2023年11月01日

Dave Hollister『Ghetto Hymns』

元Blackstreetのデビュー・ソロ・アルバム☆Dave Hollister『Ghetto Hymns』

発表年:1999年
ez的ジャンル:男性R&Bシンガー
気分は... :ゲットーに生きる!

Blackstreetの男性R&BシンガーDave Hollisterのデビュー・ソロ・アルバム『Ghetto Hymns』(1999年)です。

1968年シカゴ生まれの男性R&BシンガーDave Hollisterの紹介は、2ndアルバム『Chicago '85... The Movie』(2000年)に続き2回目となります。

Blackstreetで大成功を収めながら、あっさりと脱退してソロに転向してしまったDave Hollister

そのDave Hollisterとソロ・アーティスト契約したのがDef Squad/Dreamworks
特にEPMDErick Sermonが率いるDef Squadと組んだのは少し意外な気もしました。

ソロ・デビュー・アルバムとなる本作『Ghetto Hymns』(1999年)は、US R&Bチャート第5位となり、ゴールド・ディスクを獲得しました。

アルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーとして、Dave HollisterErick SermonBernard Alexanderの3人が名を連ねます。ここでもDef Squad色を感じますね。

アルバムにはDef Squadの中核アーティストの一人であるRedman、人気ラッパーToo $hortJazze Phaがフィーチャリングされています。

また、Dave Hollister自身を含め、Erick SermonRedmanJazze PhaKen FambroStevie JMarc KinchenTeddy BishopEric WilliamsWesley HoggesGene Peoples"Spanky" WilliamsJohn MitchellDarrell "Dezo" AdamsTim & Bob(Tim Kelley/Bob Robinson)と多彩なプロデューサーが起用されています。

US R&Bチャート第10位のヒットとなった「My Favourite Girl」「Can't Stay」「Baby Mama Drama」という3曲がシングル。

個人的にはそれ以上に、Too $hortをフィーチャーし、Suzanne Vega「Tom's Diner」のフレーズも聴こえてくる「Came In The Dooor Pimpin'」Jazze Phaをフィーチャーしたダンサブル・トラック「Round And Round」The Crusaders feat. Bill Withers「Soul Shadows」をサンプリングした「Call On Me」Michael McDonald「I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)」ネタの「Keep Forgettin'」、さり気なさが魅力の「The Program」、ヒットした「My Favourite Girl」のリミックス「I'm Sorry (My Favorite Girl Remix)」あたりがお気に入りです。

全体的に少し地味な印象があり、昔はそこに引っ掛かりがあったのですが、今聴くとその地味さが逆に丁度良く感じるようになりました。

派手さはなくとも聴き応えのある1枚をぜほお試しあれ!

全曲紹介しときやす。

「Ghetto Hymns (The Introduction)」
Redmanをフィーチャーしたイントロ。プロデュースもRedman。Johnny "Guitar" Watson「It's All About You」をバックにRedmanがアルバムを紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=ocAuHUabaCM

「Came In The Dooor Pimpin'」
Too $hortをフィーチャー。Jazze Pha/Ken Fambroプロデュース。琵琶のような弦の音がアクセントになっているミディアム。Too $hortのラップもフィットしています。途中、Suzanne Vega「Tom's Diner」のフレーズが聴こえてくるのも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ERoYa9T7d9A

「My Favourite Girl」
Stevie J/Marc Kinchenプロデュース。アルバムからのリード・シングルとしてUS R&Bチャート第10位のヒットとなりました。シングルとしては少し地味にも思える哀愁ミディアムですがジワジワきます。終盤のギター・ソロも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-cgzALRu1J4

Mercedes feat. Master P「It's Your Thing」等でサンプリングされています。
Mercedes feat. Master P「It's Your Thing」
 https://www.youtube.com/watch?v=_m_WTFUf_RY

「Round And Round」
Jazze Phaをフィーチャー。Jazze Pha/Teddy Bishopプロデュース。90年代末ですが2000年代R&Bへの扉を開けるようなダンサブル・トラック。今回聴き直して一番フィットしたのがこのトラックかも?
https://www.youtube.com/watch?v=ctYDF-6fQbQ

「Baby Mama Drama」
Eric Williams/Wesley Hoggesプロデュース。3rdシングルにもなりました。悪くはありませんが、あまりシングル向けのトラックには思えない気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=5_dLTUxDZpc

「It's Alright (Bonus Hymn)」
Gene Peoples/"Spanky" Williamsプロデュース。Dave Hollisterらしい雰囲気に満ちたミディアム・バラード。CDでは前曲「Baby Mama Drama」と本曲が1トラックになっているのですが、別トラックにして欲しかったですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vdVYXtXGqjA

「Cheaterlude (Interlude)」
Dave Hollisterプロデュース。Ernest Franklin「There's a Leak in This Old Building」ネタを用いたゴスペル・モードのインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=i1RaoldS1-0

「Can't Stay」
Gene Peoples/Dave Hollisterプロデュース。アルバムからの2ndシングル。美しいストリングスを配した感動ソウル・バラード。素晴らしいヴォーカル・ワークにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=ljyzudlJLvU

「Bring It To Dave (Interlude)」
Dave Hollisterプロデュース。インタールード扱いなのが勿体ない気がするソウルフル・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=jiFeVXLjEqU

「Call On Me」
Erick Sermon/Dave Hollisterプロデュース。The Crusaders feat. Bill Withers「Soul Shadows」、Run-D.M.C.「Rock Box」をサンプリングしたトラックが印象的な哀愁ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=o1o39iT4ezI

「Missin' You」
Erick Sermon/Dave Hollisterプロデュース。The Rimshots「Revelation」をサンプリング。雰囲気のある哀愁R&Bバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=Nb6A30tIGsI

NxWorries「Suede (Uptwnmixx)」のサンプリング・ソースになっています。
NxWorries「Suede (Uptwnmixx)」
 https://www.youtube.com/watch?v=B2OBmJr2XzI

「Keep Forgettin'」
US男性R&BシンガーChuck Jackson、1962年のシングル曲をカヴァー(Jerry Leiber/Mike Stoller作)。それよりもMichael McDonald「I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)」の元ネタ曲のカヴァーという説明の方がわかりやすいかもしれませんね。その「I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)」のフレーズも織り交ぜた印象的なミディアム・バラードに仕上がっています。Dave Hollisterプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=B32lkTdWcRg

「Come Inside My Room (Interlude)」
John Mitchellプロデュース。雰囲気のあるインタールード。このトラックもインタールード扱いせずに作り込んでも良かった気が・・・
https://www.youtube.com/watch?v=RlTc8rk8F34

「The Program」
Erick Sermon/Dave Hollisterプロデュース。さり気ないですがDave Hollisterのシンガーとしての魅力を実感できるトラックだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=AexMraAdDe0

「My Feelin's」
Darrell "Dezo" Adamsプロデュース。スリングスを配した壮大なスケール感のあるドラマティック・バラード。個人的には仰々しいバラードは苦手なのですが、Hollisterにはこういうのが似合う気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=dsf-B1E4v3U

「Respect To Him (Outro)」
Dave Hollisterプロデュース。本編ラストはゴスペル調の感動バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kJASW3Jz_Lw

「I'm Sorry (My Favorite Girl Remix)」
Tim & Bobプロデュース。ヒットした「My Favourite Girl」のリミックス。僕の好みでいえば、本編以上にこちらのリミックスの方がお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=zC5CdpULc5M

Dave Hollisterの他作品もチェックを!

『Chicago '85... The Movie』(2000年)
シカゴ’85・・・ザ・ムーヴィー

『Things in the Game Done Changed』(2002年)
Things in the Game Done Changed

『Real Talk』(2003年)
Real Talk by Dave Hollister (2003-11-11)

『The Book Of David Vol.1 The Transition』(2006年)
The Book of David: Vol. 1 The Transition by Dave Hollister (2006-09-26)

『Witness Protection』(2008年)
Witness Protection

『Chicago Winds...The Saga Continues』(年)
Chicago Winds...The Saga Continues by Dave Hollister

『The Manuscript』(2016年)
The Manuscript
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2023年09月27日

B.B.O.T.I.『Badd Boyz Of The Industry』

DJ Jazzy Jeffらがプロデュース☆B.B.O.T.I.『Badd Boyz Of The Industry』

発表年:1993年
ez的ジャンル:90年代男性R&Bグループ
気分は... :しなやかに跳ね返す!

90年代男性R&Bグループ作品からB.B.O.T.I.『Badd Boyz Of The Industry』(1993年)です。

B.B.O.T.I.『Badd Boyz Of The Industry』

B.B.O.T.I.Eugene BrooksShon EvansShydi EvansDamian JohnsonAnthony Walkerの5名から成る男性R&Bグループ。

映画『Posse』(1993年)のサントラに「One Night Of Freedom」が収録されたことでチャンスを掴み、制作されたデビュー・アルバムが本作『Badd Boyz Of The Industry』(1993年)です。結局これがグループ唯一のアルバムとなってしまいました。

B.B.O.T.I.自身がプロデュースを手掛ける他に、DJ Jazzy Jeff(Jeff Townes)James PoyserMarc GordonLevert)、Victor Emanuel CookeJon GassLindsay Guionrong>、Martin BlocksonDamian Johnsonがプロデュースを手掛けています。特にDJ Jazzy Jeffが気になりますね。

アルバム全体としてはB級男性R&Bグループ作品といった印象ですが、B級ならではの魅力があります。

前述のサントラ収録曲「One Night Of Freedom」DJ Jazzy Jeff絡みのトラックらしくHip-Hopフィーリングを持った「Badd Boyz Of The Industry」「Da Choice Is Yours」Babyfaceのカヴァー「Where Will You Go」、僕好みのミディアム・グルーヴ「Addicted To You」、オーセンティックなラブ・バラード「Baby, Hold On」あたりがオススメです。

90年代男性R&Bグループ好きの方であれば楽しめる1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
Victor Emanuel Cookeプロデュース。アルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=qBWpQFNntOI

「Badd Boyz Of The Industry」
DJ Jazzy Jeff(Jeff Townes)/Victor Emanuel Cooke/B.B.O.T.I./ James Poyserプロデュース。グループ名を冠したタイトル曲はDJ Jazzy Jeff絡みのトラックらしくラップ、スクラッチを織り交ぜたHip-HopフィーリングのR&Bグルーヴで躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=UuaLbrTX73s

「Nasty」
DJ Jazzy Jeff(Jeff Townes)/Victor Emanuel Cooke/B.B.O.T.I./ James Poyserプロデュース。前曲と同じ制作陣ですが、こちらは甘く危険な香りのするバラード。こういった雰囲気もこの時期の男性R&Bグループらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iid_k8R2Njw

「Where Will You Go」
Jon Gass/Lindsay Guionプロデュース。Babyfaceのカヴァー。オリジナルはアルバム『Tender Lover』(1989年)収録。しみじみ聴かせるオリジナルに対して、こちらはよりドラマティックな雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=QqHChkowHWw

オリジナルと聴き比べるのも楽しいのでは?
Babyface「Where Will You Go」
 https://www.youtube.com/watch?v=V6hFwxjnEnQ

「Addicted To You」
Martin Blocksonプロデュース。ダンサブルとメロディアスのバランスが絶妙なミディアム・グルーヴ。90年代男性R&Bグループ好きの人ならば気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=GV0_ChOa_I4

「Why Does Love Hurt (So Badd)」
Marc Gordonプロデュース。哀愁モードのスロウを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=3t3yPsagQ6c

「Da Choice Is Yours」
DJ Jazzy Jeff(Jeff Townes)/Victor Emanuel Cooke/B.B.O.T.I./ James Poyserプロデュース。このトラックもDJ Jazzy Jeff絡みらしくHip-HopフィーリングのキャッチーなR&Bグルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SBCuecdbOns

「Ecstasy」
B.B.O.T.I.プロデュース。雨音の効果音と共に始まるスロウ。オーセンティックですが、そこにセクシー要素が加わることで好き/嫌いが分かれるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=IFiuCQzPtr8

「Da Format」
B.B.O.T.I.プロデュース。全編ラップ調のトラックですが、今聴くと少し古臭いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=6pKPjzwiaIA

「Baby, Hold On」
Damian Johnsonプロデュース。スロウ系では「Where Will You Go」と並ぶお気に入り。切々と熱唱するオーセンティックなラブ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=D6wf5fFduuk

「One Night Of Freedom」
B.B.O.T.I.プロデュース。ラストは前述の映画『Posse』サントラ収録曲。グループの代表曲と呼べるダンサブルなR&Bグルーヴにはクラシックの風格があります。
https://www.youtube.com/watch?v=UC5x1-byvTc

NHK『明鏡止水』を見ていました。
ラグビーを武術の視点で分析する回でしたが、両者の共通点・接点が見えて面白かったですね。物事を全く別の角度が眺めてみる重要性を再認識できました。
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2023年08月09日

Y.T. Style『The Concept』

クリーヴランドの男性R&Bグループ☆Y.T. Style『The Concept』

発表年:1993年
ez的ジャンル:US男性R&Bグループ
気分は... :大蛍 ゆらりゆらりと 通りけり・・・

90年代R&BからY.T. Style『The Concept』(1993年)です。

Y.T. Styleはオハイオ州クリーヴランドで結成された男性R&Bグループ。

メンバーはToney "Your Tease" FieldsMershell "Your Type" McCannJeffrey "Your Tonite" RussellAntoine "Your Truly" Footeという4名。

そんなY.T. Style唯一のアルバムが『The Concept』(1993年)。
Atlantic傘下のThird Stone Recordsからのリリースです。

メイン・プロデュースはTeddy BoldenJohnny Bloden

アップ系であれば、シングルにもなった「You'll Never Find Another」、ファンキーなオープニング「Wrath Of The Daddy Mack」、スロウ系であれば、「It's O.K.」「Love Alibi」「What Can I Do」がオススメです。ポップな「That Girl」あたりも楽しめます。

派手さはありませんが、90年代男性R&Bグループ好きであれば楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Wrath Of The Daddy Mack」
ファンキーに疾走するR&Bグルーヴがオープニング。ラップ・パートもあります。この時代にありがちなダンサブル・チューンですが、90年代R&B好きにはコレがいいんです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=vDqF48VtGvQ

「12, 15, 22, 5」
独特の雰囲気を持ったミディアム・グルーヴ。少し不気味な感じが逆に印象に残るかも?
https://www.youtube.com/watch?v=XMcFbbys1PQ

「You'll Never Find Another」
シングルにもなったキャッチーな爽快R&Bグルーヴ。ダンサブルとメロディアスのバランスが絶妙です。90年代R&B好きならば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=JjXfURDfTkM

「Sexy」
タイトルの通りセクシーR&Bグルーヴ。90年代男性R&Bならではの甘く危険な香りが漂います。

「It's O.K.」
さり気なさが魅力のメロウ・バラード。リード・ヴォーカルの弱さが少し気になりますが、雰囲気は悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=tlbWllFrtDg

「Love Alibi」
僕好みのスロウ。ヴォーカル・ワークとサウンド・プロダクションがいいですね。このタイプがあと1、2曲が欲しかった気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=mVsu08CYqtE

「Sugar Baby」
ヴォーカル・ワークを活かしたミディアム・グルーヴ。適度にポップなのがいいですね。

「What Can I Do」
この曲のみDavid Lee Stewartプロデュース。ツイン・リードのビューティフル・バラード。シングル向きのキャッチーな仕上がりです。

「That Girl」
ラップも交えたポップR&Bなダンサブル・チューン。このグループの持つポップな側面を堪能できます。

「Y.T.'s Groove」
ラストはラップ&スクラッチ多めのダンサブル・チューンで締め括ってくれます。90年代好きであれば、こういうのも気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Dsv_QDsViBE

なんだかんでFIFA女子ワールドカップの試合を観てしまいます。
FIFAサイトの無料ライブ配信は解説なしの実況のみですが、これが実に心地よい!
試合に集中するためには実況のみもアリと思えてきました。
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2023年06月14日

Public Announcement『All Work, No Play』

これがグループ本来の姿☆Public Announcement『All Work, No Play』

発表年:1998年
ez的ジャンル:男性R&Bグループ
気分は... :R. Kellyなしでも平気です!

今回は90年代男性R&Bグループ作品からPublic Announcement『All Work, No Play』(1998年)です。

Public Announcementは1991年にシカゴで結成された男性R&Bグループ。

オリジナル・メンバーはEarl RobinsonAndre BoykinsRicky Webster

彼らはR. Kellyと組み、R. Kelly & Public Announcemen名義でアルバム『Born Into the 90's』(1992年)をリリースします。

『Born Into the 90's』はUS R&Bアルバム・チャート第1位のヒットとなりましたが、この成功で名を上げたのはプロデュース/ソングライティングの大半を手掛け、リード・ヴォーカルをとったR. Kellyであり、Public AnnouncementはR. Kellyのバック・シンガー的な扱いでした。

両者のタッグはこの1作のみで、自信をつけたR. Kellyは皆さんご存知のように、ソロ名義の作品でヒットを連発するようになります。

一方のPublic Announcementは、Earl Robinson以外のメンバーを一新し、単独名義の初アルバムとなる本作『All Work, No Play』(1998年)をリリースします。

その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら、『Don't Hold Back』(2001年)、『When the Smoke Clears』(2006年)といったアルバムをリリースしています。

本作『All Work, No Play』(1998年)におけるメンバーは、Earl RobinsonFelony DavisEuclid GrayGlen Wrightという4名。

メイン・プロデュースはメンバーのEarl Robinson
それ以外にTravon PottsMike DunnM-Docもプロデュースを手掛けています。

シングル・ヒットしたのは「Body Bumpin' (Yippie-Yi-Yo)」です。

「Straight From The Heart」Con Funk Shun)、「Children Hold On (To Your Dreams)」Wee Gee)という2曲のバラード・カヴァーも注目です。

個人的にはShaq(Shaquille O'Neal)とRoger Troutmanをフィーチャーした「D.O.G. In Me」、90年代男性R&Bグループらしいミディアム・バラード「It's About Time」、ヒップホップ・ソウル調の「Why You Not Trustin' Me」Ernie Isley調のギターと共に始まる「Homey」あたりもオススメです。

R. Kellyなしでもできるところを見せた意地の1枚をぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Body Bumpin' (Yippie-Yi-Yo)」
シングル・カットされ、USチャート第5位、同R&Bチャート第4位となったヒット曲がオープニング。セクシーな楽曲をエロくなく歌っている感じがR. Kellyとは異なります(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=xyFciXV0UjY

「Turn The Hands」
切々と歌われる哀愁バラード。あまり熱唱しすぎていないのが逆にいい雰囲気を醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=4xqB7h32a48

「It's About Time」
この90年代男性R&Bグループらしいミディアム・バラード。ジワジワと込み上げてくる感じがいいですね。僕好みの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=SG1L6GJWqbE

「D.O.G. In Me」
NBAのスーパースターだったShaq(Shaquille O'Neal)とRoger Troutmanをフィーチャー。Roger大好きな僕としては本作のハイライト。Rogerのトークボックス、Shaqのラップ、女性コーラスも入り混じったG-Funk調のトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZCwA15rMKrY

「All Work, No Play」
タイトル曲はオーセンティックなミディアム・バラード。派手はありませんが、ジワジワくる高揚感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ujoWsm80eAU

「Alone」
この時代らしいセクシーなバラード。ドラマティック&エモーショナルな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=7u3WcZoYXvM

「Y To The Yippie (Step On)」
セクシーなミディアム・グルーヴ。「Body Bumpin' (Yippie-Yi-Yo)」と同じくエロくなりすぎないのがある意味魅力かも?
https://www.youtube.com/watch?v=EmIWZtB9g2A

「Straight From The Heart」
Con Funk Shunのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『7』(1981年)収録。オリジナルの雰囲気を受け継いだ素敵なスロウな仕上がっています。オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZpjlFG0BCGg

Con Funk Shun「Straight From The Heart」
 https://www.youtube.com/watch?v=KjhL8cQusZQ

「Homey」
Ernie Isley調のギターと共に始まるバラード。曲調もIsleysのバラードっぽいかもしれませんね。ヴォーカルの雰囲気はIsleysとは異なりますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=y56H7UFtCtw

「Why You Not Trustin' Me」
Rufus Blaqのラップと共に始まるヒップホップ・ソウル調の仕上がり。この妖しげな雰囲気好きです!
https://www.youtube.com/watch?v=_B0Jo3VU8N8

「Body Bumpin' (Yippie-Yi-Yo) (R&B Remix)」
「Body Bumpin' (Yippie-Yi-Yo)」のリミックス。Mingo Valentinoのラップがフィーチャリングされています。オリジナルと聴き比べるのも楽しいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=kAHkRABgtEs

「Country R&B (Interlude)」
カントリーR&B調のインタールード。

「Lonely」
優しいギターをバックに歌われる素敵なバラード。さり気ないジェントル・ムードが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=4ln1jhQ-RdM

「Children Hold On (To Your Dreams)」
The Dramaticsで知られるWee Geeのソロ曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Hold on to Your Dreams』(1979年)収録。オリジナルの雰囲気を残しつつ、より洗練されたカヴァーに仕上がっています。コーラス隊も加わったゴスペル調の感動的な後半がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nKUQMGS_bAU

Wee Gee「Children Hold On (To Your Dreams)」
 https://www.youtube.com/watch?v=C75i4Kifqac

Public Announcementの他作品もチェックを!

R. Kelly & Public Announcement『Born Into the 90's』(1992年)


『Don't Hold Back』(2001年)


『When the Smoke Clears』(2006年)
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2023年04月19日

Impromp2『You're Gonna Love It』

ジャズ×R&B×Hip-Hop☆Impromp2『You're Gonna Love It』

発表年:1995年
ez的ジャンル:ジャズ×R&B×Hip-Hop
気分は... :ジャジーHip-HopではなくジャズHip-Hop!

今回は90年代R&BからImpromp2『You're Gonna Love It』(1995年)です。

Impromp2Johnny Britt(tp、vo)とSean Thomas(vo)の2人によるユニット。

Motown傘下のレーベルMoJazzから『You're Gonna Love It』(1995年)、『Can't Get Enough』(1997年)という2枚のアルバムをリリースしています。

Sean ThomasはImpromp2結成以前に兄弟Hip-HopデュオRappinstine として活動していました。
strong>Johnny Britt
はImpromp2と並行してThe TemptationsThe WinansRay-J等のレコーディングに参加しています。

1998年にMoJazzが消滅した後も『The Definition of Love』(2003年)、『It Is What It Is』(2007年)という2枚のアルバムをリリースしています。

また、Johnny Brittは2010年代以降にソロ名義で5枚のアルバムをリリースしています。

さて、Impromp2のデビュー・アルバムとなる本作『You're Gonna Love It』(1995年)ですが、この時代らしいジャズ×R&B×Hip-Hopな1枚に仕上がっています。

プロデュースSteve Harvey

レコーディングにはメンバー以外にSteve Harvey(ds、per、key)、Roman Johnson(el-p、clavinet)、Sekou Bunch(b)、Jimmy Macon(g)、Bobby Broom(g)、Kipper Jones(back vo)、Brian Wilson(back vo)、Lysa(back vo)が参加しています。

楽曲はメンバー2人とSteve Harveyによるオリジナル。

スムーズ・ジャズ、メロウR&B、ジャズHip-Hopの融合が本作の魅力ですが、曲ごとに三者のブレンド具合を絶妙に変えているのがいいですね。

全体として良くも悪くもアーバンなメロウ&スムースに終始し、Seanのラップ調ヴォーカル(スキャット・ラップと呼ばれていたようです)が軟弱に聞こえるかもしれないので、人によってはインパクトに欠ける印象を受けるかもしれませんが、僕はこのアーバンな音世界を気に入っています。

シングル曲の「Summer Nights」「Get Me Off」、メロウR&B×ジャズHip-Hopな「Enjoy Yourself」、ヒップホップ・ソウル調の「Lovin' You」、ジャズHip-Hop色の強い「Get Down Mamma」「Pass It On」あたりが僕のお気に入りです。

ジャジーHip-HopではなくジャズHip-Hopをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Enjoy Yourself」
メロウ・トラックにのってSeanがスキャット・ラップするオープニング。メロウR&B×ジャズHip-Hopなオープニング。シンセの響きが少しG-Funk調なのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OQgw-J60whU

「We Got It Goin' On」
スムーズ・ジャズによるHip-Hop的演奏といった雰囲気のアーバン・ミディアム。ミュート・トランペットの響きがアーバン・ムードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tFcFSCXrIS4

「Lovin' You」
これはヒップホップ・ソウルとジャズHip-Hopの融合といった感じですね。バック・ヴォーカルでThe Gap BandのRonnie Wilsonの息子であるBrian Wilsonが参加。彼は兄弟でR&BグループBlu Cabを組んでいました。
https://www.youtube.com/watch?v=lGDpkatNzTY

「Get Me Off」
シングル曲。ひたすらメロウ&スムースに終始するミディアムですが、Seanによるトークボックスがいいスパイスになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JpmZOb4iczU

「Summer Nights」
シングル曲。Michael Jackson「I Can't Help It」をサンプリングしたメロウ・トラックにのってSeanがスキャット・ラップするアーバン・グルーヴ。スムーズ・ジャズ×メロウR&B×ジャズHip-Hopのバランスが絶妙ですね。このユニットの魅力を象徴する1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=VzdB2CDMWHI

「My All」
Seanのスキャット・ラップがよく似合うアーバン・グルーヴ。Johnnyのトランペット・ソロもキマっています。このトラックもバック・ヴォーカルでBrian Wilsonが参加。
https://www.youtube.com/watch?v=7F_Z23wLNL8

「You're Gonna Love It」
メロウR&B寄りの仕上がり。バック・ヴォーカルで当時僕が好きだったKipper Jonesが参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=vNgAsQCPtjc

「Get Down Mamma」
Hip-Hop好き一番フィットするのがこのトラックなのでは?Hip-Hop寄りのアシッド・ジャズあたりとセットで聴いてもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=aouLYJD2Xyo

「Pass It On」
このトラックのみソングライティングのクレジットにPuppetmasterの名があります。Guru『Jazzmatazz』好きの人は気に入るであろうジャズHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VP6MoINnWgM

Impromp2の他作品もチェックを!

『Can't Get Enough』(1997年)


『The Definition of Love』(2003年)


『It Is What It Is』(2007年)


ご興味がある方は、Johnny Brittのソロ・アルバムもチェックを!

Johnny Britt『Marvin Meets Miles』(2016年)


Johnny Britt『Marvin Meets Miles』(2018年)


Johnny Britt『Mo Jazzin』(2020年)


Johnny Britt『After We Play』(2023年)
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