2022年09月14日

Adriana Godoy『Marco』

初秋に似合う女性MPB☆Adriana Godoy『Marco』

発表年:2010年
ez的ジャンル:女性MPB
気分は... :初秋の夜にMPB・・・

今日は女性MPBが聴きたい気分・・・
セレクトしたのはAdriana Godoy『Marco』(2010年)です。

Adriana Godoyは、コンポーザー/ピアニストAdylson Godoyを父に、歌手Silvia Mariaを母に持つブラジリアン女性シンガー。

本作『Marco』(2010年)は、『Todos Os Sentidos』(2003年)に続く2ndアルバムです。

本作に大きく貢献しているのがAdriana Godoy本人と共にプロデュースを手掛け、音楽ディレクター、アレンジャーも務めたDebora Gurgel

レコーディングにはDebora Gurgel(p)、Itamar Collaco(b)、Percio Sapia(ds)、Claudio Machado(b)、Christiano Rocha(ds)、Daniel D'Alcantara(flh)、Filo Machado(vo)、Andre Kurchal(per)、Dino Galvao Bueno(vo)、Elton Medeiros(vo)、Julio Cerezo Ortiz(cello)、Lea Freire(fl)、Conrado Goys(g)等のミュージシャンが参加しています。

このうちChristiano Rochaは共同プロデューサーとしてもクレジットされています。

また、父Adylson Godoyの楽曲を取り上げ、母Silvia Mariaも参加しています。

きっとMaria Ritaあたりがお好きな人であれば、気に入る1枚だと思います。Maria Rita大好きな僕にはかなりど真ん中でした。

Adriana Godoy自身の表現力のあるヴォーカルと、Debora Gurgelを中心としたバッキングが見事に噛み合っています。

落ち着いたオトナMPBをぜひどうぞ!

全曲紹介しときやす。

「Marco」
Rosa Passos/Sergio Natureza作。Debora Gurgelの素敵なピアノをバックに、Adrianaがリラックスしたヴォーカルを聴かせてくれるジャジー・メロウがオープニング。ジャズ・バーで聴きたい気分になる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=x-ipYbblqEY

「Abandono」
Rafael Alterio/Rita Alterio/Marcos Paiva作。Debora Gurgelのピアノ・トリオをバックにAdrianaが表現豊かなヴォーカルを聴かせてくれるモダンな哀愁サンバ。初期Maria Ritaあたりがお好きな人であれば気に入るであろう1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=AW0yVEXbVDw

「E Demais Sonhar Voce」
Adylson Godoy作。Debora Gurgelのピアノ・トリオをバックにAdrianaがしっとり歌い上げるジャジーなメロウ・バラード。Daniel D'Alcantaraのフリューゲルホルン・ソロも素敵です。
https://www.youtube.com/watch?v=jHyrQ-eI-Fo

「Deixa Comigo」
父Debora Gurgelの作品です。Filo MachadoとのAdrianaとの掛け合いスキャットで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VwVtVo0O5_s

「Mea Culpa」
Dino Galvao Bueno/Elton Medeiros作。しっとりとしたジャジー・ボッサ。作者のDino Galvao BuenoとElton Medeirosもヴォーカルで参加しています。サウダージ気分を満喫しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=r4uNbFM9Rb8

「Outras noticias da Praca Central」
Debora Gurgel/To Brandileone/Vinicius Calderoni作。僕の一番のお気に入り。Adrianaのブラジル人女性シンガーらしい豊かな表現力にグッときます。ジワジワと感動が胸に込み上げてくるのがいいですね。Debora Gurgelの素晴らしいピアノとの一体感もサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=-zqGqpdWPRI

「Crescente Fertil」
Aldir Blanc/Ed Motta作。 オリジナルはMPBを代表する詩人Aldir Blancの『Aldir Blanc - 50 Anos』(1996年)に収録されたEd Mottaとの共作曲。Debora Gurgelのピアノ、Julio Cerezo Ortizのチェロをバックに、Adrianaが情感たっぷりに歌い上げます。Adrianaの歌世界に引き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IF2RrqigYPs

「Garrafas ao Mar」
Fatima Guedes作。ここではDebora Gurgelがエレピを弾いています。さり気ないですが瑞々しい気分になれる、心地好いメロウMPBに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VavRZwIgkvc

「Vento Bravo」
Edu Lobo/Paulo Cesar Pinheiro作。Edu Loboのオリジナルは『Edu Lobo』(1973年)収録。母Silvia Mariaも父Adylson Godoyのアレンジでレコーディングした楽曲です。ここでは母Silvia Mariaも参加し、母娘共演を楽しめます。あた、Edu Lobo作品らしいアフロ・ブラジリアン・テイストを残しつつ、モダンな雰囲気で聴かせてくれる緩急をつけたアレンジも秀逸です。当ブログではStefania Dipierroのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=a85c0GxHo0o

「Risco」
Lea Freire/Joyce作。Joyceのオリジナルは当ブログでも紹介した『Gafieira Moderna』(2001年)収録。Debora Gurgelのエレピをバックに、オリジナル以上にメロウネスの効いた仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=fGID7Vy8988

「Cordilheira」
Djavan作品をカヴァー。Djavanのオリジナルは『Malasia』(1996年)収録。ピアノ・トリオらしいバッキングを従え、静から少しずつ動へと躍動していく感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=XoyXyx0Ifbc

「Talvez Humana」
Debora Gurgel/Dani Gurgel作。Debora Gurgelのピアノのみのバッキングで歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=pY8x5aUsdC4

「Preta-Porter de Tafeta」
Joao Bosco/Aldir Blanc作。「Outras noticias da Praca Central」と並ぶ僕のお気に入り。ラストはモダンなアレンジで軽快に疾走します。Adrianaのリズミックな語り口はさすがブラジル人アーティストですね。Conrado Goysのギターも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=VuJHZjY5mbI

やはり心を整えたいときにはブラジル音楽が一番ですね!
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2022年07月13日

Mark de Clive-Lowe『Church』

ジャズ的アプローチの第一弾☆Mark de Clive-Lowe『Church』

発表年:2014年
ez的ジャンル:UKクロスオーヴァー経由L.A.ジャズ
気分は... :第二幕の始まり・・・

今回はMark De Clive-Lowe『Church』(2014年)です。

ニュージーランド人の父と日本人の母を持ち、"西ロンドンのHerbie Hancock"とも呼ばれたプロデューサー/キーボード奏者/DJMark De Clive-Lowe(MdCL)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の4枚。

 『Six Degrees』(2000年)
 『Tide's Arising』(2005年)
 『Journey 2 The Light』(2007年)
 『Renegades』(2011年)

今年、Pharoah Sandersへのトリビュート作品『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』をリリースしたMdCL

これまで当ブログで紹介してきた4枚は西ロンドン仕込みのブロークン・ビーツ/クロスオーヴァー作品であり(『Renegades』はL.A.録音ですが)、僕の好きなMdCLはこの路線でした。

一方、今回紹介する『Church』(2014年)以降は、L.A.を拠点にジャズ的アプローチの作品をリリースするようになります。その意味でMdCL第二幕の始まりといえるでしょう。

アルバム・タイトルの"Church"とは、MdCLがL.A.でスタートしたイベントの名からとったものです。

全13トラックのうち、10トラックがN.Y.でのセッション、3トラックがL.A.でのセッションです。

Mark De Clive-Lowe(p、el-p、syn、sampling、beats、electronic manipulation)に加えて、N.Y.セッションにはTivon Pennicott(sax、fl)、Duane Eubanks(tp)、Robin Eubanks(tb)、Tim Lefebvre(b)、Nate Smith(ds)、L.A.セッションにはMiguel Atwood-Ferguson(viola)、Josiel Perez Hernandez(tp)、Low Leaf(harp)、Ben Shepherd(b)、Jamire Williams(ds)、Contra Mestre Xingu(berimbau、vo)、Tim Stewart(g)といったミュージシャンが参加しています。

また、Nia AndrewsJohn RobinsontheeKIDICARUSといったヴォーカリスト/ラッパーが参加しています。

改めて参加ミュージシャンを眺めると、Miguel Atwood-FergusonNate SmithJamire Williamsの参加が目を引きます。

ジャズ的アプローチの作品といっても、ブロークンビーツ、ダブステップ、フューチャー・ジャズ、Hip-Hop的アプローチのトラックもあるので、従来からのMdCLファンもそれなりに楽しめると思います。当時はかなり違う世界へ行ってしまったような印象を受けましたが、改めて聴くとそれほどでもないですね。

MdCL第二幕を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「The Mission」
John Robinsonのラップをフィーチャー。人力ジャジーHip-Hopなオープニング。RGE『Black Radio』(2012年)の影響もあるのかもしれませんが、コチラの方がジャジーHip-Hopしています。
https://www.youtube.com/watch?v=eoih5x2A_-Q

「Nova Roda」
Contra Mestre Xinguをフィーチャー。トライバルな演奏に、フューチャリスティックなアクセントを織り交ぜた時空を超えた雰囲気のトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=mzMn4kmQVbI

「Brukstep」
人力ブロークンビーツという雰囲気の演奏であり、従来からのMdCLファンも楽しめる演奏です。一方で、MdCLのピアノはしっかりジャズしています。
https://www.youtube.com/watch?v=BQCx1kW3kMc

「The Processional」
L.A.ジャズ・ミーツ・MdCLといった雰囲気の演奏です。L.A.ジャズ好きの人は楽しめるスケールの大きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=DEbBfIKvfx8

「Now Or Never」
Nia Andrewsをフィーチャー。Nia Andrewsのソウルフル・ヴォーカルが引き立つ、モダンな新世代ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TKLhzHb3W2A

「Ghaziya」
"西ロンドンのHerbie Hancock"とも呼ばれたMdCLらしいフューチャリスティックなコズミック・ファンク。MdCLファンとしてはこういう演奏も聴きたいですよね!
https://www.youtube.com/watch?v=ZVKci2pWjSA

「Sketch For Miguel」
タイトルの通り、Miguel Atwood-Fergusonとの共演を楽しめる演奏です。幻想的なL.A.ジャズ・ワールドにMdCLがうまく溶け込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=aPVrVmyoRPM

「Hollow」
Nia Andrewsをフィーチャー。メロウ・エレピと美しいホーン・サウンドがNia Andrewsの艶やかなヴォーカルを包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZUB02jBCWP8

「Prayer」
2分半に満たない演奏ですが、ジャズにアプローチするMdCLの美学を感じられる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=2uSbomGF9ME

「Imam」
Dollar Brand Quartetのカヴァー(Abdullah Ibrahim(Dollar Brand)作)。オリジナルは『Africa - Tears And Laughter』(1979年)収録。オリジナルの持つ格好良さをモダンにアップデートしたようなエキサイティングな演奏にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=7P_bVlxKBSw

「Sun Up Sun Down」
TheeKIDICARUSのラップをフィーチャー。オープニングの「The Mission」と同じくHip-Hop的な演奏ですが、コチラの方がジャズ・ミュージシャンによるHip-Hop感はあり、その意味ではRGE『Black Radio』的かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=QJajJS8ODk8

「Mason's Galaxy」
Charles Earlandのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Leaving This Planet』(1974年)収録。オリジナルをフューチャリスティックにアップデートさせた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EydH1E5huOA

「Distractions」
Nia Andrewsをフィーチャー。ジャズ×ダブステップのクロスオーヴァーを楽しめる演奏です。西ロンドン時代のMdCLファンも楽しめる内容なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Uvl3dhyEsoo

MdCLの他作品もチェックを!

『Six Degrees』(2000年)
シックス・ディグリーズ

『Tide's Arising』(2005年)
Tides Arising

『Journey 2 The Light』(2007年)


『Renegades』(2011年)
Renegades [解説付・ボーナストラック2曲収録・国内盤] (BRC308)

Mark de Clive-Lowe & Rotterdam Jazz Orchestra『Take the Space Trane』(2013年)


『Heritage』(2019年)


『Church Sessions』(2019年)


Mark de Clive-Lowe/Andrea Lombardini/Tommaso Cappellato『Dreamweavers』(2020年)


『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)
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2022年04月27日

Aphrotek『Stories』

Meshell Ndegeocello、Genevieve Artadi(KNOWER)もゲスト参加☆Aphrotek『Stories』

発表年:2018年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー・ジャズ
気分は... :ハイ・エナジー!

今回はスイス出身のキーボード奏者Eliyah Reichenのソロ・プロジェクトAphrotek『Stories』(2018年)です。

Eliyah Reichenは1986年生まれのキーボード奏者/プロデューサー。

これまで『Eliyah Reichen Electric Quartet』(2014年)、Eliyah Reichen Electric名義の『Time Perceptions』(2016年)といったアルバムをリリースです。

また、当ブログでもデビュー・アルバム『Bible Belt』(2009年)が話題となった女性SSW、Diane Birchのバンド・メンバーとして来日もしています。

さて、Aphrotek名義でリリースした本作『Stories』(2018年)ですが、スイス、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリでレコーディングされたものです。

プロデュースはEliyah Reichenとスイス人ドラマーのDominik Burkhalter

アルバムにはMeshell NdegeocelloLouis ColeとのL.A.の超絶ポップ・ユニットKNOWERの女性シンガーGenevieve Artadi等のミュージシャンがフィーチャリングされています。

全体的にはUSジャズというよりも、UKジャズ/クロスオーヴァーの感覚に近いと思います。Hip-Hop、エレクトロのエッセンスを取り入れたトラックもあります。

ベースが格好良いコズミック・ジャズ「95 Percent」、アッパーなクロスオーヴァー「With A Twist」Phase Oneをフィーチャーしたジャジー&メロウHip-Hop「Just A Light」Meshell Ndegeocelloをフィーチャーしたコズミック&ミステリアスな「Let It Go」KNOWERの女性シンガーGenevieve Artadiをフィーチャーした「Someday」あたりが僕のオススメです。

ジャズならではのエナジーをジャンル横断的に展開する魅力がある1枚です。

全曲紹介しときやす。

「95 Percent」
Donny McCaslin(sax) & Tim Lefebvre(b、electronics)をフィーチャー。二人はDavid Bowieの遺作アルバム『★』(2016年)にも参加したミュージシャンです。Tim Lefebvreのベースが格好良いインストのエレクトリック・ジャズ。コズミックな雰囲気もあります。

「With A Twist」
Taron Bensonのヴォーカルをフィーチャー。UKクラブジャズ好きの人向けのアッパーなクロスオーヴァー・チューン。

「Just A Light」
N.Y.ブロンクスを拠点に活動するラッパーPhase Oneをフィーチャー。ジャジー&メロウな生音Hip-Hopは僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=448arzE32ZM

「Let It Go」
Meshell Ndegeocello(vo) & Donny McCaslin(sax)をフィーチャー。ここでのNdegeocelloはヴォーカルに専念し、ベースはEliyahは弾いています。コズミック&ミステリアスなムードに包まれたトラックです。

「New York City」
USジャズというよりも、南ロンドンのUKジャズ好きの人がフィットしそうな、疾走するインスト・トラック。

「Kick Up The Dust」
Mikal Amin(Hired Gun)のラップをフィーチャー。Hip-Hop×クロスオーヴァー・ジャズな魅力があります。

「I Can't Breathe」
Melanie Charlesのヴォーカルをフィーチャー。2014年にN.Y.で起きたエリック・ガーナー窒息死事件をテーマとしたもの。タイトルの「I Can't Breathe」は、事件で亡くなった黒人男性エリック・ガーナー氏が息絶える前に繰り返したフレーズであり、ブラック・ライヴズ・マター運動でも連呼された言葉です。演奏はメロウ&ソウルフルなジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。

「River Styx Rider」
Mike Ladd(vo)/Donny McCaslin(sax) & Tim Lefebvre(b)をフィーチャー。70年代パンクの影響を感じる、パンク・ロック・ジャズとでも形容したくなる演奏です。

「Someday」
Genevieve Artadi(vo) & Gregoire Maret(harmonica)をフィーチャー。Louis ColeとのユニットKNOWERのヴォーカリストGenevieve Artadiの参加が注目です。そのGenevieveのヴォーカルを楽しむメロウ・ジャズなのですが、後半のGregoire Maretのハーモニカ・ソロも味わいがあっていい感じです。

「Tokyo」
国内盤CDボーナス・トラック。すべての演奏をEliyah一人で担当しているインスト。真夜中の東京のイメージでしょうか。

何だか落ち着かないままGWに突入しそうな予感
バイオリズムが下がっている気がるので立て直そう!
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2022年03月09日

Machinedrum『Vapor City』

Vapor Cityプロジェクトの出発点☆Machinedrum『Vapor City』

発表年:2013年
ez的ジャンル:ハイブリッド・エレクトロニック・ミュージック
気分は... :ユートピア or ディストピア?

エレクトロニカの奇才アーティストMachinedrum『Vapor City』(2013年)です。

1982年ノースカロライナ生まれのMachinedrum(本名Travis Stewart)の紹介は、『Vapor City Archives』(2014年)、『Human Energy』(2016年)に続き3回目となります。

『Vapor City』(2013年)は、名門Ninja Tuneへの移籍第一弾アルバムとなります。

当ブログではVapor Cityプロジェクトの完結編である『Vapor City Archives』(2014年)を先に紹介してしまいましたが、架空都市Vapor Cityをテーマにしたプロジェクトの出発点となったのが本作『Vapor City』(2013年)です。

Ninja Tuneからのリリースということで、ジューク/ドラムンベース等を取り込んだハイブリッドな新世紀エレクトロニック・ミュージックを楽しむことができます。

シングルにもなったジューク調ハイブリッド・チューンの「Gunshotta」「Eyesdontlie」が目立ちます。

それ以外に、エレクトロニカ×フットワークな幻想的トラック「Infinite Us」、ダビー感覚のサイケな「Dont 1 2 Lose U」Angelica Bessの女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・トラック「Center Your Love」Wendy & Bonnie「By the Sea」をサンプリングした「SeeSea」なども印象に残ります。

楽曲はすべてMachinedrumのオリジナルです。

Machinedrumによる架空都市の音世界を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Gunshotta」
シングルにもなったオープニング。ジューク/ドリルンベースにダンスホールのエッセンスも加わった刺激的なトラックです。ダークで不穏なな疾走感が良くも悪くも今の気分にフィットします。K-Ci & JoJo「Tell Me It's Real」、Incredible Bongo Band「Apache」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=GYZqhYl12Nw

「Infinite Us」
Lyn Collins「Think (About It)」をサンプリング。エレクトロニカ×フットワークな幻想的ハイブリッド・トラック。無限に広がっていくような美しい音に、不穏なリズムが入り交じる様が何かを物語ります。
https://www.youtube.com/watch?v=gU5bb4aCoho

「Dont 1 2 Lose U」
ダビー感覚のダークなサイケ・サウンドが印象的なトラック。どんどんアンダーグラウンドへ潜っていくサウンドの中に溶け込んでしまいそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=RG2sYR9Ohj4

「Center Your Love」
Angelica Bessの女性ヴォーカルをフィーチャー。アルバムで最もキャッチーなメロウ&ダンサブルなエレクトロニカ。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=WBY_V7N0GlI

「Vizion」
サウンドスケープ的なつなぎのトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=mk9VkEhwdfk

「Rise N Fall」
哀愁ヴォーカルのサンプリングと鋭利なジューク/ジャングル・ビートが印象的なトラック。無機質なフューチャリスティック感覚が脳内に刻まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7eMeAgO4PNQ

「SeeSea」
Wendy & Bonnie「By the Sea」をサンプリング。エレクトロニカ×ジュークなハイブリッドを楽しめるトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=3XHl8W--LaQ

「U Still Lie」
何処かの指導者に聞かせたいタイトルですね。そのタイトルに相応しい、美しいものが虚しく消え去っていくかのようなシンセ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=rIZvye0znOE

「Eyesdontlie」
先行シングルにもなった人気トラック。アンビエンス×フットワーク/ジュークなハイブリッド・チューン。The Undisputed Truth「Smiling Faces Sometimes」をサンプリング。ダウナーなのにドリーミーという不思議な感覚に陥ります。
https://www.youtube.com/watch?v=5cJLfzTSsTc

アルバム未収録ですが、DJ Shadowによるリミックスも話題となりました。
「Eyes Don't Lie (DJ Shadow Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=QJFfDlvmKPs

「Baby It's U」
カリスマ的存在感を放つ男性R&BアーティストJesse Boykins IIIをフィーチャー。また、サンプラーでRichard Devineも参加。エクスペリメンタルで幻想的で、何処か空虚な音世界が残響のように鳴り続けます。
https://www.youtube.com/watch?v=5ZuZquat7ds

「Overcome」
国内盤ボーナス・トラック。ジャケにあるフューチャリスティックな未来都市を想起させるインスト。この街にあるのはユートピアなのか、ディストピアなのか・・・
https://www.youtube.com/watch?v=75PSDzMl50U

Machinedrumの他作品もチェックを!

『Now You Know』(2001年)
Now You Know

『Urban Biology』(2002年)
Urban Biology

『Half the Battle』(2002年)
Half the Battle

『Bidnezz』(2004年)
Bidnezz

『Mergerz & Acquisitionz』(2006年)
Mergerz & Acquisitionz

『Want to 1 2?』(2009年)
Want to 1 2?

『Room(s)』(2011年)
Room(s)

Sepalcure『Sepalcure』(2011年)
SEPALCURE ( 直輸入盤・帯ライナー付 )

『Vapor City Archives』(2014年)
Vapor City Archives [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN215)

『Human Energy』(2016年)
Human Energy [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC525)

『A View of U』(2020年)
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2022年01月26日

Moodymann『Moodymann』

ソウル/ファンク寄りのアプローチ☆Moodymann『Moodymann』
Moodymann
発表年:2014年
ez的ジャンル:漆黒デトロイト・ハウス
気分は... :違和感が学びを生む!

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymann『Moodymann』(2014年)です。

Moodymann(本名Kenny Dixon Jr.について、当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Silentintroduction』(1997年)
 『Mahogany Brown』(1998年)
 『Forevernevermore』(2000年)
 『Silence in the Secret Garden』(2003年)

セルフ・タイトルとなった本作『Moodymann』(2014年)。
本作はソウル/ファンク寄りのトラックが多く、さらに人気男性ジャズ・シンガーJose Jamesをフィーチャーしたジャズ・トラックも収録されています。その意味ではいつものMoodymannとは少し異なる印象のアルバムかもしれません。

その意味では、普段ハウスをあまり聴かない、ソウル/ファンク好きの方も楽しめる1枚だと思います。

全27トラックというヴォリュームですが、インタールード的なトラックが10あるので実質17トラック位です。

Moodymannファンにとっては好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、その異色な部分を楽しむべきアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Jimmy D... Nickle」
疑似ライヴ調の短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ZWnFAuYm4o8

「Hold It Down」
Marvin Gaye「Life Is a Gamble」ネタと共に始まるソウルフル・トラック。デモ・テープみたいな仕上がり。Bubz Fiddler(b)、Amp Fiddler(key)というFiddler兄弟が参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=2Sn2MUo9gpE

「Never Quite the Same」
O.C. Smith「Moody」をモロ使いしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=-Dihr8418WQ

「Desire」
Jose Jamesをフィーチャー。この二人の共演は興味深いですね。Jose Jamesに寄って、Moodymannがジャズしています。クラブジャズ好きの人は楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=dTNN2R6YBBw

「You're 2 Moody」
Belle Epoque「Losing You」をモロ使いしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=giLPYLfDkx8

「Lyk U Use 2」
Andresをフィーチャー。何処となくPrince殿下を思わせる妖しげな雰囲気のトラック。自身の「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=z_trFeBXW5c

「No」
Moodymannらしい漆黒ディープ・ハウス。明るいところではなく、真っ暗ななかで聴きたいですね。アンダーグラウンドな臭いがプンプンしてくる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=1XytFu93Zro

「I Got Werk」
Moodymann流のディスコ・ファンク。70年代ディスコ/ファンクへのリスペクトを感じます。禁断の世界モードなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qfI13ytw0go

「Max Julien Jacket」
短いインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=RQAYKRiKf2c

「Iguessuneverbeenlonely」
変態チックと儚さが同居するムードがたまらないトラック。

「U Don't Even Lyk This Song」
自身の「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」もサンプリングしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=w0et0cSmsEc

「Come 2 Me」
アフロ・ビートIkenga Super Stars of Africa「Soffry Soffry Catch Monkey」をサンプリングしたアフロ・ハウス。BPMも早くしすぎていないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=F8d1uet9jug

「Ulooklykicecreaminthesummertyme」
Nikki-Oをフィーチャー。前半はメロウな雰囲気ですが、Pitch Black City「Runaway」がサンプリングされる中盤から表情が少しずつ変り、儚げななダンス・トラックが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQ8nr8sk7f0

「How Do U Get 2 Detroit」
演説調のインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=gdHwQnfFP2E

「Radio」
哀愁モードのインスト・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=3UUOI_Vp7cg

「Yet Unknown」
インタールード。

「Born 2 Die」
Lana Del Reyをフィーチャー。前半はダウナーな哀愁トラックですが、後半はアッパーなハウス・チューンへと変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=wFQpi_8uJys

「The Most Fearful」
インタールード。

「I Still Don't Know Yo Name」
三度「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」をサンプリング。

「Watchin U」
ソウルフルなメロウ・グルーヴ。フリーソウル的な魅力があるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZuOvFdM_5g8

「Ponydowncrew」
サウンド・コラージュ的なインタールード。

「Got Dem Freaks Wit Me」
危険な臭いのするアンダーグラウンド感覚のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=vQSlIkAsMMU

「Freeki Muthafucka」
温度低めのアッパー・チューンといった感じ。少しダークなトーンが逆に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=i76wpqjxTok

「Sunday Hotel」
本作ではこういう漆黒ディープ・ハウスを聴くと安堵しますね(笑)Muddy Waters「Mannish Boy」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=5SWFx6Ro9gk

「Girl」
Taana Gardner「When You Touch Me」をサンプリングしたメロウなソウル・グルーヴ。とてもMoodymannのアルバムとは思えません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=myJhNwdCCtg

「Sloppy Cosmic」
Funkadelicをフィーチャーし、彼等のサイケでトリッピーなロウ・ファンク「Cosmic Slop」をMoodymann流に聴かせてくれる12分近い長尺。
https://www.youtube.com/watch?v=oQGMKN-Dp9s

「Heaven」
ラストは哀愁ギターをフィーチャーした切ないソウル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=G2rP1aOkP5g

Moodymannの他作品もチェックを!

『Silentintroduction』(1997年)
A Silent Introduction

『Mahogany Brown』(1998年)
マホガニー・ブラウン [名盤1000円]

『Forevernevermore』(2000年)
フォエヴァーネヴァーモア [名盤1000円]

『Silence in the Secret Garden』(2003年)
サイレンス・イン・ザ・シークレット・ガーデン [名盤1000円]

『Black Mahogani』(2004年)
BLACK MAHOGANI

『Black Mahogani II』(2004年)
BLACK MAHOGANI II ( 直輸入盤・帯ライナー付 )
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