2021年06月10日

Bug Alley『Bug Alley』

カナディアン・ジャズ・コーラス☆Bug Alley『Bug Alley』

発表年:1980年
ez的ジャンル:カナディアン・ジャズ・コーラス
気分は... :ジャズ・ディスカバリー !

今回はカナダのジャズ・コーラス・グループBug Alley『Bug Alley』(1980年)です。

Bug Alleyはカナダ結成されたグループ。オリジナルはトリオ編成のバンドでしたが、メンバー交代によりジャズ・コーラス・グループの色合いを強めていきます。

1978年には当ブログでも紹介したカナダ、ケベック出身の女性シンガーDiane TellとLPの半面ずつを分け合ったアルバム『The Bug Alley Band/Diane Tell』をレコーディングしています。

その後メンバー交代を経てレコーディングされたのが、本作『Bug Alley』(1980年)です。

本作におけるメンバーは、ジャケに写るKaren Young(vo、shaker)、Liz Tansey(vo)、Steve Cole(vo、g、banjo)、David Thompson(vo、b)、Andre White(ds、p、bells)という5名。さらにDoug Walter(sax、clarinet、fl、p)、Mike Pinsonneault(vo、as)の2人も実質的にはメンバーの扱いのようです。

プロデュースはGene PerlaSon SoleilBug Alley

アルバムはLambert, Hendricks & Rossをはじめとする様々なジャズ・コーラス・グループへのリスペクトを感じるジャズの歴史を辿るかのような内容・構成となっています。

レトロとモダンが交錯するかのようなアルバム・ジャケがこのアルバムを象徴していると思います。

Lambert, Hendricks & Rossも歌っていた「Down For The Count」「Bijou」、1930年代に活躍したBoswell三姉妹のレパートリーのメドレー「Boswell Medley」「Art's Oregano」Art Pepper)、「Footprints」Wayne Shorter)、「Milestones」Miles Davis)といったジャズ名曲カヴァーなど、あの手この手でジャズ・コーラスを楽しませてくれます。

カヴァーが目立ちますが、ジャズ名曲カヴァーのように聴こえる「Bop Follies」、クラブジャズ好きも気に入るであろう高速ジャズ・グルーヴ「Sancho Suite」等のオリジナルも要チェックです。

1枚の中で様々な時代を楽しめるジャズ・コーラス作品です。

全曲紹介しときやす。

「Bop Follies」
Mike Pinsonneault作。昔のジャズ名曲カヴァーのように聴こえますがオリジナルの軽快なバップ。古き良きジャズのエッセンスを素晴らしいコーラス・ワークとモダンなセンスで聴かせてくれます。

「Down For The Count」
Frank Foster/Jon Hendricks作。Lambert, Hendricks & Rossも『Sing A Song Of Basie』(1958年)で歌っていた楽曲。ノスタルジックな寛いだ雰囲気の演奏をバックに、男女コーラスならではのコーラスワークで楽しませてくれます。

「Bijou」
Ralph Burns/Jon Hendricks作。
Lambert, Hendricks & Rossが当ブログでも紹介した『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)で歌っていた楽曲。スウィンギーな雰囲気と80年らしいアーバン・メロウな雰囲気、さらにはラテン・フレイヴァーを緩急つけて融合させているのがいい感じです。

「Bop Follies/Down For The Count/Bijou」
https://www.youtube.com/watch?v=sXwGpB1W4Uk

「Art's Oregano」
Art Pepper作品のカヴァー。オリジナルは『Art Pepper Quintet』(1954年)収録。Karen YoungとSteve Coleの掛け合いが素晴らしい軽快なヴォーカリーズ。Art Pepper作品らしくDoug Walterがアルト・サックス・ソロで盛り上げてくれます。

「Steppin' Around」
トラディショナルのカヴァー。ニグロ・スピリチュアル調のア・カペラで聴かせてくれます。

「Boswell Medley」
1930年代に活躍したBoswell三姉妹のレパートリーのメドレー。「Dinah」(Sam Lewis/Joe Young/Harry Akst作)、「Heebie Jeebies」、「Everybody Loves My Baby」( Jack Palmer/Spencer Williams作)という3曲が歌われます。バンジョーやクラリネットを効果的に用いながら、30年代風コーラスで楽しませてくれます。30年代スタイルのコーラスが一周回って新鮮に聴こえるのでは?

「Art's Oregano/Steppin' Around/Boswell Medley」
https://www.youtube.com/watch?v=NczAwmTKLus

「Sancho Suite」
Mike Pinsonneault作。サンバのリズムを取り入れた高速ジャズ・グルーヴはクラブジャズ好きも気に入るはず!純粋に格好良いと思います。ギター・ソロ、サックス・ソロ、ドラム・ソロと各メンバーの見せ場もつくっています。

「Footprints」
Wayne Shorter作の名曲カヴァー。オリジナルは『Adam's Apple』(1966年)収録。Karen Youngの素晴らしいヴォーカルをフィーチャーし、この曲らしいミステリアスな雰囲気で聴かせてくれます。

名曲「Footprints」に関して、当ブログではMiles DavisCarl & Joanne BarryGretchen ParlatoLonnie Liston Smith & The Cosmic EchoesTerry CallierEzra Collectiveのカヴァーも紹介済みです。

「Daybreak」
Mike Pinsonneault/Steve Cole作。前半はバラード、後半は軽快で小粋な演奏というコントラストで楽しませてくれます。Doug Walterのサックスが盛り上げてくれます。

「Milestones」
ラストはMiles Davisの名曲カヴァー。オリジナルは『Milestones』収録。当ブログではThe Latin Jazz QuintetMark Murphyのカヴァーを紹介済みです。Mark Murphyヴァージョンがお好きな人は、本ヴァージョンも気に入るのは?男女コーラスで聴く爽快な「Milestones」もいいですよ!

「Sancho Suite/Footprints/Daybreak/Milestones」
https://www.youtube.com/watch?v=xVkmMJ8ipr0

それにしても、このジャケがサイコーですね!
※今回のジャケ画像は色味がどぎつくなっていますが、実物はもっといい色合いです。
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2021年06月02日

Milton Nascimento『Miltons』

Herbie Hancock、Nana Vasconcelosとの共演☆Milton Nascimento『Miltons』

発表年:1988年
ez的ジャンル:ミナス系MPB
気分は... :シンプルがいい!

今回はブラジル、ミナスを代表するMPBアーティストの一人、Milton Nascimento『Miltons』(1988年)です。

1942年ブラジル、ミナス出身のシンガー・ソングライターMilton Nascimentoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Milton』(1970年)
 『Minas』(1975年)
 『Milton』(1976年)

本作『Miltons』(1988年)は、人気ジャズ・ピアニストHerbie Hancock(p、syn)とのデュオ、ブラジルの世界的パーカッション奏者Nana Vasconcelos(per)とのデュオによって構成された、シンプルながらも深遠な作品です。

上記の二人に加えて、Robertinho Silva(ds)、Joao Baptista(b)、Arthur Maia(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはMarcio Ferreira

Herbie Hancockとのデュオでは、ブラジルのロック・バンドRPMのメンバーPaulo Ricardoとの共作「Feito Nos」がおススメです。Hancockのピアノのみで歌われる「Fruta Boa」「Sem Fim」も味わいがあります。

Nana Vasconcelosとのデュオでは、「Bola De Meia, Bola De Gude」「Semen」がおススメです。人気俳優リヴァー・フェニックスについて歌われた「River Phoenix (Carta A Um Jovem Ator)」、お馴染みの名曲カヴァー「La Bamba」もかなりいいです。

名作『Clube Da Esquina』(1972年)に収録された名曲の再演「San Vicente」ではHerbie HancockNana Vasconcelosの両者が参加したトリオ演奏を満喫できます。

シンプルな演奏が深遠なMilton Nascimentoワールドを際立たせている名盤だと思います。

全曲紹介しときやす。

「River Phoenix (Carta A Um Jovem Ator)」
Milton Nascimento作。当時スターダムへの階段を駆け上がっていら人気俳優リヴァー・フェニックスについて歌われたオープニング。Nana Vasconcelosとのデュオで、本作らしいシンプルかつ深遠な演奏を満喫できます。特に1993年に23歳にしてこの世を去ったリヴァー・フェニックスのその後運命に思いを馳せると余計に感じるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=jXUURi5LeUU

「Feito Nos」
Milton Nascimento/Paulo Ricardo作。ブラジルのロック・バンドRPMのメンバーPaulo Ricardoとの共作です。Herbie Hancockとのデュオですが、シンプルながらもコンテンポラリーな雰囲気が実にいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=8gWzbH7w-Ws

「La Bamba」
Lauro Bianco作。Ritchie ValensやLos Lobosでお馴染みのメキシカン・トラディショナルをカヴァー。Nana Vasconcelosとのデュオ。予備知識なしで聴くと、「La Bamba」のカヴァーだと気づかないかもしれません。見事にMilton色に染まったミナス・モードの「La Bamba」を楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=uyl9GSWpwJM

本曲に関して、当ブログではWillie BoboDave PikeEddie Cano & His Quintetのカヴァーも紹介済みです。

「Fruta Boa」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。(多分)オリジナル・ヴァージョンはTelma Costa(1983年)だと思います。Herbie Hancockのピアノをバックに、Miltonが深みのある歌を聴かせてくれます。シンプル・イズ・ベストな演奏ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bZYSClLvMCY

「Semen」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。Nana Vasconcelosとのデュオらしいパーカッシヴ&フォーキーな演奏を楽しめます。派手さはありませんがポジティヴなパワーが漲っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FlSsqmJ95sw

「Don Quixote」
Cesar Camargo Mariano/Milton Nascimento作。Cesar Camargo Marianoヴァージョンは『Ponte Das Estrelas』(1986年)収録。HancockにRobertinho Silva(ds)、Joao Baptista(b)も加わったコンテンポラリー・ジャズ寄りの演奏ですが、透明感のあるMiltonらしい音世界を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=bwrYeHXDGII

「San Vicente」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。名作『Clube Da Esquina』(1972年)収録の名曲の再演。Hancock、Nana Vasconcelosの両者が参加しています。この三者の持ち味が発揮された素晴らしい「San Vicente」に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6nFrpjjQ0vU

「Sem Fim」
Cacaso/Novelli作。オリジナルはNana Caymmiヴァージョン(1979年)。HancockのピアノをバックにMiltonがしみじみと歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=Z3PA6D22Gx8

「Bola De Meia, Bola De Gude」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。Nana Vasconcelosのパーカッションの軽快な響きがいい感じのメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=vG1QVZDuP1o

「San Vicente (Extra Track)」
CDボーナス・トラック。「San Vicente」の別ヴァージョンです。こちらもHancock、Nana Vasconcelosの両者が参加したトリオ演奏です。

Milton Nascimentoの過去記事もご参照下さい。

『Milton』(1970年)
ミルトン

『Minas』(1975年)
ミナス

『Milton』(1976年)
Milton
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2021年05月21日

Elvis Costello & The Attractions『Goodbye Cruel World』

賛否両論の1枚☆Elvis Costello & The Attractions『Goodbye Cruel World』

発表年:2013年
ez的ジャンル:UKロック/ブルー・アイド・ソウル
気分は... :僕は支持します!

青春時代、お気に入りだったUKミュージシャンElvis Costello『Goodbye Cruel World』(1984年)です。

ロックの殿堂入りもしたElvis Costello(1954年ロンドン生まれ)について、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の6枚。

 『This Year's Model』(1978年)
 『Get Happy!!』(1980年)
 『Imperial Bedroom』(1982年)
 『Blood & Chocolate』(1986年)
 『Spike』(1989年)
 Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)

前回紹介したThe Rootsとのコラボ・アルバム『Wise Up Ghost』(2013年)は、企画もの的な要素もあったので、僕が夢中になった70〜80年代のCostello作品を紹介するのは10年以上ぶりになります。

Elvis Costello & The Attractions名義でリリースされた本作『Goodbye Cruel World』(1984年)は、前作『Punch the Clock』(1983年)と同じく、Madnessの諸作やDexys Midnight Runners 『Too-Rye-Ay』(1982年)を手掛けたClive Langer/Alan Winstanleyのプロデュース。

『Punch the Clock』(1983年)、『Goodbye Cruel World』(1984年)の2枚は、Costello本人が失敗作と公言していることもあって、すこぶる評判の悪いアルバムですね。

『Punch the Clock』(1983年)


僕は高校生・大学生のときに、この2枚をリアルタイムで聴いていましたが、当時はそれほど悪い評価ではなかった気がしますし、僕自身は今聴いてもどちらも好きです。

特に『Goodbye Cruel World』(1984年)は、リード・シングル「I Wanna Be Loved」のインパクトの大きさが印象に残っています。

アルバムにはDaryl HallHall & Oates)、Green GartsideScritti Politti)といったゲストが参加しています。

レコーディングにはSteve Nieve(key)、Bruce Thomas(b)、Pete Thomas(ds)というThe Attractionsメンバーに加えて、Gary Barnacle(sax)、Jim Paterson(tb)、Luis Jardim(per)といったミュージシャンが参加しています。

目立つのはGreen Gartside参加の「I Wanna Be Loved」Daryl Hall参加の「The Only Flame in Town」というブルー・アイド・ソウルなシングル2曲。この2曲の出来栄えが頭抜けています。

それ以外であれば、哀愁ブルー・アイド・ソウルな「Home Truth」、軽快なポップ・ロック「Room with No Number」、メロディアスな「Worthless Thing」Roy Orbisonもカヴァーした「The Comedians」あたりがおススメです。

賛否両論のアルバムですが、あなたの評価はどっち?

全曲紹介しときやす。

「The Only Flame in Town」
本作を象徴するブルー・アイド・ソウルなオープニング。Daryl HallHall & Oates)とのデュエットでも注目を集めたアルバムからの2ndシングル。USマーケットも意識したようなポップ・ソウルに仕上がっています。華やかなホーン・サウンドもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ugcURF7B_gw

「Home Truth」
哀愁ブルー・アイド・ソウルなミディアム。The Attractionsらしさを残したソウル・チューンに仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=6c2LZSD1O_w

「Room with No Number」
軽快なポップ・ロック。スピード感のなかにもヒネリが効いた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dg0XPZVQiso

「Inch By Inch」
Steve Nieveのオルガンの音色がいい味だしている哀愁のブルー・アイド・ソウル。寂しげな男の背中を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=xwr8HwQ6VmY

「Worthless Thing」
メロディアスなCostelloを満喫できる1曲。甘く切ない雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rHvRCRP4MKo

「Love Field」
本作らしいシンセ使いが印象的なバラード。これはこれで悪くないと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=R9QY8XdDkt8

「I Wanna Be Loved」
アルバムからのリード・シングル。Scritti PolittiのGreen Gartsideがヴォーカルで参加したことでも話題になりました。シカゴのR&BバンドTeacher's Edition、1973年のシングルB面曲のカヴァーです(Farnell Jenkins作)。シンセ・サウンドを前面に打ち出し、従来のCostello作品とは全く異なる表情を見せた本曲のインパクトは大でした。賛否両論あると思いますが、個人的にはシンセ・ポップでブルー・アイド・ソウルするCostelloをかなり好意的に受け入れていました。そこにScritti Polittiという刺激が加わったこともサイコーでした。
https://www.youtube.com/watch?v=UOdi7-vpRG4

「The Comedians」
Roy Orbisonの遺作アルバム『Mystery Girl』(1989年)でカヴァーされたことでも知られる曲。Roy OrbisonヴァージョンはCostelloがOrbisonのために改作したものです。Costelloらしいセンスの哀愁ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2RVrtn0gcPo

「Joe Porterhouse」
哀愁のポップ・ロック。悪くはありませんが、アルバムの流れのなかで少し損をしている気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=5xTQXzVUyxA

「Sour Milk Cow Blues」
シニカルな雰囲気のロック・チューン。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=b_yk1GoVMMY

「The Great Unknown」
CostelloとClive Langerの共作。Clive Langer/Alan Winstanleyならではのポップ・センスを感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XsSEKK7_jfg

「The Deportees Club」
軽快なビートでロックしている1曲。少し消化不良のCostelloやAttractionsメンバーのガス抜きのようです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=rf2RKMXjrMI

「Peace in Our Time」
『Punch the Clock』からのシングル「Pills And Soap」と同じくThe Imposter名義でシングル・リリースされたプロテスト・ソング。平和への祈りが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=3Xwgm_O1jh0

Elvis Costelloの過去記事もご参照下さい。

『This Year's Model』(1978年)
This Year's Model

『Get Happy!!』(1980年)
Get Happy (Bonus CD) (Dlx)

『Imperial Bedroom』(1982年)
Imperial Bedroom

『Blood & Chocolate』(1986年)
Blood & Chocolate (Dig) (Spkg)

『Spike』(1989年)
Spike (Bonus CD)

Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)
Wise Up Ghost
posted by ez at 02:49| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月13日

Miki Howard『Miki Howard』

キャリアの代表作☆Miki Howard『Miki Howard』

発表年:1989年
ez的ジャンル:クワイエットストーム系女性R&B
気分は... :クワイエットストーム...

今回は80年代クワイエットストーム作品からMiki Howard『Miki Howard』(1989年)です。

Miki Howardは1960年シカゴ生まれの女性R&Bシンガー。

1980年、Sylvia St. Jamesに代わってAugie Johnson率いるヴォーカル・グループSide Effectに加入。『After the Rain』(1980年)、『Portraits』(1981年)、『All Aboard』(1982年)という3枚のアルバムに参加しています。

そして、Side Effect解散後にソロ活動を開始し、1986年にソロ・デビュー・アルバム『Come Share My Love』をリリース。

続く2nd『Love Confessions』(1987年)、3rd『Miki Howard』(1989年)、4th『Femme Fatale』(1992年)という3枚のアルバムはUS R&Bアルバム・チャートTop10に入っています。

本作『Miki Howard』(1989年)は、US R&Bアルバム・チャート第4位となったMiki Howard最大のヒット作です。

個人的にリアルタイムでよく聴いていたの2ndは『Love Confessions』(1987年)でしたが、アナログ盤しか保有しておらず、CDで聴いたMiki Howard作品となると、本作『Miki Howard』(1989年)となります。

一般的にも彼女の代表作といえば、本作になると思います。

本作からは「Ain't Nuthin' In The World」「Love Under New Management」「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」という3曲のUS R&BチャートTop3ヒットが生まれています。

メイン・プロデュースはJon Nettlesbey/Terry Coffey。また前作も手掛けていたGerald LevertMarc GordonNick Martinelliが引き続き起用されています。さらにはCameoLarry Blackmonも1曲プロデュースしています。

「Ain't Nuthin' In The World」のようなNJSも収録されていますが、基本は前作『Love Confessions』の流れを汲むクワイエットストーム路線のアルバムに仕上がっています。

個人的には「If You Still Love Her」「Come Home To Me」という冒頭2曲のクワイエットストーム感がサイコーです。

Gerald Levertとのデュエット「I'll Be Your Shoulder」Gerald LevertEddie LevertThe O'Jays)、Sean LevertLevert)というLevert親子がバック・コーラスを務める「Just The Way You Want Me To」Larry Blackmonプロデュースのメロウ・バラード「Who Ever Said It Was Love」あたりもおススメです。

Miki Howardらしいクワイエットストーム・ワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「If You Still Love Her」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。Brandon Fieldsの素敵なサックスと共に始まるクワイエットストーム好きには大満足のなオープニング。アルバム全体の雰囲気を印象づけます。
https://www.youtube.com/watch?v=TYDPZux5llA

「Come Home To Me」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。アルバムからの4thシングル。ヒットはしませんでしたが、ヒットした3曲以上にクワイエットストームした1曲に仕上がっています。今聴いても実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=xROGGSQIV-4

「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。Stevie Wonderらソングライティングを手がけたAretha Franklinの大ヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Let Me in Your Life』(1973年)収録。Mikiヴァージョンもアルバムからの3rdシングルとしてUS R&Bチャート第3位のヒットとなりました。Arethaのオリジナルの雰囲気をクワイエットストーム仕立てにしつつ、この時代らしいビートをうまく調和させています。
https://www.youtube.com/watch?v=LIariiiNQpw

Aretha Franklin「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」
 https://www.youtube.com/watch?v=bJZwcaWResA

「Ain't Nuthin' In The World」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。アルバムからの1stシングルとしてUS R&Bチャート第1位のヒットとなりました。この時代らしいNJSです。ただし、当時も今もMiki HowardにNJSは求めておらず、その意味は個人的にビミョーな1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=6UOOD-vS5XE

「Love Under New Management」
Nick Martinelliプロデュース。アルバムからの2ndシングルとしてUS R&Bチャート第2位のヒットとなりました。ヒットした3曲の中では最もオーセンティックなバラードに仕上がっています。彼女の伸びやかなヴォーカルを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=WPIDT774GP4

Miss Jones、Keke Wyattがカヴァーしています。また、Knxwledge.「Listen」のサンプリング・ソースとなっています。重厚なバック・コーラスも含めて、素晴らしいヴォーカルに魅了されます。
Miss Jones「Love Under New Management」
 https://www.youtube.com/watch?v=5IX2N9YWyBY
Keke Wyatt「Love Under New Management」
 https://www.youtube.com/watch?v=pXYPbnEniQo
Knxwledge.「Listen」
 https://www.youtube.com/watch?v=13lgrG9K7gs

「I'll Be Your Shoulder」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。Gerald Levertがフィーチャリングされています。当時はLevert絶頂期であり、その好調ぶりが反映された素敵なデュエットに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=N39sRJVgku4

「Love Me All Over」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。後にソロ・デビューする男性R&BシンガーKeith Washingtonがバック・ヴォーカルで参加しています。この時代らしいNJSであり、アルバムの構成上、こういったアップが必要だったのかもしれませんが、前述のように個人的にはビミョーです。
https://www.youtube.com/watch?v=nKfVKl17O_k

「Mister」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。本作のダンサブル・チューンではコレが一番好きです。Mikiの持ち味を生かしたダンサブル・チューンに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=3YrdoLM0w_0

「Just The Way You Want Me To」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。Geraldに加えて、Gerald Levertの父、The O'JaysのEddie Levert、さらには弟でありLevertメンバーのSean LevertというLevertファミリーがバック・ヴォーカルで参加しています。正統派のソウル・バラードは実に安定感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=THvdct-aIt8

「Who Ever Said It Was Love」
Larry Blackmon(Cameo)プロデュース。ソングライティングはMiki Howard自身。Cameo作品に数曲入っているメロウ・バラードがお好きな人であれば、気に入るであろうブラコン調の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=PkxUayrlpSo

Miki Howardの他の初期作品もチェックを!

『Come Share My Love』(1986年)


『Love Confessions』(1987年)


『Femme Fatale』(1992年)
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2021年04月30日

Prefab Sprout『Swoon』

青臭さが魅力のデビュー・アルバム☆Prefab Sprout『Swoon』

発表年:1984年
ez的ジャンル:魔法のメロディ系UKロック/ポップ
気分は... :特別な存在であることには耐えられない!

今回は久々のPrefab Sproutです。
セレクトしたのはデビュー・アルバム『Swoon』(1984年)です。

これまで当ブログで紹介してきたPrefab Sprout作品は以下の6枚(発売順)。

 『Steve McQueen』(1985年)
 『From Langley Park to Memphis』(1988年)
 『Protest Songs』(1989年)
 『Jordan:The Comeback』(1990年)
 『Andromeda Heights』(1997年)
 『Let's Change the World with Music』(2009年)

Kitchenware RecordsからリリースされたPrefab Sproutのデビュー・アルバム『Swoon』

本作におけるメンバーは、Paddy McAloonMartin McAloonWendy Smithという三人。次作『Steve McQueen』(1985年)からドラムのNeil Contiが加入することになります。

プロデュースはDavid BrewisPrefab Sprout
ソングライティングはすべてPaddy McAloonが手掛けています。

Thomas Dolbyプロデュースによる次作『Steve McQueen』(1985年)のような完成度はありませんが、逆に完成されていないプリミティブな魅力に溢れています。

シングルにもなった「Don't Sing」「Couldn't Bear to Be Special」、名曲の誉れ高い「Cruel」あたりに注目が集まるかもしれないですが、個人的には「Cue Fanfare」「Here on the Eerie」「I Never Play Basketball Now」あたりも好きです。

アルバムはUKアルバム・チャート第22位となっています。

Prefab Sproutの初期衝動的な魅力を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Don't Sing」
アルバムからの1stシングルにもなったオープニング。ネオアコ風のイントロに続き、彼ららしい独特のメロディ&ヴォーカル・ワークで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-IpBRMm_QAg

「Cue Fanfare」
大好きな1曲。Wendyの透明感のある女性コーラスが映えるメロウ・ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=NTdssoO6I_s

「Green Isaac」
抑えたトーンの前半から一転、後半は突如テンポアップしてビートを効かせたポップ・ロックへ!
https://www.youtube.com/watch?v=tAE73x1V5RI

「Here on the Eerie」
カッティング・ギターが格好良い、Prefab Sprout流シティ・ポップといった趣の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mtDtuPWrFwg

「Cruel」
名曲の誉れ高い人気曲。メロウ・サウンドと優しいメロディが調和したPrefab Sproutらしい音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=1T_GU1rwkYQ

「Couldn't Bear to Be Special」
アルバムからの2ndシングル。Prefab Sproutらしい少しミステリアスなドリーミー・ワールドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=cSYLQUcUou8

「I Never Play Basketball Now」
青臭い疾走感が魅力のネオアコ・チューン。こういうのも嫌いじゃありません。
https://www.youtube.com/watch?v=rINf4QczebU

「Ghost Town Blues」
アルバムの中では変化球といった位置づけのポップ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=EAnB4Zc373c

「Elegance」
Paddy McAloonらしいメロディを楽しめる、Prefab Sproutファンには間違いない爽快ポップ・ワールドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=xCAhv1wOheA

「Technique」
緩急で遊んでいるような、まさに技巧派ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uUcdQ6xDyP4

「Green Isaac II」
「Green Isaac」のパート2。こちらはロマンティックな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=gx6_au1-kk0

Prefab Sproutの過去記事もご参照下さい。

『Steve McQueen』(1985年)
スティーヴ・マックイーン

『From Langley Park to Memphis』(1988年)
From Langley Park to Memphis

『Protest Songs』(1989年)
プロテスト・ソングス(紙ジャケット仕様)

『Jordan:The Comeback』(1990年)
Jordan: The Comeback

『Andromeda Heights』(1997年)
Andromeda Heights

『Let's Change the World with Music』(2009年)
レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック
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