2022年07月27日

The Awakening『Hear, Sense And Feel』

シカゴのブラック・ジャズ・ユニット☆The Awakening『Hear, Sense And Feel』

発表年:1972年
ez的ジャンル:Black Jazz Records系スピリチュアル・ジャズ・ユニット
気分は... :覚醒せよ・・・

今回はブラック・ジャズを象徴するレーベルBlack Jazz Recordsの作品からThe Awakening『Hear, Sense And Feel』(1972年)です。

The AwakeningKen Chaney(元Young-Holt Unlimited)とFrank Gordonを中心に、シカゴで結成されたジャズ・ユニット。

めんばーはKen Chaney(p、el-p)、Frank Gordon(tp、flh)、Richard Ari Brown(ts、fl)、Arlington Davis, Jr.(ds)、Steve Galloway(tb)、Reggie Willis(b)という6名。

グループはBlack Jazz Recordsから『Hear, Sense And Feel』(1972年)、『Mirage』(1973年)という2枚のアルバムをリリースしています。

1stアルバムとなる本作『Hear, Sense And Feel』(1972年)には、Richard Evans(el-b)もゲスト参加しています。

プロデュースはレーベル・オーナーのGene Russell

スピリチュアルなブラック・ジャズですが、メロウ・エレピが目立ち、グルーヴィーな演奏もあるので、その分聴きやすいと思います。

個人的には「Kera's Dance」「Convulsions」がお気に入りです。

メロウな「Brand New Feeling」、壮大なオープニング「Awakening - Prologue Spring Thing」も人気です。

メロウ&グルーヴィーながらも雰囲気のあるブラック・ジャズをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Awakening - Prologue Spring Thing」
Ken Chaney作。ポエトリー・リーディングによるプロローグから連なるブラック・ジャズらしい壮大なオープニング。モーダルな美しさの向こう側にスピリチュアルな崇高さが見え隠れする感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Tr78gTYIosk

「When Will It Ever End」
Richard Ari Brown作。抑えたトーンのゆったりとした演奏のなかで、作者Richard Ari Brownのフリーキーなサックスが目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=yVOuOHCK_wQ

「Convulsions」
Frank Gordon作。3管によるスリリングなアンサンブルにグッとくる、スピーディーなスピリチュアル・ジャズ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=fy_isNKkNQQ

「Kera's Dance」
John Stubblefield作。Richard Ari Brownのフルートが先導するミディアム・ジャズ・グルーヴ。穏やかななかにもスピリチュアル・フィーリングがあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=C-7br4_sSOA

Klub Des Loosers「Mother City」のサンプリング・ソースとなっています。
Klub Des Loosers「Mother City」
 https://www.youtube.com/watch?v=SGADQbJahpQ

「Jupiter」
Frank Gordon作。Ken Chaneyの小気味よいピアノが印象的なアップテンポの演奏です。Richard Ari Brownのサックス・ソロ、Arlington Davis, Jr.のドラム・ソロも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9NC6A3WDZ5M

「Brand New Feeling」
Ken Chaney/William Keyes作。Richard Evansがエレクトリック・ベースでゲスト参加。エレピの響きが心地よい、穏やかなムードの電脳メロウ・ファンクに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=i6Zsloe8MAo

当ブログで紹介したKero One「It's a New Day」をはじめ、Ty「Break the Lock」、DJ Day「Outro (Wrap It Up B)」等のサンプリング・ソースとなっています。
Kero One「It's a New Day」
 https://www.youtube.com/watch?v=pG3Y3GVXIE4
Ty「Break the Lock」
 https://www.youtube.com/watch?v=lbQEkh-Ftco
DJ Day「Outro (Wrap It Up B)」
 https://www.youtube.com/watch?v=dEJdarMhBcQ

「Awakening - Epilogue」
Ken Chaney作。ラストはポエトリー・リーディングで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Xn8gqev-_5s

2ndアルバム『Mirage』(1973年)もセットでどうぞ!

『Mirage』(1973年)


他のBlack Jazz Recordsの過去記事もご参照下さい。

Gene Russell『New Direction』(1971年)
New Direction (直輸入盤・帯・ライナー付き)

Kellee Patterson『Maiden Voyage』(1973年)
メイデン・ヴォヤージュ

Doug Carn『Revelation』(1973年)
Revelation (直輸入盤・帯・ライナー付き)

Henry Franklin『The Skipper at Home』(1974年)
THE SKIPPER AT HOME

Doug Carn『Adam's Apple』(1974年)
ADAMS APPLE
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2022年07月06日

Voyage『Let's Fly Away』

ヒットしたフレンチ・ディスコ作品☆Voyage『Let's Fly Away』

発表年:1978年
ez的ジャンル:フレンチ・ディスコ
気分は... :ディスコのお土産はいかが?

今回はUSダンス・チャートでヒットしたフレンチ・ディスコ作品、Voyage『Let's Fly Away』(1978年)です。

Voyage『Let's Fly Away』は、Marc Chantereau(key)、Pierre-Alain Dahan(ds)、Slim Pezin(g)、Sauveur Mallia(b)というフランス人ミュージシャン4名が結成しらフレンチ・ディスコ・グループ。

1977年にデビュー・アルバム『Voyage』をリリース。シングル「From East To West」と共にUSダンス・チャートでヒットしたことで注目を浴びます。

さらにイギリス人女性ヴォーカリストSylvia Masonを迎えて、制作されたのが2ndアルバムとなる本作『Let's Fly Away』(1978年)です。そして、シングル「Souvenirs」がUSダンス・チャートを賑わし、USチャートにもチャート・インさせることでフレンチ・ディスコ・ブームを巻き起こしました。

その後、『Voyage 3』(1980年)、『One Step Higher』(1982年)という2枚のアルバムをリリースしますが、1st、2ndほどの成功を収めることはできませんでした。

そんなグループのピークを堪能できるのが本作『Let's Fly Away』(1978年)です。

前述のヒット曲「Souvenirs」をはじめ、全7曲すべてディスコ・チューンで貫かれています。

「Souvenirs」であれば、「Kechak Fantasy」「Let's Fly Away」「Golden Eldorado」「Gone With The Music」あたりがオススメです。

ディスコ・チューンのオン・パレードは夏モードにピッタリです!

全曲紹介しときやす。

「Souvenirs」
本作のハイライト。前述のようにUSダンス・チャートでヒットし、USチャートにもチャート・インしたグループの代表曲。サマー・モードにぴったりな爽快ディスコ・サウンドに乗って、Sylvia Masonのキュートなヴォーカルが響き渡ります。中盤以降のアッパー感の増す展開もサイコーです!
https://www.youtube.com/watch?v=9lMb6ItTrWE

本作の翌年にFausto Papettiがカヴァーしています。
Fausto Papetti「Souvenirs」
 https://www.youtube.com/watch?v=n9oGUzoz7M4

「Kechak Fantasy」
本トラックはSylvia Masonはお休み。マッチョ感に溢れたディスコ・チューン。格好良いベースラインをはじめ、このバンドのインスト・グループとしての魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=TUJJiPpGyAw

「Eastern Trip」
2分強の短いインスト・ディスコ。少しオリエンタルな雰囲気も漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=yNKqBt2g3hs

「Tahiti, Tahiti...」
タイトルの通り、南国モードのアイランド・ディスコに仕上がっています。ディスコなのにほのぼのします(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=iYIqGKoqAx4

「Let's Fly Away」
タイトル曲はフレンチ・ディスコらしい雰囲気の仕上がり。ヴィヴィッドなシンセの音色とSylvia Masonの爽快キュートなヴォーカルが印象的です。ポップなコーラス・パートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=8v8LAOvMLK0

「Golden Eldorado」
哀愁モードで疾走するディスコ・チューン。Santa Esmeraldaのフラメンコ・スタイルの哀愁ディスコを取り入れた感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=PcV5o6ZC6zs

「Gone With The Music」
ラストは開放的なパーティー・ディスコで締め括ってくれます。ある意味これが一番分かりやすくてキャッチーかも?特にホーン・セクションがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=q_jTTMjC4K8

ご興味がある方は1stアルバム『Voyage』(1977年)もチェックを!

『Voyage』(1977年)
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2022年06月22日

Rita Lee『Hoje E O Primeiro Dia Do Resto Da Sua Vida』

Os Mutantes本隊以上にOs Mutantesらしい☆Rita Lee『Hoje E O Primeiro Dia Do Resto Da Sua Vida』

発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラジル・ロックの女王
気分は... :今日は残りの人生最初の日・・・

"ブラジル・ロックの女王"Rita Leeの2ndソロ・アルバム『Hoje E O Primeiro Dia Do Resto Da Sua Vida(邦題:今日は残りの人生最初の日)』(1972年)です。

ブラジル・ロックを代表するグループOs Mutantesの元メンバーであるRita Leeの紹介は、初ソロ・アルバム『Build Up』(1970年)、The Beatles作品のボサノヴァ・カヴァー・アルバム『Bossa'n Beatles』(2001年)に続き3回目となります。

本作『Hoje E O Primeiro Dia Do Resto Da Sua Vida』(1972年)は、『Build Up』(1970年)に続く2ndソロ・アルバムです。

当時はOs Mutantesとソロの掛け持ち状態でしたが、本作『Hoje E O Primeiro Dia Do Resto Da Sua Vida』(1972年)には、Os Mutantesメンバーが全面参加しており、メンバーであり当時Rita Leeと結婚していたArnaldo Baptistaがプロデュースしています。

レコーディングにはArnaldo Baptista(org、p、clavinet、vo)、Sergio Dias(g、vo)、Liminha(b、vo)、Dinho Leme(ds)というOs Mutantesメンバーに加えて、Lúcia Turnbull(vo)、Claudio Cesar Dias Baptista(voice)がスペシャル・ゲストとして参加しています。

こういった制作体制なので、Os Mutantesのアルバムと位置づけてもいいような内容です。むしろ、プログレッシブ・ロック路線へ進んでいったOs Mutantes本隊以上にOs Mutantesらしいアルバムに仕上がっているかもしれません。

ドライヴ感のある「Vamos Tratar da Saude」「Tapupukitipa」、ファンキーな「Hoje E o Primeiro Dia do Resto da Sua Vida」「De Novo Aqui Meu Bom Jose」、多様な表情を見せる「Frique Comigo」あたりが僕のお気に入りです。

ブラジル音楽好きに加え、UKロック好きの人も気に入る1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Vamos Tratar da Saude」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Liminha作。UKロックに通じるドライヴ感のある格好良さと、シンセが妖しく響くサイケな雰囲気が織り成す僕好みのオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=slJnAIllWxA

「Beija-Me Amor」
Arnaldo Baptista/Elcio Decario作。哀愁モードのサイケ・フォーキー。少しフレンチっぽい雰囲気が漂うのもらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6hRpRTfPhmY

「Hoje E o Primeiro Dia do Resto da Sua Vida」
Arnaldo Baptista/Sergio Dias作。邦題「今日は残りの人生最初の日」。タイトル曲はクラヴィネットの音色と緩急をつけた展開が印象的です。抑えたトーンの幻想的なファンキー・ロックといった趣がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SmrxiavT-EM

「Teimosia」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Liminha作。ブラジリアン・リズムとファンキー・ロックを組み合わせたエクスペリメンタルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=S6tsqxPQo8E

「Frique Comigo」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias/Dinho Leme作。60年代スウィンギン・ロンドン/サイケデリック・ロックを70年代仕様にしたような展開。クラシカル・サウンドのコラージュも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=9foNFLVERK8

「Amor Preto e Branco」
Arnaldo Baptista/Rita Lee作。お遊びモードのメロウ・ボッサといった雰囲気です。真面目モードでやってくれれば素敵なメロウ・ボッサになったので、そうしないところが当時のOs Mutantesらしさだったのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=_4GxykqdRuE

「Tiroleite」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias/Liminha作。リラックスしたブルース・ロック。前曲に続き、息抜きモードの演奏といった感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=kZ7Y-ArPvAc

「Tapupukitipa」
Arnaldo Baptista/Rita Lee作。Black Sabbath「N.I.B.」のフレーズを引用したドライヴ感のあるロック・チューン。Os Mutantesのロック・バンドとしての格好良さを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=893BXugQ8OQ

「De Novo Aqui Meu Bom Jose」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias/Liminha作。ラブ&ピースなファンキー・ロック。自由に羽ばたいていくようなロック・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4pgNQAWgIAk

「Superfície do Planeta」
Arnaldo Baptista作。「宇宙の神秘」という邦題が示すように、ミステリアスなムードのバラードで締め括ってくれます。途中、この時期のOs Mutantesらしいプログレッシブな展開でも楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=k-jWi7J9xUM

Rita Leeの他作品もチェックを!

『Build Up』(1970年)
Build Up

Rita Lee & Tutti Frutti『Atras Do Porto Tem Uma Cidade』(1974年)
Atras Do Porto Tem Uma Cidade (1974)

Rita Lee & Tutti Frutti『Fruto Proibido』(1975年)
Fruto Proibido

Rita Lee & Tutti Frutti『Entradas e Bandeiras』(1976年)
RITA LEE - ENTRADAS E BANDEIRAS

Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)
Refestanca - Ao Vivo

『Babilonia』(1978年)
Babilonia

『Rita Lee』(1980年)
Rita Lee (Dig)

『Bossa'n Beatles』(2001年)
Bossa N Beatles
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2022年06月01日

Free Design『One By One』

Project 3でのラスト作☆Free Design『One By One』

発表年:1972年
ez的ジャンル:ミラクル兄弟コーラス系ソフトロック
気分は... :みんなちがって、みんないい。

今回はソフトロック好きにはお馴染みの兄弟コーラス・グループFree Designの6thアルバム『One By One』(1972年)です。

次男Chris Dedrickを中心にしたDedrick兄弟のグループFree Designに関して、当ブログでは以下の4枚のアルバムを紹介済みです。

 『Kites Are Fun』(1967年)
 『You Could Be Born Again』(1968年)
 『Heaven/Earth』(1969年)
 『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)

『...Sing for Very Important People』(1970年)に続く6thアルバム『You Could Be Born Again』(1972年)は、デビュー以来在籍していたレーベルProject 3でのラスト・アルバムとなります。

また、2ndアルバム『You Could Be Born Again』(1968年)以来、長男Bruce、次男Chris、長女Sandy(Sandra)、次女Ellenという4名のラインナップでしたが、本作ではBruceChrisSandy(Sandra)Ellenの3名体制となっています。

プロデュースはProject 3のオーナーであり、当ブログでも紹介した再評価が高いモンド・ラウンジ作品『Spaced Out』(1969年)でも知られるEnoch Light

アレンジはChris Dedrick

レコーディングにはBob Mann(g)、Jerry Friedman(g)、 Stu Scharf(g)、Andy Muson(b)、Tom Szczesniak(b)、Billy Cobham(ds)、Gary Gauger(ds、per)、Pat Ribboloff(p)、Paul Griffin(org)、Babe Clark(sax)、Seldon Powell(sax)、 Alan Reubin(flh、tp)、Ernie Royal(flh、tp)、Randy Brecker(flh、tp)、Garnett Brown(tb)、 Jack Jeffers(btb)といったミュージシャンが参加しています。

Doorsの大ヒット曲カヴァー「Light My Fire」、ポピュラー・スタンダード「You Are My Sunshine」以外はChris Dedrickのオリジナルです。

今日的なハイライトはルーヴィー・ソフトロック「Felt So Good」だと思いますが、ラブ&ピースな「One By One」「Like To Love」「Love Me」も僕好み。

また、70年代初めらしいロック/スワンプ・ロック、SSW風のトラックがあるのみ本作らしいと思います。

70年代初めならではのFree Designワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「One By One」
シンプルながらも美しいヴォーカル・ワークを満喫できるオープニング。ラブ&ピースな雰囲気がいいですね。Chrisによるトランペットの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jf7OlJUWXNQ

「Felt So Good」
フリーソウル好きの人は気に入るであろうグルーヴィー・ソフトロック。これぞFree Design!といったポップ・ワールド全開です。印象的なホーン・サウンドはRandy Brecker。
https://www.youtube.com/watch?v=RksWdYdT8Nk

Polyrhythm Addicts feat. Pharoahe Monch「Reachin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Polyrhythm Addicts feat. Pharoahe Monch「Reachin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=lfwsXfvSsgk

「Friendly Man」
優しさに包まれた美しいメロウ・バラード。SSW全盛時代のソフトロックといった雰囲気がいいですね。素敵なギター・ソロはJerry Friedman。
https://www.youtube.com/watch?v=Zu1VwoJKb3I

「Light My Fire」
ご存知Doorsの大ヒット曲「ハートに火をつけて」のカヴァー。オリジナルは『Doors』(1967年)収録。当ブログでは、Julie Driscoll,Brian Auger & The TrinityAnanda ShankarJose FelicianoBrasilia Modern SixThe Friends Of Distinctionのカヴァーも紹介済みです。ここではFree Designならではのヴォーカル・ワークで独特なドリーミー&ミステリアス感のある「Light My Fire」を聴かせてくれます。フリューゲルホーン&トランペットはRandy Brecker。
https://www.youtube.com/watch?v=gxfIP3jBxBY

本ヴァージョンはFlying Lotuss feat. Andreya Triana「Tea Leaf Dancers」、The Stuyvesants「The Fire (Untrue)」のサンプリング・ソースとなっています。
Flying Lotus feat. Andreya Triana「Tea Leaf Dancers」
 https://www.youtube.com/watch?v=vie3qNwBd1k
The Stuyvesants「The Fire (Untrue)」
 https://www.youtube.com/watch?v=cdjsubcFbiE

「Like To Love」
ラブ&ピースなポップ・ロック。この時代らしいロック・サウンドをFree Designの音世界にうまく取り入れています。
https://www.youtube.com/watch?v=wlc1cQbsDMM

「You Are My Sunshine」
Jimmie Davis/Charles Mitchellが1940年に書いたポピュラー・スタンダードをカヴァー。有名曲をFree Design仕様のメロウ・バラードに変貌させてしまうところが流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=TZkTXah1ItQ

「Go Lean On A River」
スワンプ・ロックするFree Designを楽しめます。印象的なリード・ギターはJerry Friedman。
https://www.youtube.com/watch?v=T8tSD-rwc6s

「Going Back」
ピアノとホーンを中心としたシンプルなサウンドと女性ヴォーカルのみの構成。あえてコーラスをつけないところがポイントです。
https://www.youtube.com/watch?v=pDfU6YPYB_s

Dawaun Parker「Schemin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Dawaun Parker「Schemin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=I3Ad2J04IaY

「Love Me」
本作らしいラブ&ピースなメロウ・バラード。自由な雰囲気のなかで、ゆっくりと時間が流れていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oiGOc5PQpQg

「Friends (Thank You All)」
ラストはFree Designらしい美しいヴォーカル・ワークで魅せるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。終盤は本作らしいロック・サウンドも飛び出し、カオス状態に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=VEtAoVvrfsY

Free Designの過去記事もご参照下さい。

『Kites Are Fun』(1967年)
Kites Are Fun

『You Could Be Born Again』(1968年)
ユー・クッド・ビー・ボーン・アゲイン

『Heaven/Earth』(1969年)
ヘヴン・アース

『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)
スターズ・タイム・バブルズ・ラヴ
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2022年05月11日

Kenny Loggins『Keep The Fire』

Michael McDonald、Michael Jacksonも参加☆Kenny Loggins『Keep The Fire』

発表年:1979年
ez的ジャンル:AOR系男性シンガー・ソングライター
気分は... :後悔先に立たず・・・

今日はKenny Loggins『Keep The Fire』(1979年)です。

Jim MessinaとのデュオLoggins & Messinaとして活動し、ソロ転向後は「Footloose」(1984年)、「Danger Zone」(1986年)等のヒットを放った男性シンガー・ソングライターKenny Logginsの紹介は、2nd『Nightwatch』(1978年)、1stソロ『Celebrate Me Home』(1977年)に続き3回目です。

以前にも書いたように、僕がよく聴くKenny Loggins作品は1stソロ『Celebrate Me Home』(1977年)、2nd『Nightwatch』(1978年)というAOR的な2枚であり、その2作の次となる3rdアルバムの本作『Keep The Fire』(1979年)は、長らくスルーしたままでした。

別に毛嫌いしていたわけではありませんが、一方でKenny Logginsに特段の思い入れがあったわけでもないので、知らぬ間に欲しい作品リストから外れ、そのまま何十年も経っていました。僕のなかでは(AOR色が弱まり)ロック色が強まったアルバムというイメージが本作にあったのが、リストから外れてしまった要因かもしれません。

僕のようにアーティストやジャンルに特段の拘りがなく、幅広く作品を聴くスタイルの場合、欲しい作品群が多すぎるため、一度スルーという決断をしてしまうと、その作品の存在自体が記憶から薄れしてしまうため、再びリストに入るのは難しいのかもしれません。

そんな殆ど記憶の彼方にあった作品ですが、ある時、中古CDショップで本作のジャケを目にして、久々にその存在を思い出し、廉価だったこともあって特に迷うことなくカゴに入れて購入していました。

実際聴いてみると、思っていたよりもAOR色の残っていて、反対にそれ程ロック色は強くなかったので、結果程良くフィットしました。

前置きが長くなりましたが、本作『Keep The Fire』(1979年)は、1980年のグラミー受賞曲「What A Fool Believes」の共作コンビ、Michael McDonaldThe Doobie Brothers)との再タッグ、PagesRichard Pageとのタッグ、Stephen Bishopとの共作、スーパースターMichael Jacksonの参加などが注目の作品です。

こうやって書き出してみると、これだけでも聴きどころの多いし、スルーする理由がないですよね(笑)

アルバムはUSアルバム・チャート第16位となり、プラチナ・ディスクを獲得しています。

プロデュースはTom Dowd

レコーディングにはKenny Loggins(vo、g、vocoder)以下、Brian Mann(key、accordion、horn arr)、Michael McDonald(p、back vo)、Max Gronenthal(syn)、Mike Hamilton(g、back vo)、Fred Tackett(g)、George Hawkins(b、back vo)、Tris Imboden(ds、per)、Milt Holland(per)、Paulinho da Costa(per)、Jon Clarke(sax、fl、oboe、recorder、horn arr)、Vince Denham(sax、fl)、Michael Brecker(ts)、Richard Stekol(back vo)、Michael Jackson(back vo)、Richard Page(back vo)、Jeff Bouchard(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

シングルにもなったMichael McDonaldとの共作曲「This Is It」Pagesヴァージョンでもお馴染みの「Who's Right, Who's Wrong」、カリプソ・テイストのトロピカル・ファンク「Junkanoo Holiday (Fallin'-Flyin')」、奥方Eva Einと共作した「Keep the Fire」「Will It Last」が僕のオススメです。

勝手な先入観のせいで、かなり遠回りしてしまった1枚ですが、今のタイミングで出会ったからこそ、よりフィットしている気もします!と思うようにします(笑)

全曲紹介しときやす。

「Love Has Come of Age」
Kenny Loggins作。オープニングは派手めのロック・チューン。本作が"ロック色の強い作品"と評されることが多いのはこのオープニングの印象が強いのかもしれませんね。

「Mr. Night」
Kenny Loggins/Richard Stekol作。コメディ映画『Caddyshack』(1980年)のサントラにも収録されています。同サントラにはTop10シングルとなったヒット曲「I'm Alright」も収録されています。本曲はコメディ映画のサントラが似合う軽快な演奏です。と言いつつ、少し芋臭い印象なので僕にはビミョーですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=ImdImQO2tWI

僕にとってここからが本作の本編です。

「This Is It」
Kenny Loggins/Michael McDonald作。The Doobie Brothersのグラミー受賞曲「What A Fool Believes」の共作コンビによる再タッグとして注目の1曲。Michael McDonaldはピアノ&バック・ヴォーカルでも参加しています。アルバムからの1stシングルとして、USチャート第11位のヒットとなったAOR名曲。『Minute by Minute』(1978年)や『One Step Closer』(1981年)といった後期DoobiesやMichael McDonaldのソロ・アルバムに収録されていそうな雰囲気がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=VS52sEUqxMo

Millie JacksonFreddie Hubbard、Jim Bakkum、Josh Kaufmanがカヴァーしています。また、Nas「We Will Survive」、Kirk Franklin「Declaration (This is It!)」、Papoose「Charades Part 1」、Freeway「This Is It」のサンプリング・ソースとなっています。
Millie Jackson「This Is It」
 https://www.youtube.com/watch?v=IhrMqCm0ss8
Freddie Hubbard「This Is It」
 https://www.youtube.com/watch?v=2hiS1j-VNZ8
Jim Bakkum「This Is It」
 https://www.youtube.com/watch?v=06V3F-CoT8Q
Nas「We Will Survive」
 https://www.youtube.com/watch?v=mYiu9fhUleg
Kirk Franklin「Declaration (This is It!)」
 https://www.youtube.com/watch?v=3JurwjWEZyc

「Junkanoo Holiday (Fallin'-Flyin')」
Kenny Loggins作。カリプソ・テイストを取り入れたバカンス・モードのトロピカル・ファンク。陽気なサウンドでカーニバル気分にさせてくれます。後半はファンクネスが増しているのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Mifq8CfpzaE

「Now and Then」
Kenny Loggins/Jeff Bouchard作。SSWらしいしっとりとすたアコースティック・バラード。Brian Mannのアコーディオンの音色の叙情的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DUZnOClQ1qw

「Who's Right, Who's Wrong」
Kenny Loggins/Richard Page作。Pagesヴァージョンは、当ブログでも紹介した『Future Street』(1979年)に収録されています。作者Richard Pageに加えて、あのMichael Jacksonもバック・コーラスで参加しています。Pagesヴァージョンが大好きなので、勿論本トラックもお気に入りです。MJの参加はそれほど目立ちませんが、それだけに今聴くと余計に嬉しいかもしれません。Michael Breckerがテナー・サックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zAnVRbF2dUw

Pagesヴァージョンに加えて、当ブログでも紹介したMarva Kingヴァージョンあたりとも聴き比べてみるのも楽しいのでは?
Pages「Who's Right, Who's Wrong」
 https://www.youtube.com/watch?v=sWqz00dQrPI
Marva King「Who's Right Who's Wrong」
 https://www.youtube.com/watch?v=KZg2VKnrsUA

「Keep the Fire」
Kenny Loggins/Eva Ein作。シングルにもなったタイトル曲は本作と同じ1979年に結婚した奥方Eva Einとの共作。USチャート第36位となっています。ポップ・ロックなAORチューンですが、Kenny Logginsらしい雰囲気で好きです。もう少しで商業ロックという直前に寸止めしている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=R08Rm9T2NWw

「Give It Half a Chance」
Kenny Loggins/Stephen Bishop作。この二人の共作らしい雰囲気のメロウ・バラード。Kennyのジェントルなファルセット・ヴォーカルに魅せられます。Fred Tackettのメロウなアコースティック・ギターも良い味わいです。

Stephanie Millsがアルバム『I've Got The Cure』(1984年)でカヴァーしています。
Stephanie Mills「Give It Half a Chance」
 https://www.youtube.com/watch?v=KH1vUYxzf_U

「Will It Last」
Kenny Loggins/Eva Ein作。ラストは奥方Eva Einとの共作。ラストはメロウ・バラードで締め括ってくれます。前半はメロウ・エレピとアコギをバックにしっとり歌い上げ、終盤はウエストコースト・ロックな雰囲気で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xv4hZil7M18

未聴の方はKenny Logginsの70年代の他作品もチェックを!

『Celebrate Me Home』(1977年)
未来への誓い

『Nightwatch』(1978年)
ナイトウォッチ
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