2023年11月22日

Billy Cook『Certified Platinum』

ヒューストンの男性R&Bシンガーのデビュー・アルバム☆Billy Cook『Certified Platinum』
billy cook certified platinum.jpg
発表年:2000年
ez的ジャンル:ヒューストン産男性R&B
気分は... :Dedicated To Roger Troutman

今回はHip-Hop作品のフィーチャリング・アーティストとして大人気の男性R&BシンガーBilly Cookのデビュー・アルバム『Certified Platinum』(2000年)です。

Billy Cookはテキサス州ヒューストン出身の男性R&Bシンガー。

自身のソロ・アルバムも数多くリリースしていますが、それ以上にHip-Hop作品のフィーチャリング・アーティストとして売れっ子です。これまでに150近い作品でフィーチャリングされています。

そんなBilly Cookのデビュー・アルバムが本作『Certified Platinum』(2000年)です。

現在は入手がなかなか難しい1枚であり、アルバムに関する情報もあまりありません。

僕もBilly Cookをきちんと認識しているわけではありませんでしたが、CDショップでジャケ中央に(小さい文字ですが)「Dedicated To Roger Troutman,Marvin Gayeと書かれていることに気づき、それだけで購入してしまった1枚です。

アルバムは前半はHip-Hopの相性の良さを感じるミディアム・グルーヴが中心、後半がミディアム〜スロウ中心という構成です。

前半であれば、アルバムを象徴するキャッチーな「Supastar」、哀愁R&Bグルーヴ「Genie」、ラテン・フレイヴァーを効かせた「Forever Girl」、パーカッシヴながらもメロウネスを効かせた「Certified Playa」がオススメです。

後半であれば、僕の一番のお気に入り「Cafe Love」、オーセンティックな「Love Is」、90年代R&Bテイストの「Black Clouds」Marvin Gayeの名曲カヴァー「Distant Lover」がオススメです。

フィーチャリング・アーティストとしてのBilly Cookが気になる方はチェックしてみては?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「Genie」
Billy Cookプロデュース。ヒューストンのラッパーDamn Boyをフィーチャー。哀愁モードのR&Bグルーヴ。彼とHip-Hopの相性の良さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zxj9VOe6ki0

「Supastar」
Billy Cook/Sean "Solo" Jemisonプロデュース。Hip-Hop経由のミディアムR&Bグルーヴといった雰囲気で、アルバムを象徴するキャッチーなトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RBiC3LNww54

「Forever Girl」
Billy Cook/Chris Dave/Luke Austinプロデュース。少しラテン・フレイヴァーを効かせた哀愁ミディアム・グルーヴ。パーカッシヴな雰囲気が僕好み。

「Certified Playa」
Billy Cook/Chris Dave/Luke Austinプロデュース。ヒューストンのラッパーDamn Boyをフィーチャー。パーカッシヴなミディアム・グルーヴですが、ほんのりメロウネスを効かせているのが僕好み。

「Have It Your Way」
Billy Cook/Chipプロデュース。2000年代初めのR&Bのトレンドに乗ったミディアム・グルーヴ。

「Private Interview」
MyKillプロデュース。インタールード的なミディアム・スロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=XpZoOZwIZtg

「Cafe Love」
Billy Cook/Chris Howlandプロデュース。僕の一番のお気に入りのメロウ・ミディアム。純粋にBilly CookのR&Bシンガーとしての魅力を堪能できる素敵なトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=AdnbqGBEWpE

「My Song To You」
Billy Cookプロデュース。ピアノとギターをバックに切々と歌い上げる哀愁バラード。

「Love Is」
Billy Cook/Chris Howlandプロデュース。オーセンティックなラブ・バラード。こういうのも悪くありませんね。

「Black Clouds」
Billy Cook/Seanプロデュース。Cynthia Cook、Deondria Dixonをフィーチャー。90年代R&Bの香りを残すミディアム・スロウ。90年代R&B大好きな僕としてはこの雰囲気大好きです。

「Distant Lover」
本編ラストはMarvin Gayeの名曲カヴァー(Marvin Gaye/Gwen Gordy/Sandra Greene作)。オリジナルは『Let's Get It On』(1973年)収録。Bryan Leachプロデュース。お馴染みの名曲を少しイナたい雰囲気でカヴァーしています。

「Forever Girl (Latin Mix)」
「Forever Girl」のリミックス。フロア仕様のアッパー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=rRs02ACY4JA

Billy Cookの他作品もチェックを!

『R&B Gangsta』(2005年)


『The Truth』(2006年)


『Peace On Earth』(2006年)


『Kiss tha Cook』(2008年)
posted by ez at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月04日

Full Flava『Colour Of My Soul』

UK R&Bプロジェクトの第2弾☆Full Flava『Colour Of My Soul』

発表年:2003年
ez的ジャンル:UK R&Bプロジェクト
気分は... :90年代前半へタイムスリップ!

UKのR&BプロジェクトFull Flavaの第2弾アルバム『Colour Of My Soul』(2003年)です。

Full FlavaはプロデューサーRob Derbyshireを中心としたUKのR&Bプロジェクト。

これまでUKの人気レーベルDome Recordsから『Chinese Whispers』(2000年)、『Colour Of My Soul』(2003年)、『Music Is Our Way of Life』(2007年)という3枚のアルバムをリリースしています。

2ndアルバムとなる本作『Colour Of My Soul』(2003年)ですが、1st『Chinese Whispers』(2000年)以上に華のあるアルバムに仕上がっています。

プロデュースは前作と同じくRob DerbyshirePaul 'Solomon' Mullings

アルバムにはCarleen Anderson (元Young Disciples)、Alison LimerickCe Ce PenistonHazel Fernandes(元The Affair)といった90年代のUKソウル/クラブミュージック、USハウスを代表する女性アーティストがフィーチャリングされています。これら4アーティストは当ブログでも紹介済みであり、僕も歓喜してしまうメンツです。

それ以外にもRomina JohnsonDonna OdainBeverlei BrownDonna Gardierがフィーチャリングされています。

上記ジャケはUKオリジナルおよび再発国内盤CDのジャケですが、オリジナル国内盤CDのジャケは8名のフィーチャリング・ヴォーカリストが描かれたものになっています。

『Colour Of My Soul』(2003年) ※オリジナル国内盤CD


2000年代の作品ですが、90年代前半のUKソウル好きの人がハマる1枚ではないかと思います。

個人的にはCarleen Anderson をフィーチャーした「Stories」「You Are」Alison Limerickをフィーチャーした「Perfect Love」Ce Ce Penistonをフィーチャーした「For My Baby」「I Think About Him」がお気に入り。この3アーティストのシンガーとしての魅力がよく分かると思います。

それ以外にBeverlei Brownをフィーチャーした「Love Holds No Limit」Romina Johnsonをフィーチャーした「Round And Round」Donna Odainをフィーチャー「Make It Right」もオススメです。

自分の90年代好き、UKソウル好きを再認識できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Stories」
Carleen Andersonをフィーチャー。90年代UKソウル好きの人ならば気に入るであろう、Carleen Andersonならではのソウルネスを感じるミディアム・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=l5nOEs_WU90

「Round And Round」
Romina Johnsonをフィーチャー。2Stepを代表するユニットArtful Dodgeの作品参加などで知られる女性シンガー。コンテンポラリー感のあるミディアムR&Bグルーヴ。時代左右されすぎないサウンドなので今聴いても違和感ありません。
https://www.youtube.com/watch?v=B9j95RJgQfU

「Make It Right」
Donna Odainをフィーチャー。90年代UKソウルらしさを感じるミディアム・グルーヴ。洗練されたダンサブル・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-ovkojphLZU

「Love Holds No Limit」
Beverlei Brownをフィーチャー。コレはモロに僕好みのグルーヴィーUKソウル。何の予備知識もなく聴いたら、90年代前半のUKソウルと勘違いしそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9yE-AsyzNww

「Nature Boy」
当ブログでも紹介したUK R&B男女デュオThe Affairの元メンバーHazel Fernandesをフィーチャー。Nat "King" Coleの全米No.1ヒットで知られる名曲カヴァーです(Eden Ahbez作)。本ヴァージョンのお手本となっているのはアルバム『In Flight』(1977年)に収録されたGeorge Bensonヴァージョンだと思われます。Hazel Fernandesの妖艶なヴォーカルを堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=UWoNyZCyelY

George Bensonヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?
George Benson「Nature Boy」
 https://www.youtube.com/watch?v=TB68gc7i4YE

「Perfect Love」
90年代に人気を博したUK女性シンガーAlison Limerickをフィーチャー。愛しい思いが伝わってくる、甘く切ないミディアム・グルーヴ。ダンサブルなイメージが強いAlison Limerickでsyが、こういうラブソングもいいですね。Alison Limerick大好きな僕としては大満足です。
https://www.youtube.com/watch?v=AXHKgudIzK8

「For My Baby」
90年代のUSハウス・ディーヴァCe Ce Penistonをフィーチャー。この人もアッパーなダンス・チューンを期待してしまいがちですが、少しテンポを落としたミディアム・グルーヴをソウルフルに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dlnsZ9IDWqM

「You Are」
Carleen Anderson をフィーチャー。いかにもCarleen Anderson らしい雰囲気の絶品ミディアム・グルーヴ。彼女ならではのコクのあるソウルフル・ヴォーカルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=05mmd8l4Y58

「I'm Not Giving Up (This Feeling)」
Alison Limerickをフィーチャー。アコースティックな質感が印象的な哀愁ソウルを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=qQZ4dFnk_bI

「I Think About Him」
Ce Ce Penistonをフィーチャー。軽やかでダンサブルなのに、どこか寂しげな哀愁グルーヴ。切々としたリード・ヴォーカルとキュート&キャッチーなバック・コーラスの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=fDfAy3Z6sX0

「Colour Of My Soul」
前作『Chinese Whispers』にも参加していたDonna Gardierをフィーチャー。本編ラストは味わい深いミディアム・バラードでしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=5aSPoRukeqk

国内盤再発CDには「Stories (Ruff N Tumble Remix)」「For My Baby (Ruff N Tumble Remix)」「Make It Right (DLO Mix)」といったリミックス3トラックがボーナス・トラックとして追加収録されています。

「For My Baby (Ruff N Tumble Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=p80L8okvBRQ

ご興味のある方はFull Flavaの他作品もチェックを!

『Chinese Whispers』(2000年)


『Music Is Our Way of Life』(2007年)


『Refreshed (remixes)』(2021年)
posted by ez at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年07月26日

Don-E『Try This』

Dome移籍第一弾☆Don-E『Try This』

発表年:2005年
ez的ジャンル:UKネオソウル
気分は... :莫妄想・・・

今回はUKネオソウル作品、Don-E『Try This』(2005年)です。

UK南ロンドン、ブリクストン出身のR&Bシンガー/マルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサーであり、UKソウルのディーヴァBeverley Knightの従兄弟であるDon-E(本名:Donald McLean)の紹介は、『Natural』(2008年)に続き2回目となります。

UKの良質レーベルDomeへの移籍第一弾アルバムとなった本作『Try This』(2005年)。

2ndアルバム『Changing Seasons』(1995年)以来、約10年ぶりの3rdアルバムとなりました。その間はプロデューサー、ソングライティング、プレイヤー、客演といった裏方的な活動が中心でした。

本作について、D'AngeloRahsaan Patterson
の流れを汲むUKネオソウルと形容されることが多いですが、裏方的活動の中でDon-Eスタイルのネオソウルを育んでいたのかもしれませんね。

プロデュース/ソングライティング(共作含む)はDon-E自身。

アルバムにはUKソウルの重鎮Omar、USラッパーMF GrimmLornette Fordがゲスト参加しています。

そのゲスト陣が参加した「No Reason」「Slow!」「All We Need」の3トラックが目立ちます。

それ以外であれば「Bus Stop!」「Keep On Luvin U」「I Do」「Hott Honey」「Walk In My Shoes」あたりがオススメです。

D'AngeloRahsaan Patterson好きの方はチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Sickest Style (Interlude)」
多重録音による一人ア・カペラの短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=VeUYRG7O-a4

「Walk In My Shoes」
疑似ライヴ風の仕上がり。臨場感のあるグルーヴ、浮遊する鍵盤、Don-Eのヴォーカルの一体化しているのがいいですね。デビュー当時のD'Angeloの肌触りを思い出します。
https://www.youtube.com/watch?v=tANsAAvmQTA

「Bus Stop!」
Rahsaan Pattersonに通じる美学を感じるネオソウルは僕好み。Rahsaan Pattersonほどの妖しさはありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=GKhq-1ZtKh4

「No Reason」
Omarをフィーチャー。プロデュース/ソングライティングもOmarと共同です。Omar色がよく出たトラック。あえてOmarスタイルにDon-Eが乗ったかたちですね。やはりアルバムで最も目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=KDKoBtidj-U

「Keep On Luvin U」
軽くGo-Goのエッセンスを取り入れたファンキー・チューン。D'Angelo好きの人は気に入るのでは?ここでのDon-Eは少し妖しい雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=ACLjy3zKxtY

「Slow!」
Lornette Fordをフィーチャーしたメロウなミディアム・グルーヴ。艶やかなLornette Fordの女性ヴォーカルとDon-Eのヴォーカルの相性は抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=ryn4g_LOlPo

「I Do」
ネオソウルらしいスロウ。これもD'Angeloの影響を感じます。ネオソウル・シンガーとしてのDon-Eの魅力を満喫できます。

「All We Need」
MF Grimmをフィーチャー。メロウでキャッチーなR&Bグルーヴ。MF Grimmのラップがいいアクセントになっています。ポジティヴまヴァイヴがあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yiuvymTI8JI

「Rising」
Rahsaan Pattersonライクなスロウ。さり気ないホーンもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=GkWYO2EOLvM

「One More Time」
ダンサブルなミディアム・グルーヴ。悪くないけど何かが足りない気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=fYZNc02kLig

「Let Me Be Yours」
アコギによるフォーキー・ネオソウル。アンプラグドな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=ITqA7j1QIrs

「Hott Honey」
僕好みのメロウなミディアム・グルーヴ。さり気ないですがDon-Eのセンスの良さを感じます。思わずハンドクラップしてしまいます!
https://www.youtube.com/watch?v=T9jybxZOQgI

「How I Feel」
ロッキン・ギターが印象的な哀愁グルーヴ。ロッキンなテイストは当時僕が好きだったネオソウル・アーティストVan Huntに通じるものがあります。

「See What I See」
オープニングに続き多重録音による一人ア・カペラで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=V3bivfb5tWs

「Lonely」
派手さはありませんがクセはあるミディアム。そのせいか聴き入ってしまいます(笑)

「Try This」
本編ラストはタイトル・トラック。プログラミングも織り交ぜたリズミックなトラック。CD上は8分超のトラックですが、半分はシークレット・トラックのような感じです。こういう仕掛けは使いづらいので避けて欲しいですね。サプライズで魅力が半減してしまう・・・
https://www.youtube.com/watch?v=FGXGCHIL2FM

「Slow! (Atomic Dread Remix)」
国内盤CDボーナス・トラックその1。「Slow!」のリミックス。(多分)Zapp「Computer Love」ネタを織り交ぜながら、骨格を強調したトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_Kc0beMsRuI

「One More Time (Loose Vibez Mix)」
国内盤CDボーナス・トラックその2。「One More Time」のリミックス。オリジナル・トラックに対して何かが足りない気も・・・と書きましたが、このリミックスは足りない部分が補われている気がします。断然コチラが良いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=t07fQlg1Rh0

Don-Eの他作品もチェックを!

『Unbreakable』(1992年)
Unbreakable

『Changing Seasons』(1995年)
Changing Seasons

Suv + Don-E『Rhythm 'N' Bass』(2007年)
Rhythm & Bass

『Natural』(2008年)
Natural

『Try This』(2005年)
Try This

『Little Star』(2013年)
Little Star by Don-E (2013-05-03)

『Future Rare Grooves』(2014年)
Future Rare Grooves By Don-e (2014-09-01)

『Future Rares 2!』(2015年)
Martian Arts [12 inch Analog]
posted by ez at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月31日

Jazzhole『Poet's Walk』

成熟を感じる5th☆Jazzhole『Poet's Walk』

発表年:2006年
ez的ジャンル:N.Y.ジャジー&ソウル・バンド
気分は... :抑えたトーンで・・・

今回はN.Y.出身のAcid JazzグループJazzholeの5thアルバム『Poet's Walk』(2006年)です。

Marlon SaundersWarren RosensteinJohn Pondelらを中心としたユニットThe Jazzholeの紹介は、デビュー・アルバム『The Jazzhole』(1994年)、『...And The Feeling Goes Round』(1995年)に続き2回目となります。

デビュー当初は、生音ジャズとHip-Hopビートを融合させたAcid Jazzバンドというイメージでしたが、5thアルバムとなる本作『Poet's Walk』(2006年)はかなり落ち着いた成熟したバンドという印象を受けました。基本はジャズとソウルですが、ブラジル音楽、レゲエ等のエッセンスも取り入れているトラックもあります。

本作のメンバーは、Mark Robohm(ds)、David Inniss(b)、John Pondel(g)、David Sancious(key)、Daniel Sadownick(per)、Peter Mark(per)、Marlon Saunders(vo)という7名。

それ以外にAhmed Best(ds、b、el-p)、Dave Binney(sax)、Michal Cohen(vo)、Warren Rosenstein(clavinet、prog、syn)、David Whitworth(back vo)、Billy Baker(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

本作で印象的なのが、「Lowdown」Boz Scaggs)、「Do It Right」The S.O.S. Band)という有名曲カヴァー2曲。ただし、2曲ともオリジナルを雰囲気を受け継ぐものではなく、派手さはなくともJazzholeならではのカヴァーに仕上げています。

それ以外のトラックも、派手さはありませんが、抑えたトーンのシブい魅力にグッときます。

成熟したJazzholeを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Poet's Walk」
落ち着きのあるジャジー&メロウなインストがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=7lydX31osEM

「All The Ways」
Marlon Saundersのビターなソウルフル・ヴォーカルがいい感じのメロウなミディアム・グルーヴ。派手さはありませんが、このシブさがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=P0arJ1vKstI

「Jonesing」
軽快ながらも抑えたトーンのヴォーカル&演奏が印象的です。その分、伸びやかなサックス・ソロが目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=89gSMVZiCsQ

「Lowdown」
Boz Scaggs、1976年の大ヒット曲をカヴァー(Boz Scaggs/David Paich作)。名曲カヴァーですが、ここでも本作らしくシブいトーンでカヴァーしています。予備知識がなければ、「Lowdown」だと気づかない人もいるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NH5iAr2mQlo

「One More Time」
本作らしい抑えたトーンのファンキー・メロウ。逆にMarlon Saundersのソウルフル・ヴォーカルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=-O09KqapeAY

「It Would Have Been Enough」
Michal Cohenの女性ヴォーカルが加わり、Marlon Saundersとデュエットするボッサ・メロウ。ボッサ好きの僕には嬉しい1曲。John Pondelのメロウ・ギターにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=w-zz7nyYdnU

「The Slipping Of Time」
John Pondelのアコースティック・ギターをバックに、Marlon Saundersが切々と歌い上げるメロウなラブソング。シンプルだかこそグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=3228NuDgHkI

「Do It Right」
The S.O.S. Band、1980年の大ヒット曲「Take Your Time (Do It Right)」をカヴァー(Sigidi Abdullah/Harold Clayton作)。お馴染みのダンス・クラシックをブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・チューンで聴かせてくれます。一筋縄でいかないところがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GGyDG9jepzE

「Timeless」
アンプラグドな質感が印象的なメロウ・チューン。さり気なさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qKk3Yo148xo

「All The Ways (Dub)」
「All The Ways」のインスト・ヴァージョン。タイトルにあるようにダビーな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=vfD95RC1Jo8

興味のある方はThe Jazzholeの他作品もチェックを!

『The Jazzhole』(1994年)
Jazzhole

『...And The Feeling Goes Round』(1995年)
And the Feeling Goes Round

『Blackburst』(2000年)
Blackburst

『Circle of the Sun』(2002年)
Circle of the Sun

『Blue 72』(2014年)
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月29日

Moodymann『Black Mahogani』

人気曲を多数収録☆Moodymann『Black Mahogani』

発表年:2004年
ez的ジャンル:漆黒デトロイト・ハウス
気分は... :別れの季節・・・

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymannの5thアルバム『Black Mahogani』(2004年)です。

Moodymann(本名Kenny Dixon Jr.について、当ブログで紹介したのは以下の5枚。

 『Silentintroduction』(1997年)
 『Mahogany Brown』(1998年)
 『Forevernevermore』(2000年)
 『Silence in the Secret Garden』(2003年)
 『Moodymann』(2014年)

5thアルバム『Black Mahogani』(2004年)は、「Black Mahogani」「Shades Of Jae」「Runaway」(Pitch Black City名義)、「I'm Doing Fine」(Amp Dog Knight名義)といった過去のシングル曲も収録され、Moodymann作品の中でも人気の1枚かもしれませんね。

ソウル、ファンク、ジャズなど取り込んだMoodymann印のブラック・ミュージックを存分に楽しめます。アーバンな雰囲気の聴きやすいトラックがあるかもと思えば、エクスペリメンタルなトラックもあり、その塩梅が絶妙だと思います。

派手さはありませんが、ジワジワくる漆黒のMoodymannワールドに病みつきになります。

全曲紹介しときやす。

「Holiday」
Roberta Sweedのヴォーカルをフィーチャー。The George Benson Quartet「Myna Bird Blues」をサンプリング。土着的リズムと呪術的なミステリアス・ムードが印象的なオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=my8WLDfGudU

「Roberta Jean Machine」
タイトルにもあるように、Roberta SweedのヴォーカルとNorma Jean Bellのサックスをフィーチャー。ジャズとソウルを上手く取り入れた美しくも儚いムードのブラック・ミュージックが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=99hx93HgHKI

「I Need You So Much」
Roberta Sweedのヴォーカルをフィーチャー。Marvin Gaye「Got to Give It Up」をサンプリング。ジャズ・フィーリングのMoodymannワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=hfUhIfhwc7I

「Runaway」
Mahogani Music(KDJに続くMoodymannの2ndレーベル)から2002年にPitch Black City(Moodymann) Featuring Roberta Sweed名義でシングル・リリースされたトラック。12分近い長尺です。Roberta Sweedのヴォーカルをフィーチャーし、Norma Jean Bellがサックスで参加しています。本作のハイライトですね。ソウルやジャズのヴァイヴを取り込んだ漆黒のディープ・ハウスを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7MEh9BXTLww

「I'm Doing Fine」
Mahogani Musicから2002年にAmp Dog Knight(Amp Fiddler)名義でシングル・リリースされたトラック。Amp Dog Knight(Amp Fiddler)がヴォーカルをとります。アーバン・メロウなソウルフル・ハウスは僕好み。Syl Johnson「Is It Because I'm Black」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=_Sl1PFBoSIQ

E-40 feat. Keak Da Sneak「Tell Me When to Go」等のサンプリング・ソースとなっています。
E-40 feat. Keak Da Sneak「Tell Me When to Go」
 https://www.youtube.com/watch?v=2GZbaXdK8Js

「Shades Of Jae」
Moodymannが設立したレーベルKDJから1999年にシングル・リリースされたトラック。Bob James「Spunky」ネタが印象的なファックネスを効かせた漆黒のブラック・ミュージック。Marvin Gaye「Got to Give It Up」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=fNXyJooVVk4

「Riley's Song」
いきなりMarvin Gaye「What's Going On」のエンディングのサンプリングで始まるトラック。サウンド・コラージュ的なエクスペリメンタルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=jiXpufDa45w

「Back At Bakers (On Livernois)」
漆黒のメロウネス感がたまらないインスト。繋ぎのうまい2番バッターといった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ceKad6t_4S0

「Mahogani 9000」
Curtis Mayfield「Pusherman」ネタのループが印象的なトラック。次曲「Black Mahogani」でサンプリングされたWalter Murphy「Afternoon of a Faun」ネタがここでも挿入されています。一筋縄ではいかないエクスペリメンタルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=3IpzxSvZuHY

「Black Mahogani」
タイトル曲はKDJから1998年にシングル・リリースシングル・リリースされたトラック。前曲から受け継ぐWalter Murphy「Afternoon of a Faun」ネタのループが心地よいアーバンなダンサブル感が魅力のブラック・ミュージック。
https://www.youtube.com/watch?v=I579xnM6ocQ

日本のバンドCro-Magnonがカヴァーしています。
Cro-Magnon「Black Mahogani」
 https://www.youtube.com/watch?v=x35tt2QFLiU

Moodymannの他作品もチェックを!

『Silentintroduction』(1997年)
A Silent Introduction

『Mahogany Brown』(1998年)
マホガニー・ブラウン [名盤1000円]

『Forevernevermore』(2000年)
フォエヴァーネヴァーモア [名盤1000円]

『Silence in the Secret Garden』(2003年)
サイレンス・イン・ザ・シークレット・ガーデン [名盤1000円]

『Black Mahogani II』(2004年)
BLACK MAHOGANI II ( 直輸入盤・帯ライナー付 )

『Moodymann』(2014年)
Moodymann
posted by ez at 02:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする