2021年08月27日

Cooly's Hot-Box『Make Me Happy』

秀逸なリミックス・アルバム☆Cooly's Hot Box『Make Me Happy』
Make Me Happy
発表年:2001年
ez的ジャンル:リミックス系ディープ・ハウス
気分は... :主役はCooly's Hot Boxではありませんが・・・

今日はUSソウル/ファンク・ユニットCooly's Hot-Boxのリミックス・アルバム『Make Me Happy』(2001年)です。

1992年に大学の仲間であるJohn-Christian Urich(ds、vo、key)、Angela Johnson(vo、key)、Victor Axelrod(key)、Ernesto Abreu(per)がN.Y.で結成したR&BユニットCooly's Hot-Boxの紹介は、2ndアルバム『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)、1stアルバム『Take It』(2001年)に続き3回目となります。

また、中心メンバーのAngela Johnsonのソロや、John-Christian Urichが結成した人力ハウス・バンドTortured Soulについても、以下の作品を紹介済みです。

 Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
 Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)
 Angela Johnson『It's Personal』(2010年)
 Angela Johnson『Naturally Me』(2014年)
 Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
 Tortured Soul『Introducing』(2004年)

本作『Make Me Happy』(2001年)は、1stアルバム『Take It』(2001年)収録曲のリミックスやそれ以前にリリースされた12"シングルに収録されたリミックスを集めたリミックス・アルバムです。

最も有名なのは彼らの代表曲「Make Me Happy」DJ Spinnaによるリミックス「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」ですかね。

それ以外にFrankie FelicianoBasement JaxxJunior OCity People(Franco Ze/Irfan Hussain)GuiroCrash(Dino Demopoulos/Terry Demopoulos)Kings Of Tomorrowによるリミックスが収録されています。

前述の「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」がハイライトだと思いますが、「We Don't Have To Be Alone (Basement Jaxx Mix)」「Smile (Junior O Mix)」「Cooly's Wages (City People Mix)」「Over And Over (Guiro Mix)」「Deeper (Kings Of Tomorrow Mix)」「We Don't Have To Be Alone (Guiro Mix)」あたりもかなり好きです。

正直、Cooly's Hot-Boxではなく各リミキサーが主役のアルバムですが、そういう聴き方で十分に楽しめるのが本作の価値だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Make Me Happy (DJ Spinna Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。前述のようにDJ Spinnaによる人気リミックス。Gwen Guthrie「Seventh Heaven (Larry Levan Remix)」のサンプリングを用いたオリジナルとは全く異なるSpinnaワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Irba2bMnJ8s

「Make Me Happy」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=QDomJNhWscQ

「What A Surprise (2000) (Frankie Feliciano Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Frankie Felicianoによるリミックス。爽快に疾走する王道ハウスにリミックスしています。
https://www.youtube.com/watch?v=wEqSfu5q-KM

「What A Surprise」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=2PbaU8cRHmA

「We Don't Have To Be Alone (Basement Jaxx Mix)」
Basement Jaxxによるリミックス。僕好みのパーカッシヴはハウス・リミックスに仕上がっています。夏のバカンス感もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZMOYuN7nNCU

「Smile (Junior O Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Junior Oによるリミックス。コレも僕好みのディープ・ハウス。ベースを強調しているのが格好良いですね。Angela Johnsonのヴォーカルとも合っていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=jWcIylEnD2Y

「Smile」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=iCNkiESxIuE

「Cooly's Wages (City People Mix)」
City People(Franco Ze/Irfan Hussain)によるリミックス。ヴァイヴの音色が映えるジャジー・フィーリングのアーバンなリミックスにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=SRwEpzi8b9E

「Over And Over (Guiro Mix)」
オリジナルは『Take It』収録。Guiroによるリミックス。都会的な爽快ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TIBLU_KmFTQ

「Over And Over」(From 『Take It』(2001年))
https://www.youtube.com/watch?v=UXIKByQr6QA

「Could You Love Me (Crash Mix)」
Crash(Dino Demopoulos/Terry Demopoulos)によるリミックス。アンダーグラウンド感のあるディープ・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=u4wgle1z_hw

「Deeper (Kings Of Tomorrow Mix)」
Kings Of Tomorrowによるリミックス。Kings Of Tomorrowらしいディープ・ハウス。Kings Of Tomorrowファンは楽しめるトラックなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NWJRfGh6mAM

「We Don't Have To Be Alone (Guiro Mix)」
Guiroによるリミックス。僕好みのキャッチーなソウルフル・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=FKA_tSWv4KQ

Cooly's Hot-Boxの過去記事もご参照ください。

『Take It』(2001年)
Take It

Cooly's Hot-Box『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)
Don't Be Afraid: Get On

Angela JohnsonJohn-Christian Urichが在籍していたTortured Soulの過去記事もチェックを!

Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
They Don't Know

Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)
A Womans Touch

Angela Johnson『It's Personal』(2010年)
It's Personal

Angela Johnson『Naturally Me』(2014年)
Naturally Me

Tortured Soul『Introducing』(2004年)
tortured soul introducing.jpg

Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
DID YOU MISS ME
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2021年08月09日

LV『How Long』

新境地を目指した2nd☆LV『How Long』(2000年)♪

発表年:2000年
ez的ジャンル:脱ウェッサイ系R&B
気分は... :「Gangsta's Paradise」のイメージ払しょく!

今回はCoolio「Gangsta's Paradise」へのフィーチャリングで注目された男性R&BシンガーLV(L.V.)の2ndアルバム『How Long』(2000年)です。

1957年L.A.生まれの男性R&BシンガーLV(L.V.)(本名:Larry Sanders)の紹介は、デビュー・アルバム『I Am L.V.』(1996年)に続き2回目となります。

サウス・セントラル(サウス・ロサンゼルス)で育ち、Hip-HopユニットSouth Central Cartelのメンバーとなったものの、銃撃に巻き込まれ、療養生活を余儀なくされたLV(L.V.)

その経験から生まれたのがCoolioの大ヒットでお馴染みのギャングスタ・ラップのクラシック「Gangsta's Paradise」Coolioの楽曲にLVが客演したというイメージが強い「Gangsta's Paradise」ですが、実際はその逆でLVのアイデアから生まれた楽曲でした。

その「Gangsta's Paradise」のせいで、"ギャングスタ"のイメージがついてしまったLVですが、2ndアルバムとなる本作『How Long』(2000年)では、そのイメージ払しょくに努め、実力派の男性R&Bシンガーとして勝負しようとしています。

Mario WinansMarc GordonThe Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)Kenny SmoothMarc KinchenMyronなど多様なプロデューサーが起用され、LVの魅力を引き出しています。

シングルになった「How Long」「Woman's Gotta Have It」、僕のお気に入りの「Hold On」「Wherever You Are」、LV本人のお気に入り「Lady Sunshine」、美メロのR&Bバラード「One Chance」Babyface作品を彷彿させる「Thinking Of You」、実力派を印象付けるR&Bバラード「Rain」あたりがおススメです。

実力派の男性R&Bシンガーを目指すLVの新境地を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
Steven Russellプロデュース。アルバムのイントロ。

「How Long」
Mario Winansプロデュース。女性R&BシンガーShari Watson(Truth Hurts)をフィーチャー。シングルにもなりました。スパニッシュ・ギターが印象的な哀愁ミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=JWUsGFzOVrU

「One Chance」
Marc Kinchen/Mike Masonプロデュース。美メロのR&Bバラード。LVが本作で示したかったのは、こういった曲でリスナーを魅了することだったのでは?その狙い通り、素晴らしい歌声に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=AfjU0KcSEgc

「Forgive Me Girl」
James Broadway/Anthony Chandlerプロデュース。メロディアスな哀愁ミディアム。LVのジェントルなヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=66TwdELlw1o

「Hustlers 4 Life (Interlude)」
Billy "Blazin" Mossプロデュース。次曲へのインタールード。

「Everyday Hustler」
Mario Winansプロデュース。Raekwonをフィーチャー。「Gangsta's Paradise」路線の本曲はギャングスタしてますね。The Delfonics「Ready or Not Here I Come (Can't Hide From Love)」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=GWeaicVxk3Y

「Come Home With Me」
Darryl "88" Young/Kenny Smoothプロデュース。セクシーなミディアム・グルーヴ。少しG-Funk的な味付けもありますが、アーバンな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IJ6o12tC7rw

「Hold On」
The Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)プロデュース。ヴォーカル・アレンジが素晴らしい美メロ・ミディアム。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=fjs_SSLH48M

「Woman's Gotta Have It」
Billy "Blazin" Mossプロデュース。Bobby Womack、1972年のヒット・シングルをカヴァー(Bobby Womack/Linda Womack/Darryl Carter作)。シングルにもなりました。ソウル名曲をソウルフルに歌上げることで、シンガーとしての実力を示してくれます。Carl Kizineのリード・ギターが盛り上げてくれます。

「Thinking Of You」
LV/Mo Stewartプロデュース。この頃のBabyface作品を彷彿させる、アコギの音色が印象的なメロディアス・アンプラグド・ソウルに仕上がっています。

「The Testimony (Interlude)」
Steven Russellプロデュース。ドラマティックなインタールード。

「Rain」
Marc Gordonプロデュース。5 Young Menをフィーチャー。Levert人脈のMarc Gordonプロデュースらしい、実力派を印象付けるR&Bバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6T5NgX5oDmw

「Lady Sunshine」
Marc Kinchen/Mike Masonプロデュース。LV本人が本作で一番のお気に入り曲なのだとか。哀愁バラードを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=gRG-NEcNdz8

「I Don't Know Why」
Myronプロデュース。小細工なしのソウル・チューンで勝負している感じがいいですね。LVの歌声が胸に沁みてきます。聴けば聴くほど味わいが増します。

「Wherever You Are」
Alex "CAT" Cantrall/Myronプロデュース。さり気ないですが、ヴォーカル・ワークが素敵なラブソングです。「Hold On」と並ぶ僕のお気に入り。

「Outro」
Steven Russellプロデュース。美しいアウトロと共に本編は幕を閉じます。

「You're A Big Girl Now」
国内盤CDボーナス・トラック。娘への愛を情熱的に歌い上げます。

ご興味がある方はL.V.の他作品もチェックを!

L.V.『I Am L.V.』(1996年)


『Hustla 4 Life』(2010年)


『Still L.V.』(2012年)
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2021年07月29日

Katia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』

Subaの秘蔵っ子であった女性シンガー☆Katia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』

発表年:2003年
ez的ジャンル:次世代ブラジル音楽
気分は... :Subaが残したもの・・・

今回は2000年代以降の次世代ブラジル音楽作品からKatia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)です。

Katia B(本名:Katia Bronstein)は1965年リオ・デジャネイロ生まれの女性シンガー。

これまで『Katia B』(2000年)、『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)、『Espacial』(2007年)、『Pra Mim Voce e Lindo』(2012年)という4枚のアルバムをリリースしています。

僕が本作Katia Bに興味を持ったのは、彼女がBebel Gilberto『Tanto Tempo』のプロデュースで知られる鬼才プロデューサーSubaと関係の深いアーティストだったからです。

ブラジル音楽ファンはご存知の通り、1999年にSubaは自宅火災で急死してしまいます。そんなSubaの生前唯一のアルバム‎『Sao Paulo Confessions』(1999年)にKatia Bは参加し、彼の死後にリリースされた追悼アルバム『Tributo』(2002年)にも参加しています。また、デビュー・アルバム『Katia B』(2000年)は生前のSubaがミックスを手掛けています。

2ndアルバムとなる本作『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)は、

BiD、ブラジルのパンデイロ・マスター/トップ・パーカッショニストのMarcos SuzanoMarcos CunhaPlinio ProfetaSacha AmbackJR Tostoi等がプロデュースしています。

また、ブラジルの至宝、偉大な音楽家Egberto Gismonti、後に『Sem Nostalgia』(2009年)でブラジル音楽シーンに大きなインパクトを与えるLucas Santtana等がフィーチャリングされています。

アルバム全体としては、少し気怠いの雰囲気の次世代ブラジル音楽を楽しめます。

ここにSubaは居ませんが、Subaがいるかのように感じるサウンドを楽しめるはずです。

真夏の寝苦しい夜に、レイジーな女性ヴォーカルが涼となるのでは?

全曲紹介しときやす。

「So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode」
Marcos Cunha/Plinio Profetaプロデュース。Fausto Fawcettをフィーチャー。エレクトロニカと生音を演奏をうまく融合させた哀愁グルーヴがオープニング。少し気怠いKatia Bのヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZX_UGum0s-Y

「Outra Estacao」
Plinio Profetaプロデュース。少しアンニュイな雰囲気にグッとくる哀愁メロウ・グルーヴ。ここでも次世代ブラジル音楽らしいサウンド・センスを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=lQdDaRXyU6w

「Are You Sleeping?」
Subaの未完作品にKatia Bが歌詞をつけたもの。オリジナルはボーナス・トラックに収録されています。本ヴァージョンはEgberto Gismontiのピアノをフィーチャーした別ヴァージョン。Gismontiの美しいピアノが映える仕上がりです。Sacha Amback/Marcos Suzanoプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=OtriLqye84w

「Segredo」
Suba‎『Sao Paulo Confessions』(1999年)に収録されていたKatia BとSubaの共作曲のセルフ・カヴァー。Marcos Cunha/Plinio Profeta/JR Tostoiプロデュース。パーカッシヴでフューチャリスティックな次世代ブラジル音楽らしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z8o4Ir2nDoo

「Descontrole」
JR Tostoiをフィーチャー。BiDプロデュース。少し寂しげな哀愁チューン。ここでもさり気ないエレクトロニカのエッセンスがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=qGAoe_6iiQc

「Tanto Faz Para O Amor」
Lucas Santtanaをフィーチャー。Marcos Cunha/Plinio Profetaプロデュース。『Sem Nostalgia』(2009年)を予感させるフューチャリスティックなトラックは僕好み。少し気怠いKatia Bのヴォーカルが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=hWzEWkDWDgE

「Parece Mentira」
Sacha Amback/Marcos Suzanoプロデュース。フューチャリスティックでエレクトロニカなサウダージ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3k4t4StHF-4

「Ultimo A Saber」
ブラジリアン・ロック・バンドOs Paralamas Do Sucessoのドラマーとして知られるJoao Baroneをフィーチャー。BiDプロデュース。少しミステリアスでレイジーな仕上がり。聴いていると、いつの間にか迷宮を彷徨っています。
https://www.youtube.com/watch?v=UnYsaeDte5g

「One More Shot」
男性シンガーSuplaをフィーチャー。Marcos Cunhaプロデュース。本編ラストは次世代メロウ・ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TIiFHSSznJ0

「Are You Sleeping? (Suba Tribute Version)」
CDボーナス・トラックその1。BiD/Lunaプロデュース。「Are You Sleeping?」のオリジナル・ヴァージョン。Subaの追悼アルバム『Tributo』に収録されていたヴァージョンです。Subaらしいフューチャリスティックな雰囲気を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=n0mULSFAyW0

「Copo Vazio」
CDボーナス・トラックその2。1st『Katia B』収録曲のライヴ・ヴァージョンです。ライヴならではの雰囲気でレイジーなKatia Bワールドを楽しめます。

『Katia B』(2000年)


『Espacial』(2007年)


『Pra Mim Voce e Lindo』(2012年)
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2021年07月23日

Rodrigo Maranhao『Bordado』

ブラジリアン男性SSWのデビュー・アルバム☆Rodrigo Maranhao『Bordado』

発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジリアン男性SSW
気分は... :20歳の躍動!

昨日の五輪は女子ソフトボール、男子サッカーの2競技で日本代表が勝利しました。

どちらも薄氷を踏む思いの勝利でしたが、それぞれ勝利の立役者となったのが女子ソフトボールでは後藤選手、男子サッカーでは久保選手という20歳の若者だった点が印象的でしたね。二人とも大舞台で物怖じしない逞しさに感動しました。開会式に関してはゴタゴタ続きで呆れるばかりですが、競技に励む選手たちを見ていると、やはり五輪は素晴らしいイベントだと思います。

男子サッカーについては、日本戦の前に行われた「フランス対メキシコ」も興味深い一戦でしたね。今後日本が対戦する二か国ですが、特に勝利したメキシコのチームとしての完成度は素晴らしかったですね。個人的にはブラジル、スペインと並ぶ優勝候補なのではないかと思います。

一方、大差で敗れたフランスも個々の選手の能力は高く、日本は相当苦労するだろうなと感じました。このメキシコ、フランスという難敵二連戦で何とか一勝できれば、決勝トーナメントまで辿り着けそうですね。冨安、三笘がその二戦に間に合ってくれることを祈っています。

さて、今回はブラジリアン男性SSWのデビュー・アルバムRodrigo Maranhao『Bordado』(2007年)

Rodrigo Maranhaoはリオ・デジャネイロ生まれの男性シンガー・ソングライター。

まずソングライターとして頭角を現し、当ブログでも紹介したMaria Rita『Segundo』(2005年)で楽曲提供した「Caminho das Aguas」が第7回ラテングラミー賞の最優秀ブラジル歌曲賞を受賞し、一躍注目の存在となりました。
Maria Rita「Caminho das Aguas」
 https://www.youtube.com/watch?v=uJZOPU8ttpw

それ以外にも当ブログで紹介した作品でいえば、Roberta Sa『Belo E Estranho Dia Pra Se Ter Alegria』(2007年)※ボーナス・トラック、Maria Rita『Coracao a Batucar』(2014年)で楽曲提供しています。

ソロ・アルバムとしては、『Bordado』(2007年)、『Passageiro』(‎2010年)、『Itinerario』(2014年)という3枚をリリースしています。

さて、本作『Bordado』(2007年)ですが、派手さはありませんが、ブラジル人男性SSWらしい味わいのある1曲に仕上がっています。前述の名曲「Caminho Das Aguas」の本人ヴァージョンが収録されているのも嬉しいですね。

そうめんでも食しながら聴きたくなる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Bordado」
タイトル曲はシンプルな弾き語り。美しい刺繍の色彩に美しい女性を投影しています。
https://www.youtube.com/watch?v=GG_6hYKloWw

「Interior」
美しい12弦ギターの響きをバックに、対となる言葉を次々と並べていく、詩的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vvf2MjoMgSs

「O Osso」
印象的なアコーディオンの音色をバックに、♪俺は死ぬまでフラメンゴのファンさ♪と歌うカリオカらしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=RYJFlSjlG8I

「Olho De Boi」
味わい深い弾き語り。しみじみと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=NDywUZA07dM

「Pra Tocar Na Radio」
弾き語りサンバ。Celso Fonsecaあたりに通じる静かなるジェントル感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KmgHQxppWRs

「Baiao Digital」
ブラジリアンSSWらしい淡々とした哀愁チューン。さり気なさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=22skdv8RvDM

「Milonga」
ギターとアコーディオンのみのバッキングで、詩的な歌詞を味わい深く歌う哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=6c6EP_QwhPM

「Noites Do Ira」
アフガニスタン、イラン、ザイール、ルアンダ、ガーナと自分の知らない世界に思いを馳せる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=BWZi45hOGek

「Recado」
ア・カペラで歌われる1曲。富を得て街を離れてしまった人に、街の素晴らしさを伝言します。
https://www.youtube.com/watch?v=xPp-SMnvv2w

「Todo Dia」
ビリンバウなども取り入れた土着的サウンドが印象的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PJPKGKdL2zs

「Caminho Das Aguas」
前述のラテングラミー賞の最優秀ブラジル歌曲賞の受賞曲のセルフ・カヴァー。Maria Ritaヴァージョンとは異なる魅力を持った素晴らしい本人ヴァージョンです。♪川の流れのような生きる道を見せてください♪
https://www.youtube.com/watch?v=c2ew40Ug0aw

「Mantra」
国内盤ボーナス・トラックその1。心の中に湧き起こる情熱を歌う、静かなるパッションに溢れた1曲。

「Samba De Um Minuto」
国内盤ボーナス・トラックその2。哀愁モードの楽曲をしみじみと歌い上げます。

『Passageiro』(‎2010年)


『Itinerario』(2014年)
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2021年07月10日

Quantic『The 5th Exotic』

記念すべき1stアルバム☆Quantic『The 5th Exotic』
The 5th Exotic
発表年:2001年
ez的ジャンル:UKブレイクビーツ
気分は... :俺ってQuantic好き?

UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticの記念すべき1stアルバム『The 5th Exotic』(2001年)です。

QuanticことWill Hollandに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の12枚。

 Quantic『Apricot Morning』(2002年)
 The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
 The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
 Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
 Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
 Quantic『Magnetica』(2014年)
 Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
 Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
 Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
 Quantic『Atlantic Oscillations』(2019年)

自分ではそれほど意識していませんでしたが、こうやって過去エントリーを整理すると、僕ってかなりのQuantic好きかもしれませんね(笑)

本作『The 5th Exotic』(2001年)は、そんなQuanticの記念すべき1stアルバムとなります。勿論、Tru Thoughtsからのリリースです。

全体としては、ジャジーなUKブレイクビーツ作品といった印象です。
決して派手さはありませんが、ノスタルジックで、シネマチックな雰囲気がいい感じです。ダビーなトラックも印象的です。

他のQuantic作品をある程度聴いてから聴くと、この1stアルバムは逆に新鮮に聴こえてくるかもしれません。

1stアルバムならではのQuanticワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Introduction」
アルバムのイントロ。

「The 5th Exotic」
Martin Denny「Martinique」をサンプリング。タイトルの通り、エキゾチックなブレイクビーツ。少しダビーな感じもQuanticらしいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=x-10X7w6dCU

「Snakes In The Grass」
Idris Muhammad「Power of Soul」をサンプリング。タブラに合わせて、うねり回るスネークのような不気味さが漂うダビー・トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ff36fm2HZFk

「Infinite Regression」
映画『新・猿の惑星(Escape from the Planet of the Apes)』(1971年)でのDr. Otto Hassleinのセリフをサンプリング。『新・猿の惑星』のイメージとは異なりますが、シネマチックな雰囲気のトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=tuRW6dVfLWY

「Life In The Rain」
Dave Woodhouse(el-p)、Jon Hughes(g)が参加。Dave Brubeck Quartet「Take Five」をサンプリングしたジャジー・フィーリングのブレイクビーツに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=Gc2vrFcvar4

「Long Road Ahead」
少しノスタルジックな雰囲気のシネマチックなブレイクビーツです。
https://www.youtube.com/watch?v=itrF5acJjEs

「Common Knowledge」
Quanticの妹(or姉)のLucy Hollandもサックス等で参加したジャジー・ブレイクビーツ。ここでも少しノスタルジックな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Zy3c7p1fcRU

「The Picture Inside」
ミステリアスでダビーなジャジー・フィーリングにグッときます。迷宮に迷い込んだ感覚がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=Hkw3UbjC7fI

「Through These Eyes」
本作の中では最もダンサブルなトラック。ダークなジャジー・フィーリングで疾走します。UKブレイクビーツ好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=hOaftGSzKOc

「Time Is The Enemy」
Lena Horne「And I Love Him」、Tony Newman「Soul Thing」、Rare Earth「Get Ready」をサンプリング。ピアノのループが印象的な哀愁ジャジー・グルーヴ。滲み出てくるリリシズムがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=3zNz8D8RcSg

Fixpen Sill feat. Nekfeu「Garde a Vous」、RELLIM「Broken Dreams」等のサンプリング・ソースとなっています。
Fixpen Sill feat. Nekfeu「Garde a Vous」
 https://www.youtube.com/watch?v=gE4iYMyi0J0
RELLIM「Broken Dreams」
 https://www.youtube.com/watch?v=3Txuwg0yb_g

「In The Key Of Blue」
ウッドベースのループが心地好いジャジー・ブレイクビーツ。前半は抑えたトーンで貫き、中盤以降ジワジワとテンションを上げていきます。タブラの怪しげな響きがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0t2rOZwlmwI

「Meaning」
ラストは哀愁モードのトラックで余韻に浸りながらアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=XbVYrha1A_0

Quantic関連の他作品もチェックを!

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Pushin On (TRUCD074)

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica

Quantic『Magnetica』(2014年)
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)

Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
A NEW CONSTELLATION [帯解説・ボーナストラック収録] (BRC477)

Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
1000 Watts [帯解説・ボーナストラック4曲収録 / 国内盤CD] (BRC514)

Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
バイレ・ブカネロ

Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Curao [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC547)

Quantic『Atlantic Oscillations』(2019年)
Atlantic Oscillations [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC599)
posted by ez at 04:01| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする