2023年09月13日

Eric Roberson『The Box』

ラジカセ世代のR&Bシンガー☆Eric Roberson『The Box』

発表年:2014年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bシンガー/ソングライター
気分は... :慎重敢為...

今回は実力派男性R&BシンガーEric Roberson『The Box』(2014年)です。

1976年生まれ、ニュージャージー出身の男性R&Bシンガー/ソングライター/キーボード奏者であるEric Robersonについて、これまで当ブログで紹介したのか以下の5枚。

 『Esoteric...』(2004年)
 『The Appetizer』(2005年)
 『...Left』(2007年)
 『Music Fan First』(2009年)
 Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)

ジャケにある通り、タイトル『The Box』はラジカセのことのようです。Hip-Hopを経由してきたR&Bシンガーという自負を強調しているのかもしれませんね。

アルバムはUS R&Bアルバム・チャート第19位ちなりました。Eric Roberson作品としてはかなりのチャート・アクションですね(笑)

アルバムにはTracey LeeDave HollisterKingPharoahe MonchPopがフィーチャリングされています。

Eric RobersonJames "Pop" Roberson Jr.Jerrell Allenがエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされています。

プロデュースはMavtones ProductionsBrett BakerSlimkat78Aaron HardinParis StrotherMiyk SnoddyJubu SmithTerry "20" Poindexterといった面々。

レコーディングにはCleon Edwards(ds)、Nigel Rivers(b)、Mark Lettieri(g)、Daytrion Cook(p)、Marcus Roberts(p、per、prog)、Antone Amalbert(p、per、prog)、Jarriel Carter(tp、flh、tb)、Laurin Talese(back vo)、Ben O'Neill(g)、Brett Baker(ds、per、prog、b、key、back vo)、Andre Pinckney(b)、Ian Macauley(g)、Kevin Prince(per)、Slimkat78(prog)、Aaron Hardin(key、p、org、syn、ds、per)、Sam Greenfield(sax)、Chris Stevens(tp、flh)、Jeff Murrell(back vo)、Joshua White(g)、Justin Savage(g)、Dana Sorey(org)、Aaron Goode(tb)、Wayne Moore(b)、Earl Travis(b)、Dwele(back vo)、Siraaj Encore(horns)、Terry "20" Poindexter(instruments)、D. Maurice Macklin(back vo)、Rock Roberson(back vo)、Ryder Roberson(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

Gretchen Parlato「Blue in Green」をサンプリングした「Lust For Love」Dave Hollisterをフィーチャーした「The Box」、ジェントル&ソウルフルなネオソウル「I'm Not Trying To Keep Score No More」、自身の「Runaway」をサンプリングした「Don't Hide Your Wings」Kingをフィーチャー「Just Imagine」Pharoahe MonchをフィーチャーHip-Hopトラック「The Cycle」、ローファイ感覚がいい味出している「Mark On Me」、感動的なネオソウル「Do The Same For Me」など充実の全12トラックです。

いつ聴いても安定感のあるEric Robersonワールドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Lust For Love」
Mavtones Productionsプロデュース。Antone Amalbert/Eric Roberson/Gretchen Parlato/Marcus Roberts/Robert Glasper/Tracey Lee作。Tracey Leeをフィーチャー。Robert Glasperもプロデュースで関与したGretchen Parlato「Blue in Green」をサンプリングしたジャズ×Hip-Hop/R&Bな仕上がり。Glasperの『Black Radio』(2012年)と同じベクトルの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=L-gt1uDojXw

「The Box」
Brett Bakerプロデュース。Brett Baker/Eric Roberson作。タイトル曲はDave Hollisterをフィーチャーした哀愁R&Bグルーヴ。Eric Roberson作品への常連参加となるBen O'Neillのギターがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ShEfdNqebWU

「I'm Not Trying To Keep Score No More」
Slimkat78/Aaron Hardinプロデュース。Aaron Hardin/Eric Roberson/Slimkat78作。Eric Robersonらしいジェントル&ソウルフルなネオソウル。個人的にも一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=lIOMqjLU318

「Don't Hide Your Wings」
Aaron Hardinプロデュース。Aaron Hardin/Eric Roberson/Jeff Murrell作。『Esoteric...』(2004年)収録の「Runaway」をサンプリングして早回しした開放的なダンサブル・チューン。ホーン隊も盛り上げてくれます。ポジティブなヴァイヴに溢れていていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KIiIlaQwI0Y

「Just Imagine」
Paris Strotherプロデュース。Amber Strother/Anita Bias/Paris Strother)作。Kingをフィーチャー。2016年にデビュー・アルバム『We Are KING』をリリースするKingを先物買いし、フィーチャリングするのみならず楽曲/プロデュースまで全て任せているのがすごいですね。KingワールドにEricを違和感なく引き込んだビューティフル・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8JZw1-Feom4

「Pill」
Brett Bakerプロデュース。Brett Baker/Eric Roberson作。ホーン・サウンドを巧みに使ったファンキー・グルーヴ。Ericのヴォーカルも躍動します。オルガンの響きも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=taXwhTS91ao

「Haunted」
Aaron Hardinプロデュース。Aaron Hardin/Eric Roberson作。美しいピアノをバックに、Ericが真摯なヴォーカルを聴かせてくれるビューティフル・ジャジー・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=9__Y37iE2zQ

「The Cycle」
Slimkat78/Aaron Hardinプロデュース。Eric Roberson/Pharoahe Monch/Slimkat78作。Pharoahe Monchをフィーチャー。Dweleもバック・コーラスで参加しています。シャープなビートを効かせたHip-Hopトラックをバックに、Ericの哀愁ヴォーカルが漂います。Pharoahe Monchのフロウとのコントラストも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=YVVZbnRY51U

「Warm」
Brett Bakerプロデュース。Brett Baker/Eric Roberson作。美しくも何処となく寂しげな哀愁ネオソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=QdkaIiaV4qg

「Mark On Me」
Miyk Snoddy/Jubu Smithプロデュース。Eric Roberson/Myikal Snoddy作。ローファイ感覚のトラックが逆にいい味出しているビューティフル・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=v8fEV6e3K9U

「Punch Drunk Love」
Aaron Hardinプロデュース。Aaron Hardin/Eric Roberson作。ストリングを配した哀愁ネオソウル。美しく悲しげな雰囲気が胸に沁みます。
https://www.youtube.com/watch?v=mJYZwkwDeME

「Do The Same For Me」
Terry "20" Poindexterプロデュース。Eric Roberson/Pop/Jeff Murrell/Terry "20" Poindexter作。Popをフィーチャー。ラストは初期Musiq Soulchildを思わせるような感動的なネオソウルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EB6rC16t_2I

Eric Robersonの他作品もチェックを!

『Esoteric...』(2004年)
Esoteric

『The Vault, Vol. 1.5』(2004年)
Presents: The Vault 1.5

『The Appetizer』(2005年)
Appetizer by Eric Roberson (2005-12-21)

『...Left』(2007年)
レフト

『Music Fan First』(2009年)
Music Fan First

『Mister Nice Guy』(2011年)
Mr. Nice Guy

Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)
TIGALLERRO (ティガレロ) (直輸入盤帯付国内仕様)

『Fire』(2017年)
Fire

『Wind』(2017年)
Wind

『Earth』(2017年)
Earth
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2023年07月05日

Skymark『Virtual Stars』

ハウス/ディスコにアプローチした1枚☆Skymark『Virtual Stars』

発表年:2018年
ez的ジャンル:ブラジリアン・コズミック・メロウ系ハウス/ディスコ
気分は... :トラブル解決!

約1週間前から起きたAmazonへのリンク画像が表示されないトラブルが解決しました。

結局、Amazon側の問題ではなく、私のPCのセキュリティソフトの広告ブロック機能がリンク画像をブロックしていました。ソフトのアップデートを機にブロックするようになったのかもしれません。

今回はコズミック・メロウ職人として人気のブラジル人アーティストSkymark『Virtual Stars』(2018年)です。

SkymarkことMarc Friedliは1983年生まれのリオのプロデューサー/DJ。

『Primeiras Impressoes 』(2014年)で日本でもブラジリアン・ジャズ、クラブジャズ方面で人気を博したSkymark

それ以降も自身が設立したレーベルModern Sun Recordsから『Waves From The Nucleus』(2015年)、『Resistance Sonore 』(2017年)、『Virtual Stars』(2018年)といった作品でコズミック・メロウ職人の地位を確立しました。

本作『Virtual Stars』(2018年)は、ハウスやディスコへのアプローチが印象的な1枚。僕が最初に聴いて思い浮かんだのはFingers, Inc.『Another Side』(1988年)です。あの美しくも儚いアンダーグラウンド感覚のシカゴ・ハウスが僕は大好きですが、それと同じ空気感があります。

最初に聴くSkymark作品ではないかもしれませんが、Fingers, Inc.好きの人はチェックを!

『Virtual Stars』Album Preview
https://www.youtube.com/watch?v=JqtRgErQB4U&t=21s

全曲紹介しときやす。

「Introduction/More Than A Friend」
Arthur Verocaiあたりを意識したストリングスを駆使したイントロダクションに続き、ソウルフル・ハウス調の本編に突入。幻想的なヴォーカルとアナログ感のあるシンセの音色の組み合わせがグッド!

「This First Special Feeling」
Prophetを使った80年代シンセ・ブギー調トラック。アンダーグラウンド感覚たっぷりなのがいいですね。

「Yesterday's Flame」
Fingers, Inc.あたりの80年代シカゴ・ハウスとエレクトリック・ファンクが融合したような雰囲気がいいですね。

「A Better Place For The Next Generation」
妖しくも儚げなディスコ調トラック。アンダーグラウンドな倒錯した開放感がたまりません。

「Insomnia」
これはモロに初期ディープ・ハウスですね。Fingers, Inc.好きであれば気に入るはず!

「Our Shelter」
ブラジリアン・メロウ×ディスコといった雰囲気のトラック。ある意味最もSkymarkらしいかも?

「The Center Of My Joy」
本人曰くLeroy Burgessの影響を受けたディスコ・ブギー・トラックなのだとか。アルバムの中で最もキャッチーな雰囲気の仕上がりです。

「The Power Of A Positive Smile」
ラストは幻想的なブラジリアン・フュージョンで締め括ってくれます。

Skymarkの他作品もチェックを!

『Primeiras Impressoes 』(2014年)


『Waves From The Nucleus』(2015年)


『Resistance Sonore 』(2017年)
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2023年05月24日

Submotion Orchestra『Fragments』

よりダンサブルになった2nd☆Submotion Orchestra『Fragments』
フラグメンツ
発表年:2012年
ez的ジャンル:ベースミュージック×クラブジャズ
気分は... :美しき残響・・・

今回は人力ダブステップ・バンドとして注目を浴びてきたUKのソウル・コレクティブSubmotion Orchestraの2ndアルバム『Fragments』(2012年)です。

Ruby Wood(vo)、Simon Beddoe(tp、flh、horn arr)、Taz Modi(p、el-p、syn、vibe)、Chris Hargreaves(b、syn b)、Danny Templeman(per)、Tommy Evans(ds)、Dom Howard(producer、engineer)という7組、Submotion Orchestraに関して、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の4枚。

 『Finest Hour』(2011年)
 『Alium』(2014年)
 『Colour Theory』(2016年)
 『Kites』(2018年)

各方面で絶賛されたデビュー・アルバム『Finest Hour』(2011年)を経てリリースされた2ndアルバム『Fragments』(2012年)。

ベースミュージックを土台にクラブジャズ等のエッセンスが加わった生演奏という点は前作と同じですが、よりダンサブルでキャッチーなトラックが増えたのが本作の特徴ではないかと思います。その意味では彼らのアルバムの中でも最も聴きやすい1枚かもしれません。

ただし、ダンサブルでキャッチーといっても、その根底には地を這うベースミュージックがあり、同時にこのユニットならではの美しさも兼ね備えているのがSubmotion Orchestraだと思います。

このユニットの美学に毎回ヤラれてしまいます!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
Simon Beddoe/Tommy Evans作。美しいピアノとハンドクラップ調のリズムが印象的なアルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=erDu3t_cTEg

「Blind Spot」
Ruby Wood/Tommy Evans作。シングル曲にもなりました。このユニットらしいビューティフルなベースミュージックを満喫できます。美しき音の残響がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gbwEA3q7NtE

「Thinking」
Kieren Gallagher/Ruby Wood/Taz Modi/Tommy Evans作。僕好みのトラック。ダンサブルとダビーが同居した本作らしいキャッチーな仕上がりです。パーカッシヴなテイストもいいですね。Tommy Evansも参加するGentleman's Dub ClubのKieren Gallagherがソングライティングに名を連ねます。
https://www.youtube.com/watch?v=PctpvK9XZVc

「Snow」
Tommy Evans作。このユニットならではのジャジー&ダビーな雰囲気を味わえるビューティフル・トラック。Ruby Woodのヴォーカルもサウンドとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ctPvSyd2Qzw

「Sleepwalker」
Taz Modi作。まさに夢の中を彷徨うようかのような幻想的な疾走感が魅力のトラック。女性ヴォーカルをフィーチャーしたクラブジャズともフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=jiVU8K1i0t8

「Bird Of Prey」
Danny Templeman/Simon Beddoe/Taz Modi作。クラブジャズ×ベースミュージックなダンサブル・チューン。ダイナミックなサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=z7sjhlZwJoE

「Times Strange」
グライム/Hip-Hop MCのRider Shafiqueをフィーチャーしたダンサブル・チューン。Rider Shafiqueのラップが加わることでケミストリーが起きて、このユニットの可能性を広げています。Dom Howard/Rider Shafique/Taz Modi作。
https://www.youtube.com/watch?v=LzDG_xmYJ5A

「Eyeline」
Taz Modi/Tommy Evans作。シングルにもなりました。Ruby Woodの愁いを帯びたヴォーカルが印象的な哀愁チューンですが、中盤から秘めたる情熱の如くサウンドのパワフルさが増します。
https://www.youtube.com/watch?v=T-DMuNvg4WQ

「It's Not Me It's You」
Dom Howard/Tommy Evans作。シングルにもなりました。本作らしいアッパーなダンサブル・チューン。クラブジャズ/クロスオーヴァー好きの人も気に入るトラックなのでは?Ruby Woodのヴォーカルを割り切って素材として用いるのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FyjriQHT8Ew

「Fallen」
Chris Hargreaves/Heather McClelland/Ruby Wood/Taz Modi/Tommy Evans作。これぞ僕の好きなSubmotion Orchestraといった感じのビューティフル・トラック。聴いているだけで感動が胸に込み上げてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=u57h8_e1Nvk

「Thousand Yard Stare」
Chris Hargreaves/Danny Templeman/Matthew Halsall/Simon Beddoe/Taz Modi作。地を這うベースミュージックとアッパーなダンス・ミュージックのせめぎ合いのような感じが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=f3eL7EWvz9M

「Coming Up For Air」
Ruby Wood/Simon Beddoe/Taz Modi作。本編ラストは美しいストリングスを配したビューティフル・トラックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kXUf0J0C_8c

「Out For Me」
国内盤ボーナス・トラック。Tommy Evans/Simon Beddoe/Taz Modi/Ruby Wood作。疾走する電脳モードのダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=3pexOc8Pxb8

Submotion Orchestraの過去記事もご参照ください!

『Finest Hour』(2011年)
Finest Hour

『Alium』(2014年)
Alium [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC448)

『Colour Theory』(2016年)
Colour Theory

『Kites』(2018年)
カイツ
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2023年03月15日

Mamas Gun『Cheap Hotel』

ポップ感覚に磨きがかかった3rdアルバム☆Mamas Gun『Cheap Hotel』

発表年:2014年
ez的ジャンル:UKポップ・ソウル・バンド
気分は... :意味のある偶然!

新作からUKのソウル・バンドMamas Gunの3rdアルバム『Cheap Hotel(2014年)です。

シンガーソング・ライター、デザイナー、マルチ奏者、リード・シンガーAndy Plattsを中心に、2007年ロンドンで結成されたソウル・バンドMamas Gunの紹介は、デビュー・アルバム『Routes To Riches』(2009年)、『Cure The Jones』(2022年)に続き3回目となります。

最近のAndy Plattsは、Mamas Gun本隊よりもShawn Leeと組んだAOR的なサイド・プロジェクトYoung Gun Silver Foxでの活動も目立ちますが、本作『Cheap Hotel(2014年)は、Young Gun Silver Foxでの活動開始直前にリリースされた作品です。

本作におけるメンバーはAndy Platts以下、Cameron Dawson(b)、Dave Oliver(key)、Terry Lewis(g)、Jack Pollitt(ds)という5名。Cameron Dawsonが新たにベーシストとして加入しています。

プロデュースはAndy PlattsJulian Simmons

昨年リリースされた『Cure The Jones』(2022年)あたりと比べると、“Mamas Gunってこんなにポップだったっけ”と思うぐらいポップなサウンドが印象的な1枚です。

ディスコ/ファンク/ソウルな味わいをポップに昇華させたトラックがズラリと並びます

シングルになった「Red Cassette」「Cheap Hotel」「Hello Goodnight」あたりを聴けば、本作のポップ感覚を実感できると思います。

この時期のMamas Gunならではのポップ・ワールドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Red Cassette」
Andy Platts作。先行シングルにもなったポップ・ソウルなディスコ・チューンがオープニング。よりポップになった本作を印象づける1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=VvjPMv6-res

「Cheap Hotel」
Andy Platts作。タイトル曲もシングルになりました。ポップで健全なPrinceといった雰囲気のダンサブルなポップ・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=MWUNfJkMUTY

「Burn and Fade」
Andy Platts/Jack Pollitt /Terry Lewis作。フォーキーなブルーアイド・ソウルといった雰囲気のトラック。ストリングスを効果的に配しています。
https://www.youtube.com/watch?v=znKQ8xWd5CA

「Hello Goodnight」
Andy Platts作。この曲もシングルになりました。Andy Plattsのポップ・センスを楽しめる1曲。僕の場合、聴いた瞬間にElectric Light Orchestra(E.L.O)を思い出しました。
https://www.youtube.com/watch?v=swo_gtjGaks

「Jessie」
Andy Platts/Jack Pollitt /Terry Lewis/Dave Oliver/Cameron Dawson作。ファンキーなギター・リフが印象的なMamas Gunならではのソウル・グルーヴ。

「Love Logic」
Andy Platts作。Andy Plattsのソウルフルなファルセット・ヴォーカルを満喫できるブルーアイド・ソウル。彼らのソウル愛が伝わってきます。

「Midas Touch」
Andy Platts作。サイケな雰囲気も取り入れたロック・チューン。このバンドなロックな側面を楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=UPaUOA3_jnU

「People on the Run」
Andy Platts作。少しユルい感じが心地よいブルーアイド・ソウル。程良くポップ・ロックとソウルの中間あたりを狙ったバランス感覚が絶妙です。

「On and On」
Andy Platts/Jack Pollitt /Terry Lewis作。ネオアコのような青臭い疾走感とポップ・ロック・フィーリングをうまく融合させた仕上がり。

「Music Is My Thing」
Andy Platts/Jack Pollitt /Terry Lewis作。ソウル愛を満ちたファンキーなディスコ・チューン。本作ならではのポップな開放感もあってかなりキャッチーです。

「Where I Belong」
Andy Platts/Jack Pollitt作。ファルセット・ヴォーカルを官能的に聴かせる四つ打ちのダンス・チューン。それでもバンドらしさも忘れていないのがいいですね。

「Siamese Jackson」
Andy Platts/Jack Pollitt /Terry Lewis/Dave Oliver/Cameron Dawson/Rex Horan作。スペイシー・シンセによる遊び心を散りばめたファンキー・チューン。リラックスしたいい雰囲気です。

「Joy Rides」
Andy Platts作。ラストはパーカッシヴなダンサブル・チューンで締め括ってくれます。荘厳なストリングスが重厚な音世界を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=XLkTS4YwYJI

Mamas Gunの他作品もチェックを!

『Routes To Riches』(2009年)
ルーツ・トゥ・リッチーズ

『The Life And Soul』(2011年)
ザ・ライフ・アンド・ソウル

『Aversions』(2012年)


『Golden Days』(2018年)


『Cure The Jones』(2022年)
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2023年02月15日

Laneous『Monstera Deliciosa』

Hiatus Kaiyoteメンバーも参加☆Laneous『Monstera Deliciosa』

発表年:2019年
ez的ジャンル:オージー産ハイブリッド・ソウル
気分は... :モダン・ロマンス・・・

今回はオーストラリア人アーティストによるハイブリッド・ソウルLaneous『Monstera Deliciosa』(2019年)です・

Laneous(本名:Lachlan Mitchell)は、オーストラリア出身のシンガー、ギタリスト、プロデューサー。ビジュアル・アーティストとしても活動しているようです。

アフロ・ビートなどを取り込んだミクスチャー・バンドKafkaのメンバーとして活動した後、自らのグループLaneous & The Family Yahを率いて、『Laneous & The Family Yah』(2009年)、『Found Things』(2010年)という2枚のアルバムをリリースしています。

この頃、今やオーストラリアを代表するフューチャリスティック・ハイブリッド・バンドとなったHiatus Kaiyoteと交流を持つようになり、彼らの1stアルバム『Tawk Tomahawk』(2013年)、2ndアルバム『Choose Your Weapon』(2015年)のジャケの印象的なイラストはLaneousが手掛けたものです。

『Tawk Tomahawk』(2013年)
Tawk Tomahawk

『Choose Your Weapon』(2015年)
Choose Your Weapon

その後、Vulture St Tape GangJazz Partyといったユニットへの参加を経てリリースされたのが、Laneous名義での初ソロ・アルバムとなる本作『Monstera Deliciosa』です。

プロデュースはHiatus KaiyotePaul Bender

レコーディングの中心メンバーは、Laneous(vo、g、key、per、fl)以下、
Paul Bender(b、key)、Simon Mavin (key、back vo)というHiatus Kaiyoteのメンバー2人、The Cactus ChannelHudson Whitlock(ds、per、back vo)、Donny Stewart(vibes、flh、tp、tb、horns、back vo)という5名。

ブルーアイド・ソウルな魅力もある少しダークトーンのネオソウル「Terms」Lenny Kravitzの影響を感じる「Hard For You」、ハイブリッド感覚のグルーヴィー・ソウル「I Wanna Be Your Girl」、ローファイ感覚のメロウ・チューン「Not Quite Right」、哀愁モードのソウル・チューン「Hold My Hand」、先行シングルにもなったメロウ・ソウルなタイトル曲「Modern Romance」など多彩なトラックが並びます。

派手さがあるわけではありませんが、Laneousの美学が貫かれた不思議な魅力を持った1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Introduction/Overture」
LaneousとPaul Benderの共作。少しレトロで幻想的かつ官能的なオープニング。

「Terms」
少しダークトーンのネオソウル。Laneousのソウルフルな持ち味を満喫できます。ブルーアイド・ソウルな魅力もあります。終盤にはElle Shimadaによる日本語の官能的なスポークン・ワードも聞こえてきます。

「My Song」
ポップ職人的な1曲ですが、ロックなエッセンスもあります。このあたりはミクスチャー系バンド出身らしいかもしれませんね。

「Hard For You」
このトラックはロック色が前面に出ています。ライナーノーツにも書いてある通り、John LennonLenny Kravitzの影響を感じます。

「I Wanna Be Your Girl」
ハイブリッド感覚のグルーヴィー・ソウル。幻想的な浮遊感が魅力です。このあたりの巧みなクロスオーヴァー感覚はオーストラリアのミュージシャンらしいですね。

「Not Quite Right」
リズムボックスとボッサ・ギターによるローファイ感覚のメロウ・チューン。ボッサ好きの僕には心地よい箸休めといった感じです。

「Waves Of Nightingales」
インタールード的な小曲。サイケな雰囲気が漂います。

「Hold My Hand」
哀愁モードのソウル・チューン。Mayer Hawthorne的な白人によるヴィンテージ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EoeohsXkpns

「Trouble In Paradise」
LaneousとPaul Benderの共作。再びサイケなインタールード的小曲。

「Modern Romance」
先行シングルにもなった曲。タイトルの通り、ロマンティックなメロウ・ソウルで楽しませてくれます。さり気ないけどセンスを感じる僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=plmuJmWHtyA

「Outroduction/Underture」
ラストは幻想的かつレトロな雰囲気を醸し出すアウトロで余韻に浸りながらアルバムは幕を閉じます。

ご興味がある方は、KafkaLaneous & The Family Yahの作品もチェックを!

Kafka『Kafka』(2008年)


Laneous & The Family Yah『Laneous & The Family Yah』(2009年)


Laneous & The Family Yah『Found Things』(2010年)
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