2023年08月30日

Ray Barretto『Rican/Struction』

サルサ回帰した快心作☆Ray Barretto『Rican/Struction』

発表年:1979年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ
気分は... :"ハード・ハンズ"再建!

今回はN.Y.サルサからRay Barretto『Rican/Struction』(1979年)です。

ラテン・グルーヴの帝王"ハード・ハンズ"Ray Barrettoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の7枚。

 『Senor 007』(1965年)
 『Acid』(1968年)
 『Latino Con Soul』(1967年)
 『The Message』(1972年)
 『Que Viva La Musica』(1972年)
 『Can You Feel It』(1978年)
 『La Cuna』(1981年)

『Rican/Struction』は70年代後半のBarrettoを代表するサルサ名盤です。勿論、Faniaからのリリースです。

この時期のBarrettoは彼の商売道具とも呼べる手を負傷してしまい、そこからの復帰作となったのが本作です。

これに因んでアルバム・タイトルはPuerto RicanReconstructionを組み合わせたものになっています。またアルバム・ジャケでも手の再建(Reconstruction)が描かれています。

同時に、ディスコ/フュージョン路線に傾倒していたBarrettoがサルサに回帰したという意味での再建も含まれていると思われます。

Ray Barretto(congas)以下、Adalberto Santiago(vo、maracas、claves)、Oscar Hernandez(p)、Sal Cuevas(b)、Hector Zarzuela(tp)、Jose Febles(tp)、Jose Jerez(tp)、Papo Vazquez(tp)、Puchi Boulong(tp)、Todd Anderson(sax)、Jose A. Fajardo(fl)、Luis Gonzalez(bongos)、Ralph Irrizary(timbales)、Ray Romero(bata)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

プロデュースはRay Barretto自身。

「Al Ver Sus Campos」「Un Dia Sere Feliz」「Ya Vez」などモダンでエネルギッシュなN.Y.サルサで楽しませてくれます。

エレピも交えた都会的な「Algo Nuevo」、リズミックな「Tumbao Africano」もオススメです。

再建された"ハード・ハンズ"によるラテン・ワールドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Al Ver Sus Campos」
Johnny Ortiz作。Oscar Hernandezアレンジ。ラテン・グルーヴの帝王復活を印象づけるモダンなサルサ・グルーヴがオープニング。溌剌とした中にもヴォーカルに哀愁漂うのがサルサらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mkhNayzsi8I

「Un Dia Sere Feliz」
Oscar Hernandezアレンジ。軽快に疾走するアップテンポのサルサ。躍動するリズム・シャワーと開放感のあるホーン・サウンドで聴く者を熱狂させます。エネルギッシュな中にも洗練を感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=i4jQr7LI7Nk

「Piensa En Mi」
Agustin Lara作。Eddie Martinezアレンジ。サンセットが似合いそうなロマンティックなバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=PsuDVmotIdk

「Ya Vez」
Eddie Martinezアレンジ。個人的には一番のお気に入り。Barrettoの"ハード・ハンズ"、艶のあるAdalberto Santiagoのヴォーカル、見事なホーン・アンサンブルなどモダンなN.Y.サルサを存分に満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=HPtbDvOWtTs

「Adelante Siempre Voy」
Curet Alonso作。Gil Lopezアレンジ。王道サルサにモダンなアレンジが加味された開放的で重厚なラテン・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ty_gaYC7S5Q

「Algo Nuevo」
Dick Mesa作/アレンジ。エレピの音色も聞こえてくる都会的な哀愁ラテン・グルーヴ。意外に後半はエキサイティングです。
https://www.youtube.com/watch?v=6T1T_QmES2U

「Tumbao Africano」
Ray Barretto作。Oscar Hernandezアレンジ。ラストはラテン・グルーヴらしいリズミックな演奏で締め括ってくれます。パーカッション・ブレイク、ベース・ソロなどもあって楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=uOGJ6obBrb0

Ray Barrettoの過去記事もご参照ください。

『Senor 007』(1965年)
Senor 007

『Latino Con Soul』(1967年)


『Acid』(1968年)
Acid

『The Message』(1972年)
The Message

『Que Viva La Musica』(1972年)
Que Viva La Musica

『Can You Feel It』(1978年)
キャン・ユー・フィール・イット

『La Cuna』(1981年)
ラ・クーナ
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2023年08月02日

Creme D'Cocoa『Nasty Street』

The EbonysとThe Ambassadorsのメンバーが合体☆Creme D'Cocoa『Nasty Street』

発表年:1979年
ez的ジャンル:合体系男女ソウル・グループ
気分は... :大巧は拙なるが如し・・・

今回は男女ソウル・グループCreme D'Cocoaの2ndアルバム『Nasty Street』(1979年)です。

The EbonysJennifer Holmesと元The Ambassadorsの三人、Herley JohnsonRobert ToddOrlando Oliphantという2つのフィラデルフィアのソウル・グループのメンバーが合体して結成されたソウル・グループ。

グループはTony CamillCecile Barkerのプロデュースにより、『Funked Up』(1978年)、『Nasty Street』(1979年)という2枚のアルバムをリリースしています。

今回紹介する2ndアルバム『Nasty Street』(1979年)は、ディスコ/ダンス系トラックが目立つようになりました。

ダンス・クラシック「Doin' The Dog」をはじめ、タイトル・トラック「Nasty Street」Chic調の「Gimme Your Love」あたりがディスコ/ダンス系のオススメです。

一方、彼ららしいソウル・バラードも充実しています。「I Don't Ever (Wanna Love Nobody But You)」Turley Richardsのカヴァー「Baby, Please Don't Go」、。1stアルバム『Funked Up』にも収録されていたThe Ebonysのカヴァー「Mr. Me, Mrs. You」がバラード系のオススメです。

なお、国内盤CDには1stアルバム『Funked Up』(1978年)からの4曲がボーナス・トラックとして収録されています。

全曲紹介しときやす。

「Doin' The Dog」
Cecile Barker/Tony Camillo作。グループ最大のヒット(US R&Bチャート第30位)となったダンス・クラシック。大音量で聴きたい!ハンド・クラップ入りの夜遊びモードのダンス・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=1hctuoFjw1Y

「I Don't Ever (Wanna Love Nobody But You)」
Tony Camillo作。紅一点、Jennifer Holmesの可憐なヴォーカルにグッとくるメロウ・ソウル・バラード。バラード系ではコレは一番好き!
https://www.youtube.com/watch?v=Cmlr5Ex_eCw

「Nasty Street」
Dick Brewer/Tiny Barge作。タイトル曲はナスティなディスコ・チューン。個人的にはダンス系ではコレが一番好き!ホーン&ストリングス・アレンジも含めてダイナミズムを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=EO4Hz6oqdqg

「Baby, Please Don't Go」
Turley Richardsのカヴァー。オリジナルは『Therfu』(1979年)収録。オリジナルはしみじみとしたSSW作品ですが、ここでは感動的なソウル・バラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LD1-9Sl3dzk

Turley Richards「Baby, Please Don't Go」
 https://www.youtube.com/watch?v=oauOAab_0qQ

「Doggin' It」
Cecile Barker/Tony Camillo作。華やかなディスコ・ファンクですが、Jennifer Holmesのヴォーカルが何処となく儚いのが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=YPfXSCv-NAk

「I Will Never Stop (Lovin' You)」
Tony Camillo作。Jennifer Holmesの艶やかな女性ヴォーカルとエモーショナルな男性ヴォーカルの組み合わせがいい感じのラブ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=Cfl7lj7rE7k

「Gimme Your Love」
Creme D' Cocoa/Tony Camillo作。Chicを意識したと思われる都会的なディスコ・チューン。鮮やかなギター・カッティングが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ly9-0q8Wtgo

「Mr. Me, Mrs. You」
H. B. Barnum/Robert G. Young作。1stアルバム『Funked Up』にも収録されていたラブ・バラード。アルバム『Sing About Life』(1976年)に収録されたThe Ebonysヴァージョンがオリジナルです。オーセンティックな魅力のあるソウル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aRuqNgVOqmU

ここからは国内盤ボーナス・トラック。いずれも1stアルバム『Funked Up』(1978年)収録曲です。

「Leading Lady」
Tony Camillo作。2ndにないタイプのミディアム・ソウル。ソウル・グループらしい少しイナたい感じが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-pICX2Iuwz0

「Toe Jam」
Douglas Gary作。これも2ndにないタイプのユニークなダンス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=pvtjRvvM6d8

「Do What You Feel」
Tiny Barge作。ロウ・ファンクなトラックはアルバム全体のいいアクセントになります。
https://www.youtube.com/watch?v=rB3XDLF099M

「Waiting For The Last Goodbye」
Mary Sawyer/Tony Camillo作。本編も含めてJennifer Holmesのヴォーカルを最も満喫できるのはこのバラードかも?
https://www.youtube.com/watch?v=6rDAPnQjnwU

『Funked Up』(1978年)
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2023年07月19日

Fire『Fire』

KC & The Sunshine Band仕込みの女性ディスコ作品☆Fire『Fire』

発表年:1978年
ez的ジャンル:T.K.系女性ソウル・グループ/ディスコ
気分は... :やつし・・・

今回はKC & The Sunshine Bandのバック・コーラスも務めた女性ソウル・グループFire『Fire』(1978年)です。

FireBeverly ChampionJeanette WilliamsMargaret Reynoldsの3人による女性ソウル・グループ。

KC & The Sunshine Bandのバック・コーラス等でも知られる彼女たちの唯一のアルバムが、T.K. Records傘下のSunshine Soundからリリースされた本作『Fire』(1978年)です。

プロデュースはKC & The Sunshine Bandの中心メンバーHarry Wayne Casey & Richard Finch

ソングライティングも殆ど彼らが手掛けています。

ということで、「Deeper In Love」「Wrap Your Arms Around Me」「Let's Make It Last」「C'mon Let's Do It」「I Can't Leave You Alone」といったディスコ・チューンが聴きどころです。

KC & The Sunshine Band仕込みのディスコ・ワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Deeper In Love」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。アーバンなディスコ・チューンがオープニング。シングルにもなりました。Chicあたりとセットで聴いてもいいかも?
https://www.youtube.com/watch?v=jl2MhOr1WoE

「C'mon Let's Do It」
Harry Wayne Casey/Richard Finch/Beverly Champion/Jeanette Williams作。爽快に疾走するディスコ・チューン。ファンキーなホーン・サウンドもグッド!

「It's Been So Long」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。ポップ・ディスコ調の仕上がり。他のトラックと比較すると少し野暮ったいかも?

「Wrap Your Arms Around Me」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。KC & The Sunshine Band、1977年のヒット・シングルをカヴァー。KC & The Sunshine Band好きの人であれば気に入るであろうパワフルなディスコ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=YATbFi4qawM

「Let's Make It Last」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。シングルにもなった妖艶なディスコ・チューン。なかなかキャッチーでいい感じだと思います。

「Hit The Road Jack」
Ray Charles、1961年の大ヒット曲をカヴァー(Percy Mayfield作)。ここではRay Charlesのバック・コーラス・グループThe Raelettesをイメージしたカヴァーに仕上がっています。

「I Can't Leave You Alone」
George McCrae、1974年のヒット曲をカヴァー(Harry Wayne Casey/Richard Finch作)。メロウ&ファンキーなダンス・チューンはシングル向きのキャッチーな仕上がりです。

「You Treat Me Good」
この曲もGeorge McCraeのカヴァー(Harry Wayne Casey/Richard Finch作。)。オリジナルはアルバム『George McCrae』(1975年)収録。少しTimmy Thomasテイストのサウンドが印象的な妖艶なダンス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=_uKIrMfxKo8

「You Don't Know」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。雰囲気が悪くありませんが、Chicあたりと比較するとあと一歩洗練が足りない気も・・・

「Like A Flower Flow」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。ラストは何処となくのどかなポップ・ダンス・チューンで締め括ってくれます。

この3名は80年代に入ると、Girlfriends名義でシングルを2枚リリースしています。
posted by ez at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月28日

Beth Carvalho『Canto para um Novo Dia』

当時の新世代サンバ☆Beth Carvalho『Canto para um Novo Dia』

発表年:1973年
ez的ジャンル:女性サンバ・シンガー
気分は... :則天去私・・・

今回は女性サンバ作品、Beth Carvalho『Canto para um Novo Dia』(1973年)です。

Beth Carvalhoは1946年ブラジル、リオデジャネイロ出身の女性サンバ・シンガー。

1965年にデビュー・シングルをリリース。1967年には本作でも紹介したConjunto 3D『Muito Na Onda』にメンバーとして参加しています。

1969年にはデビュー・アルバム『Andanca』をリリース。

1970年代以降はコンスタントにアルバムをリリースし、サンバの女王としての地位を確立していきました。2019年に逝去。

本作『Canto para um Novo Dia』(1973年)は当時、新世代サンバ作品として位置づけられたアルバムです。

レコーディングにはCesar Camargo Mariano(p、org)、Dino 7 Cordas(g)、Nelson Cavaquinho(g)、Luizao(b)、Martinho Da Vila(per、back vo)、Ze Menezes(cavaquinho)、Chico Batera(per)、Gilson De Freitas(ganza)、Jorge Jose Da Silva(per)、Marcal(tamborim)が参加しています。

さまざまなスタイルでサンバの魅力を伝えてくれる素敵な1枚に仕上がっています。

哀愁サンバ「Hora De Chorar」、メロウ・サンバ「Se E Pecado Sambar」「Clementina De Jesus」Elis Reginaもカヴァーした「Folhas Secas」、ストリートを感じる「Fim De Reinado」、軽やかな「Memoria De Um Compositor」、躍動感に満ちた「Flor De Laranjeira - Sereia - Sao Jorge, Meu Protetor (Medley)」が僕のオススメです。

サンバを聴いて今日も頑張ろう!

全曲紹介しときやす。

「Hora De Chorar」
Jorginho Pessanha/Mano Decio作。Bethの憂いを帯びたヴォーカルにグッとくる哀愁サンバがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=-6Bq0Gsrp8U

「Canto Por Um Novo Dia」
Garoto Da Portela作。軽やかなサンバのリズムに乗ってBethのヴォーカルが躍動します。当時、新世代サンバと呼ばれていたのがわかる気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=RbjDzNUOUCQ

「Se E Pecado Sambar」
Manuel Santana作。しっとりと艶やかに歌い上げるメロウ・サンバ。メロウ・ボッサとセットで聴くのもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ow7lE4jgQik

「Homenagem A Nelson Cavaquinho」
Carlos Elias作。タイトルにあるようにNelson Cavaquinhoに捧げられた曲。Nelson Cavaquinho本人も参加しています。サンバの伝統を受け継ぎつつも、エレガントな雰囲気で聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yW6hbN0_OTM

「Evolucao No 1」
Nelson Ferreira作。軽快なサウンドとBethのリズミカルな語り口がマッチした仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=z8yH2v9kn7o

「Velhice Da Porta-Bandeira」
Eduardo Gudin/Paulo Cesar Pinheiro作。ストリングスを配したメロウ・ボッサ調で始まりますが、気づけばミステリアスなムードに包まれています。
https://www.youtube.com/watch?v=9PSDN8z0thY

「Folhas Secas」
Nelson Cavaquinho/Guilherme de Brito作。邦題「枯葉」。エスコーラ・ヂ・サンバの老舗マンゲイラのコンビによる古典サンバをカヴァー。当ブログではElis Reginaのカヴァーを紹介済みです。ここでは作者Nelson Cavaquinhoがギターで参加しています。生命の躍動を感じる素敵なサンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EEX_GYek3s4

「Salve A Preguica, Meu Pai」
Mario Lago作。開放的で明るい空気に包まれるサンバ。Bethのヴォーカルも楽しげです。
https://www.youtube.com/watch?v=UAzYVRBtNXY

「Mariana Da Gente」
Joao Nogueira作。美しいストリングスを配した哀愁バラード。Bethが切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=rYiQWlQMFxs

「Fim De Reinado」
Martinho Da Vila作。ストリートを感じる、軽やかなサンバ。高らかに歌い上げるようなヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=y1cg_P2yEr4

「Clementina De Jesus」
Gisa Nogueira作。穏やかな爽やかさに癒される、僕好みのメロウ・サンバ。舞台俳優のようなBethのヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=narbbUeMIrQ

「Memoria De Um Compositor」
Betinho/Darcy Da Mangueira作。軽やかなサンバのリズムが聴く者に元気を届けてくれます。人生はサンバだ!
https://www.youtube.com/watch?v=XFViX2ADcI8

「Flor De Laranjeira - Sereia - Sao Jorge, Meu Protetor (Medley)」
ラストは「Flor De Laranjeira」(Ze Pretinh/Bernadino Silva/Humberto De Carvalho)、「Sereia」(Traditional)、「Sao Jorge, Meu Protetor」(Nelson Cavaquinho/Jorge Silva/Noel Silva)のメドレーで締め括ってくれます。僕が大好きな躍動感に満ちたサンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vHu3lwLMtBY

Beth Carvalhoの他の初期作品もチェックを!

『Andanca』(1969年)


『Pra seu governo』(1974年)


『Pandeiro e Viola』(1975年)


『Mundo melhor』(1976年)
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2023年06月07日

Fern Kinney『Groove Me』

エレクトロ・ディスコな1枚☆Fern Kinney『Groove Me』

発表年:1979年
ez的ジャンル:Malaco産エレクトロ・ディスコ/ソウル
気分は... :風さわぐなり・・・

今回はMalacoのディスコ・クイーンFern Kinneyのデビュー・アルバム『Groove Me』(1979年)です。

Fern Kinney、1949年ミシシッピ州ジャクソン出身の女性ソウル/ディスコ・シンガー。

Dorothy Mooreも在籍していたガールズ・グループThe Poppiesに加入しますが短命に終わり、1968年にソロ・デビュー・シングル「Your Love's Not Reliable」をリリースします。

その後、バック・コーラス・シンガーとしてKing Floyd「Groove Me」(1970年)、Dorothy Moore「Misty Blue」(1976年)などに参加しています。

Frederick Knightとのデュエット・シングル「Sweet Life」(1978年)で再び注目を浴び、サザン・ソウル名門Malacoとの契約に成功します。

そして、ディスコ路線を打ち出した『Groove Me』(1979年)、『Fern』(1981年)、『Sweet Music』(1982年)という3枚のアルバムをMalacoからリリースしています。

その第1弾となるデビュー・アルバムが本作『Groove Me』(1979年)です。

エレクトロ色を前面に打ち出したミュンヘン・ディスコ調のダンス・チューンが印象的な1枚です。同時に、Fern Kinneyのコケティッシュなヴォーカルを満喫できます。

プロデュースはCarson WhitsettTommy CouchWolf Stephenson

レコーディングには、Dino Zimmerman(g)、Fred Knobloch(g)、Don Barrett(b)、Ray Griffin(b)、Blair Cunningham(ds、per)、James Stroud(ds、per)、Wolf Stephenson(synds)、Carson Whitsett(key、syn)、Carl Marsh(syn)、Robert Scott(syn)、Cheryl Bundy(back vo)、Fern Kinney(back vo)、Jewel Bass(back vo)、Valerie Williams(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

King Floydの大ヒット・シングルをカヴァーしたダンス・クラシック「Groove Me」Sylviaの大ヒット・シングルをカヴァーした「Pillow Talk」、シングル・カットされたUKチャート第1位となったKin Lerayのヒット曲カヴァー「Together We Are Beautiful」という3曲が本作のハイライト。

それ以外に、ミュンヘン・ディスコ調strong>「Under Fire」、僕好みの哀愁メロウ・グルーヴ「Angel On The Ground」、レゲエ調エレクトロ・ミディアム・グルーヴ「Baby Let Me Kiss You」もオススメです。

また、国内盤再発CDボーナス・トラックでは、「Sweet Life」「Tonight's The Night」というFrederick Knightとのデュエット・シングルの2曲、1978年のシングル曲「Movie Show」がオススメです。本編とは異なるソウルフルなFern Kinneyを楽しめます。

ボーナス・トラックも含めて充実の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Groove Me」
King Floyd、1970年の大ヒット・シングルをカヴァー(King Floyd作)。シングル・カットされ、USチャート第54位、同R&Bチャート第26位、同ダンス・チャート第1位となったダンス・クラシック。ミュンヘン・ディスコ×トロピカルといった雰囲気のエレクトロ・ディスコに仕上がっています。キュートでピュアなFernのヴォーカルがいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=oh0Y1nnSKBY

「Under Fire」
B. A. Robertson/Terry Britten作。ミュンヘン・ディスコ調ダンス・チューン。流麗なストリングスも入ったミラーボールが似合いそうなダンス・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=81GzPgsEdGg

「Angel On The Ground」
Carson Whitsett作。僕好みの哀愁メロウ・グルーヴ。一度聴いたら忘れられないような懐メロ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=E6ZWyTY5WUQ

「Pillow Talk」
Sylvia Robinson、1973年の大ヒット・シングルをカヴァー(Michael Burton/Sylvia Robinson作)。Fernのコケティッシュ声質はSylviaに通じるものがあるので、このカヴァーは納得です。お馴染みの人気曲を僕好みのストリングス入りのメロウ・ディスコで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Spl5iWju9NA

「Together We Are Beautiful」
UKチャート第1位となったKin Leray、1977年のヒット曲をカヴァー(Kin Leray作)。シングル・カットされたUKチャート第1位となりました。少し甘く切ない感じにグッとくるメロウなミディアム・グルーヴ。少しトロピカル・テイストなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gjiuAH-hHNc

「Sun, Moon, Rain」
Carson Whitsett作。ピアノ、アコギのバッキングによる正統派バラード。悪くはないですが、サウンド的にアルバムの中で少し浮いている気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=MdOgNPhQBCo

「Baby Let Me Kiss You」
King Floyd、1970年のヒット・シングルをカヴァー(King Floyd作)。エレクトロ色を前面に打ち出したレゲエ調のミディアム・グルーヴ。中途半端にせずに思い切りエレクトロに振り切った感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=hK0PVYsvV0Y

国内盤再発CDにはボーナス・トラック6曲が追加収録されています。

「Let's Keep It Right」
シングル「Groove Me」のB面曲。リラックスしたポップ・ソウル。A面「Groove Me」とのサウンドのギャップが大きすぎます(笑)。アルバム本編以上にソウルフルです。

「Movie Show」
1978年のシングル曲。マイアミ・ソウル調の哀愁メロウ・ミディアム。甘く切ない雰囲気がFernのヴォーカルによくフィットしています。

「Groove Me (Single Version)」
「Baby Let Me Kiss You (Single Version) 」
「Groove Me」「Baby Let Me Kiss You」のシングル・ヴァージョン。

「Sweet Life (Duet With Frederick Knight)」
前述のFrederick Knightとのデュエット・シングルをカヴァー。イナたい雰囲気のメロウ・ミディアムを素敵なデュエットで聴かせてくれます。ソウル・シンガーとしてのFernのキュートな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=FHj5zTvfXOA

「Tonight's The Night (Duet With Frederick Knight)」
上記「Sweet Life」のB面曲。こちらもFrederick Knightと素敵なデュエットを聴かせてくれます。ソウルフルなFernを楽しめる好トラックです。

2ndアルバム『Fern』(1981年)、3rdアルバム『Sweet Music』(1982年)もCD化してほしいですね。
posted by ez at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする