2023年05月07日

Brandee Younger『Brand New Life』

次世代ジャズ・ハープ奏者の最新作☆Brandee Younger『Brand New Life』
brandee younger brand new life.jpg
発表年:2023年
ez的ジャンル:次世代ジャズ・ハープ
気分は... :Dorothy Ashby、Alice Coltraneに続け!

新作ジャズから次世代ジャズ・ハープ奏者の最新作Brandee Younger『Brand New Life』です。

Brandee Youngerは1986年ニューヨーク州に生まれ。

ハートフォード大学の音楽院ハートスクールで学び、Dorothy AshbyAlice Coltraneといった女性ジャズ・ハープ奏者の影響を受けて、2006年頃からハープ奏者として本格的な活動を開始します。

2011年にデビューEP『Prelude』、2016年に1stソロ・アルバム『Wax & Wane』をリリース。

近年ではジャズの名門Impulse!との契約に成功し、その第1弾アルバムとして『Somewhere Different』(2021年)をリリース。本作『Brand New Life』はImpulse!からの第2弾アルバムとなります。

当ブログで紹介した作品でいえば、以下の作品にBrandee Youngerが参加しています。
 Common『Finding Forever』(2007年)
 John Legend『Love In The Future』(2013年)
 Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)
 Kassa Overall『I Think I'm Good』(2020年)

以前から気になるアーティストでしたが、実際にアルバムを聴くのは本作『Brand New Life』が初めてです。

音を聴く以前に参加しているメンツを知り、これは聴くべき1枚だと感じました。

ビート・サイエンティストの異名を持つドラマー/ビートメイカー/プロデューサーのMakaya McCravenがプロデュース。

レコーディングにはBrandee Younger(harp、vo)以下、Rashaan Carter(b)、Makaya McCraven(ds)、Joel Ross(vibes)、DeSean Jones(fl)、Yuri Popowycz(string)、Pete Rock(ds prog)、9th Wonder(ds prog、add production)、Mumu Fresh(vo)、Me'Shell NdegéOcello(vo)、Linda McNease-Younger(vo)、Sharon McNease-Griggs(vo)、Junius Paul(b)といったミュージシャンが参加しています。

次世代ジャズの注目アーティストから有名Hip-Hopアーティスト、さらにはMe'Shell NdegéOcelloまで僕好みのメンツが揃っています。

先行シングルとなったDorothy Ashbyの未発表曲「You're A Girl For One Man Only」をはじめ、アルバム全体が女性ジャズ・ハープ奏者の先人Dorothy Ashbyからインスパイアされたアルバムとなっています。

そのDorothy Ashbyの未発表曲「You're A Girl For One Man Only」Mumu Freshをフィーチャーしたネオソウルな「Brand New Life」Pete Rockをフィーチャーした「Livin' And Lovin' In My Own Way」9th Wonderをフィーチャーした「The Windmills Of Your Mind」といったHip-Hop調トラック、今ジャズらしいビートの「Moving Target」Me'Shell NdegéOcelloをフィーチャーしたレゲエ調の「Dust」Stevie Wonderのカヴァー「If It's Magic」と聴きどころ満載です。

美しく深遠な次世代ジャズ・ハープをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「You're A Girl For One Man Only」
Brandee Younger/Dorothy Ashby作。前述のように、Dorothy Ashbyの未発表曲を世に送り出した先行シングル。Brandeeの美しく深遠なハープの響きに心が癒されます。Joel Rossのヴァイヴの音色とのコンビネーションもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=AEMBE9SdT0g

「Brand New Life」
Brandee Younger/Maimouna Youssef作。タイトル曲はワシントンD.Cの女性シンガーMumu Fresh(Maimouna Youssef)をフィーチャー。ネオソウル調のビューティフル・ソングが聴く者を優しく包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=t0n0isQn_XM

「Come Live With Me (Interlude)」
Ivan Washabaugh/Mike Caranda/Russ Carlyle作。Dorothy Ashby『Afro-Harping』(1968年)でカヴァーしていた楽曲です。ここではBrandeeのハープ独奏でしっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oAm6-OMk5Y4

「Livin' And Lovin' In My Own Way」
Brandee Younger/Dorothy Ashby作。大御所Pete RockをフィーチャーしたHip-Hopビート×ジャズ・ハープなトラック。意外にHip-Hopビートとジャズ・ハープの相性はいいかもしれません!このくらいキャッチーな方が聴きやすい人もいるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=Pti2kuyzknw

「Running Game (Intro)」
Brandee Younger/Dorothy Ashby作。次曲へのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=unJdHTgQhyU

「Running Game」
Brandee Younger/Dorothy Ashby作。抑えたトーンながらも小粋なジャズ・フィーリングを感じる演奏を楽しめます。ジワジワと胸に染み入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=S8XoYKoE810

「Moving Target」
Brandee Younger作。Makaya McCravenの今ジャズらしいビートが印象的な演奏です。アルバムの中で最も今ジャズらしい演奏かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=QiWWsXTj8mQ

「Dust」
Dorothy Ashbyのカヴァー。オリジナルは『The Rubaiyat Dorothy Ashby』(1970年)収録。ここではMe'Shell NdegéOcelloのヴォーカルをフィーチャーし、レゲエ調の演奏を聴かせてくれます。レゲエとハープの組合せもなかなかいいですね!
https://www.youtube.com/watch?v=TnCBOfNe7cI

「The Windmills Of Your Mind」
Michel Legrand/Alan Bergman/Marilyn Bergman作。Steve McQueen主演の映画『The Thomas Crown Affair(邦題:華麗なる賭け)』(1968年)の主題歌をカヴァー。ここでは9th Wonderをフィーチャーし、Hip-HopビートをバックにBrandeeが哀愁メロディを奏でます。
https://www.youtube.com/watch?v=-Y1jq9HlTso

本曲に関して、当ブログではDorothy AshbyPaige ClaireBobbi BoyleBud Shankのカヴァーを紹介済みです。

「If It's Magic」
ラストはStevie Wonderのカヴァー。オリジナルは名盤『Songs In The Key Of Life』(1976年)収録。これはジャズ・ハープのためにあるような楽曲かもしれませんね。Brandeeの美しいハープ独奏を堪能しましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=yL_2oKE4VtU

Brandee Youngerの他作品もチェックを!

『Prelude』(2011年)


The Brandee Younger 4tet『Live at the Breeding Ground』(2014年)


『Wax & Wane』(2016年)


『Soul Awakening』(2019年)


Dezron Douglas & Brandee Younger『Force Majeure』(2020年)


『Somewhere Different』(2021年)

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2023年04月30日

Mark De Clive-Lowe, Shigeto & Melanie Charles『Hotel San Claudio』

Pharoah Sandersのカヴァー収録☆Mark De Clive-Lowe, Shigeto & Melanie Charles『Hotel San Claudio』

発表年:2021年
ez的ジャンル:UKクロスオーヴァー経由L.A.ジャズ
気分は... :僕の好きなMdCL!!!

今回は当ブログでもお馴染みのキーボード奏者Mark De Clive-LoweMark De Clive-Lowe, Shigeto & Melanie Charles『Hotel San Claudio』(2021年)です。
※2021年リリースですが、CD入手が容易になったのが最近なので新作扱いにさせていただきます。

ニュージーランド人の父と日本人の母を持ち、かつては"西ロンドンのHerbie Hancock"とも呼ばれたプロデューサー/キーボード奏者/DJMark De Clive-Lowe(MdCL)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の5枚。

 『Six Degrees』(2000年)
 『Tide's Arising』(2005年)
 『Journey 2 The Light』(2007年)
 『Renegades』(2011年)
 『Church』(2014年)

Shigeto(ds)、Melanie Charles(fl、vo)との共同名義でリリースされた本作『Hotel San Claudio』は、「The Creator Has A Master Plan」「Love is Everywhere」という昨年9月に逝去したジャズ・サックスの巨人Pharoah Sandersのカヴァーを収録したことで注目されている1枚です。

MdCLは昨年にもDwight TribleCarlos Ninoらも参加したPharoah Sandersのトリビュート・ライヴ・アルバム『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)をリリースしています。

『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)


『Hotel San Claudio』『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』も"Pharoah Sanders追悼"を前面に打ち出す謳い文句が多いため、Pharoah Sandersの逝去を受けて、これら2枚のアルバムがレコーディングされたように思われている方もしれません。

しかし、実際の出来事を時系列で並べると、
『Hotel San Claudio』リリース

『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』リリース

Pharoah Sanders逝去
となります。

『Church』(2014年)以降は、L.A.を拠点にジャズ的アプローチの作品をリリースするようになったMdCLですが、本作『Hotel San Claudio』はクラブジャズ/クロスオーヴァーにアプローチしていた西ロンドン時代のファンも楽しめる1枚に仕上がっていると思います。

その意味で同じPharoah Sandersへのトリビュートでも『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』とはかなり色合いが異なります。

ハイライトは当然ながら「The Creator Has A Master Plan (Part 1)」「Love is Everywhere」「The Creator Has A Master Plan (Part 2)」というPharoah Sandersをカヴァーした3トラック。

それ以外は3人によるオリジナル。個人的には「Bushido」「Kanazawa」という日本に因んだタイトルの2曲とHip-Hop調の「Strings」がオススメです。

僕の好きなMdCLが帰って来た!と感じられる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Creator Has A Master Plan (Part 1)」
Pharoah Sandersのカヴァー1曲目(Pharoah Sanders/Leon Thomas作)。オリジナルは『Karma』(1969年)収録。Pharoahのスピリチュアル・ジャズ名曲をオリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、よりミステリアス&コズミックなカヴァーに仕上がっています。Melanieのヴォーカル&フルートがミステリアス・ムードをより高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4-Wr328eRhA

当ブログではオリジナルでもヴォーカルをとるLeon Thomasのリメイク、Lord EchoBrooklyn Funk EssentialsThe Souljazz Orchestraのカヴァーも紹介済みです。

「Strings」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。これはHip-Hopバンド調の演奏ですが、本作らしいコズミックな雰囲気もあります。Melanieのヴォーカルもラップ調です。今ジャズ好きの人は楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=d9BUCQuD5jA

「MFT」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。妖艶なミステリアス・ムードが印象的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=O5Cibt2HncM

「Bushido」
Mark De Clive-Lowe作。「武士道」というタイトルの通り、オリエンタルなミステリアス・フィーリングのある演奏を聴くことができます。Melanieのフルートが尺八のような雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=WTgLLeuadcw

「Interlude (Contorni)」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。ミステリアスなインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=5PPV4EQ1vTk

「Kanazawa」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。タイトルは「金沢」のことだと思います。Melanieのヴォーカルをフィーチャーし、シンセのヴィヴィッドな音色が印象的なエレクトリック・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TCfU_63iAYc

「Love is Everywhere」
Pharoah Sandersのカヴァー2曲目(Pharoah Sanders/Leon Thomas作)。オリジナルは 『Love In Us All』(1975年)収録。当ブログではBuild An Arkのカヴァーも紹介済みです。Melanie Charlesの伸びやかなヴォーカルが躍動するコズミック&ダンサブルなクロスオーヴァー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PBsneBumfzg

「Interlude (Digestivo)」
Mark De Clive-Lowe/Shigeto/Melanie Charles作。コズミックななインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=_FrOdvjBEL8

「The Creator Has A Master Plan (Part 2)」
ラストはオープニングを飾った「The Creator Has A Master Plan」のPart 2です。こちらはよりコズミックなクロスオーヴァー感覚の仕上がりです。少しダビーな感じも好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=Qp9S2t-akL0

MdCLの他作品もチェックを!

『Six Degrees』(2000年)
シックス・ディグリーズ

『Tide's Arising』(2005年)
Tides Arising

『Journey 2 The Light』(2007年)


『Renegades』(2011年)
Renegades [解説付・ボーナストラック2曲収録・国内盤] (BRC308)

Mark de Clive-Lowe & Rotterdam Jazz Orchestra『Take the Space Trane』(2013年)


『Church』(2014年)


『Heritage』(2019年)


『Church Sessions』(2019年)


Mark de Clive-Lowe/Andrea Lombardini/Tommaso Cappellato『Dreamweavers』(2020年)


『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)
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2023年04月23日

Xenia Franca『Em Nome Da Estrela』

ブラジル新世代の歌姫の2nd☆Xenia Franca『Em Nome Da Estrela』

発表年:2022年
ez的ジャンル:MPB新世代女性シンガー
気分は... :!

ブラジル新作からXenia Franca『Em Nome Da Estrela』です。

Xenia Francaは1986年バイーア生まれの女性シンガー。
10代からモデルとして活躍し、それと並行して音楽活動も開始しました。

ソロ・デビュー以前にブラジルのソウル/ファンク・バンドAlafiaのメンバーとしてもアルバムをリリースしています。

2017年に初のソロ・アルバム『Xenia』をリリース。
アフロ・ブラジリアン×ネオソウルな内容で大きな支持を得ました。

そして約5年ぶりの新作となった2ndアルバム『Em Nome Da Estrela』も各方面で高く評価されています。

1stアルバム『Xenia』と同様にLourenco RebetezPipo Pegoraroという2人のミュージシャンがアルバムに大きく貢献しています。

また、大御所Arthur Verocaiがアレンジを手掛けているトラックもあります。

殆どの曲はXeniaやLourenco Rebete等によるオリジナルです。

前作『Xenia』と比較すると、アフロ・ブラジリアン色を前面に出すのではなく隠し味程度に後退させ、美しくミステリアスな音世界を展開しているのが印象的です。

モダンでスタイリッシュな「Ancestral Infinito」、フューチャリスティック感覚の「Interestelar」Gilberto Gilのカヴァー「Futurível」Djavanのカヴァー「Magia」Arthur Verocaiがアレンジを手掛けた「Animus × Anima」あたりが聴きどころだと思います。

あまりブラジル音楽を意識せずとも楽しめる新世代ミュージシャン作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Renascer」
ミステリアス&ビューティフルな次世代ネオソウル調のオープニング。薄らとしたエレクトリック・サウンドをバックにXeniaがしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z7dR73UdyOM

「Interestelar」
シンセベースを効かせたビートメイカー的なトラックをバックに、Xeniaがヴィヴィッドなヴォーカルを聴かせてくれます。ミステリアスなフューチャリスティック感覚が僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=SJYa_olScW4

「Futurível」
Gilberto Gilのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Gilberto Gil』(1969年)に収録されています。トロピカリズモなオリジナルに対して、軽くバイーア・テイストを効かせたアトモスフィアなオルタナティヴ・ソウルで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rkebPf4OxwI

Gilberto Gil「Futurível」
 https://www.youtube.com/watch?v=sAyGHbFx0V0

「Interludio - Cantiga Da Nacao Jeje, Por Mae Menininha (1940-1941)」
カンドンブレ(ブラジルの民間信仰)の古い音源を用いたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=xJSxyKnH7sA

「Dadiva」
ブラジルの女性シンガー・ソングライターLuiza Lianの作品。オーケストレーションとエレクトリック・サウンドを巧みに融合させたミステリアス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=lt2kI6iJZKc

「Ancestral Infinito」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。ブラジル音楽/MPBという枠を飛び越えたモダンでスタイリッシュな音世界に魅了されました。Lourenco Rebetez、Pipo Pegoraroのセンスに脱帽です。
https://www.youtube.com/watch?v=RzxKUt_cmeE

「Interludio - Tem Dinheiro Nao」
古い音源を用いたと思われるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=n775ELbAJEo

「Animus × Anima」
Arthur Verocaiをフィーチャー。Arthur Verocaiによる荘厳なストリングスをバックに、Xeniaがミステリアスなヴォーカルで歌い上げることで異世界へ迷い込んだような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=SnPL_D2V6aU

「Ja E」
ブラジル人ラッパーRico Dalasamをフィーチャー。US R&B/Hip-Hopの影響を感じるエレクトリック・ソウル。終盤はRico Dalasamがラップで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UJqFncoPdSs

「From The Heights」
美しいシンセの音色とXeniaの艶やかなヴォーカルがシンクロしたビューティフルなネオソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Sc-FLeOyWJg

「Interludio - Entrevista Menino Do Pelo」
インタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=VaIgUYp_bH0

「Magia」
ラストはDjavanのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『A Voz, O Violao, A Musica De Djavan』(1976年)に収録。美しいストリングスを配したドラマティックなビューティフル・チューンで締め括ってくれます。感動的なドキュメンタリーのエンディング・テーマのような雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=pe5qexaRhSA

『Xenia』(2017年)


ご興味がある方はAlafiaの作品もチェックを!

Alafia『Corpura』(2015年)


Alafia『Sp Nao E Sopa』(2017年)
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2023年04月16日

Nicolas Gardel & Baptiste Herbin『Symmetric』

双頭ユニットのフレンチ・ジャズ☆Nicolas Gardel & Baptiste Herbin『Symmetric』

発表年:2023年
ez的ジャンル:フレンチ・ジャズ
気分は... :熱きバスクダービー!

今回は新作ジャズからNicolas Gardel(tp)とBaptiste Herbin(sax)という2人のフランス人ミュージシャンの双頭名義によるNicolas Gardel & Baptiste Herbin『Symmetric』です。

Nicolas Gardel(tp)、Baptiste Herbin(sax)は共にフランス人ジャズ・ミュージシャンであり、それぞれリーダー作もリリースしています。特にBaptiste Herbinは近年コンスタントにアルバムをリリースしています。

本作は二人にLaurent Coulondre(key)、Yoann Serra(ds)を加えたカルテット編成でレコーディングされています。特にLaurent Coulondreはキーボードに加えて、シンセ・ベースも弾いて演奏全体のキーマンになっていると思います。

現在進行形の今ジャズからジャズ・ファンク、クラブジャズ、ソウルフル&ブルージーな演奏からオーセンティックなジャズまで1枚の中でバラエティに富んだジャズ・ワールドを楽しめるのが本作の魅力です。

現在進行形ジャズの「Jungle Bells」、軽快なアンサンブルが心地よい「10/07」、クラブジャズ的な「The Stroke」「Go Kla Yeah」、エスニック&ミステリアスなジャズ・ファンク「Arcos」、想いが伝わってくる哀愁バラード「Endless Memories of You」あたりが僕のオススメです。

バラエティに富んだフレンチ・ジャズをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Jungle Bells」
このオープニングを聴いて、僕は本作の購入を決めました。Laurent Coulondreのシンセ・ベースとYoann Serraのドラムが生み出すグルーヴは現在進行形の今ジャズにリンクするものです。そんなスリリングなグルーヴに乗ってBaptiste HerbinのサックスとNicolas Gardelのトランペットがスパークする感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=we8YqYQofQs

「Yoyo」
レゲエ調のゆったりとした演奏で始まりますが、次第にヒートアップし、気づけばエキサイティングなコズミック・ジャズへ変貌しています。Baptiste HerbinとNicolas Gardelのアンサンブルも見事です。
https://www.youtube.com/watch?v=FRGRmu6-uF8

「10/07」
Baptiste HerbinとNicolas Gardelの軽快なアンサンブルが心地よい演奏です。リラックスとエキサイティングが同居している感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=W7i0vB_MUrk

「Endless Memories of You」
Nicolas Gardelの愁いを帯びたトランペットにグッとくる哀愁バラード。タイトルがそのまま音になったような想いが伝わってくる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=AgkmAyYmvZE

「Le Zappy」
これはノスタルジックな雰囲気に満ちたソウルフル&ブルージーな演奏です。Laurent Coulondreのオルガンがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=hs9R-WR_KGY

「The Stroke」
これはクラブジャズ好きも気に入る演奏なのでは?スリリングに疾走するリズム隊に乗って、Baptiste HerbinとNicolas Gardelが息の合ったホーン・アンサンブルを聴かせてくれます。Laurent Coulondreのグルーヴィー・オルガンもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=qDUGVSg_xPI

「Heart Breaker」
しっとりとしたバラードですが、ジワジワとBaptiste HerbinとNicolas Gardelの二管のエモーションが高まっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=BzFeQfT4_hI

「Henriette」
オーセンティックながらもフレンチ・ジャズの美学を感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=baI9WiAsxrk

「Go Kla Yeah」
これもクラブジャズ好きが気に入りそうな演奏です。スリリングな疾走感が格好良いですね。スリリングながらも演奏がクリアな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CGSC_va3p8Q

「Arcos」
ラストはエスニック&ミステリアスなジャズ・ファンク的な演奏で締め括ってくれます。Laurent Coulondreのシンセの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=WrPCvQt1m7Y

ご興味がある方はBaptiste Herbinの他作品もチェックを!

『Brother Stoon』(2012年)


『Interferences』(2016年)


Francis Lockwood Quartet Feat. Baptiste Herbin『Minton's Blues』(2018年)


『Dreams And Connections』(2018年)


Baptiste Herbin/Ademir Junior『O Brasil Do Saxofone Ao Vivo No Clude Do Choro De Brasilia』(2020年)
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2023年04月09日

Emile Londonien『Legacy』

フランス期待の次世代ジャズ☆Emile Londonien『Legacy』

発表年:2023年
ez的ジャンル:フランス産次世代ジャズ
気分は... :トッテナム強い!

新作からフランス産次世代ジャズEmile Londonien『Legacy』です。

Emile Londonienはフランス、ストラスブールで結成された次世代ジャズ・トリオ。

メンバーはMatthieu Drago(ds、per)、Midva(Nils Boyny)(p、el-p、syn)、Theo Tritsch(b)という3名。

Emile Londonienというグループ名は、彼らが影響を受けたロンドンの音楽シーンとフランス人サックス奏者Emile Parisienへの敬意に由来するものです。

これまで「SxB EP」(2021年)、「Covered Bridges」(2022年)という2枚のEPをリリースしています。

デビュー・アルバムとなる本作『Legacy』には、グループ名の由来となったEmile Parisien(sax)をはじめ、Leon Phal(sax)、、Antoine Berjeaut(tp)、Loise Campagna(fl)、Jeremie Revel(g)、Kuna Maze(syn)、Remy Arenas(per)、Lara Issa(vo)、Sven Boyny(viola)といったゲストが参加しています。

ロンドンの音楽シーンに影響を受け、Gilles Petersonからも逸材と称賛されたグループですが、それに相応しい内容となっています。

伝統的なジャズとロンドンの次世代ジャズ/エレクトリック・ジャズのエッセンスをうまく融合させた演奏が印象的です。

派手さや新しさを前面に打ち出す演奏ではありませんが、それでも新しさが十分に伝わってくるのが本作の魅力だと思います。「さり気なく新しい」といった感じでしょうか。

フランスの次世代ジャズ・ミュージシャンによる新たな芽吹きを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Legacy」
Leon Phal(sax)、Antoine Berjeaut(tp)というゲストのホーンが加わったオープニング。オーセンティックなようでさり気なく次世代ジャズ的な演奏がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=MsXb73JcnEg

「Still From The East」
柔らかなシンセの音色と次世代ジャズ的なリズム隊による瑞々しい演奏がいい感じです。終盤のミステリアスなムードも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=6IbMj_8YsZY

「Archives」
ゲストのEmile Parisien(sax)が参加。次世代ジャズらしい揺らぎとHip-Hop的なビートと織り交ぜつつ、オーセンティックなジャズの佇まいがあります。不思議な魅力を持つ演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=k5vd085RQAE

「The Witness」
ゲストのJeremie Revelのギターが印象的な2分に満たないミステリアスな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=rdPLaAaCU7E

「Laziness」
Theo Tritschのベースが全体を牽引します。ジワジワくる穏やかなコズミック・ジャズといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BS5-uRYV6E4

「Make It Easy」
Lara Issaの女性ヴォーカルをフィーチャーした人力ブロークンビーツ/ハウス的な演奏です。こういったクラブミュージック的な演奏ができるのも次世代ジャズらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=njwA5B_rsOM

「House Party (Live at Worldwide Festival)」
これはライヴ演奏です。2分に満たない短い演奏ですが、ライヴならではの躍動感があってEmile Londonienの次世代ジャズならではのフレッシュさが伝わってくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=mcLqxkpy1Xk

「An Ode」
美しいピアノと抑えめながらもスリリングなリズム隊の絶妙なバランスがいいですね。次世代ジャズならではのトリオ演奏って感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=g093_UIiKhQ

「Omezis DNA」
サックス、トランペット、フルート、ギター、パーカッション、ヴィオラといったゲスト陣が多数加わり、本作で最も次世代ジャズを感じる演奏で楽しませてくれます。Gilles Petersonが気に入るのがよく分かる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=S71kMvAEyCE

「Twenty Fifteen」
強度のある演奏を楽しめる次世代コズミック・ジャズ。スケールの大きなミステリアス・ムードがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=RMuiDUw_F-s

「Emile」
ラストはタイトルの通り、グループ名の由来となったEmile Parisienのサックスをフィーチャーした美しい演奏で締め括ってくれます。Midvaの美しいピアノとEmile Parisienのサックスのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=n0WRZc7emt4

サッカー・プレミアリーグ、トッテナム対ブライトンは興味深い内容でした。
好調ブライトンはいつのような試合運びができず敗れましたが、
反対にトッテナムの強度を確認できた一戦でした。
三笘は今日に関しては封じ込まれましたが、
逆に今後ビッグクラブで活躍するための課題も見えてきたのでは?
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