。タイトルは(多分)キング牧師が暗殺される前日に行った"私たちは必ず「約束の地」へたどり着く"というスピーチに因んだものだと思います。美しくもダークな雰囲気に包まれた演奏です。そんな中でMarcus Stricklandのバス・クラリネットが一筋の光明のように聞こえてきます。

「High Road」
Muhsinahの女性ヴォーカルをフィーチャー。ゆっくりと場面が転換していくような雰囲気のある音作りが印象的な哀愁チューン。聴き重ねるほどに味わいが増してきます。

「Take It From Me」
Nilesのラップをフィーチャー。ダークなトーンが支配する1曲に仕上がっています。黒人公民権運動をテーマにした映画のサントラのようです。

「Come Home」
Kendra Fosterの女性ヴォーカルをフィーチャー。ロックした力強いサウンドを聴かせてくれます。

「The Death Of Emmett Till」
Bob Dylanの初期作品のカヴァー。この曲は白人女性に向かって口笛を吹いただけで14歳の黒人少年が残虐に殺害されたエメット・ティル事件をテーマにした作品です。Dylanのオリジナルの公式リリースが『The Witmark Demos: 1962-1964』(2010年)であったため、あまり知られていない曲ですがDylanの鋭いメッセージが綴られています。BenのヴォーカルもDylan調です。Kris Bowersの美しいピアノとDavid Rosenthalのハードなロッキン・ギターとのコントラストが印象的です。

「High Road Part 2」
アルバムで最もジャズ・フィーリングのある生演奏ジャジーHip-Hop調の仕上がり。Al Green「Love And Happiness」も引用したKenyon Harroldによるホーン・アレンジも印象的です。

「We Shall Overcome」
Louise Shropshire作の賛美歌をカヴァー。黒人公民権運動の象徴する1曲として知られています。浮遊感漂う音空間のなかで勝利を望み、恐れを捨てて突き進もう!というメッセージが揺らめきます。
https://www.youtube.com/watch?v=YOSOFyF2aaw

Ben Williamsの他作品もチェックを!

『State Of Art』(2011年)
State of Art

『Coming Of Age』(2015年)
カミング・オブ・エイジ
posted by ez at 01:00| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする