2023年04月09日

Emile Londonien『Legacy』

フランス期待の次世代ジャズ☆Emile Londonien『Legacy』

発表年:2023年
ez的ジャンル:フランス産次世代ジャズ
気分は... :トッテナム強い!

新作からフランス産次世代ジャズEmile Londonien『Legacy』です。

Emile Londonienはフランス、ストラスブールで結成された次世代ジャズ・トリオ。

メンバーはMatthieu Drago(ds、per)、Midva(Nils Boyny)(p、el-p、syn)、Theo Tritsch(b)という3名。

Emile Londonienというグループ名は、彼らが影響を受けたロンドンの音楽シーンとフランス人サックス奏者Emile Parisienへの敬意に由来するものです。

これまで「SxB EP」(2021年)、「Covered Bridges」(2022年)という2枚のEPをリリースしています。

デビュー・アルバムとなる本作『Legacy』には、グループ名の由来となったEmile Parisien(sax)をはじめ、Leon Phal(sax)、、Antoine Berjeaut(tp)、Loise Campagna(fl)、Jeremie Revel(g)、Kuna Maze(syn)、Remy Arenas(per)、Lara Issa(vo)、Sven Boyny(viola)といったゲストが参加しています。

ロンドンの音楽シーンに影響を受け、Gilles Petersonからも逸材と称賛されたグループですが、それに相応しい内容となっています。

伝統的なジャズとロンドンの次世代ジャズ/エレクトリック・ジャズのエッセンスをうまく融合させた演奏が印象的です。

派手さや新しさを前面に打ち出す演奏ではありませんが、それでも新しさが十分に伝わってくるのが本作の魅力だと思います。「さり気なく新しい」といった感じでしょうか。

フランスの次世代ジャズ・ミュージシャンによる新たな芽吹きを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Legacy」
Leon Phal(sax)、Antoine Berjeaut(tp)というゲストのホーンが加わったオープニング。オーセンティックなようでさり気なく次世代ジャズ的な演奏がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=MsXb73JcnEg

「Still From The East」
柔らかなシンセの音色と次世代ジャズ的なリズム隊による瑞々しい演奏がいい感じです。終盤のミステリアスなムードも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=6IbMj_8YsZY

「Archives」
ゲストのEmile Parisien(sax)が参加。次世代ジャズらしい揺らぎとHip-Hop的なビートと織り交ぜつつ、オーセンティックなジャズの佇まいがあります。不思議な魅力を持つ演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=k5vd085RQAE

「The Witness」
ゲストのJeremie Revelのギターが印象的な2分に満たないミステリアスな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=rdPLaAaCU7E

「Laziness」
Theo Tritschのベースが全体を牽引します。ジワジワくる穏やかなコズミック・ジャズといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BS5-uRYV6E4

「Make It Easy」
Lara Issaの女性ヴォーカルをフィーチャーした人力ブロークンビーツ/ハウス的な演奏です。こういったクラブミュージック的な演奏ができるのも次世代ジャズらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=njwA5B_rsOM

「House Party (Live at Worldwide Festival)」
これはライヴ演奏です。2分に満たない短い演奏ですが、ライヴならではの躍動感があってEmile Londonienの次世代ジャズならではのフレッシュさが伝わってくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=mcLqxkpy1Xk

「An Ode」
美しいピアノと抑えめながらもスリリングなリズム隊の絶妙なバランスがいいですね。次世代ジャズならではのトリオ演奏って感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=g093_UIiKhQ

「Omezis DNA」
サックス、トランペット、フルート、ギター、パーカッション、ヴィオラといったゲスト陣が多数加わり、本作で最も次世代ジャズを感じる演奏で楽しませてくれます。Gilles Petersonが気に入るのがよく分かる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=S71kMvAEyCE

「Twenty Fifteen」
強度のある演奏を楽しめる次世代コズミック・ジャズ。スケールの大きなミステリアス・ムードがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=RMuiDUw_F-s

「Emile」
ラストはタイトルの通り、グループ名の由来となったEmile Parisienのサックスをフィーチャーした美しい演奏で締め括ってくれます。Midvaの美しいピアノとEmile Parisienのサックスのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=n0WRZc7emt4

サッカー・プレミアリーグ、トッテナム対ブライトンは興味深い内容でした。
好調ブライトンはいつのような試合運びができず敗れましたが、
反対にトッテナムの強度を確認できた一戦でした。
三笘は今日に関しては封じ込まれましたが、
逆に今後ビッグクラブで活躍するための課題も見えてきたのでは?
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2023年04月02日

Tunico『Tunico』

気鋭マルチ奏者のデビュー作☆Tunico『Tunico』

発表年:2023年
ez的ジャンル:ブラジル現代ジャズ
気分は... :リトリート・ミュージック・・・

ブラジルもの新作からTunico『Tunico』です。

Tunico(本名:Antonio Casotti Secchin)はリオデジャネイロを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリスト/コンポーザー。

芸術家一家に生まれ育ち、幼少の頃よりギターを弾き始め、18歳の頃にはサックスを習得していたようです。

本作『Tunico』がデビュー・アルバムとなります。

UKの人気レーベルFar Out Recordingsからのリリースです。

僕が本作に注目したのもFar Outのブラジルものというのが大きかったです。また、“現代版Quarteto Novo”とも称されている点でも興味を持ちました。

Tunico(g、sax、vo)以下、Carlinhos Brownの息子でChico Buarqueの孫でもあるChico Brown(g)、当ブログでも初リーダー作『A Pegada Agora E Essa』(2021年)を紹介したAntonio Neves(tb)、さらにはGiordano Gasperin(b)、Gabriel Barbosa(ds)、Haroldo Eiras(g)、Chico Lira(key)、Ilan Becker(key)、Boka Reis (per)、Bernardo Schaefer(fl)、Katarina Assef(vo)といったミュージシャンが参加しています。

楽曲はすべてTunicoのオリジナルです。

現代ジャズ、ブラジル音楽、ブラジリアン・フューション、フォルクローレなどをベースにしつつ、Far Out作品ならではのキャッチーさを兼ね備えたトラックもあるのが僕好み。

その意味では「Galope」「Solar Das Hortencias」あたりがFar Outらしいかもしれません。

一方、「Sambola」「Decolagem」「Saudade do Sucupira」「O Que Vira」といった都会の喧騒を忘れさせてくるトラックも絶品です。

思わず“リトリート・ミュージック”とでも呼びたくなる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Galope」
軽快なブラジリアン・リズムをバックに、瑞々しいインタープレイが展開されるオープニング。Tunicoが軽やかなサックスを披露してくれます。現代ジャズ的な雰囲気を効かせつつ、Flora Purimを思わせる女性スキャット入りブラジリアン・フュージョン・テイストなのがFar Out作品らしいですね。Chico Brownもギター・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YLCBySaAy3w

「Sambola」
Antonio Neves(tb)参加。アコースティック・ギターの響きとパーカッシヴなリズムが心地好いブラジリアン・ジャズ。エレピのメロウな響きもグッド!聴いているだけで心が晴れやかになります。
https://www.youtube.com/watch?v=SvTG2J371UM

「Decolagem」
美しいギターの響きに全身が浄化されるような仕上がり。聴いているだけで森林の中に居るような気分になります。中盤の神秘的な展開は巨樹の映像がイメージされます。
https://www.youtube.com/watch?v=_My-VjRE6iM

「Saudade do Sucupira」
コズミックなイントロで始まりますが、本編はフォルクローレ調の爽快インストに仕上がっています。ブラジル現代ジャズとフォルクローレの融合が生み出すサウンドは長閑な田園風景が似合いそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=FkDH12otJ1w

「Solar Das Hortencias」
ブラジル現代ジャズらしい演奏ですが、ドラムが少しドラムンベース調だったり、ギターがロッキンな感じが面白いですね。ある意味とてもFar Out作品らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=Aj5fkHrvIjo

「O Que Vira」
ラストはTunicoのアコギとサックスのみのシンプルな演奏で余韻に浸りながらアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=FhJgDywqoac

ABEMAでプレミアムリーグ「ブライトン対ブレントフォード」戦を観戦中。
ブライトンのサッカーはいつ見ても楽しい!
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2023年03月26日

Ari Lennox『Age/Sex/Location』

注目の女性R&Bシンガーの2nd☆Ari Lennox『Age/Sex/Location』

発表年:2022年
ez的ジャンル:女性ネオソウル/R&B
気分は... :意外に王道・・・

今回は注目の女性R&B作品、Ari Lennox『Age/Sex/Location』です。

本当は2022年のうちに紹介したかったR&B新作ですが、意外に通常価格でのCD入手がしづらく、このタイミングとなってしまいました。

Ari Lennox(本名:Courtney Shanade Salter)は1991年生まれ、ワシントンD.C.出身の女性R&Bシンガー。

2009年からネット上に作品をアップしはじめ、2012年に最初のミックステープ、2013年にデビューEP「Ariography」をリリースします。

2015年にJ. ColeのレーベルDreamvilleと契約。同レーベルの女性アーティスト第1号となりました。

2019年にデビュー・アルバム『Shea Butter Baby』をリリース。US R&Bアルバム・チャート第7位となっています。

そして、2022年後半にリリースされた最新2ndアルバムが本作『Age/Sex/Location』となります。US R&Bアルバム・チャート第13位が最高位です。日本の某音楽誌では2022年の年間ベストR&Bアルバムにセレクトされていました。

僕が本作に惹かれたのは、2000年代ネオソウル/R&Bの雰囲気を2022年モードで聴かせてくれる点です。昔からネオソウル/R&Bを聴いている感覚でいえば、王道作品という印象を受けます。Erykah BaduSyleena Johnsonなどの女性ネオソウル/R&Bが好きだった僕に実にフィットします。

ここ数年、年々新作R&Bを聴く枚数が減っている僕ですが、逆に言えば、こういった王道作品が少なかったからかもしれません。

J. Coleをはじめ、EliteDZLWu10Tim SubyLOXEBryan-Michael CoxJermaine DupriMichael BeardenRon GilmoreTheo CrokerIbrahim HamadJ. White Did ItOrganized Noize(Rico Wade/Ray Murray/Sleepy Brown)、CardiakSlimwavAndre Pinckneyといった多彩なプロデューサーが起用されています。

また、Lucky DayeChloeSummer Walkerといったアーティストがフィーチャリングされています。

US R&Bチャート第8位のヒットとなった「Pressure」をはじめ、「Hoodie」「Queen Space」といったシングル3曲を聴けば、本作の魅力を実感できると思います。

それ以外であれば、「POF」「Waste My Time」「Mean Mug」「Boy Bye」あたりが僕のオススメです。

僕もまだまだネオソウル/R&B好きであることを再確認できました。

全曲紹介しときやす。

「POF」
DZL/J. Cole/Wu10プロデュース。しっとりとしたピアノと乾いたビートが印象的なオープニング。キュートながらも落ち着きのあるAriのヴォーカルがいいですね。初期のErykah Baduがお好きな人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=T0DDfUSZdUQ

「Hoodie」
Eliteプロデュース。2ndシングルにもなりました。サンプリング・ソースのNew York Port Authority「Home on a Rainy Day」を効果的に使った絶品ミディアム。これも2000年代女性ネオソウル好きならばグッとくるはず!その一方で今時のR&Bの雰囲気も併せ持っているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=87lPrxJG3fg

「Waste My Time」
Tim Suby/LOXEプロデュース。シングル向きのキャッチーなトラックに乗って、Ariが艶やかなキュート・ヴォーカルを聴かせてくれるダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=fYZpWYoeq4Q

「Pressure」
Bryan-Michael Cox/Jermaine Dupri/Eliteプロデュース。2021年にシングル・リリースされ、US R&Bチャート第8位となっています。Shirley Brown「Blessed Is the Woman (With a Man Like Mine)」ネタを効果的に使ったキャッチー&ソウルフルな1曲。Diana RossへのオマージュといわれるMVも印象的です。個人的にはThe Supremesをモデルにし、Beyonceが主演したミュージカル映画『Dreamgirls』(2006年)へのオマージュという感じがしますが。
https://www.youtube.com/watch?v=E604eZ81_YQ

「A/S/L (Interlude)」
Elite/Michael Bearden/Ron Gilmore/Theo Croker/Wu10プロデュース。次曲へのブリッジとなるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=6NkTiHcaRS4

「Mean Mug」
Elite/Wu10プロデュース。コレかなり好き!印象的なベースラインと浮遊するエレピがAriのヴォーカルを際立たせるドリーミーな絶品ミディアム。終盤には注目のジャズ・トランペッターTheo Crokerがソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GkmMoR9jh68

「Boy Bye」
男性R&BシンガーLucky Dayeをフィーチャー。Elite/Ibrahim Hamadプロデュース。AriとLucky Dayeの息の合ったデュエットを満喫できます。実に雰囲気があっていいですね。The Crusaders「A Ballad for Joe (Louis)」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=RlO3VIOq-cY

「Stop By」
J. White Did Itプロデュース。Leon Haywood「I Want'a Do Something Freaky to You」をサンプリング。ビート感のあるトラックでアルバムのいいアクセントになっています。Ariの歌いっぷりもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cyhbvJtNqv4

「Outside」
Elite/Organized Noizeプロデュース。Sweet Smoke「Just Another Empty Dream」をサンプリングした哀愁R&Bグルーヴ。昔ながらのHip-Hop/R&BファンはOrganized Noizeのクレジットにグッときてしまいますね。聴いていると、彼らが手掛けたトラックの数々が思い出されてニンマリしてしまうのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=TDVdNflR6GY

「Leak It」
女性R&BシンガーChloeをフィーチャー。Cardiak/Wu10プロデュース。ビートを効かせているものの、オーセンティックな雰囲気のソウル・バラードをAriとChloeが豊かな表現力でデュエットします。
https://www.youtube.com/watch?v=wjNSUhtw2b8

「Blocking You」
DZL/Elite/Ron Gilmore/Slimwavプロデュース。美しくも切ない哀愁バラードをAriがエモーショナルに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=9u8pf27t2R4

「Queen Space」
女性R&BシンガーSummer Walkerをフィーチャー。Andre Pinckney/Elite/Ron Gilmoreプロデュース。3rdシングルにもなりました。ラストはErykah Badu的な雰囲気のキュートなネオソウルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SDZ1EKghyw0

デビュー・アルバム『Shea Butter Baby』(2019年)もAmazonではCD入手困難みたいですね。
posted by ez at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月19日

Chris Bangs『Firebird』

「Acid Jazz」の名を生んだ張本人☆Chris Bangs『Firebird』

発表年:2023年
ez的ジャンル:UKクラブジャズ/ラテン・ジャズ
気分は... :次世代ジャズもいいけど・・・

新作からUKクラブジャズ/ラテン・ジャズ作品、Chris Bangs『Firebird』です。

Chris Bangsは1958年、ロンドン生まれのDJ/プロデューサー/コンポーザー/ミュージシャン。

80年代後半からのUKアシッド・ジャズ・ブームにおいて「Acid Jazz」というネーミングを生み出した張本人が当時DJとして活躍していたChris Bangsです。それ以降もThe Quiet BoysYada YadaMick Talbotとのユニット)での活動をはじめ、UKクラブジャズ・シーンで活躍しています。

最近ではMick Talbotとの共演アルバムChris Bangs & Mick Talbot『Back to Business』(2022年)で話題となったChris Bangsですが、間髪入れずソロ名義の新作も届けてくれました。

そんな最新作『Firebird』はクラブジャズ好き向けのグルーヴィーなラテン・ジャズ作品に仕上がっています。

近年のUKジャズは次世代ジャズ・ミュージシャンの活躍がめざましいですが、そんな流れとは無縁のクラブジャズ/ラテン・ジャズで貫き通しているのがいいですね。

プロデュースはChris Bangs

レコーディングにはChris Bangs(ds、per、b、p、prog)以下、Nigel Price(g)、Janette Mason(p)、Stephen "Jaffa" Jeffries(syn、org)、Ernie Mckone(b)、Dave Priseman(tp)、Simon Bates(sax)、Roger Beaujolais (vibe)、Mary Carewe(vo)等のミュージシャンが参加しています。

Cal Tjaderのカヴァー「Samba Do Sueno」Dom Um Romaoのカヴァー「Kitchen (Cosina)」以外はChris Bangsのオリジナルです。

「Samba Do Sueno」「Firebird」「Sambara」「Bam Bam」「Kitchen (Cosina)」あたりが僕のお気に入り。

久々に新作でクラブジャズらしいクラブジャズに出会った気がします。

改めて自分がクラブジャズも好きなのだと気づかされました。

全曲紹介しときやす。

「Samba Do Sueno」
人気ヴァイヴ奏者Cal Tjaderのカヴァー(オリジナル・タイトルは「Cal Tjader Samba Do Sueno」)。オリジナルはアルバム『Along Comes Cal』(1967年)収録。ラウンジ・ジャズの寛いだ雰囲気とグルーヴィーなクラブジャズの格好良さのいいとこ取りのラテン・ジャズ・ダンサーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uqa3VawOyGg

オリジナルとの聴き比べも楽しいのでは?
Cal Tjader「Samba Do Sueno」
 https://www.youtube.com/watch?v=bWQdYoegWAo

「Firebird」
タイトル曲はイタリアのクラブジャズ人気レーベルSchemaの作品群を彷彿させるフロア仕様の疾走するクラブジャズに仕上がっています。パーカッシヴな展開やムーグのコズミックな響きも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Ex-orI-zXUA

「Dinamita」
ラテン・ジャズ色を前面に打ち出したトラック。こういうのを聴くと80年代のUKシーンを思い出しますね。
https://www.youtube.com/watch?v=x2gIQoYoSMo

「Ritmo Picante」
前の「Dinamita」の流れを受け継ぐようなラテン・ジャズですが、こちらはフェンダー・ローズの音色が印象的ですし、遊び心のある演奏になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=m-GwQD6uMUY

「Sambara」
女性スキャット入りのフロア仕様のブラジリアン・ジャズ・ダンサー。これも2000年代のSchema作品好きの人が喜びそうな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=pXITyqjqkoI

「East Coast」
タイトルからも窺えますが、UKジャズというよりもUSフュージョン寄りのアーバン・ジャズ・ダンサーといった仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=QunO6iSjbZU

「Bam Bam」
個人的には一番のお気に入り。クラブジャズ好きにはたまらない雰囲気の仕上がりです。オリジナルですが有名曲のカヴァーと錯覚するほど聴き覚えのある感じがします(笑)。ヴァイヴの音色が実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=lxguINPl0kc

「Kitchen (Cosina)」
ブラジルの人気ドラマーDom Um Romaoのカヴァー。オリジナルはアルバム『Spirit Of The Times (Espirito Du Tempo)』(1975年)収録。アッパーなサンバ・グルーヴで楽しませてくれます。クラブジャズ好きには満足度高いはず!
https://www.youtube.com/watch?v=X25xUk4siB0

オリジナルとの聴き比べも楽しいのでは?
Dom Um Romao「Kitchen (Cosina)」
 https://www.youtube.com/watch?v=QTpkk_DLyV4

「Circuit Break」
Nigel Priceのギター、Stephen "Jaffa" Jeffriesのハモンド・オルガンが格好良いグルーヴィー・ジャズ。他のトラックにはモッド・ジャズな格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=Z6B4nezPEyc

「Lifetimes」
ラストはMary Careweのスキャット入りのコズミック&ダンサブルなグルーヴィー・ジャズで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KJK0R0QWUzY

Chris Bangsの他作品もチェックを!

『Takin' Care of Business』(1999年)


『Fuck Acid House This Is Acid Jazz』(2008年)


Chris Bangs & Mick Talbot『Back to Business』(2022年)
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2023年03月12日

Frederico Heliodoro『The Weight Of The News』

ミナスの香りのメロウ・ポップ☆Frederico Heliodoro『The Weight Of The News』

発表年:2023年
ez的ジャンル:ミナス新世代系クロスオーヴァー/メロウ・ポップ
気分は... :チェコやるね!

ブラジルもの新作からFrederico Heliodoro『The Weight Of The News』です。

Frederico Heliodoroは1987年ブラジル、ミナス生まれのベーシスト/シンガー・ソングライター。

彼の父親はブラジルのポップ・ロック・バンドHanoi-Hanoiのメンバーだったことでも知られるシンガー・ソングライターのAffonsinhoです。

ソロ・アルバムとしては、『Dois Mundos』(2012年)、『Verano』(2013年)、『Acordar』(2015年)など本作以前に5枚をリリースしています。

また、当ブログで紹介した作品でいえば、Jennifer Souza『Impossivel Breve』(2013年)、Antonio Loureiro『Livre』(2018年)、Jennifer Souza『Pacífica Pedra Branca』(2021年)に参加しています。

近年では現代ジャズ・ギターの皇帝Kurt RosenwinkelのCaipiツアー・メンバーや、昨年はMilton Nascimentoの最後のワールド・ツアーにも参加しています。

そんなFrederico Heliodoro『Acordar』(2015年)以来の新作アルバムとなるのが本作『The Weight Of The News』です。

レコーディングにはFrederico Heliodoro(b、key、vo、syn)以下、Antonio Loureiro(ds、per、p)、Chris Fishman(p、syn)、Marcus Abjaud(key)、Fred Selva(syn)、Thiago Rabello(ds)、Seamus Blake(sax)、Olivia Trummer(p)、Felipe Continentino(ds)、奇才Louis Cole(ds)、Kurt Rosenwinkel(g)、Pedro Martins(g)、Aaron Parks(p)、David Binney(sax)、Heloise Lefebvre(violin)といったミュージシャンが参加しています。

さらに国内盤ボーナス・トラック「Nite's Ok」には、Louis Coleと共にKNOWERを組む女性シンガーGenevieve Artadiも参加しています。

ジャンルでいえば、ジャズ×ブラジル×ロックのクロスオーヴァーといった感じですが、全般的にはミナスの香りのメロウ・ポップという印象が強いです。

ブラジル音楽好きよりも、Louis ColeThundercat好きの人にフィットするアルバムではないかと思います。

楽曲はすべてFrederico Heliodoroのオリジナルです。
(ボーナス・トラックのみGenevieve Artadiとの共作)

ミナス新世代によるメロウ・ポップ・ワールドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Interestelar」
Chris Fishman & Fred Selvaをフィーチャー。プログラミングを駆使したミナス新世代によるシンセ・ポップといった雰囲気のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=I7YRCpOwakY

「Essa Noite」
Felipe Continentinoをフィーチャー。本トラックも鮮やかなシンセの音色が印象的です。シンセの音色が尖ったものではなく滑らかなのがミナス新世代らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=QQvzPwZq23Q

「Renascer」
Aaron Parks & Thiago Rabelloをフィーチャー。ジャズ×ブラジル×ロックのクロスオーヴァー具合がいい塩梅の演奏です。でも全体的には実にミナスを感じる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=5ZmAKzHZ8_s

「Better Wifi」
Seamus Blake & Thiago Rabelloをフィーチャー。英語で歌われる幻想的でレトロ・フューチャーなポップ・ロック。Fredericoの格好良いベースやSeamus Blakeのサックスがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mTOu-zR-ZbY

「A Vida que Vem」
Chris Fishman, Antonio Loureiro & Heloise Lefebvreをフィーチャー。Fredericoのベースも含めてミナス新世代らしいジャズ・フィーリングを楽しめる美しい仕上がりです。今ジャズ好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=UpTXqQdZKJY

「Mundo Velho」
Louis Cole & Pedro Martinsをフィーチャー。Louis Cole参加らしい才気を感じるメロウ・ポップに仕上がっています。コレはかなり好きです!Louis ColeThundercat好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=gHP1ZvIGezE

「Existir Amanha」
Felipe Continentinoをフィーチャー。ミステリアスかつレトロ・フューチャーな雰囲気がいい感じのトラック。少し瞑想モードなのが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=xMyGN-F8wVU

「Savassi 11」
David Binney, Antonio Loureiro & Fred Selvaをフィーチャー。シンセのチープなピコピコ感を逆手にとったドリーミー・チューン。ドラム・マシーンも用いる中でAntonio Loureiro の生ドラムが逆に存在感を示します。また、Fredericoのリード・ベース・ソロ、David Binneyのサックス・ソロも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ooOWEG2YlpY

「Pedras Pra Esculpir」
Kurt Rosenwinkel, Marcus Abjaud & Felipe Continentinoをフィーチャー。メロディはミナスらしいですが、演奏にはロック・フィーリングも感じます。ただし、あくまでもベースはジャズというのが本作の面白いところですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0LDsrQtAon8

「Coragem」
Olivia Trummer & Felipe Continentinoをフィーチャー。これまでからガラリと変わり、アコースティック・ギターの音色が印象的なメロウ・チューン。ほのぼのとしたジェントル・ワールドに包まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LGq0fNS2qM8

「Tempo Andar」
Antonio Loureiroをフィーチャー。本編ラストは、メロウ&ドリーミーな雰囲気やFredericoのベース、Antonio Loureiroのドラムも含めて、Louis ColeThundercat調の演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zm-JmFS7JW8

「Nite's Ok」
国内盤ボーナス・トラック。1分強の短い演奏ですが、KNOWERのGenevieve Artadiがヴォーカルをとる。キュートなポップ・チューンに仕上がっています。

『Acordar』(2015年)


Lasse Schjerning & Pedro Martins & Frederico Heliodoro『Lasse Schjerning meets Pedro Martins & Frederico Heliodoro』(2020年)
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