2020年11月12日

Os Ritmistas『Os Ritmistas』

Domenico Lancellottiを中心としたブラジリアン・エクスペリメンタル☆Os Ritmistas『Os Ritmistas』

発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジル新世代エクスペリメンタル・ポップ
気分は... :静かなる実験!

今回はブラジルもののエクスペリメンタルな1枚、Os Ritmistas『Os Ritmistas』(2007年)です。

Os Ritmistasは、Domenico LancellottiStephane San JuanDany Rolandという打楽器を本職とするミュージシャン3名による多国籍ユニット。

Domenico Lancellottiは、KassinMoreno Velosoとの+ 2ユニットで知られる当ブログでもお馴染みのブラジル新世代を代表するミュージシャンですね。

Stephane San Juanはフランス人パーカッション奏者/シンガー・ソングライターですが、2002年にブラジルに渡り、DomenicoKassinらと交流を持つようになります。最近では、当ブログでも紹介したAlexia Bomtempo『Suspiro』(2018年)のプロデュースが印象に残っています。

Dany Rolandはアルゼンチン出身。この3人がリオ・デ・ジャネイロで結成したユニットがOs Ritmistasです。+ 2ユニットの活動から派生したプロジェクトという見方もできるかもしれません。

プロデュースはOs Ritmistas自身。

Domenico(vo、per、key、g、mpc、electronics、etc.)、
Stephane San Juan(ds、tabla、mpc、electronics、etc.)、Dany Roland(g、p、sampler、etc.)というメンバー3名以外に、Kassin(g)、Pedro Sa(g、b)、Wilson das Neves(vo、ds、tamborim)、Thalma de Freitas(vo)、Nelson Jacobina(b)、Berna Ceppas(vibe、per、efects)、DonatinhoJoao Donatoの息子)(el-p)等のミュージシャンが参加しています。

アルバムは+ 2ユニットにも通じるブラジル新世代らしいエクスペリメンタル・ポップに仕上がっています。打楽器奏者によるユニットなので、パーカッシヴなサウンドを前面に打ち出してくるイメージもありますが、そんなことはありませんでした。

個人的には、動と静、伝統と近未来といったコントラストを活かしたサウンド・クリエイトが気に入りました。

正直、派手さやキャッチーさはありませんが、+ 2ユニット好きの人であれば、思わずニンマリする1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Vem A Onda」
Domenico作。ブラジル新世代ならではのサウダージ感に満ちた哀愁エクスペリメンタル・サンバがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=pmMRPW-looc

「O Que Aconteceu」
Wilson das Neves/Domenico作。トロンボーンの音色がフィットするメロウ・ボッサ調の仕上がりですが、ブラジル新世代ならではのスパイスを効かせています。ヴォーカルは作者の二人。
https://www.youtube.com/watch?v=MWtqLrUvR2k

「Radio Patrulha」
Silas de Oliveira/J.Dias/Luisinho/Marcelino Ramos作。女性ヴォーカル入りの華のあるエクスペリメンタル・サンバ。未来と過去が交錯する感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qe7CludjUxQ

「Num Canto Quieto」
Domenico/Adriana Calcanhotto作。Kassin参加曲。レトロ・フィーチャーな魅力!味わいのあるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=1W2tCTl7dbU

「A Ver Navios」
Domenico/Alvaro Lancellotti作。ブラジリアン・ポストロック的な魅力を持った不思議な音世界。
https://www.youtube.com/watch?v=mWEN2mv-DM8

「Layana」
Dany Roland/Stephane San Juan/Domenico作。打楽器のリズムとエレクトロニクスを融合させたブラジル新世代らしいエクスペリメンタルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=rr1c1CAX-y0

「Alguem」
Domenico作。Domenicoの弾き語りに、徐々にエクスペリメンタルな音のレイヤーが重なっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=7gWLu_bVDQo

「Palpite」
Domenico/Alvaro Lancellotti作。Domenicoのヴォーカル、Pedro Saのギター、ベースのみですが、エクスペリメンタル・ロックしています。
https://www.youtube.com/watch?v=RqyZH98UXiQ

「Cada Um」
Domenico作。Domenicoのヴォーカル&ヴィオラン、Nelson Jacobinaのギターによるシンプルな演奏ですが、ブラジル新世代ならではのワビサビがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=bWNUWWHWwtQ

「Um Copo」
Domenico作。シンプルなように聴こえて実は緻密な装飾がなされてる心憎いサウンドメイクを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=dRhaFl2uCCQ

「Samba De Pacto」
Dany Roland/Stephane San Juan/Domenico作。ブラジル新世代エクスペリメンタル・サンバの名に相応しいリズミックな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=LNq0Yyx9Afw

「Num Canto Quieto」
「Num Canto Quieto」のヴォーカル入りヴァージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=t-RH3UGNmcQ

「De Onde Sei」
Domenico作。Domenico好きの人にはグッとくる寂しげな
https://www.youtube.com/watch?v=6lWC327YaTM

「Fora Do Ar」
Kassin/Hiromi Konishi/Domenico作。本編ラストはKassinもソングライティングに参加したメロウ・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=f-pBjmhbsvs

「Minico」
国内盤ボーナス・トラックその1。Dany Roland/Stephane San Juan/Domenico/Ernani Petisco作。鶏肉料理の作り方をKassinの奥方Hiromi Konishi(古西ひろ美)さんが日本語で同時通訳するユニークなトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=ZzkEtWjqUZ0

「Devorando Quilometros」
国内盤ボーナス・トラックその2。Stephane San Juan作。エクスペリメンタルなインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=TGtZMRTi8H0

+ 2ユニット関連の過去記事もチェックを!

Domenico + 2『Sincerely Hot』(2002年)
Sincerely Hot

Moreno + 2『Maquina de Escrever Musica』(2002年)
タイプライター・ミュージック

Kassin『Relax』(2017年)
リラックス
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2020年11月02日

Warren G『In The Mid-Nite Hour』

オトナG-Funkを楽しめる1枚☆Warren G『In The Mid-Nite Hour』

発表年:2005年
ez的ジャンル:ウェッサイ系オトナG-Funk
気分は... :真夜中は僕の時間帯・・・

久々にG-Funkを代表するプロデューサー/ラッパーWarren Gです。

『I Want It All』(1999年)、『Regulate...G Funk Era』(1994年)に続き3回目の紹介となりますが、前回のエントリーが2008年だったので12年ぶりのWarren G作品となります。

紹介するのは5thアルバムとなる『In The Mid-Nite Hour』(2005年)です。

前作『The Return of the Regulator』(2001年)から4年ぶりのアルバムとなりますが、前年にかつてSnoop DoggNate Doggと組んでいたユニット213を復活させ、アルバム『The Hard Way』(2004年)をリリースし、ヒットさせたことで話題となっていました。

そんな状況でリリースされたのが本作『In The Mid-Nite Hour』(2005年)です。

タイトルの通り、ミッドナイト・モードのメロウなG-Funkが楽しめる1枚です。
Warren GらしいHip-Hopファン以外でも楽しめるメロウでキャッチーな魅力があります。

プロデュースはWarren G自身。Raphael Saadiqとの共同プロデュース曲もあります。また、Marlon Williams(元Fishbone)/Terrace MartinAndrew Goucheが1曲ずつプロデュースしています。

アルバムには前述の213の仲間であるSnoop DoggNate Doggをはじめ、B-RealCypress Hill)、Raphael SaadiqChevy JonesBishop LamontFrank Lee WhiteMike AnthonyBokeyMike Jones、さらには70〜80年代に活躍したソウル・グループSide Effectがフィーチャーされています。さらにボーナス・トラックではIce Cubeもフィーチャリングされています。

B-RealSide Effectをフィーチャーしたリード・シングル「Get U Down」、同じくシングルにもなった「I Need a Light」Snoop DoggNate Doggをフィーチャーした実質213「PYT」、ファンキー・トラック「Turn It Up Loud」、メロウG-Funk「I Like That There」Side Effectがバック・コーラスを務めるメロウ・ソウルな「Ahh」あたりが僕のおススメです。

真夜中に聴くメロウなオトナG-Funkはいかが?

全曲紹介しときやす。

「Shhhhh」
アルバムのイントロ。

「On My Mind (11:59 p.m.)」
Chevy Jones/Bishop Lamont/Mike Anthony/Bokeyをフィーチャー。時を刻むかのようなリズムが印象的な哀愁メロウでアルバムは幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=I45sVJywyL4

「Make It Do What It Do」
Bishop Lamontをフィーチャー。Warren Gらしくはありませんが、この時期のHip-Hopらしいですね。トラディショナル・ソング「This Old Man」やWarren G、Snoop Dogg、Nate Doggも参加していたDr. Dre「Deeez Nuuuts」の引用もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ipdIDtEFNp8

「In Case Some Shit Go Down」
Mike Jones/Frank Lee Whiteをフィーチャー。Warren G自身のスクラッチも交えたG-Funkらしい哀愁トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=NGmVs8M1TmE

「I Need a Light」
Nate Doggをフィーチャーし、Side Effectがバック・コーラスを務めます。この曲もシングルになりました。ヴォーカルとラップのバランスが取れたWarren Gらしいメロウ・トラック。Eazy-E「No More ?'S」の引用もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ysoMnNGirEU

「Get U Down」
アルバムからのリード・シングル。B-Real(Cypress Hill)/Side Effectをフィーチャー。War「Don't Let No One Get You Down」をサンプリングしたラテン・フレイヴァーのトラックが心地好いメロウ・チューン。Side EffectのTony Hicksがリード・ヴォーカルをとるソウル好きにも嬉しい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=xeksBU-oQiM

「A Chronic Break」
短いスキット。
https://www.youtube.com/watch?v=eAqJJlQE72Y

「Weed Song」
Andrew Goucheプロデュース。Frank Lee Whiteをフィーチャーした2分足らずの哀愁G-Funkです。
https://www.youtube.com/watch?v=qZJu9aB5WG8

「Wheels Keep Spinning」
「Weed Song」からの流れがいい感じです。ノスタルジックな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=T7tAyBSCJOc

「PYT」
Marlon Williams(元Fishbone)/Terrace Martinプロデュース。Snoop Dogg/Nate Doggをフィーチャー。実質的に213ですね。アーバン・メロウHip-Hopとでも呼びたくなる僕好みのトラックに仕上がっています。今日では注目度の高いプロデューサー/ミュージシャンTerrace Martinの名がプロデューサーあることも当時は気にも留めませんでしたが、興味深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=f0z9oZAQTx4

「Walk These Streets」
Raphael Saadiqをフィーチャー。Raphaelは共同プロデュースも務めています。Raphaelのソウル愛とWarren GのG-Funk愛がいい塩梅に融合しています。
https://www.youtube.com/watch?v=9r5RVnHhGCE

「Garilla Pimpin」
Bishop Lamontをフィーチャー。少しダークなG-Funkといった感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=PvnDONNEvOk

「Turn It Up Loud」
Chuck Taylorをフィーチャー。The Gaturs feat. Willie Tee「Concentrate」をサンプリングしたファンキー・トラックがキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=THH7paZS3so

「In the Mid-Nite Hour」
タイトル・トラックはNate Doggをフィーチャー。まさにミッドナイト・モードのメロウ・チューンに仕上がっています。こういう分かりやすさが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=QSzOs_h0Fk8

「I Like That There」
Bishop Lamontをフィーチャー。女性コーラスやスクラッチも含めてキャッチーなメロウG-Funkに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DIvZzXgAfcw

「Yes Sir」
Snoop Dogg/Bishop Lamont/Frank Lee Whiteをフィーチャー。女性ヴォーカルはTurie McCormick。パーカッシヴなリズムをバックにマイク・リレーを繰り広げます。
https://www.youtube.com/watch?v=faPBsaMISEQ

「Ahh」
Bishop Lamont/Frank Lee White/Chuck Taylorをフィーチャー。Side Effectがバック・コーラスを務めます。僕好みのメロウ・ソウル・テイストのトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=j2OPFsXtyBQ

「All I Ask of You」
Frank Lee White/Bishop Lamont/Chevy Jonesをフィーチャー。本編ラストはChevy Jonesの妖艶ヴォーカルが妖しく響くダーク・トラックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qRkzR3apnKw

「Get U Down (Remix)」
CDボーナス・トラック。
B. Real/Side Effectに加えて、Snoop Dogg、Ice Cubeもフィーチャリングされています。
https://www.youtube.com/watch?v=sLfw2RBaFzQ

Warren Gの他作品もチェックを!

『Regulate...G Funk Era』(1994年)


『Take a Look Over Your Shoulder (Reality)』(1997年)


『I Want It All』(1999年)


『The Return of the Regulator』(2001年)


213『The Hard Way』(2004年)


『The G Files』(2009年)
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2020年10月17日

The Cinematic Orchestra『Every Day』

ライヴ演奏が強化された2nd☆The Cinematic Orchestra『Every Day』

発表年:2007年
ez的ジャンル:UKフューチャー・ジャズ
気分は... :伏せて、開ける...

静かなるUKフューチャー・ジャズThe Cinematic Orchestra『Every Day』(2002年)です。

Jason Swinscoeを中心にしたUKのフューチャー・ジャズ・ユニットThe Cinematic Orchestraの紹介は、『Motion』(1999年)、『Ma Fleur』(2007年)に続き3回目となります。

1stアルバム『Motion』(1999年)に続く2ndアルバムとなる本作『Every Day』(2002年)では、ライヴ演奏が強化され、よりオーケストラ(楽団)らしい内容となっています。

本作におけるメンバーはJason Swinscoe(prod)、Phil France(b、prod、el-p)、Luke Flowers(ds)、John Ellis(el-p、moog)、Tom Chant(sax)、Patrick Carpenter(turntable、electronics)。

ソングライティングはJason SwinscoePhil France

アルバムには1965年の大ヒット・シングル「Rescue Me」で知られるUSソウル・シンガーFontella Bass、UKラッパーRoots Manuvaがフィーチャリングされています。

それ以外にRhodri Davies(harp)、Milo Fell(per)が参加しています。

「All That You Give」「Burn Out」などの重厚で落ち着きのある演奏が印象的ですが、「Flite」「Man with the Movie Camera」のようなリズミックな演奏もあり、その意味では飽きない構成だと思います。

ライヴ感が増し、スケール・アップしたThe Cinematic Orchestraを楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「All That You Give」
Fontella Bassのヴォーカルをフィーチャー。ライヴ/バンド感の強まった本作を印象づけるオープニング。ハープも加わった重厚な美しさが印象的な仕上がり。ベースラインはCarlos Santana & Alice Coltrane「Angel of Air」ネタです。
https://www.youtube.com/watch?v=n8HYzhMLKi8

「Burn Out」
10分超の長尺。クラブミュージック経由の静かなるシネマティック・ミッドナイト・ジャズといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=OtqTfy26tG0

「Flite」
リズミックでダンサブルなUKクラブジャズ/クロスオーヴァーらしい演奏です。Eberhard Weber「Quiet Departures」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=rQhrrZr0hUU

「Evolution」
Fontella Bassのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアル&ソウルフルなクロスオーヴァー・ジャズといった雰囲気です。Patrick Carpenterのターンテーブルも効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KLp07Yaveh8

「Man with the Movie Camera」
タイトルの通り、シネマティックな演奏が進むと思いきや、途中からリズミック&コズミックな演奏が展開されます。ここではTom Chantのソプラノ・サックスが活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=Oo-GoIX_8BE

「All Things to All Men」
Roots Manuvaのヴォーカルをフィーチャー。John Barry「Petulia (Main Title)」をサンプリング。程良いジャズ・フィーリングが心地好いです。ポエトリーリーディング調のRoots Manuvaのラップが入ると一気にUKクラブ感が増しますね。
https://www.youtube.com/watch?v=QyuY6o1kep4

「Everyday」
ラストはコンゴ共和国の子供コーラスLes Troubadours Du Roi Baudouin「Katunbu」をサンプリングした美しくも感動的な演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n7tzP4_fhYs

僕の保有CDには未収録ですが、再発CDには「Oregon」「Horizon」の2曲が追加されています。
「Oregon」
https://www.youtube.com/watch?v=nD2YI1sr4PE
「Horizon」
https://www.youtube.com/watch?v=My11hjF8CQA

The Cinematic Orchestraの他作品もチェックを!

『Motion』(1999年)
Motion

『Man With a Movie Camera』(2003年)
Man With a Movie Camera (ZENCD78B)

『Ma Fleur』(2007年)
Ma Fleur [帯解説 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC508)

『Live at the Royal Albert Hall』(2008年)
Live at the Royal Albert Hall [解説・ボーナストラック付き国内盤]

『The Cinematic Orchestra presents In Motion #1』(2012年)
The Cinematic Orchestra presents In Motion #1 (ZENCD183)

『To Believe』(2019年)
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2020年10月05日

Carl Thomas『Emotional』

デビュー・ヒット「I Wish」収録☆Carl Thomas『Emotional』

発表年:2000年
ez的ジャンル:正統派男性R&B/ソウル
気分は... :オーセンティックでホッコリ!

2000年代R&B作品からCarl Thomas『Emotional』(2000年)です。

1972年イリノイ州生まれの男性R&BシンガーCarl Thomasの紹介は、2ndアルバム『Let's Talk About It』(2004年)に続き2回目となります。

1996年にSean "Puffy" Combs(Diddy)Bad Boy Entertainment(現Bad Boy Records)と契約し、
1999年にシングル「I Wish」でデビューしたCarl Thomas

本作『Emotional』(2000年)はデビュー・アルバムとなります。先のデビュー・シングル「I Wish」は全米R&Bシングル・チャート第1位に輝き、本作『Emotional』(2000年)も全米アルバム・チャート第9位、全米R&Bアルバム・チャート第2位という成功を収めました。

Bad Boy所属ということで、Sean "Puffy" Combsから連想される良くないイメージもありましたが、中身はそんなイメージからはかけ離れた正統派R&Bに仕上がっており、そのギャップが逆に新鮮だった記憶があります。

Bad Boyの総帥Sean "Puffy" Combs(P. Diddy)Carl Thomas本人、Mario WinansMike CityGordon ChambersK-GeeAnthony DentJ-DubHarve PierreRon "Amen-Ra" LawrenceChucky ThompsonDamien DeSandiesBrian KeirulfJoshua M. SchwartzRashad SmithHeavy DD-DotGarrette "Blake" Smithという多彩なプロデューサーが起用されています。メイン・プロデューサー的存在はMario Winansですかね。

「I Wish」「Summer Rain」「Emotional」というシングル3曲に本作の魅力が凝縮されているんでは?

それ以外であれば、「Giving You All My Love」「Come to Me」「Supastar」「Special Lady」あたりがおススメです。

オーセンティックなR&Bワールドをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
Mario Winansプロデュース。ソウルフルなイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=54HttCjpOVk

「Emotional」
Mario Winansプロデュース。タイトル曲はシングルにもなり、US R&Bチャート第8位となっています。Sting「Shape of My Heart」をサンプリング。素晴らしいヴォーカル・ワークに魅せられるビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=CW0gaTRzzlc

「I Wish」
Mike City/Carl Thomasプロデュース。USチャート第20位、US R&Bチャート第1位となったヒット曲。Carl Thomasというアーティストを印象付けた代名詞的な1曲。Mike Cityプロデュースらしくビートを効かせつつ、メロディを大切にしているのがいいですね。感動的なイントロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9fQwrkTktug
アルバム未収録ですがLL Cool Jをフィーチャーしたリミックスもあります。
Carl Thomas feat. LL Cool J「I Wish (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=JygCm4Je0Y8
Bei Maejorがカヴァーしています。また、Big Sean「Single Again」Kevin Hart feat. Trey Songz「Push It on Me」、Jay-Z feat. Omillio Sparks, Pharrell Williams and Shay Haley「I Just Wanna Love U (Give It 2 Me)」等のサンプリング・ソースとなっています。
Bei Maejo「I Wish」
 https://www.youtube.com/watch?v=4RGuiFUSLi4
Big Sean「Single Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=Y7OTdHYEXw8
Kevin Hart feat. Trey Songz「Push It on Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=SurUz8qx32I

「Anything (Interlude)」
Mario Winansプロデュース。美しいインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=iGfqd3gsHsw

「My Valentine」
Gordon Chambers/K-Geeプロデュース。哀愁モードのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=qCPXH9r9YAQ

「Giving You All My Love」
Mario Winansプロデュース。Kelly Priceがバック・ヴォーカルで参加。Isaac Hayes「Wherever You Are」をサンプリングしたラブ・バラード。Bad Boyらしからぬオーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=VFNtwDEFkwY

「Cadillac Rap (Interlude)」
Carl Thomasプロデュース。The Dramatics「Be My Girl」をサンプリングしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=fCJnhCKt01w

「Woke Up In the Morning」
Harve Pierre/P. Diddy/Mario Winansプロデュース。The Notorious B.I.G.「My Downfall」をサンプリングした美しいも悲しいムードのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=YS_DNFMlB8k

「Come to Me」
Anthony Dent/J-Dub/Harve Pierreプロデュース。Roberta Flack「Let's Stay Together」をサンプリングした僕好みのオーセンティック・バラード。バック・コーラスでNiveaが参加。
https://www.youtube.com/watch?v=9wI3Uz2fpjE

「Cold, Cold World」
Ron "Amen-Ra" Lawrenceプロデュース。女性R&Bグループ4KastのSharissaがバック・コーラスで参加。哀愁漂うミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=bgm2RSRf264

「Trouble Won't Last (Interlude)」
Chucky Thompsonプロデュース。Malik Yusefがスポークン・ワードで参加したインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=ISQq_CL2Nbc

「You Ain't Right」
Mike City/Carl Thomasプロデュース。ダンサブルなビートを効かせたトラック。Mike Cityプロデュースらしい面白さはありますが、Carl Thomasにはフィットしていないような・・・
https://www.youtube.com/watch?v=WiPf6yju5sQ

「Lady Lay Your Body」
Damien DeSandies/Harve Pierre/Carl Thomasプロデュース。切々と歌い上げるラブ・バラード。夢の中で迷走しているような気分です。
https://www.youtube.com/watch?v=W00hpSieV-w

「Supastar」
Brian Keirulf/Joshua M. Schwartz/Rashad Smithプロデュース。個人的にかなり好きな1曲。ジワジワと沁みてくる感じがたまらないソウルフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=8tS8nRBoLq4

「Summer Rain」
Heavy Dプロデュース。Samuel L. Jackson主演の映画『Shaft』(2000年)のサントラにも収録された曲です。シングルとしてUS R&Bチャート第18位となっています。Terence Trent D'Arby「To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly」をサンプリングし、のフレーズが引用されています。Heavy Dプロデュースらしいキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=5LxCICsV7Lk

「Hey Now」
Heavy Dプロデュース曲が続きます。幻想的なビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9MFP0xUc1ew

「Special Lady」
D-Dot/Garrette "Blake" Smithプロデュース。ラストは素敵なラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DqYWh4PuP88

Carl Thomasの他作品もチェックを!

『Let's Talk About It』(2004年)
Let's Talk About It (Mcup)

『So Much Better』(2007年)
So Much Better

『Conquer』(2011年)
posted by ez at 02:19| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月17日

Jill Scott『Collaborations』

コラボ曲を集めた楽しい1枚☆Jill Scott『Collaborations』

発表年:2007年
ez的ジャンル:ネオ・ソウル・クイーン
気分は... :企画・編集力の勝利!

ネオ・ソウルを代表する女性シンガーJill Scottのコラボ曲を集めた編集アルバム『Collaborations』(2007年)です。

1972年フィラデルフィア生まれの女性シンガーJill Scottの紹介は、デビュー・アルバム『Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1』(2000年)、2ndアルバム『Beautifully Human: Words and Sounds Vol. 2』(2004年)に続き3回目となります。

本作『Collaborations』(2007年)は、その名の通り、他アーティストとのコラボ作品を集めた編集アルバムです。キャリア初期のJill Scottは客演も多かったので、そうした楽曲を集めたアルバムは重宝しますね。

Mos DefLupe FiascoChris BottiThe Isley BrothersEric RobersonSergio Mendes/will.i.amCommonBilalDarius RuckerJeff BradshawWill SmithAl Jarreau & George BensonKirk Franklinとのコラボが収められています。

R&B、Hip-Hopに止まらず、ジャズ、ゴスペル、ブラジル音楽といったアーティストとのコラボも収められ、その分彼女の音楽性の幅を楽しめるのが魅力だと思います。

オリジナル・アルバムやベスト・アルバムとも異なる魅力を持った好編集アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love Rain (Head Nod Remix)」
デビュー・アルバム『Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1』(2000年)に隠しトラック扱いで収録されているMos Defとのコラボ。Vidal Davisプロデュース。
オリジナルよりも断然このリミックスの方が好きです。トラックの格好良さは格別です。ネオフィリーとSoulquariansのコラボらしい仕上がりなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=5TdKsPTdwrQ

「Daydreamin'」
Lupe Fiascoとのコラボ。Lupeのデビュー・アルバム『Lupe Fiasco's Food & Liquor』(2006年)収録。Craig Kallmanプロデュース。第50回グラミーのBest Urban/Alternative Performanceにもノミネートされました。TThe Gunter Kallmann Chorus「Daydream」ネタの哀愁トラックをバックに、Jillが白日夢のような儚いヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7XOAStfv-v0

「Good Morning Heartache」
USトランぺッターChris Bottiとのコラボ。不世出の女性ジャズ・シンガーBillie Holidayのカヴァー(Irene Higginbotham/Ervin Drake/Dan Fisher作)。Bottiのアルバム『To Love Again: The Duets』(2005年)収録。Bobby Colombyプロデュース。ジャズ・フィーリングのJillを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=mLOzKt2ZjfU

本曲に関して、当ブログでも紹介したJose Jamesのカヴァーも絶品でしたね。
Jose James「Good Morning Heartache」
 https://www.youtube.com/watch?v=6m8d2vsuDpU

「Said Enough」
The Isley Brothersとのコラボ。Isleysのアルバム『Eternal』(2001年)収録。Dre & Vidal(Andre Harris/Vidal Davis)プロデュース。大ベテランのRonald Isleyの濃厚ヴォーカルにJillのヴォーカルが加わることでマイルドな味わいになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NmGUC9654lE

「One Time」
Eric Robersonとのコラボ。Chris Rock主演の映画『Down to Earth』(2001年)のサントラ収録。Vidal Davisプロデュース。当時期待ネオ・ソウル・シンガー同士であった2人による息の合ったデュエット。今聴いても実にフレッシュです。
https://www.youtube.com/watch?v=2JcgI0PfTP4

「Let Me」
Sergio Mendes/will.i.amとのコラボ。Baden Powell「Deixa」のカヴァー。セルメンのアルバム『Timeless』(2006年)収録。Sergio Mendes/will.i.amプロデュース。JillがBaden Powellをカヴァーするというのもセルメンとのコラボならではですね。
https://www.youtube.com/watch?v=u0CB1xGTi9A

「8 Minutes to Sunrise」
Commonとのコラボ。Will Smith主演の映画『Wild Wild West』(1999年)のサントラ収録。Andre Harrisプロデュース。まだJillが無名時代のCommonとのコラボですが、臆することなくチャーミングな歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DPD7XdE73EM

「Funky for You」
Common & Bilalとのコラボ。Commonの名盤『One Day It'll All Make Sense』(1997年)収録。James Poyser/Jay Dee (J Dilla)プロデュース。CommonBilal、James Poyser、Jay DeeというSoulquariansの面々からJillも相当刺激を受けたのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=jxMhYpIRa0Y

「Sometimes I Wonder」
Darius Ruckerとのコラボ。Dariusのアルバム『Back to Then』(2002年)収録。Dre & Vidalプロデュース。雰囲気のある男女デュエットという点ではアルバムの中でも屈指の1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=qX7hjRfojJA

「Slide」
USトロンボーン奏者Jeff Bradshawとのコラボ。Bradshawのアルバム『Bone Deep』(2003年)収録。Junius Bervineプロデュース。ユーモラスでリラックスしたサウンドの雰囲気に合わせたJillのヴォーカルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=CNWGQkSN-fU

「The Rain」
Will Smithとのコラボ。Willのアルバム『Willennium』(1999年)収録。Jeff Townes/Darren Hensonプロデュース。Deniece Williams「I Believe in Miracles」をサンプリングしたトラックをバックに、Jillがチャーミングなヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0wQpkLbBETg

「God Bless the Child」
Al Jarreau & George Bensonとのコラボ。Billie Holidayの名曲カヴァーです。Al Jarreau & George Bensonのコラボ・アルバム『Givin' It Up』(2006年)収録。 John Burkプロデュース。Al JarreauGeorge Bensonというベテラン2人がヴォーカルとギターでJillのヴォーカルを引き立てます。特にAl Jarreauの素晴らしいヴォーカルが格別です。
https://www.youtube.com/watch?v=xAJ_MQCHQ6k

「Good Morning Heartache」と同じくJose Jamesがカヴァーしています。
Jose James「God Bless the Child」
 https://www.youtube.com/watch?v=87eIwOY6OZY

「Kingdom Come」
Kirk Franklinとのコラボ。彼のアルバム『Kingdom Come』(2001年)収録。
Kirk Franklinプロデュース。コンテンポラリー・ゴスペルなJillを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=9uWXsIMFWFc

「Love Rain (Coffee Shop Mix)」
Mos Defとのコラボ。オープニングのHead Nod Remixとは異なるリミックス。Vidal Davisプロデュース。個人的にはHead Nod Remixがお気に入りですが、そのコントラストでコチラも楽しめると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=I8VgzYCjoLw

未聴の方は他のJill Scott作品もどうぞ!

『Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1』(2000年)
フー・イズ・ジル・スコット?

『Experience:Jill Scott 826+』(2001年)
Experience:Jill Scott 826+

『Beautifully Human: Words and Sounds Vol. 2』(2004年)
ビューティフリー・ヒューマン

『The Real Thing: Words and Sounds Vol. 3』(2007年)
Real Thing: Words & Sounds 3

『The Light of the Sun』(2011年)


『Woman』(2015年)
posted by ez at 02:53| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする