2021年10月26日

Anthony Hamilton『Soulife』

Soulife時代の未発表音源集☆Anthony Hamilton『Soulife』
Soulife
発売年:2005年
ez的ジャンル:リアル・ソウル系男性R&Bシンガー
気分は... :解禁日!

昨日からいよいよ日常モードに戻った感じですね。
個人的には今夜が解禁日、節度を守って会食を楽しみたいと思います。

今回はリアル・ソウル・シンガーAnthony Hamiltonが2005年にリリースした未発表曲集『Soulife』です。

1971年ノースカロライナ州シャーロット出身の男性R&BシンガーAnthony Hamiltonの紹介は、3rdアルバム『Ain't Nobody Worryin'』(2005年)、2ndアルバム『Comin' From Where I'm From』(2003年)に続き2回目となります。

今年最新作『Love is the New Black』(2021年)をリリースし、健在ぶりを示してくれました。

『Love is the New Black』(2021年)


Jermaine DupriSo So Defとの契約し、その第1弾アルバム『Comin' From Where I'm From』(2003年)でブレイクしたAnthony Hamilton

本作『Soulife』は、So So Def以前に彼が在籍していたレーベルSoulife時代の未発表音源を集めたアルバムです。レコーディング時期は1999-2001年です。

ブレイク前のAnthony Hamiltonならではの飾り気のないリアル・ソウルを満喫できる1枚に仕上がっています。

Mark SparksDoug MayhemB.C. 3 Ent.Mike CityAnthony Hamilton本人等がプロデュースしています。

また、Macy GrayDolo PichinoSunshine Andersonといったシンガーがゲスト参加しています。

アルバムはUSアルバム・チャート第12位、同R&Bアルバム・チャート第4位となっています。

生音ドラムよりもドラム・プログラミングを駆使したトラックが多いのですが、それでもHamiltonらしいソウル・ワールドが構築されているのが面白いですね。

個人的には、ヴァイヴのアクセントがいい感じの「I Cry」、Hip-Hop的ビート×ソウルフル・オルガンな「Georgie Parker」、Hamiltonワールド全開の「Day Dreamin'」、生音重視の「Ball And Chain」Macy Grayとのデュエット「Love And War」The Love Unlimited Orchestra「Midnight Groove」をサンプリングした「Love Is So Complicated」あたりが僕のおススメです。

コンピ・アルバム扱いですが、オリジナル・アルバムと同等の位置づけでもかまいない、充実のリアル・ソウル作品です。

全曲紹介しときやす。

「I Used To Love Someone」
Doug Mayhemプロデュース。哀愁のリアル・ソウル・バラードがオープニング。美しくも切ないアコギの響きとストリングスの音色もいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=HUz1PT8_7yo

「I Cry」
B.C. 3 Ent.プロデュース。彼の歌声がリアル・ソウルと称されるのがよくわかるバラード。ヴァイヴのメロウな響きがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VySncGh4do4

「Clearly」
Mark Sparksプロデュース。ジワジワと味わいが増してくるミディアム・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=az0tfQWHpUA

「Georgie Parker」
B.C. 3 Ent.プロデュース。Hip-Hop的な打ち込みリズムと、ソウルフルなオルガン等の組み合わせが、Hamiltonの歌声を引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=q4f9x43MFoo

「Day Dreamin'」
Mark Sparksプロデュース。Hamiltonワールドを存分に満喫できるリアル・ソウル。こういう曲を期待してAnthony Hamiltonを聴くんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=F-ZLXBh49Ys

「Ball And Chain」
Anthony Hamiltonプロデュース。生音重視の臨場感がたまらない、塩辛い味わいがたまらないソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=ZC9o972QshU

「Ol' Keeper」
Mark Sparksプロデュース。打ち込みリズムを逆手にとったクールなファンキー・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=s5eo-VKaxLI

「Love And War」
Mark Sparksプロデュース。個性派女性R&BシンガーMacy Grayが参加。この二人の共演が悪いはずがない!お互いの個性を高め合う素敵なソウル・デュエットに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=l9FyGYl-pzw

「Last Night」
Mike Cityプロデュース。Dolo Pichino、Sunshine Andersonがヴォーカルで参加。Sunshine Andersonのデビュー・アルバム『Your Woman』(2001年)にも収録されています。ということで、Sunshine Anderson寄りで必ずしもHamiltonらしいトラックではありませんが、それが逆にアルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hZU5fibQZps

「Love Is So Complicated」
Doug Mayhem/Walter "Babi Luv" Stewartプロデュース。The Love Unlimited Orchestra「Midnight Groove」をサンプリングしたソウル・グルーヴ。本作の中では一番キャッチーかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=6aVA2M237e8

「Icing On The Cake」
Doug Mayhem/DKプロデュース。ファルセット・ヴォーカルも駆使したセクシーなHamiltonワールドを体験できます。Marvin Gaye『I Want You』ライクな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=N11-p6iRX3o

「Exclusively」
Mark Sparksプロデュース。ドラム・プログラミングは2000年R&B仕様ですが、それ以外は生音レトロ・ソウルなのが本作らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=UYkIKOEyG-Q

Anthony Hamiltonの他作品もチェックを!

『XTC』(1996年)
Xtc

『Comin' From Where I'm From』(2003年)
カミング・フロム・ウェア・アイム・フロム

『Ain't Nobody Worryin'』(2005年)
Ain't Nobody Worryin

『The Point of It All』(2008年)
The Point of It All

『Back to Love』(2011年)
バック・トゥ・ラヴ

『What I'm Feelin'』(2016年)
What I'm Feelin'

『Love is the New Black』(2021年)
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2021年09月09日

Eric Roberson『Music Fan First』

いつも通りの安定感☆Eric Roberson『Music Fan First』
Music Fan First
発表年:2009年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bシンガー/ソングライター
気分は... :安定・安心!

今回は実力派男性R&BシンガーEric Roberson『Music Fan First』(2009年)です。

1976年生まれ、ニュージャージー出身の男性R&Bシンガー/ソングライター/キーボード奏者であるEric Robersonについて、これまで当ブログで紹介したのか以下の4枚。

 『Esoteric...』(2004年)
 『The Appetizer』(2005年)
 『...Left』(2007年)
 Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)

時代の流行に惑わされることなく、良質なR&Bを届けてくれるEric Roberson
本作『Music Fan First』(2009年)も安定感のある1枚に仕上がっています。

メイン・プロデュースはBrett Baker
ソングライティング面でもEric Robersonとの共作で大きく貢献しています。

それ以外にEric Roberson自身、"J.R." HutsonLeroy Hutsonの息子)、Young RJSlum Village)、Curt ChambersDana SoreyJermaine MobleyOsunladeColin Emmanuelがプロデュースしています。

Minnie Riperton「Inside My Love」をサンプリングした「A Tale of Two」、僕好みのミディアム・バラード「Borrow You」Lalah Hathawayをフィーチャーした「Dealing」Slum Villageと共演した「Further」Aaron Abernathyらをフィーチャーしたソウル・チューン「Howard Girls」、ゲーム・ミュージック的エッセンスも感じられる「Bad For Me」、さり気ないバラード「Breakitdown」あたりが僕のおススメです。

安定感のあるEric Robersonワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「The Newness」
力強いビートをバックに、Eric Robersonらしい歌い回しを楽しめるミディアムがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=86XP9TmM3yc

「The Hunger」
Wes Feltonをフィーチャー。Wes Feltonはブレイクビーツ・ジャズ・ファンク「Bee Bop Boogie」で知られる鍵盤奏者Hilton Feltonの息子です。The Great Fiction「Body Urge」をサンプリングしたトラックが印象的な哀愁R&Bグルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=vg6xuaUCwNM

「A Tale of Two」
Ben O'Neill/Michelle Thompsonをフィーチャー。Minnie Riperton「Inside My Love」をサンプリング。アーバンな哀愁モードにグッとくる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=aKl_iWCU_0s

「Borrow You」
僕の好きなEric Robersonに出会える1曲。さり気ないですが、ジワジワと胸に染み入るミディアム・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=2EQO88xe5gc

「Dealing」
Lalah Hathawayをフィーチャー。Leroy Hutsonの息子、"J.R." Hutsonのプロデュース。素敵なオトナR&Bバラードをデュエットで丁寧に歌い上げられます。
https://www.youtube.com/watch?v=lAMiOhScSPg

「Still」
真夜中に聴きたくなる哀愁チューン。思い出の断片が浮かんでは消えていく感じがいいですね。意外にリズミックな展開です。
https://www.youtube.com/watch?v=UTRMj5b_qiQ

「How Could She Do It」
僕好みのビートをバックに、Eric Robersonらしい歌い回しが重ねられていきます。派手さはありませんがいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=dMxU1IAG1sM

「Further」
Slum VillageのT3をフィーチャー。さらに後にSlum VillageメンバーとなるYoung RJがプロデュースしています。Young RJのトラックとEric Robersonとの相性の良さを感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BfD0f1ATwZA

「The Power That Kisses Hold」
生バンド感を打ち出したソウル・グルーヴ。Ben O'Neillのギター、Dana Soreyのオルガン、さらにホーン隊がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=fjdLlztFBLE

「Howard Girls」
Aaron Abernathy/Brandon Hines/Geno Youngをフィーチャー。Eric Roberson/Curt Chambers/Dana Soreyプロデュース。当ブログでも紹介したリアル・ソウル・シンガーAaron Abernathyの参加に注目です。2009年仕様の素敵なソウル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-_4ph-8eY7o

「Weekend Getaway」
Jermaine Mobleyプロデュース。丁寧に歌い上げるバラード。音空間の間を楽しみながらジワジワくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IZg3I1fH0Po

「She」
Osunladeプロデュース。シンプルなバッキングの哀愁チューン。何とも切ない気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=HXyD0NkFmXk

「Wanna Believe It Again」
Waynaをフィーチャー。Dana Soreyプロデュース。ハンドクラップ入りのビートを効かせつつ、Eric Robersonらしい歌い回しが映えるミディアム・グルーヴ。キュートなWaynaの女性ヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=GHKlPeSBN0g

「Bad For Me」
Colin Emmanuelプロデュース。ゲーム・ミュージック調のトラックながらも、Eric Robersonらしい曲調を楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=v6WpAV5IJ40

「Breakitdown」
Jermaine Mobleyプロデュース。さり気ないバラードですが、こういう曲だからこそEric Robersonの魅力が滲み出てきます。
https://www.youtube.com/watch?v=LvG713w1POY

「Pave A New Road」
Curt Chambersプロデュース。本編ラストは美しいR&Bバラードで締め括ってくれます。ゲーム音的なアクセントも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KgVhKuSKnx8

「Celebrate」
CDボーナス・トラック。クロスオーヴァーな女性ソウル・シンガー Sy Smithをフィーチャー。この年に急逝したMichael Jacksonに捧げられたソウル・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=k6Muh9UEFmA

Eric Robersonの他作品もチェックを!

『Esoteric...』(2004年)
Esoteric

『The Vault, Vol. 1.5』(2004年)
Presents: The Vault 1.5

『The Appetizer』(2005年)
Appetizer by Eric Roberson (2005-12-21)

『...Left』(2007年)
レフト

『Music Fan First』(2009年)
Music Fan First

『Mister Nice Guy』(2011年)
Mr. Nice Guy

『The Box』(2014年)
The Box

Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)
TIGALLERRO (ティガレロ) (直輸入盤帯付国内仕様)

『Fire』(2017年)
Fire

『Wind』(2017年)
Wind

『Earth』(2017年)
Earth
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2021年08月27日

Cooly's Hot-Box『Make Me Happy』

秀逸なリミックス・アルバム☆Cooly's Hot Box『Make Me Happy』
Make Me Happy
発表年:2001年
ez的ジャンル:リミックス系ディープ・ハウス
気分は... :主役はCooly's Hot Boxではありませんが・・・

今日はUSソウル/ファンク・ユニットCooly's Hot-Boxのリミックス・アルバム『Make Me Happy』(2001年)です。

1992年に大学の仲間であるJohn-Christian Urich(ds、vo、key)、Angela Johnson(vo、key)、Victor Axelrod(key)、Ernesto Abreu(per)がN.Y.で結成したR&BユニットCooly's Hot-Boxの紹介は、2ndアルバム『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)、1stアルバム『Take It』(2001年)に続き3回目となります。

また、中心メンバーのAngela Johnsonのソロや、John-Christian Urichが結成した人力ハウス・バンドTortured Soulについても、以下の作品を紹介済みです。

 Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
 Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)
 Angela Johnson『It's Personal』(2010年)
 Angela Johnson『Naturally Me』(2014年)
 Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
 Tortured Soul『Introducing』(2004年)

本作『Make Me Happy』(2001年)は、1stアルバム『Take It』(2001年)収録曲のリミックスやそれ以前にリリースされた12"シングルに収録されたリミックスを集めたリミックス・アルバムです。

最も有名なのは彼らの代表曲「Make Me Happy」DJ Spinnaによるリミックス「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」ですかね。

それ以外にFrankie FelicianoBasement JaxxJunior OCity People(Franco Ze/Irfan Hussain)GuiroCrash(Dino Demopoulos/Terry Demopoulos)Kings Of Tomorrowによるリミックスが収録されています。

前述の「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」がハイライトだと思いますが、「We Don't Have To Be Alone (Basement Jaxx Mix)」「Smile (Junior O Mix)」「Cooly's Wages (City People Mix)」「Over And Over (Guiro Mix)」「Deeper (Kings Of Tomorrow Mix)」「We Don't Have To Be Alone (Guiro Mix)」あたりもかなり好きです。

正直、Cooly's Hot-Boxではなく各リミキサーが主役のアルバムですが、そういう聴き方で十分に楽しめるのが本作の価値だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。前述のようにDJ Spinnaによる人気リミックス。Gwen Guthrie「Seventh Heaven (Larry Levan Remix)」のサンプリングを用いたオリジナルとは全く異なるSpinnaワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Irba2bMnJ8s

「Make Me Happy」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=QDomJNhWscQ

「What A Surprise (2000) (Frankie Feliciano Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Frankie Felicianoによるリミックス。爽快に疾走する王道ハウスにリミックスしています。
https://www.youtube.com/watch?v=wEqSfu5q-KM

「What A Surprise」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=2PbaU8cRHmA

「We Don't Have To Be Alone (Basement Jaxx Mix)」
Basement Jaxxによるリミックス。僕好みのパーカッシヴはハウス・リミックスに仕上がっています。夏のバカンス感もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZMOYuN7nNCU

「Smile (Junior O Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Junior Oによるリミックス。コレも僕好みのディープ・ハウス。ベースを強調しているのが格好良いですね。Angela Johnsonのヴォーカルとも合っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=jWcIylEnD2Y

「Smile」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=iCNkiESxIuE

「Cooly's Wages (City People Mix)」
City People(Franco Ze/Irfan Hussain)によるリミックス。ヴァイヴの音色が映えるジャジー・フィーリングのアーバンなリミックスにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=SRwEpzi8b9E

「Over And Over (Guiro Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Guiroによるリミックス。都会的な爽快ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TIBLU_KmFTQ

「Over And Over」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=UXIKByQr6QA

「Could You Love Me (Crash Mix)」
Crash(Dino Demopoulos/Terry Demopoulos)によるリミックス。アンダーグラウンド感のあるディープ・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=u4wgle1z_hw

「Deeper (Kings Of Tomorrow Mix)」
Kings Of Tomorrowによるリミックス。Kings Of Tomorrowらしいディープ・ハウス。Kings Of Tomorrowファンは楽しめるトラックなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NWJRfGh6mAM

「We Don't Have To Be Alone (Guiro Mix)」
Guiroによるリミックス。僕好みのキャッチーなソウルフル・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=FKA_tSWv4KQ

Cooly's Hot-Boxの過去記事もご参照ください。

『Take It』(2001年)
Take It

Cooly's Hot-Box『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)
Don't Be Afraid: Get On

Angela JohnsonJohn-Christian Urichが在籍していたTortured Soulの過去記事もチェックを!

Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
They Don't Know

Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)
A Womans Touch

Angela Johnson『It's Personal』(2010年)
It's Personal

Angela Johnson『Naturally Me』(2014年)
Naturally Me

Tortured Soul『Introducing』(2004年)
tortured soul introducing.jpg

Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
DID YOU MISS ME
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2021年08月09日

LV『How Long』

新境地を目指した2nd☆LV『How Long』(2000年)♪

発表年:2000年
ez的ジャンル:脱ウェッサイ系R&B
気分は... :「Gangsta's Paradise」のイメージ払しょく!

今回はCoolio「Gangsta's Paradise」へのフィーチャリングで注目された男性R&BシンガーLV(L.V.)の2ndアルバム『How Long』(2000年)です。

1957年L.A.生まれの男性R&BシンガーLV(L.V.)(本名:Larry Sanders)の紹介は、デビュー・アルバム『I Am L.V.』(1996年)に続き2回目となります。

サウス・セントラル(サウス・ロサンゼルス)で育ち、Hip-HopユニットSouth Central Cartelのメンバーとなったものの、銃撃に巻き込まれ、療養生活を余儀なくされたLV(L.V.)

その経験から生まれたのがCoolioの大ヒットでお馴染みのギャングスタ・ラップのクラシック「Gangsta's Paradise」Coolioの楽曲にLVが客演したというイメージが強い「Gangsta's Paradise」ですが、実際はその逆でLVのアイデアから生まれた楽曲でした。

その「Gangsta's Paradise」のせいで、"ギャングスタ"のイメージがついてしまったLVですが、2ndアルバムとなる本作『How Long』(2000年)では、そのイメージ払しょくに努め、実力派の男性R&Bシンガーとして勝負しようとしています。

Mario WinansMarc GordonThe Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)Kenny SmoothMarc KinchenMyronなど多様なプロデューサーが起用され、LVの魅力を引き出しています。

シングルになった「How Long」「Woman's Gotta Have It」、僕のお気に入りの「Hold On」「Wherever You Are」、LV本人のお気に入り「Lady Sunshine」、美メロのR&Bバラード「One Chance」Babyface作品を彷彿させる「Thinking Of You」、実力派を印象付けるR&Bバラード「Rain」あたりがおススメです。

実力派の男性R&Bシンガーを目指すLVの新境地を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
Steven Russellプロデュース。アルバムのイントロ。

「How Long」
Mario Winansプロデュース。女性R&BシンガーShari Watson(Truth Hurts)をフィーチャー。シングルにもなりました。スパニッシュ・ギターが印象的な哀愁ミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=JWUsGFzOVrU

「One Chance」
Marc Kinchen/Mike Masonプロデュース。美メロのR&Bバラード。LVが本作で示したかったのは、こういった曲でリスナーを魅了することだったのでは?その狙い通り、素晴らしい歌声に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=AfjU0KcSEgc

「Forgive Me Girl」
James Broadway/Anthony Chandlerプロデュース。メロディアスな哀愁ミディアム。LVのジェントルなヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=66TwdELlw1o

「Hustlers 4 Life (Interlude)」
Billy "Blazin" Mossプロデュース。次曲へのインタールード。

「Everyday Hustler」
Mario Winansプロデュース。Raekwonをフィーチャー。「Gangsta's Paradise」路線の本曲はギャングスタしてますね。The Delfonics「Ready or Not Here I Come (Can't Hide From Love)」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=GWeaicVxk3Y

「Come Home With Me」
Darryl "88" Young/Kenny Smoothプロデュース。セクシーなミディアム・グルーヴ。少しG-Funk的な味付けもありますが、アーバンな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IJ6o12tC7rw

「Hold On」
The Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)プロデュース。ヴォーカル・アレンジが素晴らしい美メロ・ミディアム。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=fjs_SSLH48M

「Woman's Gotta Have It」
Billy "Blazin" Mossプロデュース。Bobby Womack、1972年のヒット・シングルをカヴァー(Bobby Womack/Linda Womack/Darryl Carter作)。シングルにもなりました。ソウル名曲をソウルフルに歌上げることで、シンガーとしての実力を示してくれます。Carl Kizineのリード・ギターが盛り上げてくれます。

「Thinking Of You」
LV/Mo Stewartプロデュース。この頃のBabyface作品を彷彿させる、アコギの音色が印象的なメロディアス・アンプラグド・ソウルに仕上がっています。

「The Testimony (Interlude)」
Steven Russellプロデュース。ドラマティックなインタールード。

「Rain」
Marc Gordonプロデュース。5 Young Menをフィーチャー。Levert人脈のMarc Gordonプロデュースらしい、実力派を印象付けるR&Bバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6T5NgX5oDmw

「Lady Sunshine」
Marc Kinchen/Mike Masonプロデュース。LV本人が本作で一番のお気に入り曲なのだとか。哀愁バラードを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=gRG-NEcNdz8

「I Don't Know Why」
Myronプロデュース。小細工なしのソウル・チューンで勝負している感じがいいですね。LVの歌声が胸に沁みてきます。聴けば聴くほど味わいが増します。

「Wherever You Are」
Alex "CAT" Cantrall/Myronプロデュース。さり気ないですが、ヴォーカル・ワークが素敵なラブソングです。「Hold On」と並ぶ僕のお気に入り。

「Outro」
Steven Russellプロデュース。美しいアウトロと共に本編は幕を閉じます。

「You're A Big Girl Now」
国内盤CDボーナス・トラック。娘への愛を情熱的に歌い上げます。

ご興味がある方はL.V.の他作品もチェックを!

L.V.『I Am L.V.』(1996年)


『Hustla 4 Life』(2010年)


『Still L.V.』(2012年)
posted by ez at 01:07| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月29日

Katia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』

Subaの秘蔵っ子であった女性シンガー☆Katia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』

発表年:2003年
ez的ジャンル:次世代ブラジル音楽
気分は... :Subaが残したもの・・・

今回は2000年代以降の次世代ブラジル音楽作品からKatia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)です。

Katia B(本名:Katia Bronstein)は1965年リオ・デジャネイロ生まれの女性シンガー。

これまで『Katia B』(2000年)、『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)、『Espacial』(2007年)、『Pra Mim Voce e Lindo』(2012年)という4枚のアルバムをリリースしています。

僕が本作Katia Bに興味を持ったのは、彼女がBebel Gilberto『Tanto Tempo』のプロデュースで知られる鬼才プロデューサーSubaと関係の深いアーティストだったからです。

ブラジル音楽ファンはご存知の通り、1999年にSubaは自宅火災で急死してしまいます。そんなSubaの生前唯一のアルバム‎『Sao Paulo Confessions』(1999年)にKatia Bは参加し、彼の死後にリリースされた追悼アルバム『Tributo』(2002年)にも参加しています。また、デビュー・アルバム『Katia B』(2000年)は生前のSubaがミックスを手掛けています。

2ndアルバムとなる本作『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)は、

BiD、ブラジルのパンデイロ・マスター/トップ・パーカッショニストのMarcos SuzanoMarcos CunhaPlinio ProfetaSacha AmbackJR Tostoi等がプロデュースしています。

また、ブラジルの至宝、偉大な音楽家Egberto Gismonti、後に『Sem Nostalgia』(2009年)でブラジル音楽シーンに大きなインパクトを与えるLucas Santtana等がフィーチャリングされています。

アルバム全体としては、少し気怠いの雰囲気の次世代ブラジル音楽を楽しめます。

ここにSubaは居ませんが、Subaがいるかのように感じるサウンドを楽しめるはずです。

真夏の寝苦しい夜に、レイジーな女性ヴォーカルが涼となるのでは?

全曲紹介しときやす。

「So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode」
Marcos Cunha/Plinio Profetaプロデュース。Fausto Fawcettをフィーチャー。エレクトロニカと生音を演奏をうまく融合させた哀愁グルーヴがオープニング。少し気怠いKatia Bのヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZX_UGum0s-Y

「Outra Estacao」
Plinio Profetaプロデュース。少しアンニュイな雰囲気にグッとくる哀愁メロウ・グルーヴ。ここでも次世代ブラジル音楽らしいサウンド・センスを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=lQdDaRXyU6w

「Are You Sleeping?」
Subaの未完作品にKatia Bが歌詞をつけたもの。オリジナルはボーナス・トラックに収録されています。本ヴァージョンはEgberto Gismontiのピアノをフィーチャーした別ヴァージョン。Gismontiの美しいピアノが映える仕上がりです。Sacha Amback/Marcos Suzanoプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=OtriLqye84w

「Segredo」
Suba‎『Sao Paulo Confessions』(1999年)に収録されていたKatia BとSubaの共作曲のセルフ・カヴァー。Marcos Cunha/Plinio Profeta/JR Tostoiプロデュース。パーカッシヴでフューチャリスティックな次世代ブラジル音楽らしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z8o4Ir2nDoo

「Descontrole」
JR Tostoiをフィーチャー。BiDプロデュース。少し寂しげな哀愁チューン。ここでもさり気ないエレクトロニカのエッセンスがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=qGAoe_6iiQc

「Tanto Faz Para O Amor」
Lucas Santtanaをフィーチャー。Marcos Cunha/Plinio Profetaプロデュース。『Sem Nostalgia』(2009年)を予感させるフューチャリスティックなトラックは僕好み。少し気怠いKatia Bのヴォーカルが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=hWzEWkDWDgE

「Parece Mentira」
Sacha Amback/Marcos Suzanoプロデュース。フューチャリスティックでエレクトロニカなサウダージ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3k4t4StHF-4

「Ultimo A Saber」
ブラジリアン・ロック・バンドOs Paralamas Do Sucessoのドラマーとして知られるJoao Baroneをフィーチャー。BiDプロデュース。少しミステリアスでレイジーな仕上がり。聴いていると、いつの間にか迷宮を彷徨っています。
https://www.youtube.com/watch?v=UnYsaeDte5g

「One More Shot」
男性シンガーSuplaをフィーチャー。Marcos Cunhaプロデュース。本編ラストは次世代メロウ・ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TIiFHSSznJ0

「Are You Sleeping? (Suba Tribute Version)」
CDボーナス・トラックその1。BiD/Lunaプロデュース。「Are You Sleeping?」のオリジナル・ヴァージョン。Subaの追悼アルバム『Tributo』に収録されていたヴァージョンです。Subaらしいフューチャリスティックな雰囲気を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=n0mULSFAyW0

「Copo Vazio」
CDボーナス・トラックその2。1st『Katia B』収録曲のライヴ・ヴァージョンです。ライヴならではの雰囲気でレイジーなKatia Bワールドを楽しめます。

『Katia B』(2000年)


『Espacial』(2007年)


『Pra Mim Voce e Lindo』(2012年)
posted by ez at 02:12| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする