2021年02月22日

Marcos Valle『O Compositor E O Cantor』

ボサノヴァ・スタイルの初期完成形☆Marcos Valle『O Compositor E O Cantor』

発表年:1965年
ez的ジャンル:ブラジル最高のメロディ・メーカー
気分は... :一人でいることを学ばなくちゃ…

ブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valle『O Compositor E O Cantor』(1965年)です。

当ブログでこれまで紹介したMarcos Valle作品は以下の12枚。

 『Samba '68』(1968年)
 『Viola Enluarada』(1968年)
 『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
 『Marcos Valle (1970)』(1970年)
 『Garra』(1971年)
 『Vento Sul』(1972年)
 『Previsao Do Tempo』(1973年)
 『Marcos Valle (1974)』(1974年)
 『Vontade De Rever Voce』(1981年)
 『Nova Bossa Nova』(1997年)
 『Pagina Central』(2009年)
 ※Celso Fonsecaとの共演作
 『Esphera』(2010年)

本作『O Compositor E O Cantor』(1965年)は、『Samba Demais』(1964年)に次ぐ2ndアルバムであり、今でも大人気の名曲「Samba De Verao(サマー・サンバ)」、この年のブラジルの年間最優秀ソングに選ばれた人気曲「Preciso Aprender A Ser So(一人でいることを学ばなくちゃ)」等の彼のキャリアを代表する楽曲が多数収録されたアルバムです。

ボサノヴァ第2世代として登場したMarcosが、メロディ・メーカーとしての才能を発揮し、2作目にして早くも自身のスタイルを完成させた作品です。

また、Eumir Deodatoによるアレンジがその魅力をさらに引き上げています。

上記2曲以外にも、Marcos本人がキャリアで重要な曲だと語る「Seu Encanto」「Vem」「Passa Por Mim」という3曲、個人的に気に入っている「Deus Brasileiro」「Nao Pode Ser」など聴きどころ満載の1枚です。

初期のMarcos Valleの魅力が凝縮された名盤だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Gente」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。
「Chup Chup, I Got Away」のタイトルで『Samba '68』(1968年)にて再演しています。ボサノヴァ時代のMarcosらしいメロディを楽しめる1曲。Deodatoによる素敵なアレンジも含めて、メロウ・ワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=HO22VApAmfs

「Preciso Aprender A Ser So」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。邦題「一人でいることを学ばなくちゃ」。ブラジルの年間最優秀ソングに選ばれた人気曲。1965年のみでも15組のアーティストがカヴァーしたのだとか。当ブログではZumba CincoO Quartetoのカヴァーを紹介済みです。この曲も「If You Went Away」のタイトルで『Samba '68』(1968年)にて再演しています。ブラジル最高のメロディ・メーカーと呼ばれるのがわかる永遠のスタンダード。Deodatoによるストリングスもサイコー!ブラジル音楽好きのみならずバラード好きの人であれば気に入る1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Qtni0_e44QI

「Seu Encanto」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle/Pingarilho作。
この曲も「The Face I Love」のタイトルで『Samba '68』(1968年)でも再演しています。ワルツ調の軽やかなリズムの美しいストリングスをバックにMarcosが爽やかな歌声を届けてくれます。スウィンギンな雰囲気もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Pf07NpSn6wE

当ブログではAstrud GilbertoThe Girls from BahiaStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。

「Passa Por Mim」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。サウダージなバラード。Marcosのメロディアスな楽曲とDeodatoによる美しいアレンジが見事に噛み合っています。
https://www.youtube.com/watch?v=iFqC_6ZPq0Y

「Samba De Verao」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲。初レコーディングはDeodatoの初アルバム『 Ideias...』(1964年)ヴァージョンです。「So Nice (Summer Samba)」のタイトルで『Samba '68』(1968年)でも再演しています。いつ、誰のヴァージョンを聴いても名曲だと思いますが、Marcos本人の初レコーディング・ヴァージョンということで押さえておきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=3sILLIB13Ls

本曲について、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley TrioBebel GilbertoO QuartetoBossa TresWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De ValencaDoris MonteiroEliane EliasMario Castro Neves & Samba S.A.Os Catedraticosのカヴァーも紹介済みです。

今回自分の勘違いに気づきました。USにてチャート・インし、本曲の知名度を一気に高めたWalter Wanderleyヴァージョン(アルバム『Rain Forest』収録)を既に紹介済みという認識でいたのですが、よくよく調べると『Rain Forest』(1966年)を未紹介でした。こちらもそのうち取り上げたいと思います。

「A Resposta」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。
この曲も「The Answer」のタイトルで『Samba '68』(1968年)にて再演しています。当ブログではMilton Banana Trioのカヴァーも紹介済みです。プロテスト派のボサノヴァ・アーティストからの批判に対するMarcoのThe Answerといったところでしょうか。小粋なサウンド・センスに惹かれる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=1LHxxqn4ZdY

「Deus Brasileiro」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。僕好みの軽快な疾走感が魅力のジャズ・サンバ。Deodatoのオルガンによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=5PKgUru40Ps

当ブログではTitaDoris MonteiroJongo Trioのカヴァーも紹介済みです。

「Dorme Profundo」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle/Pingarilho作。
この曲も「Safely In Your Arms」のタイトルで『Samba '68』(1968年)にて再演しています。ロマンティックなストリングスをバックにしっとりと歌い上げるバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=doPxae-c21c

「Vem」
Marcos Valle/ Luiz Fernando Freire作。Marcos本人が"その後の自分の音楽を予感させるもの"と語った重要曲。ワルツ調のリズムに乗ってエレガントに疾走するジャジー・グルーヴは90年代にロンドンのクラブシーンでも再評価されました。何処となくヨーロピアン・ジャズ的な香りがするのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TIU1KKxaXvg

「Mais Amor」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Deodatoの美しいストリングスを従えたビューティフル・ボッサ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=BSwdOgob49A

「Perdao」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。男女混声コーラスが印象的なバラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=onKxP7Yw2kQ

「Nao Pode Ser」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。ラストはMarcos Valleらしい親しみやすいメロディを楽しめる曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SYJi96b_pMA

僕の保有する国内盤CDには「E Preciso Cantar」「Batucada Surgiu」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Marcos Valleの過去記事もご参照下さい。

『Samba '68』(1968年)
サンバ’68

『Viola Enluarada』(1968年)
ヴィオラ・エンルアラーダ

『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
Mustang Cor De Sangue Ou Corcel Cor De Mel

『Marcos Valle(1970)』(1970年)
marcos valle 1970.jpg

『Garra』(1971年)
Garra

『Vento Sul』(1972年)
ヴェント・スル

『Previsao Do Tempo』(1973年)
Previsao Do Tempo

『Marcos Valle (1974)』(1974年)
マルコス・ヴァーリ(1974)

『Vontade De Rever Voce』(1981年)
ヴォンタージ・ジ・レヴェール・ヴォセ

『Nova Bossa Nova』(1997年)
Nova Bossa Nova

『Pagina Central』(2009年)
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]

『Esphera』(2010年)
ESPHERA
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2021年02月13日

Bread『Bread』

デビュー作ならではの魅力☆Bread『Bread』

発表年:1969年
ez的ジャンル:西海岸ソフトロック/ポップ・ロック
気分は... :灰色の朝・・・

今回は70年代前半に多くのヒット曲を放ったグループBreadのデビュー・アルバム『Bread(邦題:灰色の朝)』(1969年)です。

Breadの結成は、フォーク・バンドThe Pleasure Fairのデビュー・アルバム『The Pleasure Fair』(1967年)から始まります。この『The Pleasure Fair』のプロデュース&アレンジを手掛けていたのがDavid Gates、そしてThe Pleasure Fairのメンバーの中にRobb Royerがいました。そして、Royerが共にソングライティングを行っていたJames Griffinの三人が意気投合して1968年に結成されたのがBread

2ndアルバム『On the Waters』(1970年)のレコーディングを前にドラマーのMike Bottsが加入。さらに3rdアルバム『Manna』(1971年)のリリース後にRobb Royerが脱退し、代わってLarry Knechtelが加入しています。

グループは1973年に解散しますが、1976年にリユニオンしています。

その間に「Make It with You」(1970年、USチャート第1位)、「It Don't Matter to Me」(1970年、USチャート第10位)、「If」(1971年、USチャート第4位)、「Baby I'm-a Want You」(1971年、USチャート第3位)、「Everything I Own」(1972年、USチャート第5位)、「The Guitar Man」(1972年、USチャート第11位)、「Lost Without Your Love」(1976年、USチャート第9位)等のヒットを放っています。

さて、デビュー・アルバムとなる『Bread』(1969年)ですが、次作『On the Waters』(1970年)以降のような商業的成功には恵まれませんでしたが、なかなか完成度の高い1枚に仕上がっています。

前述のように、このデビュー・アルバムにおけるメンバーはDavid Gates(vo、org、b、g、per、p、el-p、key、syn、violin)、James Griffin(vo、g、per、key)、Robb Royer(back vo、g、per、p、el-p、fl、b)の3名

それ以外にJim Gordon(ds)、Ron Edgar(ds)がレコーディングに参加しています。本作の躍動感のある演奏にはDerek & The Dominosにも参加したJim Gordonが大きく貢献しています。

プロデュースはBread自身。

「If」「Make It with You」のような大ヒット曲は収録されていませんが、デビュー・アルバムだからこその魅力に溢れた1枚です。

目立つのはデビュー・シングル「Dismal Day」やほ別ヴァージョンがシングル・ヒットした「It Don't Matter to Me」ですかね。どちらもDavid Gatesの書く曲の良さを満喫できます。それ以外に「Don't Shut Me Out」、The Cowsills提供曲のセルフ・カヴァー「You Can't Measure the Cost」あたりもお気に入り。

また、David Gatesのみならず、James Griffin/Robb Royerの書いた作品もなかなか良いのが本作の魅力だと思います。シングルにもなったサイケな「Could I」、同じくシングルになったラブ&ピースな「Move Over」をはじめ、完成度の高い「The Last Time」、跳ねたビートの「Any Way You Want Me」、ソフトロックな「Friends and Lovers」がおススメです。

ソフトロックという括りで語られることが多い彼らですが、本作は結構ロックしている印象を受けます。

デビュー作ならではのBreadワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Dismal Day」
David Gates作。邦題「灰色の朝」。彼らのデビュー・シングルですが、チャート・インは果たせませんでした。日本では1973年にシングル・リリースされ、人気となったようです。僕の一番のお気に入り。ビートの効いた爽快フォーキー・ポップは、「水色の朝」といった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=nXy4Rjugtug

The Bins「Don't Go!」のサンプリング・ソースとなっています。
The Bins「Don't Go!」
 https://www.youtube.com/watch?v=bo_whnIPI6I

「London Bridge」
David Gates作。David Gatesらしいソングライティングを楽しめる1曲。シンセを採り入れたサウンドは必ずしも成功していませんが、当時としては攻めているスタンスで面白いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=PpeIr0qc--o

「Could I」
James Griffin/Robb Royer作。2ndシングルになった曲。David Gates作品以外のシングル曲という点でも貴重なのでは?また、60年代後半ならではのサイケ/サマー・オブ・ラブな雰囲気も本作ならではで楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=oexsNIzpPX4

「Look at Me」
David Gates作。邦題「僕を見つめて」。ドラムレスのビューティフル・フォーキー。美しくも切ない雰囲気があります。リコーダーの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=nNGeC4dRb5I

The Main Ingredient、The Moore Brothersがカヴァーしています。Zeus「Gwiazdy」のサンプリング・ソースとなっています。
Zeus「Gwiazdy」
 https://www.youtube.com/watch?v=526Q4D4uoSQ

「The Last Time」
James Griffin/Robb Royer作。格好良いロック・サウンドと素晴らしいコーラス・ワークが調和した完成度の高い仕上がり。これがDavid Gates作ではなくGriffin/Royer作というところに初期Breadの魅力があるのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=_cVoc9e96mI

Holy Sonsがカヴァーしています。
Holy Sons「Last Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=AUvCj67RDZ4

「Any Way You Want Me」
James Griffin/Robb Royer作。跳ねたビートの哀愁ロック。何か捨てがたい魅力があります。Isabella Ortegaがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ig8L0i8fJsg

「Move Over」
James Griffin作。この曲もシングルになりました。ラブ&ピースな雰囲気のあるロック・チューン。なかなかキャッチーなギター・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CLYMsxNAH1U

「Don't Shut Me Out」
David Gates作。Breadらしいハーモニーを楽しめる爽快ポップ・ロック。David Gatesの曲作りの巧さを感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=h0jF136TsJ0

Underground Sunshine、Deryk Jones Party、Tirso Cruz IIIがカヴァーしています。
Underground Sunshine「Don't Shut Me Out」
 https://www.youtube.com/watch?v=xg5JTdEyZNk
Deryk Jones Party「Don't Shut Me Out」
 https://www.youtube.com/watch?v=pRyHxwiR0qY
Tirso Cruz III「Don't Shut Me Out」
 https://www.youtube.com/watch?v=kB36hfXRmi4

「You Can't Measure the Cost」
David Gates作。The Cowsillsに提供した「Can't Measure the Cost of a Woman Lost」のセルフ・カヴァー。The Cowsillsのオリジナルはアルバム『Captain Sad and His Ship of Fools』(1968年)収録。緩急をつけたドラマティックなポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TajzGXmfCKI

The Cowsills「Can't Measure the Cost of a Woman Lost」
 https://www.youtube.com/watch?v=2qiwW9y6NB4

「Family Doctor」
James Griffin/Robb Royer作。カントリー・ロック調の仕上がり。フルートの音色でアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=Aozux-IaHS4

「It Don't Matter to Me」
David Gates作。邦題「気にしないで」or「関係ないね」。本ヴァージョンとは別の再録ヴァージョンが1970年にシングル・リリースされ、USチャート第10位のヒットとなった名曲。David Gatesワールド炸裂のビューティフル・バラード。エヴァーグリーンな魅力があるのがBreadらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VgB5_2Hcg0s
「It Don't Matter to Me」 ※シングル・ヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=pl7U2jy1wMQ

The Friends of Distinction、Petula Clark、Maxine Weldon、Louisa Jane White、Josh Rouse、Hans Manapatがカヴァーしています。
The Friends of Distinction「It Don't Matter to Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=AgLDq1yZmaE
Petula Clark「It Don't Matter to Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=eyCb7QYshT8
Maxine Weldon「It Don't Matter to Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=GER0Hdt4Kek
Josh Rouse「It Don't Matter to Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=boJoTtKXrGg

「Friends and Lovers」
James Griffin/Robb Royer/Tim Hallinan作。邦題「友達と恋人と」。ソングライティングにはThe Pleasure FairでRoyerと同僚であったTim Hallinanの名もクレジットされています。この曲も大好き!ソフトロック的な魅力がある1曲。これも初期Breadならではの1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ztGJMi3BkwE

Erlend Oyeがカヴァーしています。
Erlend Oye「Friends and Lovers」
 https://www.youtube.com/watch?v=6L4Ty-NJZFg

Breadの他作品もチェックを!

『On the Waters』(1970年)


『Manna』(1971年)


『Baby I'm-a Want You』(1972年)


『Guitar Man』(1972年)


『Lost Without Your Love』(1976年)
posted by ez at 01:52| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月04日

Clare Fischer『So Danco Samba』

グラミー3回受賞のピアニストによるボッサ・ジャズ☆Clare Fischer『So Danco Samba』

録音年:1964年
ez的ジャンル:USボッサ・ジャズ
気分は... :深化or探索?

今回は60年代ボッサ・ジャズからClare Fischer『So Danco Samba』(1964年)です。

Clare Fischer(1928–2012年)はミシガン州デュランド出身のピアニスト/バンド・リーダー/アレンジャー/コンポーザー。

60年代から2012年に逝去するまでにコンスタントにアルバムをリリースし、グラミーにも13回ノミネートされ、3回受賞しています。

それまでもBud Shankとの共演作『Bossa Nova Jazz Samba』(1962年)をはじめ、ボサノヴァに傾倒してきたClare Fischerですが、本作はタイトルからもイメージできるようにAntonio Carlos Jobim作品を中心としたボッサ・ジャズ作品です。

レコーディング・メンバーはClare Fischer(p、org)、Dennis Budimir(g)、Bob West(b)、Colin Bailey(ds)

「So Danco Samba」「Desafinado」「Quiet Nights (Corcovado)」「Girl From Ipanema」「How Insensitive」「One Note Samba」等のJobim名曲を躍動するジャズ・サンバやエレガントなボッサ・ジャズで聴かせてくれます。

また、「Pensativa」「Ornithardy」等のオリジナルもJobim名曲に引けを取らない素敵な仕上がりです。

ピアノ・トリオでなくギターも加わった編成によるサウンド・センスの良さも光ります。

単なるJobimカヴァー集ではないプラスαの魅力を持った1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「So Danco Samba」
Antonio Carlos Jobim作。躍動感の中にも小粋なセンスの光るジャズ・サンバで楽しませてくれるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=CI5Q7Zrj5cs

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Roberto MenescalGimmicksJazzlife SextetStan Getz & Luiz BonfaPeter FesslerTill BronnerA TresCharlie ByrdSergio MendesTamba Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Desafinado」
Antonio Carlos Jobim作。ピアノ・トリオのみならずギターが加わっている構成の効果を感じる小気味良いジャズ・サンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MYm6NA5pV6c

本曲に関して、当ブログではこれまでNara LeaoRoberto MenescalGary McFarlandTania MariaOs 3 MoraisO QuartetoGal CostaJoao GilbertoNico Gomez & His OrchestraLaurindo Almeida & The Bossa Nova AllstarsTamba Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Quiet Nights (Corcovado)」
Antonio Carlos Jobim作。エレガントなボッサ・ジャズですが、ここでもピアノ・ボッサにギター・ボッサの隠し味が効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=ILcOAvttAo0

本曲に関して、当ブログではJoanie SommersCannonball AdderleyWanda Sa(Wanda De Sah)Mario Castro-Neves & Samba S.A.Diane Denoir/Eduardo MateoEarl OkinDardanellesCassandra WilsonO QuartetoJon HendricksGenaiTilleryLaurindo AlmeidaCharlie ByrdTamba TrioMario Castro Neves & Samba S.A.のカヴァーも紹介済みです。

「Pensativa」
Clare Fischer作。思わず「これもJobim作品?」と勘違いしてしまうほどのボサノヴァ名曲群に引けを取らないオリジナル・ボッサ。Fischerのボサノヴァ傾倒ぶりを窺える1曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=I7qL6iQ8870

「Carnaval」
Clare Fischer作。軽快に躍動するオリジナル・ジャズ・サンバ。思い切り突っ込んでいる感じのドラムがいいですね。

「Girl From Ipanema」
Antonio Carlos Jobim作。お馴染みのボサノヴァ名曲を程良いテンポのアレンジで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dT-Z2Oju3Hw

本曲に関して、当ブログではAgustin Pereyra LucenaDiane Denoir/Eduardo MateoRoberto MenescalBossacucanova & Roberto MenescalSheila Landis/Rick MatlePapikTrio 3DFreddie McCoyLaurindo AlmeidaCharlie ByrdSirius BSergio MendesTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。

「Ornithardy」
Clare Fischer作。これもJobim作と錯覚しそうなジャズ・サンバ。躍動するリズム隊とバランスの取れたFischerのピアノ・タッチが絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KaeJFzYNEmU

「O Amor em Paz」
Antonio Carlos Jobim作。ロマンティックなボッサ・ジャズをしっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wkjgaqo_7oU

本曲に関して、当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)Trio 3DJon HendricksTill BronnerCharlie Byrdのカヴァーを紹介済みです。

「How Insensitive」
Antonio Carlos Jobim作。憂いを帯びた哀愁ボッサ・ジャズをエレガントに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Dnz_Y0rJOj4

本曲に関して、当ブログではTriste JaneroDuke PearsonOscar PetersonEarl OkinStacey KentStan Getz & Luiz BonfaFlora PurimDusko Goykovichのカヴァーを紹介済みです。

「One Note Samba」
Antonio Carlos Jobim作。ラストは小気味良さとエレガントさを兼ね備えたジャズ・サンバで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iOqXggWJ37I

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66以外にもNara Leao、、Trio 3DChris MontezNico Gomez & His Afro Percussion Inc.Stacey KentWanda de Sah featuring The Sergio Mendes TrioTamba TrioPeter FesslerLaurindo Almeida & The Bossa Nova Allstarsのカヴァーも紹介済みです。

ご興味がある方はClare Fischerの60年代レコーディングの他作品もチェックを!

『First Time Out』(1962年)


Bud Shank & Clare Fischer『Bossa Nova Jazz Samba』(1962年)


Bud Shank/Clare Fischer/Joe Pass『Brasamba!』(1963年)


『Surging Ahead』(1963年)


『Extension』(1963年)


『Manteca!』(1965年)


『Thesaurus』(1969年)
posted by ez at 02:24| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月16日

The Vogues『Till』

コーラス・グループらしい王道作品☆The Vogues『Till』
愛の誓い
発表年:1969年
ez的ジャンル:男性コーラス・グループ
気分は... :愛の誓い・・・

今回は60年代男性コーラス・グループ作品からThe Vogues『Till』(1969年)です。

ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のタートル・クリークで結成されたBill BurketteDon MillerHugh GeyerChuck Blaskoによる4人組男性コーラス・グループThe Voguesの紹介は、『Turn Around, Look At Me』(1968年)に続き2回目となります。

本作『Till』(1969年)は、前作『Turn Around, Look At Me』(1968年)に続くReprise移籍第二弾アルバムとなります。

プロデュースは前作と同じくDick Glasser 。アレンジャーも同じErnie Freeman

全体的には時代左右されない王道コーラス作品という印象を受けます。

『Turn Around, Look At Me』(1968年)のエントリーでも書きましたが、僕の嗜好でいえば、いつも聴きたい音ではありませんが、たまにはこんな作品もいいのでは?といった感じでしょうか。

シングルになったのは「Till」「Woman Helping Man」

個人的には「A Taste Of Honey」「On Broadway」「The Sun Shines Out Of Your Shoes」あたりがお気に入り。

コーラス・グループらしいポップ・ワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「I've Got My Eyes On You」
Jackie Rae/Les Reed作。美しいストリングスをバックに歌う哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=R7-zLECg8fE

「I Will」
Dick Glasser作。オリジナルは1962年のVic Danaヴァージョン。Dean Martinが1965年にカヴァー・ヒットさせています。コーラス・グループらしいビューティフル・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2EKFPkrM9BU

「On Broadway」
Barry Mann/Cynthia Weil/Jerry Leiber/Mike Stoller作。The Drifters、1963年のヒット・シングルをカヴァー。George Bensonのカヴァー・ヒットでも知られる楽曲ですね。徐々に盛り上がっていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jrQQF-oWm2g

「I'll Know My Love (By The Way She Talks)」
イングランド民謡「Greensleeves」に新たな歌詞をつけたもの。コーラス・グループらしい魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=6FM4Oy6ybiY

「A Taste Of Honey」
Bobby Scott/Ric Marlow作。Herb Alpert & The Tijuana Brassの大ヒットでお馴染みの曲。The Beatlesもカヴァーしていましたね。よく知られた曲ですが、コーラス・グループらなではの一味違った「A Taste Of Honey」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=U_w2sPQ0lvM

「Till」
邦題「愛の誓い」。Carl Sigman/Charles Danvers作。タイトル曲はPercy Faith And His OrchestraやRoger Williamsのヒットで知られる曲です。ストリングスを配したノスタルジックなロマンティック・バラードで聴かせてくれます。シングルにもなり、USチャート第27位となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=fvK5ebF1VH4

「She Was Too Good To Me」
Richard Rodgers/Lorenz Hart作。1930年のブロードウェイ・ミュージカル『Simple Simon』のために書かれた曲です。美しいストリングスの小粋なピアノの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=KHyXQ7AfKq0

「No, Not Much」
The Four Lads、1956年のヒット・シングルをカヴァー(Al Stillman/Robert Allen作)。この時代らしからぬノスタルジックな雰囲気が逆に新鮮です。
https://www.youtube.com/watch?v=ktValOmKJ4Q

「The Sun Shines Out Of Your Shoes」
Jackie Trent & Tony Hatch作。オリジナルは1968年のPetula Clarkヴァージョン。軽快なポップ・チューンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mPNBPw6uHyk

「Woman Helping Man」
Mark Charron作。ラストはシングルにもなった甘酸っぱい青春の味がする素敵なポップ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JARjvrriGbQ

Reprise時代のThe Voguesの他作品もチェックを!

『Turn Around, Look At Me』(1968年)
ふりかえった恋

『Memories』(1969年)
メモリーズ

『The Vogues Sing the Good Old Songs』(1970年)
シング・ザ・グッド・オールド・ソングス
posted by ez at 02:07| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月04日

Joyce『Encontro Marcado』

個性が開花した2nd☆Joyce『Encontro Marcado』

発表年:1969年
ez的ジャンル:ブラジル人女性SSW
気分は... :ドルフィンズ一歩及ばず・・・

NFLは最終週のゲームが行われ、我がドルフィンズはビルズに敗れて10勝6敗でシーズン終了。最近の低迷を考えれば、素晴らしい成績ですが、プレーオフまで1勝届かずシーズン終了となりました。

人気ブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyce(Joyce Moreno)の2ndアルバム『Encontro Marcado』(1969年)です。

これまで当ブログで紹介したJoyce作品は以下の11枚。

 『Feminina』(1980年)
 『Agua e Luz』(1981年)
 『Tardes Cariocas』(1983年)
 『Music Inside』(1990年)
 『Language And Love』(1991年)
 『Ilha Brasil』(1996年)
 『Hard Bossa』(1999年)
 『Gafieira Moderna』(2001年)
 Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
 『Bossa Duets』(2003年)
 『Tudo』(2012年)

本作『Encontro Marcado』(1969年)は、『Joyce』(1968年)に続く2ndアルバム。

プロデュースはNelson Motta
アレンジはLuiz Eca

Joyce本人は本作を"混乱のアルバム"と称しており、サウンドの鮮やかさに戸惑いを感じているのかもしれませんが、80年代以降のJoyceを予感させる濃密な1枚に仕上がっています。全体的にリズミックなのが今聴いても新鮮な要因かもしれません。

「Adam, Adam」「Encontro Marcado」「Bom Dia」「Copacabana, Velha De Guerra」という冒頭4曲を聴けば、本作の魅力がすぐに分かります。

Joyceの個性が開花した1枚をお楽しみください!

全曲紹介しときやす。

「Adam, Adam」
鮮やかなリズミック・サウンドが印象的なオープニング。80年代のJoyceを予感させる歌い回しがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gTRYdIxwebY

「Encontro Marcado」
Joyce作。タイトル曲はLuiz Ecaが映える軽快なメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=wRp3MOPXnhw

「Bom Dia」
Gilberto Gil/Nana Caymmi作。軽快なギター・カッティングと流麗なストリングスをバックに、艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SDNI2Am-n-c

「Copacabana, Velha De Guerra」
Joyce/Sergio Flaksman作。ベースラインの格好良いリズミックな軽快メロウ・グルーヴ。少しミステリアスな雰囲気もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_hNBFv9T4p8

「Como Vai, Vai Bem?」
後に最初の旦那様となるNelson Angeloの作品。当時21歳のJoyceのヴォーカルが躍動する楽しげな1曲に仕上がっています。スキャットもいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=7-_AUXuBT34

「Asa Branca」
Humberto Teixeira/Luiz Gonzaga作の名曲をカヴァー。1969年という時代らしく少しラブ&ピースな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FMOcxNrT2zs

本曲について、当ブログではCaetano VelosoCravo & CanelaMade In BrazilWalter WanderleyToquinhoのカヴァーを紹介しています。

「Longe Do Tempo」
Danilo Caymmi/Joao Carlos Padua作。リズミックな躍動感は今聴いても新鮮です。
https://www.youtube.com/watch?v=5qXmlOwCsuo

「A Saudade Que Mata A Gente」
Antonio Almeida/Joao De Barro作。タイトルの通り、少しサウダージなメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=JXnhEeBC7zg

「Preparando Um Luminoso」
Capinan/Joyce作。流麗でありながらリズミックなアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=UFwOh1uHEVI

「Pra Saber De Nada」
Joyce作。シンガー・ソングライターJoyceの才能を感じる1曲。しっかりJoyceワールドを展開しています。
https://www.youtube.com/watch?v=TToTAT8lcj4

「Caminho Pro Sol」
Nelson Angelo/Sergio Flaksman作。鮮やかなLuiz Ecaのアレンジが映える1曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gYkSJggZeD0

Joyceの過去記事もご参照下さい。

『Feminina』(1980年)
フェミニーナ、そして水と光

『Agua e Luz』(1981年)
水と光

『Tardes Cariocas』(1983年)
Tardes Cariocas

『Music Inside』(1990年)
ミュージック・インサイド

『Language And Love』(1991年)
joyce language and love.jpg

『Ilha Brasil』(1996年)
イーリャ・ブラジル

『Hard Bossa』(1999年)
Hard Bossa

『Gafieira Moderna』(2001年)
Gafieira Moderna

Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
ジャスト・ア・リトル・ビット・クレイジー(2003年作)

『Bossa Duets』(2003年)
ボッサ・デュエッツ

『Tudo』(2012年)
トゥード
posted by ez at 11:28| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする