2021年06月11日

Dane Donohue『Dane Donohue』

豪華メンバー参加のAOR作品☆Dane Donohue『Dane Donohue』

発表年:1978年
ez的ジャンル:SSW系AOR
気分は... : カサブランカ・・・

今回はAOR作品からDane Donohue『Dane Donohue』(1978年)です。

Dane Donohueは1948年オハイオ州マンスフィールド出身の男性シンガー・ソングライター。

ロック・ミュージカル『Jesus Christ Superstar』のオーディションに合格し、1970年から2年間全米や欧州を公演しています。その後、地元に戻りデモ・テープをつくりはじめ、オーディションも経てCBSとの契約に成功し、3年間かけて制作されたのが本作『Dane Donohue』(1978年)です。

メイン・プロデュースは男性SSWのTerence Boylan。それ以外にJai WindingSteve HodgeJohn Boylanもプロデュースしています。

楽曲がすべてDane Donohueのオリジナル(共作含む)。

レコーディングにはLarry Carlton(g)、Jay Graydon(g)、Steve Lukather(g)、Jai Winding(p、el-p)、Victor Feldman(vibe、el-p、per)、David Kemper(ds)、Steve Gadd(ds)、Ed Greene(ds)、Bob Glaub(b)、Scott Edwards(b)、Chuck Rainey(b)、Mike Porcaro(b)、Steve Forman(per)、Ernie Watts(sax)、Chuck Findley(tp、flh)、Steve Madaio(tp、flh)等のミュージシャンが参加しています。

特にLarry CarltonJay GraydonSteve Lukatherという超豪華ギター陣はAOR好きにはたまらないのでは?

また、Don HenleyTimothy B. SchmitJ.D. SoutherStevie NicksBill Champlin
Tom KellyFools Gold)等の豪華メンバーがバック・コーラスで参加しています。

アルバム全体は西海岸的なシンガー・ソングライターによるAOR作品といった印象です。

豪華メンバーの参加が目立ちますが、まずDane Donohueが作る曲と彼のヴォーカルの素晴らしさがあるのがいいですね。

シングルにもなった「Casablanca」「Dance With The Stranger」、AOR系コンピにも収録された「Woman」「Woman」Steely Dan的な「Tracey」「Freedom」Jackson Browne的な雰囲気もあるメロウ作品「What Am I Supposed To Do」など充実の全10曲です。

これだけの素晴らしい楽曲を書き、素敵な歌声を持つアーティストがアルバム1枚のみで消えてしまったのは実に残念ですね。

今聴いても、良く出来た1枚と感心するAOR作品です。

全曲紹介しときやす。

「Casablanca」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。Don Henley、J.D. Souther、Stevie Nicks、Timothy B. Schmitがバック・コーラスで参加。AOR好きにはたまらないアーバン・メロウなミディアムがオープニング。AOR系コンピにも収録されている人気曲。曲調がAOR好きの心をくすぐりますね。シングルにもなりました。豪華なバック・コーラス陣、Larry Carltonのギター、さらに終盤のVictor Feldmanのヴァイブもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Z4yfS0AEoRI

「Dance With The Stranger」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。Eagles好きの人は気に入るであろうアコースティック・ギターを交えたメロウ・チューン。この曲もシングルにもなりました。ここでもLarry Carltonが素敵なギター・ソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=02JhmTTJPvM

「What Am I Supposed To Do」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue作。Don Henley、J.D. Southerがバック・コーラスで参加。ギターはJay Graydon。SSWとしてのDonohueの魅力を実感できるメロウ・チューン。甘く切ないムードがたまりません。Jackson Browne的な雰囲気もあるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=XN_2fkVbLBE

「Woman」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue作。J.D. Souther、Stevie Nicksがバック・コーラスで参加。ギターはLarry Carlton。AOR好きにはグッとくるメロウ・バラード。バック・コーラスで聴こえてくるStevie Nicksのハスキー・ヴォイスとVictor Feldmanのメロウ・エレピも絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=_Y0eCaNL5tA

「Where Will You Go」
Terence Boylan/John Boylanプロデュース。Dane Donohue作。Bill ChamplinTom Kellyがバック・コーラスで参加。しみじみと歌い上げる素敵な哀愁バラード。「去りゆく君」という邦題がピッタリですね。
https://www.youtube.com/watch?v=c7zo3LZCrKM

「Freedom」
Terence Boylan/Jai Winding/Steve Hodgeプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。(シニカルではない)素直なSteely Danといった印象です。Ernie Wattsのサックス・ソロが都会的なムードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WeSeAem7PDw

「Can't Be Seen」
Terence Boylan/Jai Winding/Steve Hodge プロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。Bill ChamplinTom Kellyがバック・コーラスで参加。ギターはJay GraydonとSteve Lukatherという豪華布陣。アーバン・サウンドを堪能できるAOR好きのための1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RqE5RKVGM28

「Whatever Happened」
Terence Boylan/John Boylanプロデュース。Dane Donohue作。ギターはSteve Lukather。僕好みのソフトリーなメロウ・チューン。サンセットが似合いそうな夏向けの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=bDvEbwPpreg

「Tracey」
Terence Boylan/Jai Winding/Steve Hodge プロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。ギターはJay GraydonとSteve Lukather。これはSteely Danしていますね。重厚なホーン・サウンドも含めて洗練されたアーバン・サウンドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7z-4RPzYnrw

「Congratulations」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。ラストはちょっぴり切ないメロウ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GSJBb7rZ3H4

ご興味がある方は本作と同時期に制作されたTerence Boylan『Terence Boylan』(1977年)もセットでチェックしてみては?

Terence Boylan『Terence Boylan』(1977年)
posted by ez at 00:50| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月07日

Bumblebee Unlimited『Sting Like A Bee』

Patrick Adams/Greg Carmichaelらによるディスコ・プロジェクト☆Bumblebee Unlimited『Sting Like A Bee』

発表年:1979年
ez的ジャンル:N.Y.ディスコ
気分は... :マルハナバチ!

今回はN.Y.ディスコ作品よりBumblebee Unlimited『Sting Like A Bee』(1979年)です。

Bumblebee Unlimitedは、N.Y.ディスコを代表するプロデューサーPatrick AdamsGreg Carmichaelらによるディスコ・プロジェクト。

これまで当ブログで紹介したPatrick Adams/Greg Carmichael関連のディスコ・プロジェクト作品は以下の5枚。

 Donna McGhee『Make It Last Forever』(1978年)
 Phreek『Patrick Adams Presents Phreek』(1978年)
 Musique『Keep On Jumin'』(1978年)
 Inner Life『I'm Caught Up (In A One Night Love Affair) 』(1979年)
 Rainbow Brown『Rainbow Brown』(1981年)

本作Bumblebee Unlimited『Sting Like A Bee』(1979年)には、Leroy BurgessBlack IvoryJoey BadlottoSteve CamhiDonna McGheeDonna Green名義)といったヴォーカリストが参加していますが、すべてのヴォーカルが早回し処理されており、少しコミカルなディスコ作品に仕上がっています。

本作のハイライトとなるディスコ・クラシック「Lady Bug」、本プロジェクトのテーマ曲的な「I Got A Big Bee」をはじめ、「I Love You」「Space Shuttle Ride」「Honey Bunn」という早回し処理ヴォーカルで貫かれたコミカルなディスコ・ワールドを楽しみましょう。

閉塞感の強い今のご時世には、こういったコミカルなディスコ・ワールドが必要かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「I Got A Big Bee」
Greg Carmichaelプロデュース。タイトルからしてこのディスコ・プロジェクトのテーマ曲っぽいですね。ラテン・パーカッションを効かせたスペイシー・ディスコといった雰囲気です。早回し処理ヴォーカルがスペイシーなディスコ・サウンドとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ab9C7NNZwwk

「Lady Bug」
Patrick Adams/Greg Carmichaelプロデュース。本作のハイライトとなるディスコ・クラシック。オリジナルは同じくPatrick Adams/Greg CarmichaelプロデュースのDonna McGhee「I'm a Love Bug」。当ブログでも紹介した『Make It Last Forever』(1978年)収録。セクシーなDonna McGheeヴァージョンも好きですが、早回し処理ヴォーカルによるコミカルな本ヴァージョンのほうが匿名ディスコ・プロジェクトらしいかもしれませんね。また、ロシアの作曲家Nikolai Rimsky-Korsakovの「Flight of the Bumblebee」の一節が引用されているのもBumblebee Unlimitedらしいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=bxc0f_D58LI

Donna McGhee「I'm a Love Bug」
https://www.youtube.com/watch?v=R1Z4iLcuKrk

「I Love You」
Greg Carmichaelプロデュース。パーカッシヴに疾走するディスコ・ファンク。アッパーなディスコ・サウンドと早回し処理ヴォーカルの組み合わせのコミカルなミスマッチ感が逆にいいですね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=e4VJkk4C_LQ

「Space Shuttle Ride」
Greg Carmichaelプロデュース。タイトルの通り、スペイシーなシンセ・サウンドが印象的なディスコ・チューン。早回し処理ヴォーカルが入ることでコミカルなSFアニメをイメージしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=DMof5im9JX4

「Honey Bunn」
Joey Badlotto/Greg Carmichaelプロデュース。ラストはストリングスを配した流麗なディスコ・サウンドで締め括ってくれます。ここまで早回し処理ヴォーカルばかり続けて聴いていると、この時点でかなり毒されています(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=1vSQF8kF_yw

ご興味がある方は、Patrick Adams/Greg Carmichael関連の過去記事もご参照ください。

Donna McGhee『Make It Last Forever』(1978年)


Phreek『Patrick Adams Presents Phreek』(1978年)
パトリック・アダムス・プレゼンツ・フリーク

Musique『Keep On Jumin'』(1978年)
Keep on Jumpin'

Inner Life『I'm Caught Up (In A One Night Love Affair) 』(1979年)


Rainbow Brown『Rainbow Brown』(1981年)
レインボウ・ブラウン+2(紙ジャケット仕様)
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2021年06月04日

Freddie Hubbard『The Love Connection』

人気曲「Little Sunflower」収録☆Freddie Hubbard『The Love Connection』

発表年:1979年
ez的ジャンル:名トランぺッター系ジャズ/フュージョン
気分は... :Zanzibar!

今回は名トランぺッターFreddie Hubbard『The Love Connection』(1979年)です。

これまで当ブログで紹介したFreddie Hubbard(1938-2008年)作品は以下の6枚。

 『Hub Tones』(1962年)
 『Breaking Point』(1964年)
 『Backlash』(1966年)
 『A Soul Experiment』(1969年)
 『The Black Angel』(1969年)
 『Red Clay』(1970年)

本作『The Love Connection』(1979年)は、Claus Ogermanを共同プロデューサー&アレンジャーに迎え、フュージョンとジャズが併用された作品に仕上がっています。

この時期のFreddie Hubbardは、Herbie HancockWayne ShorterRon CarterTony WilliamsとのV.S.O.P. The Quintetでの活動でも注目を集めていた時期です。

個人的には、それ以上にBilly Joel『52nd Street』(1978年)収録の「Zanzibar」への参加が印象深いですね。

当時中学生の僕が最初に購入した5枚の洋楽アルバムのうちの1枚が同作であり、「Zanzibar」でのソロが僕のFreddie Hubbard初体験でした。当時はジャズなど全くピンと来ませんでしたが、Hubbardプレイが演奏全体の中でスペシャルな存在感を示していることだけが何となく分かりました。

そんな個人的な思い出と重ねながら、本作『The Love Connection』(1979年)を聴いてします。

プロデュースはFreddie HubbardClaus Ogerman

レコーディングにはFreddie Hubbard(tp、flh)以下、Snooky Young(tp)、Chuck Findley(tp)、Dick "Slyde" Hyde(tb)、Phil Ranelin(tb)、Joe Farrell(ts、fl)、Tom Scott(ts、fl)、Ernie Watts(ts、fl)、Chick Corea(key)、Stanley Clarke (b)、
Chuck Domanico(b)、Chester Thompson(ds)、Jumma Santos(per)、Rubens Bassini(per)、Al Jarreau(vo)、Claus Ogerman(conductor、arr)等のミュージシャンが参加しています。

今日的には本作といえば、クラブジャズ方面から再評価され、サンプリング・ソースとしても人気となった「Little Sunflower」収録のアルバムという認知が高いかもしれませんね。『Backlash』(1966年)収録の人気曲をAl Jarreauのヴォーカル入りで再演された本曲狙いで本作を購入する人もかなり多いと思います。

それ以外であれば、ロック・ビートによるフュージョンのタイトル曲「Love Connection」、ポピュラー・スタンダードをジャズとフュージョンの両面で楽しませてくれる「Lazy Afternoon」がおススメです。

まずは「Little Sunflower」を楽しみつつ、Claus OgermanHubbardのタッグを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Love Connection」
Freddie Hubbard作。ロック・ビートによるフュージョンのタイトル曲がオープニング。ライナーノーツにも書いてありましたが、ここでのHubbardの伸びやかなプレイはこの時期のChuck Mangioneあたりとリンクするかもしれませんね。Chick Coreaのシンセによるアクセントもこの時代らしくていい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=f740cbOv9s4

「Brigitte」
Freddie Hubbard作。『Keep Your Soul Together』(1973年)収録曲の再演です。途中、スウィンギーな雰囲気を挟みつつ、ロマンティックなバラード演奏で
魅せてくれます。

「This Dream」
Claus Ogerman作。Claus Ogerman起用の効果が最大限発揮された美しいオーケストレーションを配したロマンティックかつドリーミーなバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=a3Y_ovcWshk

「Little Sunflower」
Freddie Hubbard/Al Jarreau作。本作のハイライト。『Backlash』(1966年)収録の人気曲をAl Jarreauのヴォーカル入りで再演。ラテン・ビートを採り入れつつ、Al Jarreauのヴォーカルが入ることで深遠なムードが漂います。『Backlash』ヴァージョンも好きですが、本ヴァージョンもかなりいいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=l86Aj1CxJ5M

ヴォーカル入り「Little Sunflower」では、当ブログで紹介したJerker Kluge's Deep JazzThe Jazzinvaders Featuring Dr. Lonnie Smithをはじめ、Dwight Trible等もカヴァーしています。
Jerker Kluge's Deep Jazz「Little Sunflower」
 https://www.youtube.com/watch?v=XsT65uqjJnE
The Jazzinvaders Featuring Dr. Lonnie Smith「Little Sunflower」
 https://www.youtube.com/watch?v=xlRY12LTxXo
Dwight Trible「Little Sunflower」
 https://www.youtube.com/watch?v=3i6W8SZMou8

サンプリング・ソースとしても人気です。当ブログで紹介したA Tribe Called Quest「The Love」をはじめ、Real Live「Ain't No Love」、Raekwon「Walk Wit Me」、DJ Jazzy Jeff and Ayah「One Life」、Theo Parrish「The Motor City」、Gagle「雪ノ革命」等20トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
A Tribe Called Quest「The Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=DWNwl99keJY
Real Live「Ain't No Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=oVefO1n-ywM
Raekwon「Walk Wit Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=9ONVtlGC34c
DJ Jazzy Jeff and Ayah「One Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=n0Yr-Me_8ec
Theo Parrish「The Motor City」
 https://www.youtube.com/watch?v=3c-DUpk62Ig
Gagle「雪ノ革命」
 https://www.youtube.com/watch?v=fDLEBI3MYzk

「Lazy Afternoon」
ミュージカル『The Golden Apple』(1954年)のために書かれたポピュラー・スタンダード(Jerome Moross/John La Touche作)。
当ブログではPete La RocaAlive!Marty Paich Big Bandのカヴァーも紹介済みです。前半はClaus Ogermanらしいオーケストレーションをバックに、Hubbardが味わい深いバラードを聴かせてくれます。後半は一転してエキサイティングに躍動するフュージョン演奏で楽しませてくれます。ラストは再びバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bcFiyNJjxOM

DJ Friction and Creutzfeld & Jakob「Hip Hop Music」のサンプリング・ソースとなっています。
DJ Friction and Creutzfeld & Jakob「Hip Hop Music」
 https://www.youtube.com/watch?v=V4tQOCMnLCo

Freddie Hubbardの過去記事もご参照下さい。

『Hub Tones』(1962年)
ハブ・トーンズ

『Breaking Point』(1964年)
Breaking Point

『Backlash』(1966年)
バックラッシュ

『A Soul Experiment』(1969年)
ア・ソウル・エクスペリメント<SHM-CD>

『The Black Angel』(1969年)
ブラック・エンジェル

『Red Clay』(1970年)
レッド・クレイ
posted by ez at 04:13| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月01日

Fania All-Stars『Delicate & Jumpy』

クロスオーヴァー路線の第一弾☆Fania All-Stars『Delicate & Jumpy』

発表年:1976年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー系N.Y.ラテン
気分は... :別の仮面・・・

今回はクロスオーヴァーなN.Y.ラテン、Fania All-Stars『Delicate & Jumpy』(1976年)です。

N.Y.のラテン専門レーベルFniaのオールスター・グループFania All-Starsについて、当ブログでこれまで紹介したのは以下の3枚。

 『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)
 『Latin-Soul-Rock』(1974年)
 『Rhythm Machine』(1977年)

『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)に続いて紹介するには、1977年リリースの『Rhythm Machine』(1977年)です。

N.Y.サルサの熱狂ぶりを収めた伝説のライブ・アルバム『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)のイメージが強いFania All-Starsですが、70年代後半にColumbiaよりリリースした『Delicate and Jumpy』(1976年)、『Rhythm Machine』(1977年)、『Spanish Fever』(1978年)、『Cross Over』(1979年)という4枚は、ラテン/サルサをベースとしつつも、フュージョン、ディスコ、ソウル、ロックの要素を取り入れたクロスオーヴァー色の強い作品に仕上がっています。

そのクロスオーヴァー路線の第一弾となるのが本作『Delicate and Jumpy』(1976年)です。

プロデュースはGene PageBilly PageJerry Masucci

レコーディングにはJohnny Pacheco(fl、per)、Bobby Valentin(b)、Ray Barretto(congas)、Nicky Marrero(timbales)、Roberto Roena(bongos)、Papo Lucca(p)が参加し、さらにはスペシャル・ゲストとしてUKの人気ロック・ミュージシャンSteve Winwood(g)も参加しています。

正直、『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)あたりのFania All-Starsとは別物として聴かないと、かなりのギャップを感じるはずです。

したがって、本格的なN.Y.ラテン/サルサを期待される方にはおススメしません。あくまでN.Y.ラテンのエッセンスを取り込んだクロスオーヴァー・ラテンであることを前提にお楽しみください。

一般的にはクロスオーヴァー路線らしいアーバン・ラテン・ダンサー「I'll See You Again」Tito Puente作品のカヴァー「Picadillo」、サンプリング・ソースとして人気の「Fania All Stars' Cha Cha Cha」あたりが人気なのでは?

個人的にはRay Parker, Jr.作のアーバン・ラテン・ディスコ・ファンク「Sabrosa」The Righteous Brothersの大ヒット曲カヴァー「You've Lost That Lovin' Feeling」、開放的なジャズ・ファンク「Foofer Soofer」もおススメです。

Fania All-Starsという名前に惑わされず、クロスオーヴァーなラテン作品としてお聴きください。

全曲を紹介しときやす。

「Desafio (Challenge)」
Gene Page作。Gene Pageらしいアレンジを満喫できる哀愁メロウなラテン・グルーヴがオープニング。Johnny Pachecoのフルートの響きも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=L8V0gPOqMU0

「I'll See You Again」
Noel Coward作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。クロスオーヴァー路線らしいアーバン・ラテン・ダンサーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SDILa3Ld4bo

「El Himno De Amor (Anthem Of Love)」
Gene Page作。Steve Winwoodのメロウ・ギターを楽しめるミッドテンポのラテン・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=cQG6VGRO0qw

「You've Lost That Lovin' Feeling」
「ふられた気持」の邦題でお馴染み、The Righteous Brothers、1964年の大ヒット曲をカヴァー(Barry Mann/Cynthia Weil作)。お馴染みの名曲をクロスオーヴァーなアーバン・ラテンへと変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=7jbLI5J-jeU

「Picadillo」
Tito Puente作品をカヴァー。本作ではN.Y.ラテンらしさ最も感じるラテン・ファンクに仕上がっています。N.Y.ラテンらしいピアノ、トロンボーン、コンガ、ティンバレスがいいですね。Steve Winwoodのギター・ソロもたっぷり聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=kWXNrFwJGgI

「Fania All Stars' Cha Cha Cha」
Billy Page作。ムーディーな哀愁ラテンですが、サンプリング・ソースとしての人気も手伝って本作の注目曲の1つとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=e8NfQseVQxI

Keyshia Cole「(I Just Want It) to Be Over」Kool G Rap「My Life」、Tayyib Ali「Keystone State of Mind」、Blackalicious「Making Progress」、Fly Union「Checking for You」、MC Shy D feat. DJ Smurf「Hit the Skunk」、Afrob feat. Ferris MC「Reimemonster」、KRS-One「Just Like That」、Da Beatminerz feat. Naughty by Nature「Thug Love」等のサンプリング・ソースとなっています。
Keyshia Cole「(I Just Want It) to Be Over」
 https://www.youtube.com/watch?v=XdsDqkony7M
Kool G Rap「My Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=lF3gwrpy8p4
Tayyib Ali「Keystone State of Mind」
 https://www.youtube.com/watch?v=DC7IvocbuT4
Blackalicious「Making Progress」
 https://www.youtube.com/watch?v=dR_Z58jqIDc
Fly Union「Checking for You」
 https://www.youtube.com/watch?v=_GKQpoI5HYI
MC Shy D feat. DJ Smurf「Hit the Skunk」
 https://www.youtube.com/watch?v=lzktSEbha90
Afrob feat. Ferris MC「Reimemonster」
 https://www.youtube.com/watch?v=v-Jxe_cEx_w
KRS-One「Just Like That」
 https://www.youtube.com/watch?v=9kUzIZc1w24
Da Beatminerz feat. Naughty by Nature「Thug Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=rP4TwbRI1BU

「Foofer Soofer」
M. Ragen作。開放的なホーン・アンサンブルが印象的なジャズ・ファンク。あまりラテンを気にせずともジャズ・ファンク好きならば楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=teSZ18o8Bf0

「Lullaby From Rosemary's Baby」
Roman Polanski監督の映画『Rosemary's Baby(邦題:ローズマリーの赤ちゃん)』挿入曲をカヴァー(Krzysztof Komeda作)。美しいインスト・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=EqP35eDryXc

「Sabrosa」
Ray Parker, Jr.作。格好良いギター・カッティングが先導するアーバンなラテン・ディスコ・ファンク。個人的には一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=U36giGITKWY

Fania All-Starsの他作品もチェックを!

『Live at the Red Garter Vol.1』(1968年)
Vol. 1-Live at the Red Garter

『Live at the Red Garter Vol.2』(1969年)
Vol. 2-Live at the Red Garter

『Live At The Cheetah Vol.1』(1972年)
Live at the Cheetah, Vol. 1

『Live At The Cheetah Vol.2』(1972年)
Live at the Cheetah, Vol. 2

『Latin-Soul-Rock』(1974年)
Latin-Soul-Rock

『Live at Yankee Stadium Vol.1』(1976年)
Vol. 1-Live at Yankee Stadium

『Live at Yankee Stadium Vol.2』(1976年)
Vol. 2-Live at Yankee Stadium

『Live in Japan 76』(1976年)
Fania All Stars in Japan

『Rhythm Machine』(1977年)
Rhythm Machine

『Spanish Fever』(1978年)
Spanish Fever

『Cross Over』(1979年)
Cross Over

『Commitment』(1980年)
Commitment

『California Jam』(1980年)
California Jam
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2021年05月24日

Cheryl Lynn『Cheryl Lynn』

ダンス・クラシック「Got To Be Real」収録☆Cheryl Lynn『Cheryl Lynn』

発表年:1978年
ez的ジャンル:女性ソウル/ディスコ
気分は... :スウェイ・ビート!

今回は女性ソウル/ディスコ・シンガーCheryl Lynnのデビュー・アルバム『Cheryl Lynn』(1978年)です。

ダンス・クラシック「Got To Be Real」でお馴染みのソウル/ディスコ・シンガーCheryl Lynn(1957年L.A.生まれ)について、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『In The Night』(1981年)
 『Instant Love』(1982年)
 『It's Gonna Be Right』(1985年)

本作『Cheryl Lynn』(1978年)には、彼女のデビュー・シングルにして、彼女の代名詞となるダンス・クラシック「Got To Be Real」が収録されています。「Got To Be Real」はUSチャート第12位、同R&Bチャート第1位のヒットとなり、アルバムもUSチャート第23位、同R&Bチャートの第5位のヒットとなりました。

プロデュースはTotoDavid Paichとその父で偉大な名アレンジャー/バンド・リーダーとして知られるMarty Paich

レコーディングにはRay Parker, Jr.(g)、David T. Walker(g)、Steve Lukather(g)、David Paich(key)、Marty Paich(key)、Richard Tee(key)、James Gadson(ds)、Bernard Purdie(ds)、David Shields(b)、Chuck Rainey(b)、Harvey Mason(per)、Joe Porcaro(per)、Bobbye Hall(per)、Chuck Findley(tp)、Bobby Findley(tp)、Steve Madaio(tp)、Gary Grant(tp)、Dick Hyde(tb)、Dick Nash(tb)、Ernie Watts(woodwinds)、Pete Christlieb(woodwinds)、D.J. Rogers(vo)等のミュージシャンが参加しています。

ハイライトは勿論、「Got to Be Real」ですが、それ以外のトラックも楽しめます。

2ndシングル「Star Love」もUSチャート第20位、同R&Bチャート第9位のヒットとなりましたが、それよりもメロウ・ダンサー「All My Lovin'」、躍動感のあるダンサブル・チューンの「You Saved My Day」「Give My Love to You」Melissa Manchesterのカヴァー「Come in from the Rain」が僕のおススメです。

レコーディングに約1年半を費やした、用意周到なデビュー作を満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Got to Be Real」
Cheryl Lynn/David Paich/David Foster作。デビュー・シングルとしてUSチャート第12位、同R&Bチャート第1位となった説明不要のダンス・クラシック。イントロを聴いただけでトキメキます!James Gadson & David Shieldsのリズム隊、Ray Parker, Jr.のギター、David Paichの鍵盤による、軽快なスウェイ・ビートと躍動するCherylの歌声が聴くものをダンスフロアへワープさせてくれます。聴いているだけ、嫌なことは一切忘れてポジティヴな気持ちで満たされるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fI569nw0YUQ

Mariah Carey & Patti LaBelle、Debora、Jordan Hill、Erik等がカヴァーしています。
Mariah Carey & Patti LaBelle「Got to Be Real」
 https://www.youtube.com/watch?v=AmdtdzVpCM0
Debora「Tu Amor Sera Mio (Got to Be Real)」
 https://www.youtube.com/watch?v=lbipgE5yUJ8
Jordan Hill「Got to Be Real」
 https://www.youtube.com/watch?v=kr5DyU3Gzxc
Erik「Got to Be Real」
 https://www.youtube.com/watch?v=RpKZgwyaD7Y

また、定番サンプリング・ソースとしても大人気です。当ブログで紹介したFull Force「Ain't My Type Of Hype」Father MC「I'll Do 4 U」をはじめ、Mary J. Blige & Will Smith「Got to Be Real」、Jamiroquai「Funktion」、Fat Joe feat. Big Pun, Cuban Link and Triple Seis「Bet Ya Man Can't (Triz)」、N.W.A「Real Niggaz」、DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「Live at Union Square」、C+C Music Factory「Do You Wanna Get Funky (The Nice & Smooth Hip Hop Remix)」、Me-2-U「Want U Back」、Def Jef「On the Real Tip」、Masters at Work「Jeep Bonus」等130以上のトラックでサンプリングされています。
Full Force「Ain't My Type Of Hype」
 https://www.youtube.com/watch?v=Hif5Uu6m_JY
Father MC「I'll Do 4 U」
 https://www.youtube.com/watch?v=TB6DyIElcso
Mary J. Blige & Will Smith「Got to Be Real」
 https://www.youtube.com/watch?v=6hHeVPZeHSU
Jamiroquai「Funktion」
 https://www.youtube.com/watch?v=f_KJsPTLCaU
Fat Joe feat. Big Pun, Cuban Link and Triple Seis「Bet Ya Man Can't (Triz)」
 https://www.youtube.com/watch?v=ySZMHcwh_c0
DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「Live at Union Square」
 https://www.youtube.com/watch?v=_9VMgBBeW5c
C+C Music Factory「Do You Wanna Get Funky (The Nice & Smooth Hip Hop Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=KvVszQNCoJ0
Me-2-U「Want U Back」
 https://www.youtube.com/watch?v=v6hBVmqNlSs
Def Jef「On the Real Tip」
 https://www.youtube.com/watch?v=XAeo86s93UE
Masters at Work「Jeep Bonus」
 https://www.youtube.com/watch?v=pZeqGs5P-ug

「All My Lovin'」
Cheryl Lynn作。僕好みの都会的なメロウ・ダンサー。Cherylの伸びやかなヴォーカルが映えます。Ray Parker, Jr.の軽快なカッティング・ギターがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=n0QjzvMO10w

「Star Love」
John Footman/Judy Weider作。2ndシングルとして、USチャート第20位、同R&Bチャート第9位のヒットとなりました。バラードから一転、アッパーなディスコ・チューンへ変貌します。スピード感はいいのですが、何かパンチに欠ける印象もあります。落ち着いた雰囲気のメロウ・バラード
https://www.youtube.com/watch?v=kwDpAlJ8Qa4

「Come in from the Rain」
Melissa Manchesterのカヴァー(Carole Bayer Sager/Melissa Manchester作)。オリジナルはアルバム『Better Days & Happy Endings』(1976年)収録。David T. Walker、Bernard Purdie、Chuck Rainey、Richard Teeらによる都会的なバッキングがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=yhsffIjAmh0

「You Saved My Day」
Charles May作。躍動感のあるダンサブル・チューン。James Gadson、David Shields、Ray Parker, Jr.David Paichによるダイナミックなバッキングが、Cherylのヴォーカルの躍動感を上手く引き出している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2FtjXzx4cVw

「Give My Love to You」
Ray Parker, Jr./Cheryl Lynn作。少しテンポを落としつつ、音の輪郭をはっきりさせることで躍動感を感じられるダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=GLNMjwRmrrI

「Nothing You Say」
Cheryl Lynn作。Chuck Raineyのベースが牽引する都会的なミディアム。少しオリエンタルな雰囲気もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=n7TVUpI8-XI

「You're the One」
Cheryl Lynn/John Footman作。感動的なバラード。特に後半の高音ヴォーカルにグッときます。David T. WalkerSteve Lukatherがギターで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=plK_Bxqj9fU

「Daybreak (Storybook Children)」
David Pomeranz/Spencer Proffer作。ラストはハートウォーミングなビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=T-fICM3UAd8

Cheryl Lynnの他作品もチェックを!

『In Love』(1979年)
イン・ラヴ(紙ジャケット仕様)

『In The Night』(1981年)
イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

『Instant Love』(1982年)
インスタント・ラヴ(紙ジャケット仕様)

『Preppie』(1983年)
プレッピー(紙ジャケット仕様)

『It's Gonna Be Right』(1985年)
ゴナ・ビー・ライト(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 00:32| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする