2021年03月28日

Malika Tirolien『Higher』

Michael Leagueプロデュースによる2nd☆Malika Tirolien『Higher』

発表年:2021年
ez的ジャンル:ハイソウル系R&B/Hip-Hop
気分は... :より高く!

新作R&BからMalika Tirolien『Higher』です。

Malika Tirolienは、フランスの海外県であるカリブ海の南部の群島グアドループ出身の女性シンガー。

カナダのモントリオール大学に留学をしたのを機に、現在もモントリオールに暮らしているようです。

大学卒業後、自己のグループGroundfoodを結成します。2010年に世界屈指のライヴ・バンドSnarky PuppyのモントリオールでのライヴでGroundfoodがオープニング・アクトを務めたところ、Snarky PuppyのリーダーMichael Leagueの目に留まり、Snarky Puppy『Family Dinner – Volume 1』(2013年)に参加することになりました。

『Family Dinner – Volume 1』(2013年)には、Lalah HathawayN'dambiShayna Steeleなど多数のシンガーが参加していましたが、その一人に名を連ねたことでMalika Tirolienへの注目も高まります。

そんなタイミングでソロ・デビュー・アルバム『Sur La Voie Ensoleillee』(2014年)をリリースします。さらにMichael Leagueの新ユニットBokanteにも参加しています。

そして、7年の歳月を経て2ndソロ・アルバム『Higher』Michael Leagueが創立したレーベルGroundUPからリリースされました。

プロデュースはMalika TirolienMichael League

レコーディングにはMalika Tirolien(vo、key)以下、Michael League(moog b、g、b、key、el-sitar)、Charles Haynes(ds)、Jason Lindner(key)、Frank Locrasto(key)、Philippe L'Allier(g)、Jean-Michel Frederic(key、prog)、Bled Miki(vo)といったミュージシャンが参加しています。

Michael Leagueプロデュースということでジャズ、ファンクと結びつけたくなるところですが、基本的にはフレンチ・ラップを交えたR&B/Hip-Hopという印象です。

シングルにもなった「No Mercy」「Change Your Life」「Grow」「Rise」の4曲がアルバムを象徴していると思います。

それ以外であれば、アーバンな「Sisters」、フューチャリスティックな「Forgiveness」、ヨーロピアン・テイストの「Priere」がおススメです。

HigherモードのR&B/Hip-Hopを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「No Mercy」
Bled Mikiの男性ラップをフィーチャー。シングル・カットもされました。フランス語のラップが入っているせいか、US R&B/Hip-Hop+ヨーロピアン・テイストな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=heXYnIJDFHo

「Change Your Life」
この曲もシングルになりました。透明感のあるビューティフル・ミディアム。Charles Haynesによるドラミングがエキサイティングです。
https://www.youtube.com/watch?v=AiREKQSLO7E

「Better」
幻想的なバラード。キーボードとMalikaのヴォーカルの波紋のような広がりがいい感じです。

「Sisters」
フレンチ・ラップがよく似合うアーバン・グルーヴ。なかなかオシャレな感じです。

「Dreamin」
不思議なドリーミー感に惹かれるミディアム。夢と現実の境目を彷徨っているような感覚に陥ります。キーボードの音色が絶妙ですね。

「Grow」
この曲もシングルになりました。Michael Leagueプロデュースらしいライヴ感のあるミディアム・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RhVWHae7FJI

「Higher」
しっとりかつ丁寧に歌い上げるバラード。天まで届きそうな音や歌の美しい広がりがいいですね。

「Forgiveness」
フューチャリスティックな仕上がりは僕好み。Hip-Hopとメロウバラードが交錯する構成がいいですね。ここでもフレンチ・ラップの語感の響きがサイコーです。

「Priere」
ヨーロピアン・テイストの哀愁Hip-Hopチューン。終盤のクロスオーヴァーな展開がエキサイティングです。

「Rise」
この曲もシングルになりました。フレンチ・ラップの映えるダンサブルなR&Bグルーヴ。なかなかキャッチーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=II507uqnkkI

「Don'T Come Around」
本編ラストはMalikaの歌とリズム隊を強調した音づくりが面白いミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。

CDには「Rise (Radio Edit)」「Sisters (Remix)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Malika Tirolien関連の他作品もチェックを!

Snarky Pupp『Family Dinner – Volume 1』(2013年)


『Sur La Voie Ensoleillee』(2014年)


Bokante『Strange Circles』(2016年)


Bokante + Metropole Orkest Conducted By Jules Buckley『What Heat』(2018年)
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2021年03月21日

Doug Beavers『Sol』

N.Y.ラテンを代表するトロンボーン奏者の最新作☆Doug Beavers『Sol』

発表年:2021年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン/ジャズ
気分は... :太陽の下で・・・

新作からN.Y.ラテンを代表するトロンボーン奏者Doug Beaversの最新作『Sol』です。

Doug Beaversは1976年生まれ。N.Y.を拠点とするトロンボーン奏者。

Eddie Palmieriの楽団での活動で評価を上げ、自身の名義でのアルバムもリリースするようになります。『Art Of The Arrangement』(2017年)は、グラミーのBest Tropical Latin Albumにもノミネートされました。自身もトロンボーン奏者として参加し、共同プロデュースもしたSpanish Harlem Orchestra『Anniversary』(2018年)は見事グラミーのBest Tropical Latin Albumを受賞しました。

そんなDoug Beaversの最新作『Sol』。タイトルは"太陽" を意味するものであり、COVID-19による閉塞感が大きい今の世界に向けて、N.Y.の名うてのラテン/ジャズ・ミュージシャンが集結し、人々に元気と笑顔を届けてくれる1枚となっています。

プロデュース、アレンジ、楽曲はすべてDoug Beavers

レコーディングにはDoug Beavers(tb)以下、Yeissonn Villamar(p、el-p、key)、Mike Ciro(g)、
Jerry Madera(b)、Ruben Rodriguez(b)、Robby Ameen(ds)、Luisito Quintero(timbales、bongos、guiro、triangle、shaker)、
George Delgado(congas、itotele、shekere)、Camilo Molina(okonkolo、iya)、Johnny “Dandy” Rodriguez(guiro)、Max Seigel(bass tb、tuba)、Jonathan Powell(tp、flh)、Joe Locke(vibe)、Eric C. Davis(french horns)、Ivan Renta(ss)、Oliver Santana(as)、Marco Bermudez(coros)等のミュージシャンが参加しています。

また、Jeremy BoschCarlos CascanteAda Dyerといったヴォーカリストがフィーチャリングされています。

個人的にはLouie Vega関連作品でお馴染みのパーカッション・マッドネスLuisito Quinteroの参加が目を引きます。

英詞で歌われるアーバンでモダンで開放的なN.Y.サルサ「Sol」Willie ColonRuben Bladesを2021年仕様にアップデートしたような「Mia」「Quedate」、パーカッシヴなアーバン・ラテン・ジャズ「Sunshine」、アーバン・メロウな「Clarity.」、ドライヴ感のあるファンキー・ラテン・グルーヴ「Ride」あたりが僕のおススメです。

現在進行形のN.Y.ラテンをモダンに聴かせてくれるサイコーの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Sol」
Spanish Harlem Orchestraでもヴォーカルを務めるJeremy Boschをフィーチャー。英詞で歌われるアーバンでモダンで開放的なN.Y.サルサがオープニング。このスマートさが本作の魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=BG2tISxoxTg

「Mia」
Carlos Cascanteをフィーチャー。70年代N.Y.サルサ、特にRuben BladesをフィーチャーしたWillie Colon作品を2021年仕様にアップデートしたような雰囲気がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=rtcwldkiSEI

「Jillalude」
アーバン・メロウな短いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=so3TaA_Jx30

「Clarity.」
アーバン・メロウなコンテンポラリー感覚が心地好いラテン・ジャズ。ブラジリアン・メロウやAORとセットで聴いてもフィットしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=RdnyUvrTaZA

「△」
短いインストですが、Luisito Quinteroが活躍するパーカッシヴな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=iSVx5ado990

「Sonic」
Jeremy Bosch & Joe Lockeをフィーチャー。60年代N.Y.ラテンをアーバン・メロウにした雰囲気がいいですね。メロウ・ヴァイヴの音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=y8PqMrbsGPk

「Sunshine」
Joe Lockeをフィーチャー。クラブミュージック好きの人も気に入りそうなパーカッシヴなアーバン・ラテン・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=brvlsvALc7E

「Pasos」
クールな疾走感の中にもラテンの情熱を感じるインスト・ラテン・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=wBrnqePGNhw

「-11」
美しいピアノを中心とした短いインスト。

「Eterno」
Carlos Cascanteをフィーチャー。ロマンティックなボレロ。ボレロをモダンに聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=L1HGScgfnok

「Quedate」
Jeremy Boschをフィーチャー。この哀愁サルサを聴いたら、真っ先に80年代のRuben Blades作品を思い出しました。勿論、Ruben Blades大好きの僕は大歓迎です。
https://www.youtube.com/watch?v=8HvhZDLrYOA

「Ride」
Ada Dyerをフィーチャー。ラストはドライヴ感のあるファンキー・ラテン・グルーヴで盛り上げて締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wTQxhLbFFEs

Doug Beavers関連の他作品もチェックを!

Doug Beavers Rovira Jazz Orchestra『Jazz, Baby! 』(2007年)


Doug Beavers 9『Two Shades Of Nude』(2009年)


Spanish Harlem Orchestra『Spanish Harlem Orchestra』(2014年)


『Titanes Del Trombon』(2015年)


Spanish Harlem Orchestra『Anniversary』(2018年)
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2021年03月14日

Gretchen Parlato『Flor』

現代ジャズの歌姫、10年ぶりのスタジオ作☆Gretchen Parlato『Flor』

発表年:2021年
ez的ジャンル:現代ジャズの歌姫系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :美しき花よ・・・

現代ジャズの歌姫Gretchen Parlato、待望の10年ぶりのスタジオ新作『Flor』です。

L.A.出身で現在はN.Y.を拠点に活躍する女性ジャズ・シンガーGretchen Parlatoに関して、当ブログでは以下の4枚のアルバムを紹介済みです。

 『Gretchen Parlato』(2005年)
 『In a Dream』(2009年)
 『The Lost And Found』(2011年)
 『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
 ※日本独自企画コンピ

また、GretchenRebecca MartinBecca Stevensによるスペシャル・ユニットTilleryの初アルバム『Tillery』(2016年)も紹介済みです。

現代ジャズの歌姫と評されながら、その人気を不動のものとした『The Lost And Found』(2011年)以来、スタジオ新作がリリースされなかったGretchen Parlato。その間、現代ジャズ屈指のドラマーMark Guilianaとの結婚、出産、育児があり、プライベートの時間に重きを置いた結果、マイペースでの音楽活動となった模様です。

そして、10年ぶりに届けられた待望の新作『Flor』

レコーディングの基本メンバーはGretchen Parlato(vo)、Marcel Camargo(g、cavaco、moog、rhodes、vo)、Artyom Manukya(cello、vo)、Leo Costa(ds、perc、moog、rhodes)。

さらにGerald Clayton (p)、Airto Moreira(vo、per)、旦那様のMark Guiliana (ds)等がフィーチャリングされています。

プロデュースはGretchen Parlato自身。また、Marcel CamargoLeo Costaが共同プロデューサーに名を連ね、Marcel Camargoはミュージック・ディレクターとしてもクレジットされています。

ボサノヴァ名曲、ショーロ名曲、バッハのクラシック名曲、Anita Bakerのクワイエットストーム名曲、David Bowie晩年の作品、Roy Hargroveのカヴァー、Tilleryで歌った曲の再録、子供たちのために書いたオリジナルなどバラエティに富んだ全9曲です。

ブラジル・テイストの演奏が聴けるのは以前からのGretchenらしいですが、それをストレートに聴かせるのではなく、クラシックやジャズとの融合させて独自の音世界を構築しようとしているのが印象的です。ショーロ名曲をクラシック的に聴かせ、クラシック名曲をショーロ調に聴かせるあたりも実に興味深いです。

音楽的な深みに加えて、家庭生活を充実させてきたことで人間としての深みが増したような印象を受けます。

Gretchen Parlatoが現代ジャズを代表する歌姫であることを再認識させてくれた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「E Preciso Perdoar」
Alcyvando Luz/Carlos Coqueijo作。Joao Gilbertoヴァージョンでお馴染みのボサノヴァ名曲をカヴァー。当ブログではAmbitious LoversAdam DunningIsabelle AntenaBossacucanovaのカヴァーも紹介済みです。ここでは自ら英語詞をつけて、しっとりと歌い上げます。ギター、チェロ、ローズ、ムーグ、パンデイロが織り成す憂いを帯びたビューティフル・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=afRibj6A6nE

「Sweet Love」
Gerald Clayton(rhodes)をフィーチャー。Anita Bakerのヒット曲のカヴァー(Anita Baker/Louis A.Johnson作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Rapture』(1986年)です。クワイエットストーム名曲をGretchen色に染まったメロウ・チューンで聴かせてくれます。Gretchenらしい歌い回しやスキャットも堪能できます。Gerald Claytonもメロウなローズの響きで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IraM8U3CTNQ

「Magnus」
Gretchenのライヴ・レパートリーであり、友人の息子で当時5歳であったMagunus君が口すさんだメロディをGretchenが曲に仕上げたもの(Gretchen Parlato/Magunus Thompson作)。Gretchen、Rebecca Martin、Becca Stevensによるスペシャル・ユニットTilleryの初アルバム『Tillery』(2016年)でもレコーディングした楽曲です。ここでは成長したMagunus君とその家族、さらにはGretchenの息子Marleyも参加した"みんなの歌"的ハートウォーミングな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=OZIP7XjsfsU

「Rosa」
Pixinguinha作のショーロ名曲をカヴァー。Artyom Manukyaのチェロをバックに、Gretchenがスキャットする室内楽的な1曲に仕上がっています。澄み切った美しさに溢れているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JLcmQUUdUJM

「What Does A Lion Say?」
Gretchen Parlato/Chris Morrissey作。カヴァキーニョ、チェロ、パーカッションによるアコースティック・ワルツをバックに、Gretchenが吐息まじりの歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ouYu3J2U67s

「Roy Allan」
Roy Hargroveのカヴァー。オリジナルは『Family』(1996年)収録。ここではAirto Moreira(vo、per)をフィーチャー。サンバ・モードですが、そこにGretchenらしいジャズ・ワールドが加味されて、一味違う透明感のある演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=jwSiwRUooYs

「Wonderful」
Gretchen Parlato作。Gerald Clayton(p)、旦那Mark Guiliana (ds)をフィーチャー。そのMark Guilianaが現代ジャズらしいリズムを叩き出します。曲自体はGretchenが息子や世界の子供たちに素晴らしき未来を語りかける希望に満ちた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KLGQcFjA4JI

「Cello Suite No. 1, BWV 1007 : Minuet I / II」
J.S. Bach(バッハ)の「無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調BWV1007 メヌエットI/II」をカヴァー。ショーロ名曲をクラシック的に聴かせた「Rosa」の逆パターン。ア・カペラの前半に続き、中盤以降はクラシック名曲をカヴァキーニョ入りのショーロで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BNwy5OnnU0U

「No Plan」
ラストはDavid Bowie作品をカヴァー。Bowieがミュージカル『Lazarus』(2016年)のために書いた楽曲です。Mark Guiliana (ds)をフィーチャー。ミステリアスな哀愁サウンドですが、GretchenはBowieが死を目前にたどり着いた境地に思いを馳せて、この曲を歌っています。「色即是空、空即是色」。ふとこの言葉が思い浮かびました。
https://www.youtube.com/watch?v=7XNWow26csg

Gretchen Parlatoの他作品もチェックを!

『Gretchen Parlato』(2005年)
グレッチェン・パーラト

『In a Dream』(2009年)
In a Dream

『The Lost And Found』(2011年)
Lost & Found

『Live In NYC』(2013年)
ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ【CD+DVD】(仮)

『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
※日本独自企画コンピ
ザ・グレッチェン・パーラト シュプリーム・コレクション

Tillery『Tillery』(2016年)
ティレリー
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2021年03月07日

Jose James『New York 2020』

キャリア初のライヴ・アルバム☆Jose James『New York 2020』

発表年:2021年
ez的ジャンル:新世代男性ジャズ・シンガー
気分は... :コロナ禍のライヴ・・・

新作から当ブログでもお馴染みの男性シンガーJose Jamesの最新作『New York 2020』です。

1978年ミネアポリス生まれの男性ジャズ・シンガーJose Jamesについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の8枚。

 『The Dreamer』(2007年)
 『Blackmagic』(2010年)
 『No Beginning No End』(2013年)
 『While You Were Sleeping』(2014年)
 『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
 『Love In A Time Of Madness』(2017年)
 『Lean On Me』(2018年)
 『No Beginning No End 2』(2020年)

昨年末の『ezが選ぶ2020年の10枚』でも『No Beginning No End 2』をセレクトしたことに象徴されるように、この10年位で僕が最もよく聴いているアーティストはJose Jamesかもしれません。

本作はタイトルの通り、ロックダウン下のNYCで収録されたCD2枚組のライヴ・アルバムです。

Disc1が2020年8月13日のLive at Levon Helm StudiosDisc2が2020年10月3日のLive at (Le) Poisson Rouge での無観客配信ライヴを収録したものです。

メンバーはJose James(vo)、Marcus Machado(g)、Ben Williams(b)、Jharis Yokely(ds)、Big Yuki(p、el-p、org、syn)、Taali(vo、p)、J. Hoard(vo)。

楽曲はすべて過去のスタジオ・アルバム収録曲。『The Dreamer』(2007年)から1曲、『Blackmagic』(2010年)から5曲、『No Beginning No End』(2013年)から3曲、『No Beginning No End 2』(2020年)から5曲という構成です。

基本的には、最新スタジオ作『No Beginning No End 2』で聴かせてくれたR&B/ソウル寄りのアプローチですが、要所で彼の原点であるジャズのエッセンスもしっかり聴かせてくれます。

「Blackmagic」「Park Bench People」の2曲はDisc1/2の双方に収録されており、ライヴならではのその日、その場の演奏を楽しめます。

どちらかといえば、ファン向けの1枚ですが、ジャズの枠を飛び越えたJose Jamesらしいライヴを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

(Disc1:Live at Levon Helm Studios)

「Blackmagic」
『Blackmagic』収録曲。Jharis Yokelyのドラムを効かせたライヴならではの「Blackmagic」を楽しめます。Big Yukiの鍵盤もいい雰囲気を醸し出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kO7V0UDhBCs

「Turn Me Up」
『No Beginning No End 2』収録曲。オリジナルと同じく開放的なファンキー・グルーヴで盛り上げてくれます。大好きな曲なので嬉しいライヴ・ヴァージョンです。
https://www.youtube.com/watch?v=D_BB97iqcfs

「Come To My Door」
『No Beginning No End』収録曲。Emily King作。オリジナルは穏やかなアコースティック・ソウルでしたが、ここではセミアコを使ったメロウ・ソウルでグッド・ヴァイヴを届けてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=E3xzVp_IsHY

「I Found A Love」
『No Beginning No End 2』収録曲。オリジナルと同じく奥方Taaliをフィーチャー。オリジナルのときにもコメントしましたが、Stevie Wonderの名バラードに通じる感動バラードですね。ライヴでもその感動は変わりません!
https://www.youtube.com/watch?v=4u9u6nlHQqs

「Saint James」
『No Beginning No End 2』収録曲。コロナ禍で傷ついた人々の心を癒してくれるようなジェントル・バラード。この曲の良さを再認識できました。
https://www.youtube.com/watch?v=uTPS0HOlFaU

「Do You Feel」
『No Beginning No End』収録曲。オリジナルと同じくソウルフルなバラードで聴かせてくれます。11分半近い長尺であり、各プレイヤーのソロも楽しめます。Ben Williamsのベース・ソロがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uaUCVA0qdrA

「Trouble」
『No Beginning No End』収録曲。オリジナルのネオ・ソウル+Sly Stone調ファンクの雰囲気をライヴ仕様にパワー・アップしています。Machadoのギターがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sLx_5Rx0r3g

「Park Bench People」
『The Dreamer』収録曲。90年代に活躍したL.A.のHip-HopグループFreestyle Fellowshipのカヴァー。ここでは12分近くの長尺で聴かせてくれます。オリジナルよりも早いテンポでライヴならではの演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=IufEgb3MhG8

(Disc2:Live at (Le) Poisson Rouge)

「Code」
『Blackmagic』収録曲。オリジナルの雰囲気を受け継いだメロウな演奏ですが、ライヴならではのメリハリで楽しませてくれます。

「Save Your Love For Me」
『Blackmagic』収録曲。ジャズ/ブルース・ピアニストBuddy Johnson作のスタンダード・カヴァー。オリジナルと同じくジャズ・フィーリングに溢れた演奏ですが、Joseがよりエモーショナルなヴォーカルを聴かせてくれます。

「Blackmagic」
Disc1でも演奏していた楽曲をDisc2でも収録しています。同じ楽曲でも日によって演奏の雰囲気が異なるライヴの魅力を実感できます。こちらの演奏ではMachadoのギターが印象的な演奏となっています。

「Promise In Love」
『Blackmagic』収録曲。元々はDJ Mitsu The Beats『A Word To The Wise』(2009年)でJoseがゲスト参加した楽曲。ここでも冒頭でJoseがDJ Mitsu The Beatsへのリスペクトを示しています。ここでは今のJoseのスタイルらしくソウルフルな雰囲気で聴かせてくれます。

「Made For Love」
『Blackmagic』収録曲。オリジナルはFlying LotusプロデュースでL.A.ビート・ミュージックのエッセンスを取り入れたトラックでしたが、ここでは生演奏ならではのメロウな雰囲気で聴かせてくれます。後半には生ヴォーカルでオリジナルあったようなサウンドを再現しているのが面白いです。

「I Need Your Love」
『No Beginning No End 2』収録曲。同作のオープニングを飾ったオリジナルはLedisiChristian Scott aTunde Adjuahをフィーチャーしていました。ここでは女性ヴォーカルもトランペットもないせいか、より哀愁ムードが漂ったソウル・チューンに仕上がっています。

「Park Bench People」
「Blackmagic」と同じくDisc1でも演奏していた楽曲をDisc2でも収録。16分半近い演奏で本作の中で一番の長尺です。ジャズ・ヴォーカリストならではのJoseのテクニックやMachadoの白熱ギターなどでDisc1の演奏とは異なる見せ場を作ってくれます。

「Baby Don't Cry」
『No Beginning No End 2』収録曲。オリジナルと同じくJ. Hoardをフィーチャー。オリジナルはMarvin Gayeを意識した雰囲気のセクシー&メロウなソウル・グルーヴでしたが、ここでもその雰囲気を受け継ぎつつ、ライヴならではの臨場感が加わった軽快な演奏で楽しませてくれます。

Jose Jamesの他作品もチェックを!

『The Dreamer』(2007年)
The Dreamer [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC369)

『Blackmagic』(2010年)
Blackmagic [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] 期間限定廉価盤 (BRC246Z)

Jose James & Jef Neve『For All We Know』(2010年)
For All We Know

『No Beginning No End』(2013年)
ノー・ビギニング・ノー・エンド

『While You Were Sleeping』(2014年)
While You Were Sleeping

『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
イエスタデイ・アイ・ハド・ザ・ブルース

『Love In A Time Of Madness』(2017年)
ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス

『Lean On Me』(2018年)
リーン・オン・ミー

『No Beginning No End 2』(2020年)
ノー・ビギニング・ノー・エンド 2
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2021年02月28日

Seba Kaapstad『Konke』

注目の多国籍ネオソウル・ユニット☆Seba Kaapstad『Konke』

発表年:2020年
ez的ジャンル:多国籍ネオソウル・ユニット
気分は... :注目の南アフリカ!

新作アルバムから多国籍ネオソウル・ユニットSeba Kaapstadの2ndアルバム『Konke』(2020年)です。

Seba Kaapstadは、エスワティニ(旧スワジランド)出身のNdumiso Manan(vo)、南アフリカ出身のZoe Modiga(vo)、ドイツ出身のSebastian Schuster(b、key、syn、strings)とPhilip Scheibel(prog、ds、syn、fx)からなるネオソウル・ユニット。

リーダー格のSebastian Schusterが南アフリカの文化や音楽に魅了されたことがきっかけで結成されました。

本作『Konke』は、デビュー・アルバム『Thina』(2019年)に続く2ndアルバム。

アルバムにはUSデトロイト出身のラッパーQuelle Chris、ワシントンD.C.出身のプロデューサー/ラッパーOddisee、当ブログでもお馴染みの女性R&BアーティストGeorgia Anne Muldrowがフィーチャリングされています。

注目の南アフリカの音楽シーンが輩出したネオソウル・ユニットです。

勿論、南アフリカを感じるトラックもいくつかありますが、それ程アフリカ色を前面に打ち出しているわけではありません。

むしろRobert Glasper以降のHip-Hop経由の現在進行形ジャズやMoonchildに代表される次世代ネオソウルのベクトルとも符合する音世界が魅力のアルバムだと思います。

個人的にはErykah Baduを思わせるZoe Modigaのヴォーカルに惹かれます。

南アフリカの音楽シーンが注目される理由がよく分かる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Our People」
Quelle Chrisをフィーチャー。USネオソウル好きの人でも気に入るであろうピースフル・トラックがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=kHDgyo3O7as

「www」
穏やかな雰囲気が心地好いネオソウル。ポジティヴなメロウ・ヴァイヴがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1sSBcdW8RZE

「Cloud」
ビートミュージックやRobert Glasper以降の現在進行形ジャズも感じるインスト・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=16pwX6FEKts

「You Better」
Erykah Baduを思わせるZoeのヴォーカルが映えるメロウなネオソウル。Moonchildあたりの次世代ネオソウルにも通じるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=KMvRs5P9GYY

「The Kingdom」
時の流れに思いをはせる壮大なスケールの1曲。1曲の中に歴史の流れを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZRnxzhLZ5d8

「I'm Scared」
Oddiseeをフィーチャー。ネオソウルと今ジャズのエッセンスをうまく融合させた1曲。派手さはありませんが、センスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=wbP_h55y-PU

「Konke」
タイトル曲は南アフリカ産ネオソウルといった雰囲気です。このユニットの持つ魅力をよく実感できる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=DaHZSn8UgYg

「Please」
Moonchild好きは気に入るであろう、浮遊するメロウ・トラック。Zoeのキュートで軽やかな語り口もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cKT08i_TY38

「Fred」
Ndumisoのオートチューン・ヴォーカルの寂しげな雰囲気が印象的な哀愁ミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=UcER7JiHTyg

「Magic」
前半はジャジー・ソウル風ですが、後半はアフリカ・モードのリズミックな展開になります。
https://www.youtube.com/watch?v=8tGbwcAQgpM

「Free」
Georgia Anne Muldrowをフィーチャー。才女Georgia Anne MuldrowとSeba Kaapstadはベクトルが同じ感じがします。そんな期待の通り、壮大なコズミック・ソウルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jVA9eAkkMlc

「Friday That's Good」
現在進行形ジャズのエッセンスを取り入れたインスト。Robert Glasper好きの人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=LqSTllrQ4mE

「Home」
しっかりネオソウルしながらも母なる大地アフリカを感じる美しいメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=SdVfHAKo4Yo

「Peace of Mind」
ラストはピアノとストリングスによるバラードでしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=93AMIpsf6SM

『Thina』(2019年)
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