2020年01月04日

Little Brother『The Minstrel Show』

9th Wonder、Phonte擁する強力Hip-Hopユニット☆Little Brother『The Minstrel Show』
Minstrel Show by Little Brother (2007-12-15)
発表年:2005年
ez的ジャンル:強力Hip-Hopユニット
気分は... :どうよ、このニヤケ顔!

9th WonderPhonteBig PoohによるHip-HopユニットLittle Brotherの2ndアルバム『The Minstrel Show』(2005年)です。

Little Brotherはノースカロライナ州ダーラムで結成されたHip-Hopユニット。ノースカロライナの大学生により旗上げされたHip-HopコレクティヴJustus Leagueに各メンバーが参加していたことがグループ結成のきっかけとなったようです。

9th WonderPhonteBig Poohの3名体制で『The Listening』(2003年)、『The Minstrel Show』(2005年)という2枚のアルバムをリリースした後、9th Wonderが脱退。

残るPhonteBig Poohのデュオ体制で『Getback』(2007年)、『Leftback』(2010年)という2枚のアルバムをリリースしています。

その後目立った活動がありませんでしたが、昨年9年ぶりのアルバム『May the Lord Watch』(2019年)をデジタル配信でリリースし、ユニットが健在であることを示してくれました。

『May the Lord Watch』(2019年) ※デジタルミュージック
May the Lord Watch [Explicit]

人気Hip-Hopプロデューサー/トラックメイカーである9th WonderThe Foreign Exchange(FE)のフロントマン、ソロ・アーティストとしても活躍するPhonteが在籍していたHip-Hopユニットというだけで僕にはグッときてしまいます。

特に本作『The Minstrel Show』(2005年)は、9th Wonder在籍時のLittle Brotherが絶好調ぶりを実感できる充実の1枚です。

アルバムはタイトルにあるMinstrel Showとは、黒人奴隷の生活ぶりを面白おかしく描いた芝居を意味するそうです。本作はそうしたMinstrel Showをモチーフに架空のTVショーを想定したコンセプト・アルバムに仕上がっています。アルバム・ジャケのメンバー3人のわざとらしいニヤケ顔もこうしたコンセプトを反映したものです。

メイン・プロデュースは9th Wonderですが、それ以外にNicolayThe Foreign Exchange(FE))、KhrysisPiano Reevesが各1曲プロデュースしています。

YahZarahDarien BrockingtonJoe ScuddaChaundonといったJustus Leagueの仲間や元Slum VillageElzhiといったアーティストがフィーチャリングされています。

また、DJ Jazzy JeffJames Poyser等がレコーディングに参加しています。

9th Wonderによるソウルフル・トラックとPhonteBig Poohの自信満々のラップは見事に噛み合ったHip-Hop名盤だと思います。ただし、評価の高い名盤の割には、話題になることが少なく地味な存在の作品かもしれません。

「Slow It Down」「Say It Again」「Lovin' It」をはじめ充実の全17曲です。さらに国内盤CDにはボーナス・トラック2曲が追加収録されています。

9th WonderPhonte好きの方は勿論のこと、ソウルフルなHip-Hop好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Welcome To The Minstrel Show」
YahZarahをフィーチャー。架空のショーのオープニング・テーマです。コメディアンChris Hardwickがアナウンスで盛り上げてくれます。The Floaters「No Stronger Love」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=vSHTXnMgxxk

「Beautiful Morning」
The Stylistics「What's Happening, Baby?」をサンプリング。少しノスタルジックな雰囲気が架空のTVショーっぽいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eXF3YlGVF-Y

「The Becoming」
Rufus & Chaka Khan「Circles」をサンプリングした格好良いトラックにグッとくる僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BpjRYMGwNsY

「Not Enough」
Darien Brockingtonをフィーチャー。Teddy Pendergrass「Easy, Easy, Got To Take It Easy」をサンプリングした哀愁トラックに乗って、Hip-Hopアーティストとしての自分たちの存在意義をライムで畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ev5hN_Q7Jbg

「Cheatin」
Piano Reevesプロデュース。Mr. DiggsによるRoland Isley調ヴォーカルが印象的な哀愁トラック。Lil Jon & The Eastside Boyz with Ying Yang Twins「Get Low」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=hcioZ-tuLjA

「Hiding Place」
Slum VillageのElzhiをフィーチャー。Bobby Womack「Jealous Love」をサンプリング。PhonteThe Foreign Exchangeについても触れてつつ、♪俺はまだLBメンバーだよ。脱退しない♪とラップしているのが興味深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=aUuOW_-YMwQ

「Slow It Down」
Darien Brockingtonをフィーチャー。David Ruffin「Slow Dance」をサンプリングしたソウルフル・トラック。ネオソウル好きの人は気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=HbBl81wqfSU

「Say It Again」
Five Special「Do Something Special (For Your Lady)」をサンプリング。僕好みのキャッチーなトラックです。元Nu GirlsのPamela Grahamがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=F5u4tztHPb4

「5th And Fashion (Skit)」
80年代エレクトリック・ファンク調の軽快トラックが印象的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=GCt5jvhHuTY

「Lovin' It」
Joe Scuddaをフィーチャー。The Stylistics「One Night Affair」をサンプリングしたメロウ・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=vLReIhRgVS8

「Diary Of A Mad Black Daddy (Skit)」
前曲を引き継ぐスキット。
https://www.youtube.com/watch?v=iJrhPTKeP7o

「All For You」
Darien Brockingtonをフィーチャー。Michael Franks「I Really Hope It's You」をサンプリングしたトラックが印象的です。James Poyserがキーボードで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=aRUY05yopUk

「Watch Me」
Khrysisプロデュース。DJ Jazzy Jeffがスクラッチで参加。Michael Jackson「With a Child's Heart」をサンプリング。DJ Jazzy Jeffがスクラッチが冴え渡り、Big Pooh、Phonteが自信満々のライムを畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=hScmCjiexK8

「Sincerely Yours」
Jerry Butler「Whatever Goes Around」をサンプリング。Big Poohが噛みしめるようにリリックを重ねます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pog_iGrbCw8

「Still Lives Through」
9th Wonderによるアブストラクトなビートがいいですね。A Tribe Called Quest「God Lives Through」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=XbP-Hv6v0bw

「The Minstrel Show Closing Theme」
YahZarahをフィーチャー。クロージングに再びショーのテーマが歌われます。
https://www.youtube.com/watch?v=n7PltjquPJk

「We Got Now」
N.Y.ブロンクス出身のラッパーChaundonをフィーチャー。Arthur Verocai「Caboclo」をサンプリング。Big Pooh、Phonte、ChaundonがHip-Hopアーティストとしての矜持をラップします。
https://www.youtube.com/watch?v=1dBill5V0r0

国内盤CDには「Hold On (Telling Me)」「The Olio」( feat. Legacy)の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Little Brotherの他作品もチェックを!

『The Listening』(2003年)
THE LISTENING

『Getback』(2007年)
Getback by Little Brother (2007-10-23)

『Leftback』(2010年)
Leftback

『May the Lord Watch』(2019年) ※デジタルミュージック
May the Lord Watch [Explicit]
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2019年12月20日

Moodymann『Forevernevermore』

ソウル・フィーリングの強い1枚☆Moodymann『Forevernevermore』
フォエヴァーネヴァーモア [名盤1000円]
発表年:2000年
ez的ジャンル:漆黒デトロイト・ハウス
気分は... :カウントダウン!

あっという間に12月20日。
公私共にやることだらけで例年以上に慌ただしい年の瀬です。
その一方で、様々なカウントダウンを楽しんでいたりもします。
まぁ、体調さえ崩さなければ何とかなる!

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymannの3rdアルバム『Forevernevermore』(2000年)です。

MoodymannKenny Dixon Jr.)の紹介は、1stアルバム『Silentintroduction』(1997年)、2ndアルバム『Mahogany Brown』(1998年)に続き3回目となります。

本作『Forevernevermore』(2000年)は1995-2000年にリリースしたシングルをコンパイルしたアルバムです。

アルバムにはNorma Jean Bell(sax、vo)、Bubz Fiddler(b)、Amp Fiddler(p、)、Debbie Welch(vo)といったミュージシャンが参加しています。

全体としてはソウル・フィーリングのブラックハウスといった印象です。

キャッチーで華やかなディスコ・ハウス「Don't You Want My Love」、Norma Jean Bellをフィーチャーしたソウル・フィーリングの「Your Sweet Lovin」、ゴスペル調のディープ・ハウス「The Thief That Stole My Sad Days」Marvin Gayeへのトリビュート「Tribute」Deodato「Whistle Bump」をサンプリングしたタイトル曲「Forevernevermore」、Calm「People From the Sun and the Earth」をサンプリングしたボッサ・ジャズ「Wednesday Night People」あたりが僕のおススメです。

ハウスをあまり聴かない人でも楽しめるソウルフルな漆黒ハウス・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Meanwhile Back At Home」
大ヒットしたTVドラマ『The Roots』のサントラ曲Quincy Jones「Main Title: Mama Aifambeni」をサンプリング。トライバルなブラック・フィーリングのディープ・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XonL0PWJcsM

「Wednesday Night People」
Calm「People From the Sun and the Earth」をサンプリング。ボッサ・ジャズのエッセンスも取り入れたサウンドはクラブジャズ好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=iiYderp32_8

「The Set Up」
M-Beat feat. Jamiroquai「Do U Know Where You're Comin From」、808 State「Cobra Bora」をサンプリング。幻想的なエレクトロニカに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QzQBmZUXlRs

「(Untitled)」
曲名の代わりにMoodymannのロゴ記されたトラック。無機質なのに温かみのあるテクノ・チューンといった雰囲気です。終盤にはCurtis Mayfield「Freddie's Dead」のヴォーカル・ネタも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=cN_8gFaAyDw

「Don't You Want My Love」
Debbie Welchのヴォーカルをフィーチャー。Boz Scaggs「Lowdown」、Crusaders「Spiral」、Led Zeppelin「Stairway to Heaven」等をサンプリングしたキャッチーで華やかなディスコ・ハウスです。
https://www.youtube.com/watch?v=VC21sHuCC_M

「Your Sweet Lovin」
Norma Jean Bellのサックス、ヴォーカルをフィーチャー。ソウル・フィーリングのディープ・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YbhiLFbOCfE

「The Thief That Stole My Sad Days」
Debbie Welchをフィーチャー。West End & Sybil「The Love I Lost」(Harold Melvin & the Blue Notesのカヴァー)をサンプリングしたゴスペル調のディープ・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vdusDWBSebA

「Tribute」
Marvin Gayeへのトリビュート。Marvinの「I Heard It Through The Grapevine」をサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=qlLvEMN3hPQ

「Forevernevermore」
タイトル曲は14分超の長尺。Deodato「Whistle Bump」をサンプリングした僕好みのグルーヴィー・トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=R1ZUX3Mm5tI

「(Silence)」
「(Silence)」
ボートラ前の2トラックは無音です。

「Various Mixed KDJ-Rarities」
CDボーナス・トラック。過去作品の17分のDJミックスです。

『Silentintroduction』(1997年)
A Silent Introduction

『Mahogany Brown』(1998年)
マホガニー・ブラウン [名盤1000円]

『Silence in the Secret Garden』(2003年)
サイレンス・イン・ザ・シークレット・ガーデン [名盤1000円]

『Black Mahogani』(2004年)
BLACK MAHOGANI

『Black Mahogani II』(2004年)
BLACK MAHOGANI II ( 直輸入盤・帯ライナー付 )

『Moodymann』(2014年)
Moodymann
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2019年12月11日

Mae Gee『Mae Day』

掘り出し物女性R&B☆Mae Gee『Mae Day』

発表年:2008年
ez的ジャンル:妖艶女性R&B
気分は... :嵐のような1日・・・

今回は2000年女性R&B作品からMae Gee『Mae Day』(2008年)です。

中古CDショップでジャケだけ見て直感的に購入し、気に入った1枚です。

しかし、今回記事にしようと思い、アーティスト、作品について調べようと思いましたが、殆どプロフィール情報がありません。

おそらく本作が唯一のアルバムだと思います。
メイン・プロデューサーはHip-HopユニットBlock BleedazのメンバーBig Hollisです。

アルバム全体としては、2000年代女性R&Bらしい妖艶な1枚に仕上がっています。殆どのソングライティング&アレンジをMae Geeが手掛けていますが、楽曲・サウンド・センスの良さもアルバムの魅力です。

ラッパーE-Moeをフィーチャーした「Original」「Young Luv」という2曲が僕の一押し!

それ以外にHip-Hop調の「Get Down」「Can't Change Me」Lady Remedyの女声ラップをフィーチャーした「Too Easy」、アーバンな「Can't Let Go」「I Belong 2 You」あたりもおススメです。

日本では殆ど話題にならない1枚ですが、なかなかの掘り出し物だと思います。

全曲を紹介しときやす。

「The Notch」
Big Hollis/Mae Geeプロデュース。ドラマティックなオープニング。2000年代女性R&Bらしい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=RAhiJU7yBDQ

「Get Down」
お気に入りその1。Big Hollisプロデュース。Big HollisによるHip-HopトラックとMaeの艶やかなヴォーカルがよくマッチしたキャッチーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9DJMs_iFWpA

「Romie's Message」
Roman Washingtonプロデュース。留守電ネタのインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=XkR9POEVF4A

「Still」
Diamond Maxプロデュース。しっとりとしたバラードで魅せてくれます。抑えた妖艶さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rc1RJaWGvRA

「Can't Change Me」
お気に入りその2。Big Hollisのラップをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。シングル向きのキャッチーな1曲。歌姫らしい華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=lzGB9dhuWnU

「You」
Big Hollisプロデュース。女性R&Bグループのようなヴォーカル・ワークが魅力です。Maeの歌いっぷりがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=y-YLkSeaXJw

「Too Easy」
お気に入りその3。Lady Remedyの女声ラップをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。妖艶なムードで悩殺されます(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=gfE4bSJHesk

「Can't Let Go」
お気に入りその4。Michael Barefieldプロデュース。僕好みのアーバンなR&Bグルーヴ。艶やかなオトナのヴォーカルと落ち着きのあるサウンドのバランスが最高です。
https://www.youtube.com/watch?v=Jum96t2qj5Q

「Take Me Away」
Big Hollisプロデュース。妖艶なムードでジワジワ迫ってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=VGka_i2zmwI

「We Can Do」
Brown Sugaをフィーチャー。Big HollisとはBlock Bleedazの仲間であるEklips Da Hustlaのプロデュース。オートチューン使いの哀愁チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=Xqw7ravHJ38

「Fallin」
Big Hollisプロデュース。しっとりと歌い上げる哀愁バラード。さり気ないですが実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=lPQ_7sJAaJI

「The Way I Feel」
Warringtonプロデュース。メロウなアクセントがいい感じの哀愁グルーヴ。切々と思いが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=fNenMEbgaoA

「Original」
お気に入りその5。E-Moeのラップをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。僕の一番のお気に入りはアーバンR&Bな本曲。E-Moeのラップもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=f5Q8xak9ZJA

「What U Did」
Big Hollisプロデュース。雨音交じりの哀愁チューンですが、正直雨音&ノイズは逆効果のように思います。
https://www.youtube.com/watch?v=msjQfogPzxs

「I Belong 2 You」
お気に入りその6。Big Hollisプロデュース。僕好みのアーバン・メロウ。落ち着きのある妖艶さがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=qg-t6WGTyUo

「Daddy」
Mae Geeプロデュース。素晴らしいア・カペラで父への思いを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=a3eY9xbqJns

「Young Luv」
お気に入りその7。E-Moeをフィーチャー。Big Hollisプロデュース。「Original」と並ぶ僕のお気に入り。オーガニックな質感を活かしたメロウ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=_veh-_gKSA0

今日は嵐のような1日になりそう・・・慌てず冷静に・・・
posted by ez at 00:29| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月29日

Caetano Veloso『Zii E Zie』

オルタナティヴ・ロックなCaetano節☆Caetano Veloso『Zii E Zie』

発表年:2009年
ez的ジャンル:カリスマMPB系オルタナティヴ・ロック
気分は... :老いては益々壮んなるべし!

ブラジル音楽界の牽引者Caetano Velosoが2009年にリリースした『Zii E Zie』です。

これまで当ブログで紹介したCaetano Veloso関連作品は以下の10枚。

 『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
 『Caetano Veloso』(1969年)
 『Caetano Veloso』(1971年)
 『Araca Azul』(1973年)
 『Joia』(1975年)
 『Qualquer Coisa』(1975年)
 『Outras Palavras』(1981年)
 『Cores, Nomes』(1982年)
 『Caetano Veloso (1986)』(1986年)
 『Caetano』(1987年)

2000年代以降のCaetano Veloso作品を紹介するのは初めてです。

60年代から活動するCaetanoのキャリアを考えれば、67歳でリリースした本作『Zii E Zie』は、"円熟味が増した"といった形容をイメージしがちですが、反対にオルタナティヴ・ロックを介して年齢と逆行するような新しい感性のMPBを提示しています。

基本的には前作『Ce』(2006年)の延長線上にある作品であり、Caetano Veloso(vo、g)、Pedro Sa(g、back vo)、Ricardo Dias Gomes (b、back vo)、Marcelo Callado(ds、back vo)という前作と同じ4人組バンド体制によるレコーディングです。

プロデュースも前作と同じくCaetanoの長男Moreno VelosoPedro Sa

息子Moreno Velosoと同世代のブラジル新世代ミュージシャンの感性をCaetanoが吸収し、それをCaetanoの個性に調和させている点が素晴らしいですね。

『ローリング・ストーン・ブラジル』誌が選出した「2009年の最も優れた25曲(国内部門)」にランク・インしたポスト・ロック的な「Incompatibilidade De Genios」(Joao Boscoのカヴァー)をはじめ、ボサノヴァ・ロックな「Perdeu」、ミクスチャー・ロック的な「Lobao Tem Razao」、格好良さでいえばアルバム一番の「A Cor Amarela」、ブラジル新世代のエッセンスを巧みに取り入れた「Falso Leblon」、オルタナティヴ・ロックによるサンバ・カヴァー「Ingenuidade」、ポスト・ロックな魅力がある「Lapa」あたりが僕のおススメです。

Caetano Velosoも含めて、ブラジル人ミュージシャンは年齢を重ねても創造意欲に満ちた人が多いですね。憧れます。

全曲紹介しときやす。

「Perdeu」
Caetano Veloso作。ボサノヴァ・ロックとでも呼びたくなるオープニング。Caetano Veloso節とオルタナティヴなサウンドの面白さが巧く調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=MvxrvKKyOP0

「Sem Cais」
Caetano Veloso/Pedro Sa作。さり気ないですがブラジル新世代ならではのロック・サウンドをCaetanoが見事に吸収しています。
https://www.youtube.com/watch?v=QrvNOIASC8g

「Por Quem?」
Caetano Veloso作。線の細いCaetanの弱々しい歌声が良くも悪くも印象的です。

「Lobao Tem Razao」
Caetano Veloso作。バッキングのミクスチャー・ロック的な面白さに惹かれてしまう1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Y4ZT7orqTWY

「A Cor Amarela」
Caetano Veloso作。アーバン×ブラジリアン・リズム×オルタナティヴ・ロックの融合が素晴らしい1曲。格好良さでいえばアルバムで一番です。
https://www.youtube.com/watch?v=sXoE9pVoPm8

「A Base De Guantanamo」
Caetano Veloso作。キューバにある悪名高い米軍グァンタナモ基地秘密収容所をタイトルに冠した曲。ヴォーカル&演奏もクセが強いです。
https://www.youtube.com/watch?v=bo_9S5bDPGI

「Falso Leblon」
Caetano Veloso作。Caetano Velosoの個性と息子Moreno Velosoらブラジル新世代の感性が見事に一体化しています。
https://www.youtube.com/watch?v=1u4s2vJ4Xbs

「Incompatibilidade De Genios」
Joao Bosco/Aldir Blanc作。Joao Boscoのオリジナルはアルバム『Galos de Briga』(1976年)収録。ポスト・ロック的な感性の本カヴァーは『ローリング・ストーン・ブラジル』誌が選出した「2009年の最も優れた25曲(国内部門)」で13位にランク・インしました。
https://www.youtube.com/watch?v=wMfY7gX1q_I

「Tarado Ni Voce」
Caetano Veloso作。息の合ったバンド・サウンドを楽しめます。特にPedro Saのギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KeI66d6V_eM

「Menina De Ria」
Caetano Veloso作。スピード感のある演奏ながらも何処となくユーモラスな雰囲気も漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=vi3gRo5WaZo

「Ingenuidade」
Serafim Adriano Da Silva作。オルタナティヴ・ロック・サウンドによるサンバ・カヴァー。ロッキンながらもしっかりサンバしています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ul_nhXKouKQ

「Lapa」
Caetano Veloso作。曲自体はいつものCaetano節全開ですが、それをポスト・ロック的に聴かせるのが本作らしい魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=EpicGPKXEiI

「Diferentemente」
Caetano Veloso作。ラストはメロウに締め括ってくれます。オルタナなメロウ・サウンドも魅力的です。
https://www.youtube.com/watch?v=nhr5KBcEk4s

Caetano Velosoの過去記事もご参照下さい。

『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
Ou Panis Et Circensis

『Caetano Veloso』(1969年)
Caetano Veloso (Irene)

『Caetano Veloso』(1971年)
Caetano Veloso (A Little More Blue)

『Araca Azul』(1973年)
アラサー・アズール+2(紙ジャケット仕様)

『Joia』(1975年)
ジョイア+2

『Qualquer Coisa』(1975年)
Qualquer Coisa

『Outras Palavras』(1981年)
Outras Palavras

『Cores, Nomes』(1982年)
Cores & Nomes

『Caetano Veloso (1986)』(1986年)
Caetano Veloso

『Caetano』(1987年)
Caetano (Jose)
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2019年11月16日

Louie Vega『Elements Of Life』

ハウス界のレジェンド、初ソロ・アルバム☆Louie Vega『Elements Of Life』
エレメンツ・オブ・ライフ(CCCD)
発表年:2003年
ez的ジャンル:ニューヨリカン系レジェンド・ハウス
気分は... :レジェンドのレジェンドたる所以!

ハウス界のレジェンドLouie Vega『Elements Of Life』(2003年)です。

Kenny "Dope" GonzalezとのコンビMasters At WorkNuyorican Soulで一時代を築いたN.Y.ハウスのトップ・プロデューサーLouie Vegaについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 Nuyorican Soul『Nuyorican Soul』(1997年)
 Elements Of Life『Eclipse』(2013年)
 Louie Vega『Louie Vega Starring...XXVIII』(2016年)

ハウス界のレジェンド・プロデューサーとして大成功を収めたLouie Vegaですが、自身名義のアルバムとしては本作『Elements Of Life』(2003年)が初となります。

アルバムにはVegaの公私のパートナーAnane(人気ブラジル人女性SSWJoyceの娘Ana Martins)、ハウス界のレジェンド・ユニットBlaze全盲のUSギタリスト/シンガーRaul Midon(g、vo)等がフィーチャリングされ、パーカッション・マッドネスLuisito QuinteroLisa FischerCindy MizelleといったVega作品でお馴染みの女性R&Bシンガー等も参加しています。

アルバムはLouie VegaらしいN.Y.ラテンの効いたニューヨリカン・ハウスや、妻Ananeの母国ブラジルのエッセンスを効かせた楽曲が印象的です。

Vega印100%の「Brand New Day」「Elements Of Life」というBlazeをフィーチャーした2曲やRaul Midonをフィーチャーした「Cerca De Mi」Ananeをフィーチャーした「Nos Vida」「Ma Mi Mama」「Mon Amour」というブラジリアン・フレイヴァーの3曲。Vegaの叔父でN.Y.サルサを代表するトップ・シンガーであった故Hector Lavoeが歌っていた楽曲のカヴァー「Quimbombo」あたりがおススメです。

Louie Vega好きには間違いない1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Journey's Prelude」
「Jungle Fever」
Ursula Ruckerによるスポークンワード「Journey's Prelude」でアルバムは幕は空けます。その流れでThe Chakachasのカヴァー「Jungle Fever」へ突入。Ananeのお色気ヴォイスとRaul Midonのギターが印象的な官能グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=Lv4o-biP7b0

「Brand New Day」
Blazeをフィーチャー。パーカッション・マッドネスLuisito Quinteroによるパーカッシヴ・リズムが印象的なLouie Vegaらしいニューヨリカン・ハウス。
https://www.youtube.com/watch?v=FW5QGOJKRmo

「Cerca De Mi」
Raul Midonをフィーチャー。VegaとAlbert Menendezの共同プロデュース。Masters At Work、Nuyorican Soulの盟友Kenny "Dope" Gonzalezも参加。Nuyorican Soul好きの人であれば気に入るであろうラテン・フレイヴァーの効いたニューヨリカン・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=w8e2W7XhNEQ

「Africa/Brasil」
タイトルの通り、アフリカン・リズム/アフロ・サンバを前面に打ち出したトライバルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=8CUiL9b9FjY

「Nos Vida」
Ananeをフィーチャー。彼女のソロ名義アルバム『Selections』(2006年)にも収録されています。ブラジリア・フレイヴァーを効かせた僕好みの仕上がり。子供たちのコーラスもいい感じです。この頃の姉Clara Morenoの作品に通じるものもあるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ZntttUDxo9w

「A Better Day」
Raul Midonをフィーチャー。これもブラジリアン・テイスト。ブラジリアン・リズムに乗ってMidonのヴォーカル&ギターが優しく包み込んでくれます。

「Ma Mi Mama」
Ananeをフィーチャー。この曲も『Selections』(2006年)にも収録されています。楽園モードのメロウ・ブラジリアン・グルーヴは僕の大好物です。
https://www.youtube.com/watch?v=H7PTtsgpMGQ

「Tu Y Yo」
「Ma Mi Mama」からシームレスに続く小曲。「Ma Mi Mama」の雰囲気を受け継いでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=FFS58XuaqmY

「Summer Night In Spanish Harlem」
House Of Rhumbaをフィーチャー。パーカッション・セッション風の仕上がり。

「Quimbombo」
Louie Vegaの叔父でN.Y.サルサを代表するトップ・シンガーであった故Hector LavoeがフィーチャリングされていたN.Y.サルサのスーパースターWillie Colonのデビュー作『El Malo』(1967年)収録曲をカヴァー。ここではDomingo Quinonesのヴォーカルをフィーチャーし、Louie Vega流N.Y.サルサを聴かせてくれます。

「Cantos Para Chango」
「Quimbombo」からシームレスに続くN.Y.ラテンな小曲。

「Sunshine」
前半は「Quimbombo」、「Cantos Para Chango」の流れを汲んだラテン調の仕上がり。後半はRaul Midonのソウルフル・ヴォーカルが印象的です。

「Elements Of Life」
タイトル曲はBlazeをフィーチャー。Louie Vega印100%のニューヨリカン・ハウスは文句なしの出来栄えです。George Duke「Brazilian Love Affair」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=v_W0BiWIRYs

「Mon Amour」
Ananeをフィーチャー。この曲も『Selections』(2006年)にも収録されています。少しフレンチ・テイストのオルガンな印象的なセクシーな哀愁メロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=BzluRsSQhG0

「Mozalounge」
ラストはラテン・リズムが軽やかに響くニューヨリカン・ハウスなインストで締め括ってくれます。

国内盤CDにはボーナス・トラックとして「Nico's Song」が別CDに収録されています。

Louie Vega関連作品や本作参加アーティストの過去記事もチェックを!

Nuyorican Soul『Nuyorican Soul』(1997年)
Nuyorican Soul

Elements Of Life『Eclipse』(2013年)
エクリプス

Louie Vega『Louie Vega Starring...XXVIII』(2016年)
ルイ・ヴェガ・スターリング・・・XXVIII (LOUIE VEGA STARRING...XXVIII)(直輸入盤帯ライナー付国内仕様)

Anane『Selections』(2006年)
ルイ・ヴェガ・プレゼンツ・アナネ’セレクションズ’

Luisito Quintero『Percussion Maddnes』(2006年)
Percussion Madness

Blaze『25 Years Later』(1990年)
25イヤーズ・レイター

Blaze『Basic Blaze』(1997年)
Basic Blaze
posted by ez at 13:04| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする