2020年10月04日

Chico Pinheiro『City Of Dreams』

ブラジル人ギタリスト10年ぶりの新作☆Chico Pinheiro『City Of Dreams』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ジャズ・ギタリスト
気分は... :余白のクリエイティビティ・・・

今回はブラジル人ジャズ・ギタリストChico Pinheiroの10年ぶりのソロ・アルバム『City Of Dreams』です。

Chico Pinheiroは1975年ブラジル、サンパウロ生まれのギタリスト/コンポーザー。

1996年に渡米し、バークリー音楽院で本格的にジャズを学び、その後プロとしてキャリアを歩みます。

これまで『Meia Noite Meio Dia』(2003年)、『Chico Pinheiro』(2005年)、『There's a Storm Inside』(2010年)といったソロ・アルバムやAnthony Wilsonとの共演アルバム『Nova』(2008年)、Antonio LoureiroSergio Santosとの共演アルバム『Triz』(2012年)といった作品をリリースしています。2017年からは拠点をサンパウロからN.Y.に移して活動しています。

本作『City Of Dreams』は、『There's a Storm Inside』(2010年)以来10年ぶりのソロ・アルバムとなります。

レコーディング・メンバーはChico Pinheiro(g、vo)、Tiago Costa(p、key)、Bruno Migotto(b)、Edu Ribeiro(d)、Chris Potter(ts)。

人気のUSジャズ・サックス奏者Chris Potter以外はChicoと同じサンパウロ出身のミュージシャン達です。Maria Rita好きの僕としては、Maria Rita作品でお馴染みのTiago Costaの参加が目を引きます。

本作への布石となったのがChico Pinheiroが参加したThe Reunion ProjectのアルバムThe Reunion Project『Varanda』(2017年)です。同作にはTiago CostaBruno MigottoEdu Ribeiroも参加しており、サンパウロ出身の4人のミュージシャンが結束が本作へと導いたと言えるでしょう。

アルバムはブラジル音楽とUSジャズのスペクトラムの間に位置する演奏で構成されています。

楽曲はすべてChico Pinheiroのオリジナルです。

ブラジル色の強い「Encantando」「​Estrada Real」の2曲が僕のお気に入りです。

それ以外に素晴らしいアンサンブルを楽しめるタイトル曲「City Of Dreams」、Chicoのギタリストとしての魅力を満喫できる「Up In The Air」Wayne Shorterへ捧げた「Invisible Lights」、ボッサ・フィーリングを取り入れた「Vila Madalena」あたりもおススメです。

ブラジル人ギタリストならではの感性を楽しめるジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「City Of Dreams」
4名のブラジル人ミュージシャンの素晴らしいアンサンブルを楽しめるオープニング。中盤のChicoのギター、Tiagoのピアノによる静かなデュオを挟んで再び4人の生への躍動に満ちたアンサンブルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=KHYxknX1NEo

「Interlude」
タイトルの通り、インタールド的なChicoのギター、Tiagoのピアノのデュオ演奏。

「​Long Story Short」
Chris Potterが参加した演奏はUSジャズな雰囲気です。N.Y.ジャズ・シーンでも活躍するジャズ・ギタリストたしいChico PinheiroとChris Potterがソロで盛り上げてくれます。

「​Estrada Real」
100%ブラジル音楽なミステリアスでトラディショナルな演奏です。Baden Powellの流れを汲むブラジル人ギタリストらしいギター・プレイとスキャットを聴かせてくれます。

「Gesture」
ギター、ピアノ、ベースによるトリオ演奏。静かなる音楽モードの清らかな演奏で、聴く者の心を浄化してくれます。

「Invisible Lights」
Wayne Shorterへ捧げた1曲なのだとか。Bruno Migottoはエレクトリック・ベースをプレイしています。USジャズ・テイストのアンサンブルで楽しませてくれます。

「Encantando」
僕の一番のお気に入り。ミナス派のエッセンスを感じるブラジル・モード全開のスキャット入りの演奏です。Chris Potterのサックスもいいアクセントになっています。

「Theme」
元々映画音楽として書かれた曲なのだとか。1曲の中にドラマを感じるシネマチックな演奏です。何とも言えない哀愁が漂います。

「Vila Madalena」
ボッサ・フィーリングを取り入れたメロウな演奏です。とは言ってもモロにボサノヴァではなく、演奏全体はUSジャズ的な雰囲気に仕上がっています。

「Farol」
ギター、ピアノのみのデュオ演奏。透明感のあるクラシカルな雰囲気のアンサンブルで魅せてくれます。

「Up In The Air」
ラストは明日への希望を意識した素晴らしい演奏で締め括ってくれます。Chicoのギタリストとしての才がよく分かる演奏だと思います。

Chico Pinheiroの他作品もチェックを!

『Meia Noite Meio Dia』(2003年)


『Chico Pinheiro』(2005年)


Chico Pinheiro & Anthony Wilson『Nova』(2008年)


『There's a Storm Inside』(2010年)


Antonio Loureiro/Chico Pinheiro/Sergio Santos 『Triz』(2012年)
Triz

The Reunion Project『Varanda』(2017年)
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2020年09月27日

Flavia K『Janelas Imprevisiveis』

ブラジリアン・ネオソウルの新星☆Flavia K『Janelas Imprevisiveis』
flavia k janelas imprevisiveis.jpg
発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ネオソウル
気分は... :グルテン・フリー・・・

今回はブラジリアン・ネオソウルの新星のデビュー・アルバムFlavia K『Janelas Imprevisiveis』です。

2019年サブスクとしてリリースされ、最近になり日本で世界初CD化が実現しました。

Flavia Kは1996年サンパウロ州サン・カエターノ・ド・スル生まれの女性シンガー/ピアニスト/コンポーザー。

幼い頃からジャズ、ソウル、ファンク、ボサノヴァに親しみ、クラシック・ピアノとジャズ・ピアノを学んでいました。

18歳となった2014年にEd Motta等をゲストに迎えた4曲入りEP「Tudo o que Soul」をリリースしています。

そして2019年に入念な準備を経てデビュー・アルバムとなる本作『Janelas Imprevisiveis』をリリースしています。

日本では、鎌倉の人気カフェ、ヴィヴモン・ディモンシュのオーナー兼マスター堀内隆志氏がコンパイルしたコンピ・アルバム『鎌倉のカフェから〜café vivement Dimanche 25th Anniversary』(2019年)に本作収録の「Sem Gluten」がセレクトされたことで注目されるようになり、その流れで『Janelas Imprevisiveis』のCD化が実現しました。

プロデュースはサンパウロのHip-Hopシーンで活動するベーシストJulio Mossil

楽曲はすべてFlavia Kのオリジナル(共作含む)。多くの曲で彼女の母Anete Kが作詞を担当しています。

アルバムには大ベテランRoberto Menescal(g)をはじめ、Marcellus Meirelles(g)、Slim Rimografia(rap)といったアーティストがフィーチャリングされています。

それ以外にVander Carneiro(ds)、Sidiel Vieira(b)、Leandro Cabral(p)等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。Leandro Cabralは自身のピアノ・トリオ作品もリリースしているジャズ・ピアニストです。

2000年代前半のネオフィリーあたりに通じるジャジー・ソウルとブラジリアン・メロウ・ジャズ、MPBあたりがナチュラルに融合している雰囲気のアルバムです。

前述のコンピ『鎌倉のカフェから〜』収録の「Sem Gluten」Roberto Menescalをフィーチャーした「Cancao do Sol」、Marcellus Meirellesをフィーチャーした「Se Pa Tum Dere」、Slim Rimografiaをフィーチャーしたハイパー&メロウHip-Hop「Atelier do Silencio」、ブラジリアン・ネオソウルな「Plural」、Leandro Cabralのトリオとの共演「Janelas Imprevisiveis」あたりが僕のおススメです。

ネオソウルという部分をあまり気にしないで、ブラジルの新星女性アーティストとして楽しめばいいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Neon」
ブラジル人アーティストらしい雰囲気のジャジー・ポップがオープニング。ミュート・トランペットのアクセントがいい感じのミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=eeyA6KKgjeQ

「Sem Gluten」
前述のコンピ『鎌倉のカフェから〜』に収録されていた楽曲。タイトルは「グルテン・フリー」という意味。若い女性アーティストらしいですね。ブラジリアン・ネオソウルの雰囲気を楽しめるジャジー・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=JCjtKhfVVSw

「Janelas Imprevisiveis」
タイトル曲はLeandro Cabralのトリオとの共演によるメロウ・ミディアム。メロウ・エレピの心地好い響きが、初々しいFlavia Kのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=SPksY_FbX90

「Cancao do Sol」
レジェンド・ボサノヴァ・ギタリストRoberto Menescalをフィーチャー。ボサノヴァではありませんが、ブラジリアン・メロウ好きならば大満足の素敵なアコースティック・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=U8Nj7ghLovA

「Contramao」
このトラックもLeandro Cabralのピアノ・トリオとの共演。ここではFlavia Kがエレピを弾いています。ジャズ・フィーリングのミディアム・バラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=eTdns1DAP8s

「Se Pa Tum Dere」
Marcellus Meirellesをフィーチャー。Flavia Kの素晴らしい多重録音コーラスとMarcellus Meirellesの絶品ギターが織り成すビューティフル・トラック。2分に満たないトラックですが、もっと長い尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KWm5iSB1eBU

「Tom」
ブラジリアン・ネオソウルなメロウ・ミディアム。2000年代前半のネオフィリーあたりと一緒に聴いてもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=wZtwWlZevYI

「Plural」
このトラックもネオソウルなメロウ・ミディアム・グルーヴ。Flavia Kのヴォーカルもバッキングも肩の力が抜けている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TbIc5mgRY3c

「Atelier do Silencio」
20年のキャリアを誇るブラジルのHip-HopアーテイストSlim Rimografiaをフィーチャー。メロウでハイパーなHip-Hopトラックはかなり刺激的です。Flavia Kらしくはないのかもしれませんが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=rYTY84sxHmo

「Atras do Vidro」
ラストはメロウなジャジー・ソウルで締め括ってくれます。ロッキンなギターがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mlO2SQSS0Q0

『鎌倉のカフェから〜café vivement Dimanche 25th Anniversary』(2019年)
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2020年09月20日

Zara McFarlane『Songs Of An Unknown Tongue』

土着的なのにフューチャリスティック!☆Zara McFarlane『Songs Of An Unknown Tongue』

発表年:2020年
ez的ジャンル:Brownswood系UK女性ジャズ・シンガー
気分は... :デノテーション/コノテーション

今回はUK女性ジャズ・シンガーZara McFarlaneの最新4thアルバム『Songs Of An Unknown Tongue』です。

UKジャマイカンの女性シンガーZara McFarlaneの紹介は、3rdアルバム『Arise』(2017年)に続き2回目となります。

4thアルバムとなる本作『Songs Of An Unknown Tongue』も、『Until Tomorrow』(2011年)、『If You Knew Her』(2014年)、『Arise』(2017年)という過去3作と同じくGilles PetersonBrownswood Recordingsからのリリースです。

本作のプロデュースはKwake BassWu-Luというサウス・ロンドンの二人。

Kwake Bassはサウス・ロンドンの人気キーボード奏者Joe Armon-Jones作品への参加でお馴染みですね。Wu-Luはサウス・ロンドンから登場したネオソウルの新星Ego Ella Mayのデビュー・アルバム『So Far』(2019年)のプロデュースを手掛けています。

前作『Arise』では、UKジャマイカンという自身のルーツを掘り下げ、ジャズとレゲエ等のジャマイカ音楽、さらにかカリビアンを融合させた楽曲が目立ちました。

最新作『Songs Of An Unknown Tongue』では、クミナ、ナイヤビンギといったジャマイカの呪術的リズムにダビー、エレクトロニカなエッセンスを加えたフューチャリスティックなサウンドが目立ちます。そうしたサウンドとZaraならではのスピリチュアル/ソウルフルなヴォーカルが結びつき、唯一無二の次世代UKジャズ・ワールドを聴かせてくれます。

楽曲はすべてZara McFarlaneのオリジナルです。

進化し続ける唯一無二の音世界を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Everything Is Connected」
彼女らしいスピリチュアルなヴォーカルと土着的ジャマイカン・リズム、フューチャリスティックなダビー・サウンドが織り成す本作らしいオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=2GG_y14_E10

「Black Treasure」
アフロ・カリビアン色の強いアイランド・ジャズと、スピリチュアル/ソウルフルなZaraのヴォーカルが結びつくことで、南国ムードながらも深淵な味わいを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=O7oWEqI3z7c

「My Story」
土着的サウンド&コーラスをモダンなセンスで聴かせてくれる本作らしい1曲。伝統と革新を見事に融合させています。
https://www.youtube.com/watch?v=i2TRzQV0rzs

「Broken Water」
多重録音による素晴らしいヴォーカルワークを聴かせてくれる1曲。呪術的ムードとオルタナティヴR&Bのハイブリッド感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NwrVhtUVpbo

「Saltwater」
シンセとヴォーカルのみのビートレスなトラック。シンプルだからこそZaraの深淵な魅力が伝わってくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ecHeHvtjnds

「Run Of Your Life」
シンセとドラムマシーンによるチープながらもフューチャリスティックなサウンドが印象的な1曲。Zaraのヴォーカルもサウンドの一部として溶け込んでいます。後半の土着的ダビー・サウンドもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=rmaqb-kNgMw

「State Of Mind」
僕の一番のお気に入り。フューチャリスティックなUKエレクトリック・ソウルに仕上がっています。UKクロスオーヴァー/クラブミュージック好きの人も楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=wvBAAWVkgmc

「Native Nomad」
生演奏のエレクトリック・サウンドの肌触りがいい感じのメロウ・バラード。余白を生かした音作りがZaraのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=UFrVG9CwChw

「Roots Of Freedom」
土着的リズム&コーラスをダブ/レゲエ×ハウス×ジャズとクロスオーヴァーさせた興味深いアプローチの仕上がり。Gilles Petersonもニンマリしそうな実にBrownswoodらしい1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NItfZH26AIU

「Future Echoes」
ホーン・アンサンブルで次世代UKジャズらしいフューチャリスティックなミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。メロウとリズミックなバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=h0X2oUQAmzk

Zara McFarlaneの他作品もチェックを!

『Until Tomorrow』(2011年)
Until Tomorrow [解説付 / 国内盤仕様] (BRBW070)

『If You Knew Her』(2014年)
If You Knew Her [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC401)

『Arise』(2017年)
Arise [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRBW162)
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2020年09月13日

Nubya Garcia『Source』

ロンドン次世代ジャズの牽引する女性サックス奏者☆Nubya Garcia『Source』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ロンドン次世代ジャズ
気分は... :両忘!

今回はロンドン次世代ジャズの牽引者の一人、女性サックス奏者Nubya Garciaの最新アルバム『Source』です。

カリブ海のトリニダード・トバゴ共和国出身の父、南アメリカのガイアナ共和国出身の母をもつ1991年ロンドン、カムデン・タウン出身。ソロ活動以外にMaishaNerijaといったグループのメンバーとしても活動するサックス奏者Nubya Garciaの紹介は、『Nubya's 5ive』(2017年)に続き2回目となります。

『Nubya's 5ive』はアルバムというよりミニ・アルバム、EPに近い作品だったので、本作『Source』が1stアルバムという位置づけもできるかもしれません。

レコーディングの基本メンバーは、Nubya Garcia(ts)、Ezra CollectiveのメンバーJoe Armon-Jones(p、el-p)、Daniel Casimir(b)、Sam Jones(ds)。

それ以外に、ロンドンのアフロビート・ユニットKokorokoのリーダーで先日紹介したロンドンのジャズ・アンサンブルSEED EnsembleおよびNerijaのメンバーであるMs. MauriceことSheila Maurice-Grey(tp、flh、vo)、そのSEED Ensembleのリーダー兼KokorokoNerijaのメンバーであるCassie Kinoshi(vo)、同じくKokorokoのメンバーRichie Seivwright(vo)、コロンビア伝統音楽に新たな解釈を加えたコロンビアの女性トリオLa PerlaDiana SanmiguelGiovanna MogollonKaren Forero)、シカゴ出身のUS女性シンガーAkenya Seymour(vo)がフィーチャリングされています。

プロデュースはNubya GarciaKwesKwesi Sey)。アレンジもNubya Garcia自身。

楽曲もすべてNubya Garciaのオリジナル(共作)。

ロンドン次世代ジャズの牽引者といった気負いはなく、レゲエ/ダブ、クンビア、ブロークンビーツ等との融合も試みながら自分のジャズ道を突き進んでいる感じがいいですね。

ブロークンビーツのエッセンスを取り入れた先行シングル「Pace」、レゲエ/ダブ色を前面に打ち出した「Source」、ナイヤビンギ的な「Stand With Each Other」La Perlaをフィーチャーし、クンビアとジャズを融合させた「La Cumbia Me Esta Llamando」あたりが特徴的な演奏だと思います。

ロンドン次世代ジャズ好きの人は安心して楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Pace」
先行シングルにもなったオープニング。オーセンティック・ジャズとUKらしいブロークンビーツのエッセンスを組み合わせたロンドン次世代ジャズらしい演奏です。伝統と革新の表裏一体な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ubxP9vNVDAQ

「The Message Continues」
穏やかな疾走感が心地好い演奏です。伸びやかなGarciaのプレイに加え、Joe Armon-Jonesのエレピも絶好調です。
https://www.youtube.com/watch?v=S6IB_nGpKBY

「Source」
Cassie Kinoshi、Ms. Maurice(Sheila Maurice-Grey)、Richie SeivwrightというKokorokoメンバー3名のヴォーカルをフィーチャー。Ms. Mauriceはトランペットもプレイしています。レゲエ/ダブ色を前面に打ち出した演奏です。特に後半はレゲエとジャズを見事にクロスオーヴァーさせたロンドン次世代ジャズらしいアプローチで魅せて
https://www.youtube.com/watch?v=vL4Ae5ORq24

「Together Is A Beautiful Place To Be」
Garciaの亡き父に捧げたバラード。この曲もMs. Maurice(Sheila Maurice-Grey)がトランペットで参加。Garciaと美しいホーン・アンサンブルを聴かせてくれます。父への思い込めたGarciaのプレイを堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=cXJ9N9qLx0g

「Stand With Each Other」
再びCassie Kinoshi、Ms. Maurice(Sheila Maurice-Grey)、Richie SeivwrightというKokorokoメンバー3名をフィーチャー。「Source」のレゲエ/ダブに続き、ここではナイヤビンギ的な土着リズムをバックに、3名のコーラスとGarciaのテナーが絡む演奏です。静寂の中に革新を感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=vyzPP9zP22I

「Inner Game」
リラックスした演奏から次第に熱を帯びて知らぬ間にエキサイティングな展開に・・・。Joe Armon-Jonesのエレピも目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=D3GGAvb27XM

「La Cumbia Me Esta Llamando」
コロンビアの女性トリオLa Perla(Diana Sanmiguel、Giovanna Mogollon、Karen Forero)をフィーチャー。曲もLa Perlaとの共作です。タイトルは「クンビアが私を呼んでいる」という意味。そのタイトルのようにクンビアとジャズの融合にチャレンジしています。レコーディングもコロンビアで行われました。クンビアには独特の癖がありますが、ジャズと融合することでマイルドになり聴きやすいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=sBJn7196Olo

「Before Us: In Demerara & Caura」
Ms. Maurice(Sheila Maurice-Grey)がフリューゲル・ホーンで参加。リズミックなビートをバックに、またまた2人で素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。オーソドックスな雰囲気の中に突き抜けた新しさを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=iPrNZHWh97o

「Boundless Beings」
シカゴ出身のUS女性シンガーAkenya Seymourをフィーチャー。ラストはロンドン次世代ジャズらしいジャズ・ヴォーカル・バラードで締め括ってくれます。50〜60年代のジャズ・バラードを2020年モードで聴かせてくれる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Pkij7-T6ngo

「The Message Continues (MdCL Remix)」
国内盤CDのボーナス・トラック。「The Message Continues」のMark De Clive-Loweによるリミックス。フューチャリスティックな疾走感が心地好いリミックスに仕上がっています。

『Nubya's 5ive』(2017年)
ヌバイアズ・ファイヴ

Maisha『There Is A Place』(2018年)
There Is A Place [解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤CD] (BRC585)
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2020年09月06日

History of Colour『Antumbra』

エレクトリック・フォルクローレの強力ユニット☆History of Colour『Antumbra』

発表年:2020年
ez的ジャンル:エレクトリック・フォルクローレ
気分は... :陰翳礼讃・・・

新作から新世代エレクトリック・フォルクローレ作品、History of Colour『Antumbra』です。

History of Colourは、Barrio LindoEl BuhoというShika Shikaレーベルの主宰者二人によるエレクトリック・フォルクローレ・ユニット。

Barrio LindoことAgustin Rivaldoは、アルゼンチン、ブエノスアイレス出身のプロデューサー。現在はベルリンを拠点に活動しています。

一方のEl BuhoことRobin Perkinsは、イギリス、マンチェスター近郊のグロソップ出身のプロデューサー。オランダ、メキシコ、アルゼンチンやフランスなど世界各地を転々とし、現在はパリを拠点に活動しています。El Buhoとは、スペイン語でフクロウを意味します。

そんな二人がネット上で意気投合し、結成したのがHistory of Colour。2014年に6曲入りEP「History of Colour」をリリースし、さらにはShika Shikaレーベルを共同を設立しました。

当ブログで紹介した作品でいえば、少し前に紹介したアルゼンチン産エレクトリック・フォルクローレ作品Federico Estevez『De Aqui Hasta Aqui』(2020年)もShika Shikaからのリリースです。

さて、本作『Antumbra』ですが、南米フォルクローレとハイパーなエレクトリック・サウンドを融合させたフューチャリスティックなエレクトリック・フォルクローレ作品に仕上がっています。

アルバムには、ベルリンのプロデューサーM.RUX、ポルトガル出身のパーカッション奏者でShika Shikaから作品もリリースしているMaguPiがフィーチャリングされています。

アルバム・タイトルには日食が見える状態という意味があるそうです。

光と影のエレクトリック・フォルクローレを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Cerro Abajo」
桃源郷のエレクトリック・フォルクローレといった雰囲気のオープニング。俗界を離れた仙境のようなサウンドの響きに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dODaJC0bB6M

「Nachtwanderung」
M.RUXをフィーチャー。フューチャリスティックなエキゾチック・サウンドが印象的なトラックです。不気味なデジタル・サウンドの響きが鮮烈です。
https://www.youtube.com/watch?v=b6GOlCEMaFA

「Viva la Convolucion!」
女性の声のコラージュがアクセントになっているアンビエント感覚のエレクトリック・フォルクローレ。
https://www.youtube.com/watch?v=DXXHHMsTly8

「Sugarcane」
ダンサブルでハイパーなエレクトリック・フォルクローレ。クラブミュージックとしても楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=qRtjw4dyjx4

「Taifu」
このトラックもアンビエント感覚ですね。秘境のエレクトリック・フォルクローレって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pRqrKwVT4Qg

「Trip Trup」
レトロ・フューチャー感覚のテクノ/エレクトロニカ・サウンドがいい感じです。滲み出てくる哀愁サウンドがジワジワきます。
https://www.youtube.com/watch?v=tI1kVQBaF4E

「Cinco y Cuatro」
MaguPiをフィーチャー。軽快なリズムに乗って、南米らしいフォルクローレ感覚とエレクトロニカな響きが見事に融合しています。
https://www.youtube.com/watch?v=dcgYY_vywE0

「Apu Punchau」
本編ラストは、エコー感覚を重視したエレクトリック・フォルクローレで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=J067hFjPBGs

「Cinder」
CDボーナス・トラックその1。本編と比較して、「エレクトリック<フォルクローレ」な仕上がり。

「In the Hold (History of Colour Remix)」
CDボーナス・トラックその2。前曲とは反対にフロア仕様のダンサブルでなエレクトリック・フォルクローレ。

Shika ShikaからリリースされているBarrio LindoEl Buhoのソロ・アルバムもチェックを!

Barrio Lindo『Albura』(2017年)


Barrio Lindo『Fulgor』(2019年)


El Buho『Camino De Flores』(2018年)
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