2022年02月09日

Agustín Pereyra Lucena『42:53』

アルゼンチンの名ギタリスト、ラスト・スタジオ作☆Agustín Pereyra Lucena『42:53』
42:53
発表年:2009年
ez的ジャンル:名人ギタリスト系メロウ・サンバ/ボサノヴァ
気分は... :素晴らしき置き土産・・・

今回はアルゼンチン人ギタリストAgustin Pereyra Lucena『42:53』(2009年)です。

「私のルーツはアルゼンチンにあって、憧れはブラジルにある」と、アルゼンチン人ながらもブラジル音楽に大きく影響を受けたギタリストAgustin Pereyra Lucena(1948-2019年)に関して、当ブログで紹介した作品は以下の6枚(発売順)。

 『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
 『Climas』(1973年)
 『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)
 Candeias『Sambaiana』(1976年)
 『La Rana』(1980年)
 『Miradas』(1998年)

1つ前のAgustin Pereyra Lucenaのエントリーが、2016年の『Climas』(1973年)でしたが、その後2019年に彼は惜しくも逝去してしましました。今回の記事を書くために確認して初めて知りました。

本作『42:53』(2009年)は、『Acuerdos』(2000年)以来約9年ぶりのアルバムであり、おそらく彼のラスト・スタジオ・アルバムではないかと思われます。

プロデュースはSergio Liszewski

アルゼンチン在住のブラジル人女性シンガーであり、『Miradas』(1998年)にも参加していたAdriana Riosが5曲でヴォーカルをとっています。

彼女のアルバム『Cadapaju, Terra Da Inocencia』(2012年)は当ブログでも紹介しましたが、『ezが選ぶ2013年の10枚』でセレクトしたほどのお気に入り作でした。

話を本作に戻すと、Adriana Rios以外にもMauricio Einhorn(harmonica)、Leandro Braga(el-p)といったブラジル人ミュージシャンや、Helena Uriburu(vo)等も参加しています。

楽曲はすべてAgustin Pereyra Lucenaのオリジナルです。

Adriana Riosを大きくフィーチャリングしているので、アルバム全体が実に華やかです。また、アレンジが想像以上にモダンなのも本作の魅力アップにつながっています。

こんな素晴らしいアルバムを聴いてしまうと、その逝去が益々惜しまれます。

彼が残した至極の音世界を大切に聴き込みましょう。

全曲紹介しときやす。

「Verbo Amar」
Agustin Pereyra Lucena/Guilherme Godoy作。ブラジル人SSW、Guilherme Godoyが作詞を手掛けたオープニング。Adriana Riosの透明感のあるヴォーカルが映えるメロウ・サンバ。2009年ならではのモダンなアレンジが冴えます。Mauricio Einhornのハーモニカもいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=WiYQNfNyyEI

「Bossa Cuasi Nova」
Agustin Pereyra Lucena作。Agustin自身がスキャットを披露するメロウ・サンバ。Agustinのギターの響きが実に心地好いです。涼しげなフルートもグッド!

「Pisadas En El Mar」
Agustin Pereyra Lucena/Adriana Rios作。Leandro Bragaのミステリアスなエレピが印象的なアコースティック・メロウ。Adriana Riosのウィスパー・ヴォーカルがフィットしています。

「De Agua Y Viento」
Agustin Pereyra Lucena作。ブラジルの大自然をイメージさせるインスト。Baden Powellあたりのテイストをモダンにアレンジしたような雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=JTCMw0xTEus

「Luna Clara」
Agustin Pereyra Lucena/Adriana Rios作。Adriana Riosのウィスパー・ヴォーカルの魅力全開のメロウ・ボッサ。Mauricio Einhornのハーモニカがロマンティックなサンセット・ムードを演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Jl3SrkmfIzI

「Picaron」
Agustin Pereyra Lucena/Andres Laprida作。Agustinと同じくブラジル音楽に傾倒するアルゼンチン人ギタリストAndres Lapridaとの共作。『Miradas』(1998年)でも二人は共作していました。Agustinのギターを存分に楽しむためのトラックですね。中盤以降は
Helena Uriburuのスキャットが入り、華やかさが増します。

「Transparente」
Agustin Pereyra Lucena作。Agustinのギターのみの演奏であり、彼のギターの美しい音色を存分に堪能できるインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=M6NVRNDBKZs

「Por Eles」
Agustin Pereyra Lucena/Adriana Rios作。Adriana RiosとAgustinがヴォーカルをとるメロウ・ボッサ。Joao GilbertoCarlos LyraAntonio Carlos JobimBaden Powellといった偉大なブラジル人アーティストの名が歌詞に登場します。ここでもMauricio Einhornのハーモニカが存在感を示しています。

「Planicie (El Llano)」
Agustin Pereyra Lucena作。Fabian Saumaとのデュオ・ギター演奏を聴かせてくれます。寂しげなフルートも含めてブラジル・モードの憂いを感じる演奏です。

「Vem Viver」
Agustin Pereyra Lucena/Adriana Rios作。Adriana Rios『Cadapaju, Terra Da Inocencia』(2012年)でも再演された楽曲。順番が逆ですが、僕は爽快メロウ・サンバのAdriana Riosヴァージョンで本曲をとても気に入ったので、小気味よい本ヴァージョンも大好きです。

Adriana Rios「Vem Viver」 ※ライヴ音源
 https://www.youtube.com/watch?v=kv70BFG41Sk

他のAgustin Pereyra Lucena作品もチェックを!

『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
Agustin Pereyra Lucena

『Climas』(1973年)
CLIMAS~友との語らい

『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)
Ese dia va a llegar

Candeias『Sambaiana』(1976年)
Sambaiana

Agustin Pereyra Lucena Quartet『La Rana』(1980年)
La Rana

『Puertos de Alternativa』(1986年)
Puertos de Alternativa

『Miradas』(1998年)
Miradas

『Acuerdos』(2000年)
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2021年12月22日

Flying Lotus『Los Angeles』

フライローの名を知らしめた1枚☆Flying Lotus『Los Angeles』

発表年:2008年
ez的ジャンル:LAビート系エクスペリメンタルHip-Hop
気分は... :両忘!

今回はLAビート・シーンを牽引するFlying Lotusの出世作となる2ndアルバム『Los Angeles』(2008年)です。

音楽ファンは目を離せない注目レーベルBrainfeederの総帥でもあるFlying Lotus(本名:Steven Ellison)に関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の4枚。

 『Cosmogramma』(2010年)
 『Until The Quiet Comes』(2012年)
 『You're Dead!』(2014年)
 『Flamagra』(2019年)

『1983』(2006年)に続く2ndアルバムとなる本作『Los Angeles』(2008年)は、UKの人気レーベルWarpからリリースされ、彼の知名度を上げると同時に、ビートミュージックに大きな影響を及ぼした歴史的作品として評価の高い1枚です。

よく言われるように、ジャケはMassive Attack『Mezzanine』(1998年)と似ていますね。
Massive Attack『Mezzanine』(1998年)
メザニーン (紙ジャケット仕様)

ビート・メイカーとしてのFlying Lotusを楽しめる初期作品ですが、エクスペリメンタルかつダークな内容であり、必ずしも聴きやすいアルバムとはいえません。その意味では好き/嫌いがハッキリ分かれる1枚ではないでしょうか。

プロデュースはFlying Lotus自身(共同プロデュースを含む)。

コズミックな「Breathe.Something/Stellar STar」「Beginners Falafel」、電脳パルス的な「Comet Course」、退廃的な「Golden Diva」「Testament」、不気味な漆黒ビート「GNG BNG」、美しくも儚い「RobertaFlack」あたりが僕のオススメです。

最近のFlying Lotus作品やBrainfeeder作品群とは異なるフライローの原点的な音世界をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Brainfeeder」
彼自身のレーベル名を冠したオープニング。ノイズ混じりの歪んだエレクトリック・サウンドによるエクスペリメンタルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=ijWyVZZFuW0

「Breathe.Something/Stellar STar」
The Cinematic Orchestra「Breathe」をサンプリングしたコズミックでサイケデリックな音世界が展開されます。本作の魅力が凝縮されたトラックかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=VYyghPbtjMI

J. Cole「Blowin' Smoke」のサンプリング・ソースとなっています。
J. Cole「Blowin' Smoke」
 https://www.youtube.com/watch?v=SWH9YCQpJiw

「Beginners Falafel」
冨田 勲「Prelude to the Afternoon of a Faun」をサンプリングした近未来的なコズミック・チューン。「Breathe.Something/Stellar STar」からの流れもいい感じ。この2トラックで完全にフライローの小宇宙に吸い込まれていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=QBvOKbXEXJk

「Camel」
ダウナーなトライバル感覚のサウンド・コラージュ的トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=t6SXXx1Fu_4

「Melt!」
アフロ・トライバルなビートですが、日本のお祭り音楽の感覚にも似ているのが面白いですえ。
https://www.youtube.com/watch?v=wc-qJrbTXis

「Comet Course」
LAビートミュージックの牽引者らしいミニマルでアブストラクトな仕上がり。電脳パルス的な音世界が癖になります。
https://www.youtube.com/watch?v=Jqsx-QNa-44

「Orbit 405」
「Comet Course」の流れを汲む電脳パルス的な短いトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQUvq8rU98c

「Golden Diva」
Flying Lotus/Matthewdavidプロデュース。映画『Blade Runner』あたりをイメージさせる、退廃的な近未来的サウンドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=cq4txkEpmhs

「Riot」
暴動の前の不穏な静けさといった雰囲気のダーク・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=ISrZjb_C8E0

「GNG BNG」
Flying Lotus/The Gaslamp Killerプロデュース。Uyirullavarai Usha「Indiralogathu Sundari」をサンプリング。地を這うような漆黒のビートが不気味な唸りを響かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=C1q2g1zUNfM

「Parisian Goldfish」
コズミック&アブストラクトなダンサブル・チューン。LAビートミュージックらしい雰囲気ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=E5dphiyRv3s

「Sleepy Dinosaur」
ゲーム・ミュージック的なアブストラクト・チューン。これもLAビートミュージックらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Tz4Set3EG-4

「RobertaFlack」
Dollyの女性ヴォーカルをフィーチャー。Flying Lotus/Samiyam/Byron the Aquariusプロデュース。人気アーティストRoberta Flackの名を冠したトラック。美しくも儚いムードの哀愁メロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=HbkRvclQS4M

「SexSlaveShip」
Flying Lotus/Matthewdavidプロデュース。ダークな浮遊感がストレンジな空気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=dMIhIEPnMd8

「Auntie's Harp」
2007年に他界した叔母のAlice Coltraneに捧げられたトラック。Alice Coltrane「Galaxy In Turiya」をサンプリングしています。短い尺ながらもインド感覚のサイケデリック・サウンドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=CiaZNyIFUdY

「Testament」
Gonjasufiをフィーチャー。Dorothy Ashby「Myself When Young」をサンプリング。偶然かもしれませんが、2曲続けて女性ジャズ・ハープ奏者のトラックをサンプリングしているのが興味深いです。本トラック自体はダークな哀愁チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=fDjFLT-KaUg

「Auntie's Lock/Infinitum」
フライロー作品でお馴染みLaura Darlingtonをフィーチャー。本編ラストはオルガンの音色をバックに、Laura Darlingtonの祈りのような歌声が響く、厳かな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YQyf1x22uL4

「Interference」
国内盤ボーナス・トラックその1。漆黒のビートによるコズミック・ワールドは僕好み。Rochelle Jordan「Why So Serious」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5_RZWbBzz-M

「Backpack Caviar」
国内盤ボーナス・トラックその2。ダークなアブストラクトHip-Hopです。
https://www.youtube.com/watch?v=vmUMlsqPUsg

他のFlying Lotusのアルバムもチェックを!

『1983』(2006年)
1983 (Rmx) (Dig)

『Until The Quiet Comes』(2012年)
Until the Quiet Comes [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC350)

『You're Dead!』(2014年)
You're Dead! [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 初回盤のみ特殊パッケージ仕様 / 国内盤] 特典マグネット付 (BRC438)

『Flamagra』(2019年)
【メーカー特典あり】Flamagra [初回限定紙ジャケット仕様 / 解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] オリジナル肖像画マグネット付 (BRC595)

『Yasuke』(2021年)
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2021年10月26日

Anthony Hamilton『Soulife』

Soulife時代の未発表音源集☆Anthony Hamilton『Soulife』
Soulife
発売年:2005年
ez的ジャンル:リアル・ソウル系男性R&Bシンガー
気分は... :解禁日!

昨日からいよいよ日常モードに戻った感じですね。
個人的には今夜が解禁日、節度を守って会食を楽しみたいと思います。

今回はリアル・ソウル・シンガーAnthony Hamiltonが2005年にリリースした未発表曲集『Soulife』です。

1971年ノースカロライナ州シャーロット出身の男性R&BシンガーAnthony Hamiltonの紹介は、3rdアルバム『Ain't Nobody Worryin'』(2005年)、2ndアルバム『Comin' From Where I'm From』(2003年)に続き2回目となります。

今年最新作『Love is the New Black』(2021年)をリリースし、健在ぶりを示してくれました。

『Love is the New Black』(2021年)


Jermaine DupriSo So Defとの契約し、その第1弾アルバム『Comin' From Where I'm From』(2003年)でブレイクしたAnthony Hamilton

本作『Soulife』は、So So Def以前に彼が在籍していたレーベルSoulife時代の未発表音源を集めたアルバムです。レコーディング時期は1999-2001年です。

ブレイク前のAnthony Hamiltonならではの飾り気のないリアル・ソウルを満喫できる1枚に仕上がっています。

Mark SparksDoug MayhemB.C. 3 Ent.Mike CityAnthony Hamilton本人等がプロデュースしています。

また、Macy GrayDolo PichinoSunshine Andersonといったシンガーがゲスト参加しています。

アルバムはUSアルバム・チャート第12位、同R&Bアルバム・チャート第4位となっています。

生音ドラムよりもドラム・プログラミングを駆使したトラックが多いのですが、それでもHamiltonらしいソウル・ワールドが構築されているのが面白いですね。

個人的には、ヴァイヴのアクセントがいい感じの「I Cry」、Hip-Hop的ビート×ソウルフル・オルガンな「Georgie Parker」、Hamiltonワールド全開の「Day Dreamin'」、生音重視の「Ball And Chain」Macy Grayとのデュエット「Love And War」The Love Unlimited Orchestra「Midnight Groove」をサンプリングした「Love Is So Complicated」あたりが僕のおススメです。

コンピ・アルバム扱いですが、オリジナル・アルバムと同等の位置づけでもかまいない、充実のリアル・ソウル作品です。

全曲紹介しときやす。

「I Used To Love Someone」
Doug Mayhemプロデュース。哀愁のリアル・ソウル・バラードがオープニング。美しくも切ないアコギの響きとストリングスの音色もいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=HUz1PT8_7yo

「I Cry」
B.C. 3 Ent.プロデュース。彼の歌声がリアル・ソウルと称されるのがよくわかるバラード。ヴァイヴのメロウな響きがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VySncGh4do4

「Clearly」
Mark Sparksプロデュース。ジワジワと味わいが増してくるミディアム・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=az0tfQWHpUA

「Georgie Parker」
B.C. 3 Ent.プロデュース。Hip-Hop的な打ち込みリズムと、ソウルフルなオルガン等の組み合わせが、Hamiltonの歌声を引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=q4f9x43MFoo

「Day Dreamin'」
Mark Sparksプロデュース。Hamiltonワールドを存分に満喫できるリアル・ソウル。こういう曲を期待してAnthony Hamiltonを聴くんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=F-ZLXBh49Ys

「Ball And Chain」
Anthony Hamiltonプロデュース。生音重視の臨場感がたまらない、塩辛い味わいがたまらないソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=ZC9o972QshU

「Ol' Keeper」
Mark Sparksプロデュース。打ち込みリズムを逆手にとったクールなファンキー・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=s5eo-VKaxLI

「Love And War」
Mark Sparksプロデュース。個性派女性R&BシンガーMacy Grayが参加。この二人の共演が悪いはずがない!お互いの個性を高め合う素敵なソウル・デュエットに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=l9FyGYl-pzw

「Last Night」
Mike Cityプロデュース。Dolo Pichino、Sunshine Andersonがヴォーカルで参加。Sunshine Andersonのデビュー・アルバム『Your Woman』(2001年)にも収録されています。ということで、Sunshine Anderson寄りで必ずしもHamiltonらしいトラックではありませんが、それが逆にアルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hZU5fibQZps

「Love Is So Complicated」
Doug Mayhem/Walter "Babi Luv" Stewartプロデュース。The Love Unlimited Orchestra「Midnight Groove」をサンプリングしたソウル・グルーヴ。本作の中では一番キャッチーかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=6aVA2M237e8

「Icing On The Cake」
Doug Mayhem/DKプロデュース。ファルセット・ヴォーカルも駆使したセクシーなHamiltonワールドを体験できます。Marvin Gaye『I Want You』ライクな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=N11-p6iRX3o

「Exclusively」
Mark Sparksプロデュース。ドラム・プログラミングは2000年R&B仕様ですが、それ以外は生音レトロ・ソウルなのが本作らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=UYkIKOEyG-Q

Anthony Hamiltonの他作品もチェックを!

『XTC』(1996年)
Xtc

『Comin' From Where I'm From』(2003年)
カミング・フロム・ウェア・アイム・フロム

『Ain't Nobody Worryin'』(2005年)
Ain't Nobody Worryin

『The Point of It All』(2008年)
The Point of It All

『Back to Love』(2011年)
バック・トゥ・ラヴ

『What I'm Feelin'』(2016年)
What I'm Feelin'

『Love is the New Black』(2021年)
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2021年09月09日

Eric Roberson『Music Fan First』

いつも通りの安定感☆Eric Roberson『Music Fan First』
Music Fan First
発表年:2009年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bシンガー/ソングライター
気分は... :安定・安心!

今回は実力派男性R&BシンガーEric Roberson『Music Fan First』(2009年)です。

1976年生まれ、ニュージャージー出身の男性R&Bシンガー/ソングライター/キーボード奏者であるEric Robersonについて、これまで当ブログで紹介したのか以下の4枚。

 『Esoteric...』(2004年)
 『The Appetizer』(2005年)
 『...Left』(2007年)
 Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)

時代の流行に惑わされることなく、良質なR&Bを届けてくれるEric Roberson
本作『Music Fan First』(2009年)も安定感のある1枚に仕上がっています。

メイン・プロデュースはBrett Baker
ソングライティング面でもEric Robersonとの共作で大きく貢献しています。

それ以外にEric Roberson自身、"J.R." HutsonLeroy Hutsonの息子)、Young RJSlum Village)、Curt ChambersDana SoreyJermaine MobleyOsunladeColin Emmanuelがプロデュースしています。

Minnie Riperton「Inside My Love」をサンプリングした「A Tale of Two」、僕好みのミディアム・バラード「Borrow You」Lalah Hathawayをフィーチャーした「Dealing」Slum Villageと共演した「Further」Aaron Abernathyらをフィーチャーしたソウル・チューン「Howard Girls」、ゲーム・ミュージック的エッセンスも感じられる「Bad For Me」、さり気ないバラード「Breakitdown」あたりが僕のおススメです。

安定感のあるEric Robersonワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「The Newness」
力強いビートをバックに、Eric Robersonらしい歌い回しを楽しめるミディアムがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=86XP9TmM3yc

「The Hunger」
Wes Feltonをフィーチャー。Wes Feltonはブレイクビーツ・ジャズ・ファンク「Bee Bop Boogie」で知られる鍵盤奏者Hilton Feltonの息子です。The Great Fiction「Body Urge」をサンプリングしたトラックが印象的な哀愁R&Bグルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=vg6xuaUCwNM

「A Tale of Two」
Ben O'Neill/Michelle Thompsonをフィーチャー。Minnie Riperton「Inside My Love」をサンプリング。アーバンな哀愁モードにグッとくる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=aKl_iWCU_0s

「Borrow You」
僕の好きなEric Robersonに出会える1曲。さり気ないですが、ジワジワと胸に染み入るミディアム・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=2EQO88xe5gc

「Dealing」
Lalah Hathawayをフィーチャー。Leroy Hutsonの息子、"J.R." Hutsonのプロデュース。素敵なオトナR&Bバラードをデュエットで丁寧に歌い上げられます。
https://www.youtube.com/watch?v=lAMiOhScSPg

「Still」
真夜中に聴きたくなる哀愁チューン。思い出の断片が浮かんでは消えていく感じがいいですね。意外にリズミックな展開です。
https://www.youtube.com/watch?v=UTRMj5b_qiQ

「How Could She Do It」
僕好みのビートをバックに、Eric Robersonらしい歌い回しが重ねられていきます。派手さはありませんがいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=dMxU1IAG1sM

「Further」
Slum VillageのT3をフィーチャー。さらに後にSlum VillageメンバーとなるYoung RJがプロデュースしています。Young RJのトラックとEric Robersonとの相性の良さを感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BfD0f1ATwZA

「The Power That Kisses Hold」
生バンド感を打ち出したソウル・グルーヴ。Ben O'Neillのギター、Dana Soreyのオルガン、さらにホーン隊がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=fjdLlztFBLE

「Howard Girls」
Aaron Abernathy/Brandon Hines/Geno Youngをフィーチャー。Eric Roberson/Curt Chambers/Dana Soreyプロデュース。当ブログでも紹介したリアル・ソウル・シンガーAaron Abernathyの参加に注目です。2009年仕様の素敵なソウル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-_4ph-8eY7o

「Weekend Getaway」
Jermaine Mobleyプロデュース。丁寧に歌い上げるバラード。音空間の間を楽しみながらジワジワくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IZg3I1fH0Po

「She」
Osunladeプロデュース。シンプルなバッキングの哀愁チューン。何とも切ない気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=HXyD0NkFmXk

「Wanna Believe It Again」
Waynaをフィーチャー。Dana Soreyプロデュース。ハンドクラップ入りのビートを効かせつつ、Eric Robersonらしい歌い回しが映えるミディアム・グルーヴ。キュートなWaynaの女性ヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=GHKlPeSBN0g

「Bad For Me」
Colin Emmanuelプロデュース。ゲーム・ミュージック調のトラックながらも、Eric Robersonらしい曲調を楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=v6WpAV5IJ40

「Breakitdown」
Jermaine Mobleyプロデュース。さり気ないバラードですが、こういう曲だからこそEric Robersonの魅力が滲み出てきます。
https://www.youtube.com/watch?v=LvG713w1POY

「Pave A New Road」
Curt Chambersプロデュース。本編ラストは美しいR&Bバラードで締め括ってくれます。ゲーム音的なアクセントも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KgVhKuSKnx8

「Celebrate」
CDボーナス・トラック。クロスオーヴァーな女性ソウル・シンガー Sy Smithをフィーチャー。この年に急逝したMichael Jacksonに捧げられたソウル・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=k6Muh9UEFmA

Eric Robersonの他作品もチェックを!

『Esoteric...』(2004年)
Esoteric

『The Vault, Vol. 1.5』(2004年)
Presents: The Vault 1.5

『The Appetizer』(2005年)
Appetizer by Eric Roberson (2005-12-21)

『...Left』(2007年)
レフト

『Music Fan First』(2009年)
Music Fan First

『Mister Nice Guy』(2011年)
Mr. Nice Guy

『The Box』(2014年)
The Box

Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)
TIGALLERRO (ティガレロ) (直輸入盤帯付国内仕様)

『Fire』(2017年)
Fire

『Wind』(2017年)
Wind

『Earth』(2017年)
Earth
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2021年08月27日

Cooly's Hot-Box『Make Me Happy』

秀逸なリミックス・アルバム☆Cooly's Hot Box『Make Me Happy』
Make Me Happy
発表年:2001年
ez的ジャンル:リミックス系ディープ・ハウス
気分は... :主役はCooly's Hot Boxではありませんが・・・

今日はUSソウル/ファンク・ユニットCooly's Hot-Boxのリミックス・アルバム『Make Me Happy』(2001年)です。

1992年に大学の仲間であるJohn-Christian Urich(ds、vo、key)、Angela Johnson(vo、key)、Victor Axelrod(key)、Ernesto Abreu(per)がN.Y.で結成したR&BユニットCooly's Hot-Boxの紹介は、2ndアルバム『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)、1stアルバム『Take It』(2001年)に続き3回目となります。

また、中心メンバーのAngela Johnsonのソロや、John-Christian Urichが結成した人力ハウス・バンドTortured Soulについても、以下の作品を紹介済みです。

 Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
 Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)
 Angela Johnson『It's Personal』(2010年)
 Angela Johnson『Naturally Me』(2014年)
 Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
 Tortured Soul『Introducing』(2004年)

本作『Make Me Happy』(2001年)は、1stアルバム『Take It』(2001年)収録曲のリミックスやそれ以前にリリースされた12"シングルに収録されたリミックスを集めたリミックス・アルバムです。

最も有名なのは彼らの代表曲「Make Me Happy」DJ Spinnaによるリミックス「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」ですかね。

それ以外にFrankie FelicianoBasement JaxxJunior OCity People(Franco Ze/Irfan Hussain)GuiroCrash(Dino Demopoulos/Terry Demopoulos)Kings Of Tomorrowによるリミックスが収録されています。

前述の「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」がハイライトだと思いますが、「We Don't Have To Be Alone (Basement Jaxx Mix)」「Smile (Junior O Mix)」「Cooly's Wages (City People Mix)」「Over And Over (Guiro Mix)」「Deeper (Kings Of Tomorrow Mix)」「We Don't Have To Be Alone (Guiro Mix)」あたりもかなり好きです。

正直、Cooly's Hot-Boxではなく各リミキサーが主役のアルバムですが、そういう聴き方で十分に楽しめるのが本作の価値だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。前述のようにDJ Spinnaによる人気リミックス。Gwen Guthrie「Seventh Heaven (Larry Levan Remix)」のサンプリングを用いたオリジナルとは全く異なるSpinnaワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Irba2bMnJ8s

「Make Me Happy」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=QDomJNhWscQ

「What A Surprise (2000) (Frankie Feliciano Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Frankie Felicianoによるリミックス。爽快に疾走する王道ハウスにリミックスしています。
https://www.youtube.com/watch?v=wEqSfu5q-KM

「What A Surprise」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=2PbaU8cRHmA

「We Don't Have To Be Alone (Basement Jaxx Mix)」
Basement Jaxxによるリミックス。僕好みのパーカッシヴはハウス・リミックスに仕上がっています。夏のバカンス感もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZMOYuN7nNCU

「Smile (Junior O Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Junior Oによるリミックス。コレも僕好みのディープ・ハウス。ベースを強調しているのが格好良いですね。Angela Johnsonのヴォーカルとも合っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=jWcIylEnD2Y

「Smile」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=iCNkiESxIuE

「Cooly's Wages (City People Mix)」
City People(Franco Ze/Irfan Hussain)によるリミックス。ヴァイヴの音色が映えるジャジー・フィーリングのアーバンなリミックスにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=SRwEpzi8b9E

「Over And Over (Guiro Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Guiroによるリミックス。都会的な爽快ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TIBLU_KmFTQ

「Over And Over」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=UXIKByQr6QA

「Could You Love Me (Crash Mix)」
Crash(Dino Demopoulos/Terry Demopoulos)によるリミックス。アンダーグラウンド感のあるディープ・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=u4wgle1z_hw

「Deeper (Kings Of Tomorrow Mix)」
Kings Of Tomorrowによるリミックス。Kings Of Tomorrowらしいディープ・ハウス。Kings Of Tomorrowファンは楽しめるトラックなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NWJRfGh6mAM

「We Don't Have To Be Alone (Guiro Mix)」
Guiroによるリミックス。僕好みのキャッチーなソウルフル・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=FKA_tSWv4KQ

Cooly's Hot-Boxの過去記事もご参照ください。

『Take It』(2001年)
Take It

Cooly's Hot-Box『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)
Don't Be Afraid: Get On

Angela JohnsonJohn-Christian Urichが在籍していたTortured Soulの過去記事もチェックを!

Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
They Don't Know

Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)
A Womans Touch

Angela Johnson『It's Personal』(2010年)
It's Personal

Angela Johnson『Naturally Me』(2014年)
Naturally Me

Tortured Soul『Introducing』(2004年)
tortured soul introducing.jpg

Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
DID YOU MISS ME
posted by ez at 01:14| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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