2021年01月20日

The RH Factor『Distractions』

ジャズ×R&B/Hip-Hopプロジェクトの第二弾☆The RH Factor『Distractions』

発表年:2006年
ez的ジャンル:ジャズ×R&B/Hip-Hop
気分は... :気晴らし!

人気ジャズ・トランペット奏者Roy HargroveによるプロジェクトThe RH Factorの第二弾アルバム『Distractions』(2006年)です。

テキサス州出身のトランペット奏者で、音楽コレクティヴSoulquariansのメンバーでもあったRoy Hargrove(1969–2018年)がジャズとR&B/Hip-Hopの接点拡大を図ったプロジェクトThe RH Factorの紹介は、第一弾アルバム『Hard Groove』(2003年)に続き2回目となります。

第一弾『Hard Groove』(2003年)には、D'AngeloErykah BaduQ-TipCommonPino Palladino(b)、James Poyser(key)というSoulquariansメンバーが大挙して参加したアルバムとして大きな注目を浴びました。

それ以外にもAnthony Hamilton(vo)、Renee Neufville(元Zhane)(vo)、Meshell Ndegeocello(b)等が参加していました。

この豪華メンバーの名前を眺めただけでも必聴のアルバムが『Hard Groove』(2003年)でした。

それに対して、第二弾となる本作『Distractions』(2006年)は、目立ったゲストはD'Angeloのみであり、豪華ゲストの名前ではなく、音楽の中身で勝負する姿勢が打ち出された1枚に仕上がっています。

本作におけるThe RH Factorメンバーは、Roy Hargrove(tp、flh、vo)以下、Renee Neufville(元Zhane)(vo、key)、Keith Anderson(sax)、現Snarky PuppyBobby Sparks(key)、Charles McCampbell(key)、Bobby Sparks(g)、Lenny Stallworth(b)、Reggie Washington(b)、Jason Thomas(ds)、Willie Jones III(ds)という面々。

さらにゲストとして、D'AngeloDavid "Fathead" Newman(sax、fl)が参加しています。

プロデュースはRoy Hargrove自身。1曲のみD'Angeloとの共同プロデュースです。

やはり一番目立つのはD'Angelo参加&共同プロデュース&ソングライティングの「Bullshit」ですね。D'Angeloファンも満足するはず!

それ以外であれば、Renee Neufvilleがヴォーカル&ソングライティングで参加した「On The One」「Family」「A Place」「Hold On」The RH Factorらしいファンク・グルーヴを楽しめる「Can't Stop」「Distractions 4」あたりがおススメです。

『Hard Groove』(2003年)のような華やかさには欠けるかもしれませんが、このプロジェクトらしいジャズ×R&B/Hip-Hopな演奏を楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Distractions (Intro)」
Roy Hargrove作。タイトル曲はパート1からパート4まで収録されていますが、パート1はそのイントロ。短いながらもファンキー&スリリングな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=t3y3ETGh5tw

「Crazy Race」
Roy Hargrove作。元ZhaneのRenee Neufvilleがジャズ・フィーリングのヴォーカルを聴かせてくれる1曲。ビバップ調の演奏を楽しめますが、Earth, Wind & Fire「Brazilian Rhyme (Beijo)」調のフレーズが飛び交うホーン・アンサンブルが僕のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=v201PxvQ4qM

「Kansas City Funk」
Roy Hargrove作。エフェクトを駆使したプレイが印象的なジャズ・ファンク。なかなかスリリングな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=RKX6OF51XMk

「On The One」
Renee Neufville作。Renee Neufvilleのヴォーカルが映えるネオソウル。ジャズ×R&B/Hip-Hopの融合をコンセプトとしたThe RH Factorらしいサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=IY_WhS5ShtI

「Family」
Roy Hargrove/Renee Neufville作。しっとりとしたRenee NeufvilleとHargroveのヴォーカル、さらにHargroveの美しいフリューゲル・ホーンが印象的なミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=amlkzJE3g3E

「Distractions 2」
Roy Hargrove作。「Distractions」のパート2。短い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=piTh4z1lkHQ

「A Place」
Roy Hargrove/Renee Neufville作。Renee NeufvilleとHargroveがヴォーカルをとるミディアム・ファンク。スペイシーなアクセントが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=6rLHVMes-cw

「Hold On」
Roy Hargrove/Renee Neufville作。この曲でもRenee NeufvilleとHargroveがヴォーカル。J Dilla以降のHip-Hopの影響を感じる演奏は、Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)に繋がっているかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=h1wOQ3cN7hA

「Bullshit」
D'Angelo参加&プロデュース&ソングライティングの話題曲。D'Angelo好きの人は気に入るであろうスクラッチ入りのダークなデビルR&Bに、本プロジェクトならではのジャズ・テイストをうまく織り交ぜています。
https://www.youtube.com/watch?v=nVXD0ed7u8w

「Distractions 3」
Roy Hargrove作。「Distractions」のパート3。パート4のフル演奏への期待が膨らみます。
https://www.youtube.com/watch?v=fyxzGK7xBH0

「Can't Stop」
Roy Hargrove作。70年代ファンクを2006年仕様にアップデートさせたようなファンキー・グルーヴ。ファンク好きの人も十分に楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=JXEUarvRFyM

「Distractions 4」
Roy Hargrove作。いよいよパート4でフル演奏を披露してくれます。躍動感のあるダイナミックなジャズ・ファンク・グルーヴをバックに、Roy Hargroveが素晴らしいトランペット・ソロを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aqebBQeTIdk

未聴の方は、『Hard Groove』(2003年)やその未発表トラック集『Strength』(2004年)もチェックを!

『Hard Groove』(2003年)
ハード・グルーヴ

『Strength』(2004年)
『Hard Groove』セッションの未発表トラック集
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2021年01月13日

New Sector Movements『Download This』

IG Cultureによるブロークンビーツ☆New Sector Movements『Download This』

発表年:2001年
ez的ジャンル:UKブロークンビーツ
気分は... :新しいムーヴメント!

ブロークンビーツ黎明期の重要人物IG Cultureのソロ・プロジェクトNew Sector Movementsの初アルバム『Download This』(2001年)です。

IG Culture(Ian Grant)関連アルバムの紹介は、DodgeとのユニットDodge City Productions『Steppin' Up & Out』(1993年)に続き2回目となります。

Dodge City Productions後に、Ian GrantIG Cultureを名乗るようになり、ソロ・プロジェクトNew Sector Movements名義でのブロークンビーツ作品をリリースするようになります。

「Groove Now/New Goya」(1997年)、「My History」(1998年)、「Voonga Vonge」(1998年)、「No Tricks EP」(2000年)といったシングル/EPリリースを経て、満を持して制作されたアルバムが本作『Download This』(2001年)です。

プロデュースはIG Culture本人。

Frank McCombJulie DexterといったUSソウル/R&Bシンガー、西ロンドンの歌姫Bembe Segue、ジンバブエ生まれロンドン育ちの女性シンガEskaJ. Jay等がフィーチャリングされています。

それ以外にIG CultureLikwid Biskitでタッグを組んだ4HeroKaidi Tatham、UKの黒人シンガー・ソングライターVictor Daviesもレコーディングに参加しています。

Frank McCombをフィーチャーした「The Sun」「Anthem」Julie Dexterをフィーチャーした「Free As」
Bembe Segueをフィーチャーした「Never Been Closer」Eskaをフィーチャーした「Two Sides」、ハイスピードの「Mass Car Raid」など格好良いブロークンビーツがズラリと並びます。

西ロンドン発の21世紀ダンス・ミュージックとして、"ブロークンビーツ"を提示した1枚を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Anthem」
Frank McCombをフィーチャーしたオープニング。ソングライティングもFrank McCombであり、彼らしいソウル・フィーリング溢れるヴォーカルに、I.G. Cultureらしいブロークンビーツが融合した1曲に仕上がっています。

「Free As」
Julie Dexterをフィーチャー。ストリングスを配したドラマティックな1曲に仕上がっています。

「Never Been Closer」
西ロンドンの歌姫Bembe Segueをフィーチャー。Kaidi Tathamも参加した西ロンドン好きにはたまらないブロークンビーツ。間違いのない1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=w3hzIeaNdP8

「Mass Car Raid」
Victor DaviesKaidi Tatham参加のインスト。ハイスピードの疾走感が格好良すぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=TxKxWiyCRLM

「Penny Dropped」
Eskaをフィーチャー。Kaidi Tathamも参加したアフロ・フィーリングを効かせた1曲。

「Mek Movements」
Eskaをフィーチャーした繋ぎの小曲。

「The Sun」
Frank McCombをフィーチャー。シングルにもなった本作のハイライトの1つ。太陽の光のような幻想的ブロークンビーツ。
https://www.youtube.com/watch?v=PMqAGi_q8D4

「Spontaneous」
ヴォーカル&ギターはEric Appapoulay。ミステリアスに疾走します。ブラジリアン&コズミックなアクセントがいい感じ。

「Two Sides」
Eskaをフィーチャー。ソングライティングはKaidi Tatham。アッパーな躍動感が恰好良いトラックに仕上がっています。

「Mysterious Sound」
Bembe Segue/Cultcha Gをフィーチャー。Victor Davies参加。トライバルなピースフル感とアコースティックな質感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BNznZvSrktw

「Download This」
タイトル曲はEskaをフィーチャー。Kaidi Tatham参加のフューチャー・ジャズ。Eskaのヴォーカルのキュートな魅力が映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=PDS6igmyaNA

「Show Dem (Our Time)」
本編ラストはJ. Jayをフィーチャーした幻想的な仕上がり。Kaidi Tatham参加。

「The Sun (New Sector Movements Remix)」
国内盤CDボーナス・トラック。「The Sun」のリミックスです。Frank McCombに加えて、Eskaのヴォーカルも加わり、華やかな雰囲気です。

本作以降、New Sector Movements名義ではアルバム『Turn It Up』(2004年)をリリースしています。

『Turn It Up』(2004年)


IG Culture関連の他作品もチェックを!

Dodge City Productions『Steppin' Up & Out』(1993年)
dodge city productions.jpg

IG Cultur『Da Steppas Project』(1996年)
Steppers Project

IG Cultur『Zen Badizm』(2008年)
ZEN BADIZM(ゼン・バディズム)

IG Cultur『Soulful Shanghai』(2012年)
Soulful Shanghai
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2021年01月06日

Conya Doss『Just Because』

クリーブランド出身の女性R&Bシンガーの2nd☆Conya Doss『Just Because』

発表年:2004年
ez的ジャンル:Dome系ネオ・ソウル
気分は... :それでも花は咲く・・・

今回は実力派ネオ・ソウル・シンガーConya Dossの2ndアルバム『Just Because』(2004年)です。

1972年クリーブランド生まれの女性R&BシンガーConya Dossの紹介は、3rdアルバム『Love Rain Down』(2006年)、4thアルバム『Still...』(2008年)に続き3回目となります。

2ndアルバムとなる本作『Just Because』(2004年)のリリースに際して、彼女は自身のレーベルConya Doss Songsを設立しています(以降、彼女のアルバムは同レーベルからリリース)。また、UKの優良レーベルDome Recordsからも販売されています。

メイン・プロデュースはConya Doss自身とRodney Jones
それ以外にMyronMark TaylorTony PulizziChris McNealもプロデュースを手掛けています。

メロウ・エレピが映えるタイトル曲「Just Because」、同タイプの「What Should I Do?」、男性R&BシンガーJames "Jayshawn" Smithが参加した「Here We Go Again」、切ない哀愁メロウ「Stay」、ネオ・フィリー調の「Missin You」、艶やかなメロウ・ミディアム「Ain't Givin' Up」など、派手さなありませんが素敵なネオ・ソウル・トラックが詰まっています。

さり気ないけど良質のネオ・ソウル・ワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Just Because」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。タイトル曲は僕好みのメロウ・エレピが映え、この時代らしい乾いたビートに乗ったネオ・ソウル。ネオ・ソウルらしい歌い回し、ヴォーカル・ワークもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KwRci6zF1cw

「Here We Go Again」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。本作以降、彼女の作品には度々参加することになる男性R&BシンガーJames "Jayshawn" Smithがデュエットに近いかたちで参加しています。軽快なリズムにのったメロウ・ミディアムはオトナ・ネオ・ソウルにフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=VHZuHFQvq8g

「Stay」
Conya Doss/Rodney Jones/Mark Taylorプロデュース。♪お願い、一緒にいて♪と切なく歌う哀愁メロウ。Conyaの歌いすぎないヴォーカル・スタイルがフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=hN1ObTk5a4M

「Sixth Of June (Miracle)」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。クリーブランド出身の男性R&Bシンガー/ソングライターMyronの弾くギターのアコースティックな質感が印象的な哀愁ミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=1nR1EZfwlxk

「Damn That」
Conya Doss/Rodney Jones/Mark Taylorプロデュース。哀愁ギターが印象的な少しスパニッシュ風のミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=jFiSWMdRGa0

「Missin You」
前述のMyronとConyaの共同プロデュース。ネオ・フィリー好きの人は気に入るであろう僕好みのメロウ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=e7whu77OxR0

「Day By Day」
Conya Doss/Tony Pulizziプロデュース。ビートレスのシンプルなバッキングにすることで、Conyaの素晴らしいヴォーカル・ワークが映える1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=cI06A4i3PeQ

「Ain't Givin' Up」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。Conyaのアンニュイな魅力を満喫できる艶やかなメロウ・ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=iJtwwHW--TY

「What Should I Do?」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。「Just Because」と同じく、メロウ・エレピが映え、乾いたビートに乗ったネオ・ソウル。「Just Because」同様にお気に入りの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=vfVw1v9Vouc

「The Wind」
Conya Doss/Rodney Jonesプロデュース。Chris McNealとのデュエット。オーセンティックながらもスタイリッシュに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kV2bskQhIbs

「Sweet Love (I Don't Know)」
Conya Doss/Myronプロデュース。ラストはヴィンテージ・ソウル風のバラードを仰々しくせずカジュアルな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gGytGxfLfIM

Conya Dossの他作品もチェックを!

『A Poem About Ms. Doss』(2002年)
A Poem About Ms. Doss

『Love Rain Down』(2006年)
Love Rain Down by Conya Doss (2006-10-17) 【並行輸入品】

『Still...』(2008年)
Still...

『Blu Transition』(2010年)
Blu Transition

『A Pocketful of Purpose』(2012年)
Pocket Full of Purpose

『Seven: VII』(2015年)
VII
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2020年12月18日

Kirk Franklin『Rebirth of Kirk Franklin』

明日への希望を抱くコンテンポラリー・ゴスペル☆Kirk Franklin『Rebirth of Kirk Franklin』
Rebirth of Kirk Franklin
発表年:2002年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :再生のとき...

今回は感動のコンテンポラリー・ゴスペル・アルバムKirk Franklin『Rebirth of Kirk Franklin』(2002年)です。

コンテンポラリー・ゴスペルのトップランナーKirk Franklinについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Kirk Franklin & The Family Christmas』(1995年)
 『Whatcha' Lookin' 4』(1996年)
 『God's Property』(1997年)

本作『Rebirth of Kirk Franklin』(2002年)は、2000年6月16日にテキサス州ヒューストンのLakewood Churchで行われたライブを収めた作品であり、USアルバム・チャート第4位、同R&Bアルバム・チャート第4位となったヒット・アルバムです。

総勢30名以上のコーラス隊を従えたKirk Franklinがリーダーとなったゴスペル・ショーといった雰囲気がいいですね。

ライヴにはShirley CaesarDonnie McClurkinCrystal LewisJaci VelasquezWillie Neal JohnsonPapa SanRichard SmallwoodYolanda AdamsAlvin Slaughterといった多彩なゲストが参加しています。

本作はライヴ映像で視聴すると感動がさらに増します。

The Rebirth Kirk Franklin DVD Completo
https://www.youtube.com/watch?v=nVXJdz0FgyA

コロナ感染拡大で心が塞ぎがちな今、本作のようなゴスペルを聴くと、明日への希望や生きる勇気が湧いてくるはずです!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
両親に捨てられ、祖母に預けられた自身の悲しい過去を再現したイントロ。祖母が捨てられたKirkに神のご加護を願うシーンに、Kirkがゴスペルを歌う原点を見ることができます。

そして、時が過ぎ「準備できたか」とドアをノックする音が・・・
「Thank You, Mama」と感謝を述べてドアの向こうへ歩むと、そこは今回のライヴ会場であった!

こうして感動のゴスペル・ライヴがスタート!

「Hosanna」
ライヴは神のご加護を讃える曲でスタートします。Kirkにリードされ、コーラス隊の生きる勇気とパワーを与えてくれる、天まで届きそうな素晴らしい歌声を届けてくれます。これぞゴスペル・ライヴ!って感じですね。コンテンポラリー・ゴスペルらしい
https://www.youtube.com/watch?v=LN-Tw5Qa7qI

「Caught Up」
ベテラン女性ゴスペル・シンガーShirley Caesarをフィーチャー。パワフルな中にも情感のこもったShirleyの歌声にゴスペルという音楽の底力を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=BKJC6oGkeZc

「911」
この曲はスタジオ録音。この曲タイトルは緊急電話番号911とあのアメリカ同時多発テロ事件の9.11のダブル・ミーニング。T. D. Jakes司教とコーラス・グループScene 23をフィーチャー。Kirkが911に電話し、T. D. Jakes司教にテロの悪夢にうなされる悩みを打ち明けます。Trin-i-tee 5:7Dawkins & Dawkinsのメンバーもバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=1Gve69GACDo

「The Blood Song」
Donnie McClurkin, Crystal Lewis & Jaci Velasquezをフィーチャー。感動的なゴスペル・ソングですが、スペイン系のJaciがいるせいかギターが少しスパニッシュ風なのが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=qiF0ajuXY3Y

「Brighter Day」
ソウル/ファンク好きも楽しめるであろうファンキー・チューン。開放的なホーン・サウンドが伸びやかなコーラス隊の歌声を引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=DXjVlb8jGzs

「My Life, My Love, My All」
僕の一番のお気に入り。聴く者の心を優しく包み込んでくれるビューティフル・ゴスペル。聴いているだけ心が浄化され、誰もが優しい気持ちになれるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=JNvkDuQ9y6I

「Lookin' Out For Me」
Willie Neal Johnsonをフィーチャー。彼は本作のリリースの前に65歳で逝去してしまいました。まずKirkらが盛り上げ、お膳立てしたところでWillie Neal Johnsonが登場します。
https://www.youtube.com/watch?v=Ao2lc1LCO-U

「He Reigns (The Medley)」
Rich Mullins「Awesome God」のカヴァーとオリジナル「He Reigns」のメドレー。Papa Sanのラガ風MCをフィーチャーし、Ernie Greenのターンテーブルも入ります。ラテン・サウンドにスクラッチ音という何でもアリな感じがコンテンポラリー・ゴスペルらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a_G6z7ETOl4

「Interlude」
次曲のイントロとなるインタールード。

「Don't Cry」
Richard Smallwoodの美しいピアノをフィーチャー。ピアノとストリングスをバックに、コーラス隊がしっとりと歌い上げます。、
https://www.youtube.com/watch?v=cnAtsV-fxj4

「The Transition」
子供の声をフィーチャーした次曲「Always」のイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=yHU4okq_R1Y

「Always」
聴く者の心を暖かくしてくれる感動的な1曲。12月の寒い日に聴くとホッコリするはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=LpKvqLqcXAM

「When I Get There」
ファンキーなリズム隊&ホーン隊が牽引するグルーヴィーな仕上がり。生きる希望につながる躍動感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=ig-F9yepOcc

「Interlude」
エンディングに向けたインタールード。

「Outro (The Blood)」
ラストはYolanda Adams & Alvin Slaughterをフィーチャー。Andrae Crouch & The Disciples「The Blood Will Never Lose Its Power」を引用した感動的仕上がりです。最後には観客と一体となって大盛り上がりでエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=8Bb_lF1pyYM

「Throw Yo Hands Up」
シークレット・トラック。クリスチャンHip-HopアーティストTobyMacをフィーチャー。本編とは全く異なるアゲアゲ・トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=Qc2wnh8GfmU

Kirk Franklinの他作品もチェックを!

Kirk Franklin & The Family『Kirk Franklin & The Family』(1993年)
Kirk Franklin & The Family

Kirk Franklin & The Family『Kirk Franklin & The Family Christmas』(1995年)
クリスマス

Kirk Franklin & The Family『Whatcha' Lookin' 4』(1996年)
Whatcha Lookin 4

Kirk Franklin's Nu Nation『God's Property』(1997年)
ゴッズ・プロパティ・フロム・カーク・フランクリンズ・ニュー・ネイション

『The Nu Nation Project』(1998年)
The Nu Nation Project

『Hero』(2005年)
Hero

『Songs for the Storm Volume 1』(2006年)
Kirk Franklin Presents: Songs for the Storm 1

『Fight of My Life』(2007年)
Fight of My Life (Snys)

『Hello Fear』(2011年)
Hello Fear

『Losing My Religion』(2015年)
Losing My Religion

『Long Live Love』(2019年)
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2020年11月26日

The Isley Brothers『Eternal』

Ronald & Ernieの二人体制で見事に復活!☆The Isley Brothers『Eternal』

発表年:2001年
ez的ジャンル:レジェンド系ソウル/R&B
気分は... :老兵は死なず、消えもしない!

今回はThe Isley Brothers『Eternal』(2001年)です。

これまで当ブログで紹介したIsleys作品は以下の14枚(発表年順)。

 『The Brothers Isley』(1969年)
 『Givin' It Back』(1971年)
 『Brother, Brother, Brother』(1972年)
 『The Isleys Live』(1973年)
 『3+3』(1973年)
 『Live It Up』(1974年)
 『The Heat Is On』(1975年)
 『Harvest For The World』(1976年)
 『Go For Your Guns』(1977年)
 『Showdown』(1978年)
 『Winner Takes All』(1979年)
 『Grand Slam』(1981年)
 『Between The Sheets』(1983年)
 『Baby Makin' Music』(2006年)

前作『Mission to Please』(1996年)の後に、 Marvin Isleyが闘病のため抜けてしまい、Ronald IsleyErnie Isleyの二人体制になってしまったIsleys。その第一弾としてDreamWorksからリリースされたアルバムが本作『Eternal』(2001年)です。

アルバムはUSチャート第3位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなり、見事な復活を印象づけました。

Ronald Isley、Ronaldの当時の奥方Angela Winbushをはじめ、Raphael SaadiqJake & The PhatmanR. KellySteve 'Stone' HuffJam & Lewis(Jimmy Jam/Terry Lewis)James "Big Jim" WrightDre & Vida(Andre Harris/Vidal Davis)がプロデュースを手掛けています。

当時期待の新星であったJill Scottがフィーチャリングされ、Avant、女性R&BデュオJSとしてDreamWorksからデビュー・アルバム『Ice Cream』(2003年)をリリースするJohnson Sisters(Kim Johnson、Kandy Johnson)もバック・コーラスで参加しています。

ソウル界のレジェンドIsleysと当時の売れっ子プロデューサー陣のケミストリーが本作に商業的な成功をもたらしたのだと思います。

Ronald Isleyと同じ系統のR. Kellyは次作『Body Kiss』(2003年)では大半のプロデュースを任され、本作でもシングルとなった「Contagious」をプロデュースしています。

しかし、個人的にはJam & LewisRaphael SaadiqSteve 'Stone' Huffプロデュース曲の方が聴くべき所は多いと思います。

Jam & Lewisプロデュースであれば、タイトル曲「Eternal」をはじめ、Ronaldらしい語り口を活かしつつ、あくまでクールに仕上げているのがいいですね。

Raphael Saadiqプロデュースであれば、名曲「That Lady」のエッセンスを散りばめた「Move Your Body」Raphaelのヴィンテージ感を活かした「You Didn't See Me」にグッときます。

そして、地味ですがいい仕事をしているのがSteve 'Stone' Huffプロデュースの「Secret Lover」。また、Ronaldと奥方Angela Winbushのプロデュースによる「Warm Summer Night」Chicファンがニンマリの1曲だと思います。

老兵は死なず、消えもしない!Isleysの存在感を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Move Your Body」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。いきなり「That Lady」を思わせるErnieのギター・ソロに思わずニンマリしてしまうオープニング。Johnson Sisters、Raphael Saadiqをコーラスに従えたヴォーカルワークでも「That Lady」の引用があります。終盤にはMarvin Gaye「After the Dance」の引用で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2gR1Xo9eMyg

「Contagious」
R. Kellyプロデュース。シングルにもなり、USチャート第19位、同R&Bチャート第3位となっています。正直、仰々しくて僕の好みではありませんが・・・。アルバム未収録ですが、シングル・ヴァージョンにはR. KellyChante Mooreがフィーチャリングされ、Ronaldを含めた三者で浮気がバレる愛憎劇を演じるPVが(嫌味で)なかななか笑えて楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=-qnSz6Lh5pY ※シングル・ヴァージョン

「Warm Summer Night」
Angela Winbush/Ronald Isleyプロデュース。Chic「A Warm Summer Night」をモロ使いしたサンプリングというよりリメイクに近い仕上がり。このトラックでNile Rodgersのギターではなく、Ernieのギターが唸りを上げるのが面白いですね。終盤にはR. Kelly「Your Body's Callin'」、Jodeci「Cry for You」のフレーズが引用されています。
https://www.youtube.com/watch?v=u1Ckug-OZhU

「You Deserve Better」
Steve 'Stone' Huffプロデュース。Ronaldにしては濃すぎないサラッとした歌いっぷりのミディアムですが、逆にそれが功を奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=-j0phUOOHcg

「Just Like This」
Steve 'Stone' Huffプロデュース。Ronaldの粘着力のあるエロ・ヴォーカルと2000年代らしいアップデートされたサウンドがフィットしたミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=4h7FSaJStfk

「Secret Lover」
Steve 'Stone' Huffプロデュース。Ronaldのヴォーカル、Ernieのギター共にIsleyらしさを感じつつも、2000年代モードのアーバンなR&Bに仕上がっています。Avantがバック・コーラスで参加し、レジェンドを好サポートしています。
https://www.youtube.com/watch?v=cR8366Bvelc

「You're All I Need」
Jam & Lewisプロデュース。Jam & LewisとIsleysとのコラボ一発目はRonaldらしいヴォーカルの語り口を活かしつつ、決して暑くなりすぎないクールなミディアム・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qLpFU4E1PQ8

「Settle Down」
Jam & Lewis/ James "Big Jim" Wrightプロデュース。全盛期のIsleysを少しクールダウンさせた温度感が絶妙なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=jPt-xESoi1s

「Eternal」
Jam & Lewis/ James "Big Jim" Wrightプロデュース。タイトル曲はJam & Lewis色とIsleys色のバランスが絶妙な素敵なバラードに仕上がっています。個人的にはJam & LewisとIsleysとのコラボ4曲の中で一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=unQCebQXLBw

「If You Leave Me Now」
Jam & Lewisプロデュース。はChicago、1976年のUSチャートNo.1シングルをカヴァー(オリジナルは『Chicago X』収録)。やろうと思えば、Ronald色に染まった「If You Leave Me Now」もできたのでしょうが、あえてそこを抑えてオリジナルの持つも魅力を残しつつ、IsleysらしさをバランスさせたところがJam & Lewisの手腕かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ic4YKablpAE

「Said Enough」
Dre & Vidalプロデュース。Jill Scottをフィーチャー。ネオフィリー×Isleysな色合いがよく出ていて面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2mzNjRgjxqQ

「You Didn't See Me」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。Ernieのギターがリードするミディアム・バラード。Raphael Saadiq得意のヴィンテージ・ソウル感とIsleysの個性が素敵なケミストリーを起こしています。
https://www.youtube.com/watch?v=HJgLMIhpV7k

「Ernie's Jam」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。タイトルの通り、Ernieのギターを主役に据えたトラック。Ernieのワン&オンリーなギターの魅力を堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Mzo16qzxfSc

「Think」
Jam & Lewis/ James "Big Jim" Wrightプロデュース。ラストはCurtis Mayfieldのカヴァー(オリジナルは『Superfly』収録)。オリジナルはインストでしたが、ここではRonaldが作詞した歌詞を加えたヴィンテージ・ソウル調のヴォーカル・ヴァージョンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vollL579ojc

Isleysの過去記事もご参照下さい。

『The Brothers Isley』(1969年)
ザ・ブラザーズ:アイズレー(紙ジャケット仕様)

『Givin' It Back』(1971年)
Givin' It Back

『Brother, Brother, Brother』(1972年)
Brother Brother Brother

『The Isleys Live』(1973年)
The Isleys Live

『3+3』(1973年)
3+3

『Live It Up』(1974年)
リヴ・イット・アップ(紙ジャケット仕様)

『The Heat Is On』(1975年)
The Heat Is On

『Harvest For The World』(1976年)
ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド

『Go For Your Guns』(1977年)
Go for Your Guns

『Showdown』(1978年)
ショウダウン

『Winner Takes All』(1979年)
ウィナー・テイクス・オール(紙ジャケット仕様)

『Grand Slam』(1981年)
グランド・スラム(紙ジャケット仕様)

『Between The Sheets』(1983年)
Between the Sheets

『Baby Makin' Music』(2006年)
Baby Makin' Music
posted by ez at 04:42| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする