2022年04月27日

Aphrotek『Stories』

Meshell Ndegeocello、Genevieve Artadi(KNOWER)もゲスト参加☆Aphrotek『Stories』

発表年:2018年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー・ジャズ
気分は... :ハイ・エナジー!

今回はスイス出身のキーボード奏者Eliyah Reichenのソロ・プロジェクトAphrotek『Stories』(2018年)です。

Eliyah Reichenは1986年生まれのキーボード奏者/プロデューサー。

これまで『Eliyah Reichen Electric Quartet』(2014年)、Eliyah Reichen Electric名義の『Time Perceptions』(2016年)といったアルバムをリリースです。

また、当ブログでもデビュー・アルバム『Bible Belt』(2009年)が話題となった女性SSW、Diane Birchのバンド・メンバーとして来日もしています。

さて、Aphrotek名義でリリースした本作『Stories』(2018年)ですが、スイス、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリでレコーディングされたものです。

プロデュースはEliyah Reichenとスイス人ドラマーのDominik Burkhalter

アルバムにはMeshell NdegeocelloLouis ColeとのL.A.の超絶ポップ・ユニットKNOWERの女性シンガーGenevieve Artadi等のミュージシャンがフィーチャリングされています。

全体的にはUSジャズというよりも、UKジャズ/クロスオーヴァーの感覚に近いと思います。Hip-Hop、エレクトロのエッセンスを取り入れたトラックもあります。

ベースが格好良いコズミック・ジャズ「95 Percent」、アッパーなクロスオーヴァー「With A Twist」Phase Oneをフィーチャーしたジャジー&メロウHip-Hop「Just A Light」Meshell Ndegeocelloをフィーチャーしたコズミック&ミステリアスな「Let It Go」KNOWERの女性シンガーGenevieve Artadiをフィーチャーした「Someday」あたりが僕のオススメです。

ジャズならではのエナジーをジャンル横断的に展開する魅力がある1枚です。

全曲紹介しときやす。

「95 Percent」
Donny McCaslin(sax) & Tim Lefebvre(b、electronics)をフィーチャー。二人はDavid Bowieの遺作アルバム『★』(2016年)にも参加したミュージシャンです。Tim Lefebvreのベースが格好良いインストのエレクトリック・ジャズ。コズミックな雰囲気もあります。

「With A Twist」
Taron Bensonのヴォーカルをフィーチャー。UKクラブジャズ好きの人向けのアッパーなクロスオーヴァー・チューン。

「Just A Light」
N.Y.ブロンクスを拠点に活動するラッパーPhase Oneをフィーチャー。ジャジー&メロウな生音Hip-Hopは僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=448arzE32ZM

「Let It Go」
Meshell Ndegeocello(vo) & Donny McCaslin(sax)をフィーチャー。ここでのNdegeocelloはヴォーカルに専念し、ベースはEliyahは弾いています。コズミック&ミステリアスなムードに包まれたトラックです。

「New York City」
USジャズというよりも、南ロンドンのUKジャズ好きの人がフィットしそうな、疾走するインスト・トラック。

「Kick Up The Dust」
Mikal Amin(Hired Gun)のラップをフィーチャー。Hip-Hop×クロスオーヴァー・ジャズな魅力があります。

「I Can't Breathe」
Melanie Charlesのヴォーカルをフィーチャー。2014年にN.Y.で起きたエリック・ガーナー窒息死事件をテーマとしたもの。タイトルの「I Can't Breathe」は、事件で亡くなった黒人男性エリック・ガーナー氏が息絶える前に繰り返したフレーズであり、ブラック・ライヴズ・マター運動でも連呼された言葉です。演奏はメロウ&ソウルフルなジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。

「River Styx Rider」
Mike Ladd(vo)/Donny McCaslin(sax) & Tim Lefebvre(b)をフィーチャー。70年代パンクの影響を感じる、パンク・ロック・ジャズとでも形容したくなる演奏です。

「Someday」
Genevieve Artadi(vo) & Gregoire Maret(harmonica)をフィーチャー。Louis ColeとのユニットKNOWERのヴォーカリストGenevieve Artadiの参加が注目です。そのGenevieveのヴォーカルを楽しむメロウ・ジャズなのですが、後半のGregoire Maretのハーモニカ・ソロも味わいがあっていい感じです。

「Tokyo」
国内盤CDボーナス・トラック。すべての演奏をEliyah一人で担当しているインスト。真夜中の東京のイメージでしょうか。

何だか落ち着かないままGWに突入しそうな予感
バイオリズムが下がっている気がるので立て直そう!
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2022年03月09日

Machinedrum『Vapor City』

Vapor Cityプロジェクトの出発点☆Machinedrum『Vapor City』

発表年:2013年
ez的ジャンル:ハイブリッド・エレクトロニック・ミュージック
気分は... :ユートピア or ディストピア?

エレクトロニカの奇才アーティストMachinedrum『Vapor City』(2013年)です。

1982年ノースカロライナ生まれのMachinedrum(本名Travis Stewart)の紹介は、『Vapor City Archives』(2014年)、『Human Energy』(2016年)に続き3回目となります。

『Vapor City』(2013年)は、名門Ninja Tuneへの移籍第一弾アルバムとなります。

当ブログではVapor Cityプロジェクトの完結編である『Vapor City Archives』(2014年)を先に紹介してしまいましたが、架空都市Vapor Cityをテーマにしたプロジェクトの出発点となったのが本作『Vapor City』(2013年)です。

Ninja Tuneからのリリースということで、ジューク/ドラムンベース等を取り込んだハイブリッドな新世紀エレクトロニック・ミュージックを楽しむことができます。

シングルにもなったジューク調ハイブリッド・チューンの「Gunshotta」「Eyesdontlie」が目立ちます。

それ以外に、エレクトロニカ×フットワークな幻想的トラック「Infinite Us」、ダビー感覚のサイケな「Dont 1 2 Lose U」Angelica Bessの女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・トラック「Center Your Love」Wendy & Bonnie「By the Sea」をサンプリングした「SeeSea」なども印象に残ります。

楽曲はすべてMachinedrumのオリジナルです。

Machinedrumによる架空都市の音世界を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Gunshotta」
シングルにもなったオープニング。ジューク/ドリルンベースにダンスホールのエッセンスも加わった刺激的なトラックです。ダークで不穏なな疾走感が良くも悪くも今の気分にフィットします。K-Ci & JoJo「Tell Me It's Real」、Incredible Bongo Band「Apache」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=GYZqhYl12Nw

「Infinite Us」
Lyn Collins「Think (About It)」をサンプリング。エレクトロニカ×フットワークな幻想的ハイブリッド・トラック。無限に広がっていくような美しい音に、不穏なリズムが入り交じる様が何かを物語ります。
https://www.youtube.com/watch?v=gU5bb4aCoho

「Dont 1 2 Lose U」
ダビー感覚のダークなサイケ・サウンドが印象的なトラック。どんどんアンダーグラウンドへ潜っていくサウンドの中に溶け込んでしまいそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=RG2sYR9Ohj4

「Center Your Love」
Angelica Bessの女性ヴォーカルをフィーチャー。アルバムで最もキャッチーなメロウ&ダンサブルなエレクトロニカ。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=WBY_V7N0GlI

「Vizion」
サウンドスケープ的なつなぎのトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=mk9VkEhwdfk

「Rise N Fall」
哀愁ヴォーカルのサンプリングと鋭利なジューク/ジャングル・ビートが印象的なトラック。無機質なフューチャリスティック感覚が脳内に刻まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7eMeAgO4PNQ

「SeeSea」
Wendy & Bonnie「By the Sea」をサンプリング。エレクトロニカ×ジュークなハイブリッドを楽しめるトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=3XHl8W--LaQ

「U Still Lie」
何処かの指導者に聞かせたいタイトルですね。そのタイトルに相応しい、美しいものが虚しく消え去っていくかのようなシンセ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=rIZvye0znOE

「Eyesdontlie」
先行シングルにもなった人気トラック。アンビエンス×フットワーク/ジュークなハイブリッド・チューン。The Undisputed Truth「Smiling Faces Sometimes」をサンプリング。ダウナーなのにドリーミーという不思議な感覚に陥ります。
https://www.youtube.com/watch?v=5cJLfzTSsTc

アルバム未収録ですが、DJ Shadowによるリミックスも話題となりました。
「Eyes Don't Lie (DJ Shadow Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=QJFfDlvmKPs

「Baby It's U」
カリスマ的存在感を放つ男性R&BアーティストJesse Boykins IIIをフィーチャー。また、サンプラーでRichard Devineも参加。エクスペリメンタルで幻想的で、何処か空虚な音世界が残響のように鳴り続けます。
https://www.youtube.com/watch?v=5ZuZquat7ds

「Overcome」
国内盤ボーナス・トラック。ジャケにあるフューチャリスティックな未来都市を想起させるインスト。この街にあるのはユートピアなのか、ディストピアなのか・・・
https://www.youtube.com/watch?v=75PSDzMl50U

Machinedrumの他作品もチェックを!

『Now You Know』(2001年)
Now You Know

『Urban Biology』(2002年)
Urban Biology

『Half the Battle』(2002年)
Half the Battle

『Bidnezz』(2004年)
Bidnezz

『Mergerz & Acquisitionz』(2006年)
Mergerz & Acquisitionz

『Want to 1 2?』(2009年)
Want to 1 2?

『Room(s)』(2011年)
Room(s)

Sepalcure『Sepalcure』(2011年)
SEPALCURE ( 直輸入盤・帯ライナー付 )

『Vapor City Archives』(2014年)
Vapor City Archives [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN215)

『Human Energy』(2016年)
Human Energy [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC525)

『A View of U』(2020年)
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2022年01月26日

Moodymann『Moodymann』

ソウル/ファンク寄りのアプローチ☆Moodymann『Moodymann』
Moodymann
発表年:2014年
ez的ジャンル:漆黒デトロイト・ハウス
気分は... :違和感が学びを生む!

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymann『Moodymann』(2014年)です。

Moodymann(本名Kenny Dixon Jr.について、当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Silentintroduction』(1997年)
 『Mahogany Brown』(1998年)
 『Forevernevermore』(2000年)
 『Silence in the Secret Garden』(2003年)

セルフ・タイトルとなった本作『Moodymann』(2014年)。
本作はソウル/ファンク寄りのトラックが多く、さらに人気男性ジャズ・シンガーJose Jamesをフィーチャーしたジャズ・トラックも収録されています。その意味ではいつものMoodymannとは少し異なる印象のアルバムかもしれません。

その意味では、普段ハウスをあまり聴かない、ソウル/ファンク好きの方も楽しめる1枚だと思います。

全27トラックというヴォリュームですが、インタールード的なトラックが10あるので実質17トラック位です。

Moodymannファンにとっては好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、その異色な部分を楽しむべきアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Jimmy D... Nickle」
疑似ライヴ調の短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ZWnFAuYm4o8

「Hold It Down」
Marvin Gaye「Life Is a Gamble」ネタと共に始まるソウルフル・トラック。デモ・テープみたいな仕上がり。Bubz Fiddler(b)、Amp Fiddler(key)というFiddler兄弟が参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=2Sn2MUo9gpE

「Never Quite the Same」
O.C. Smith「Moody」をモロ使いしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=-Dihr8418WQ

「Desire」
Jose Jamesをフィーチャー。この二人の共演は興味深いですね。Jose Jamesに寄って、Moodymannがジャズしています。クラブジャズ好きの人は楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=dTNN2R6YBBw

「You're 2 Moody」
Belle Epoque「Losing You」をモロ使いしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=giLPYLfDkx8

「Lyk U Use 2」
Andresをフィーチャー。何処となくPrince殿下を思わせる妖しげな雰囲気のトラック。自身の「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=z_trFeBXW5c

「No」
Moodymannらしい漆黒ディープ・ハウス。明るいところではなく、真っ暗ななかで聴きたいですね。アンダーグラウンドな臭いがプンプンしてくる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=1XytFu93Zro

「I Got Werk」
Moodymann流のディスコ・ファンク。70年代ディスコ/ファンクへのリスペクトを感じます。禁断の世界モードなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qfI13ytw0go

「Max Julien Jacket」
短いインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=RQAYKRiKf2c

「Iguessuneverbeenlonely」
変態チックと儚さが同居するムードがたまらないトラック。

「U Don't Even Lyk This Song」
自身の「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」もサンプリングしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=w0et0cSmsEc

「Come 2 Me」
アフロ・ビートIkenga Super Stars of Africa「Soffry Soffry Catch Monkey」をサンプリングしたアフロ・ハウス。BPMも早くしすぎていないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=F8d1uet9jug

「Ulooklykicecreaminthesummertyme」
Nikki-Oをフィーチャー。前半はメロウな雰囲気ですが、Pitch Black City「Runaway」がサンプリングされる中盤から表情が少しずつ変り、儚げななダンス・トラックが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQ8nr8sk7f0

「How Do U Get 2 Detroit」
演説調のインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=gdHwQnfFP2E

「Radio」
哀愁モードのインスト・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=3UUOI_Vp7cg

「Yet Unknown」
インタールード。

「Born 2 Die」
Lana Del Reyをフィーチャー。前半はダウナーな哀愁トラックですが、後半はアッパーなハウス・チューンへと変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=wFQpi_8uJys

「The Most Fearful」
インタールード。

「I Still Don't Know Yo Name」
三度「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」をサンプリング。

「Watchin U」
ソウルフルなメロウ・グルーヴ。フリーソウル的な魅力があるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZuOvFdM_5g8

「Ponydowncrew」
サウンド・コラージュ的なインタールード。

「Got Dem Freaks Wit Me」
危険な臭いのするアンダーグラウンド感覚のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=vQSlIkAsMMU

「Freeki Muthafucka」
温度低めのアッパー・チューンといった感じ。少しダークなトーンが逆に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=i76wpqjxTok

「Sunday Hotel」
本作ではこういう漆黒ディープ・ハウスを聴くと安堵しますね(笑)Muddy Waters「Mannish Boy」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=5SWFx6Ro9gk

「Girl」
Taana Gardner「When You Touch Me」をサンプリングしたメロウなソウル・グルーヴ。とてもMoodymannのアルバムとは思えません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=myJhNwdCCtg

「Sloppy Cosmic」
Funkadelicをフィーチャーし、彼等のサイケでトリッピーなロウ・ファンク「Cosmic Slop」をMoodymann流に聴かせてくれる12分近い長尺。
https://www.youtube.com/watch?v=oQGMKN-Dp9s

「Heaven」
ラストは哀愁ギターをフィーチャーした切ないソウル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=G2rP1aOkP5g

Moodymannの他作品もチェックを!

『Silentintroduction』(1997年)
A Silent Introduction

『Mahogany Brown』(1998年)
マホガニー・ブラウン [名盤1000円]

『Forevernevermore』(2000年)
フォエヴァーネヴァーモア [名盤1000円]

『Silence in the Secret Garden』(2003年)
サイレンス・イン・ザ・シークレット・ガーデン [名盤1000円]

『Black Mahogani』(2004年)
BLACK MAHOGANI

『Black Mahogani II』(2004年)
BLACK MAHOGANI II ( 直輸入盤・帯ライナー付 )
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2021年10月13日

Tribalistas『Tribalistas (2017)』

15年ぶりに集結!MPBスーパー・トリオ☆Tribalistas『Tribalistas (2017)』
tribalistas(2017).jpg
発表年:2017年
ez的ジャンル:MPBスーパー・トリオ
気分は... :Marisaの新作も待ち遠しい!

今回はMPBの3つの才能、Marisa MonteCarlinhos BrownArnaldo Antunesによるスーパー・トリオTribalistasの2ndアルバム『Tribalistas (2017)』(2017年)です。
※1stアルバム『Tribalistas (2002)』(2002年)と区別するため、リリース年を補足しています。

来月にMarisa Monteの10年ぶりのスタジオ新作『Portas』がCDリリースされます。今から楽しみですが、その前哨戦としてTribalistasを紹介しておきます。

Tribalistasの紹介は、1stアルバム『Tribalistas (2002)』(2002年)に続き2回目となります。

当ブログでもお馴染みのMPBの歌姫Marisa Monteの主導により、あらゆる面でインパクトのある天才パーカッション奏者Carlinhos Brown、人気ロックバンドTitasの元メンバーであるArnaldo Antunesという3人の人気ブラジル人ミュージシャンが結集したTribalistas

その意味で、1stアルバム『Tribalistas (2002)』(2002年)は、ブラジル音楽好きの人であれば、相当グッときたユニットですよね。

そのスーパー・ユニットが15年ぶりに集結したのが、2ndアルバムとなる本作『Tribalistas (2017)』(2017年)です。

プロデュースはMarisa Monte
共同プロデューサーとして、Carlinhos BrownArnaldo AntunesDaniel CarvalhoAle Siqueiraがクレジットされています。

三人以外に、Dadi(b、g、p、sitar)、Cezar Mendes(g)、Pedro Baby(g)、Pretinho da Serrinha(cavaquinho)といったミュージシャンが参加しています。また、Carminhoがフィーチャリングされています。

ベテランの域に入った三人なので、派手さのある内容ではありませんが、その分、この三人にしか出せない深み、味わいに満ちた1枚に仕上がっています。エレクトロニクス等の隠し味もいい感じです。

聴き重ねるほどに味わいが増す1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Diaspora」
ワールド・ミュージックの香りのするオープニング。トラディショナルな雰囲気ながらもエレクトロニクスなスパイスを効かせているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=K0dDSRbpRHQ

「Um So」
Carlinhos Brownらしいリズム感覚が魅力の1曲。なかなかパワフルです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZTSd9AvKpaE

「Fora Da Memoria」
MPBらしい哀愁チューン。Marisa Monteの艶やかなヴォーカルとArnaldo Antunesのヴォーカルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=R4naHJKHl7A

「Alianca」
ベテラン勢ならではの味わい深い語り口が印象的です。腹に沁みてくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=moINq-uxPtY

「Trabalivre」
Carlinhos Brownの活躍が目立つ僕好みのトラック。開放感のある音宇宙が広がっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=5PDPYTKM_Vc

「Baiao do Mundo」
バイーア・モードのブラジリアン・フォーキー・グルーヴといった雰囲気ですね。自然体な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GeEZUk4lpSQ

「Anima」
タイトルの通り、精霊が宿っているかのような、厳かな音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=7_X_w2Xdm4g

「Feliz e Saudavel」
僕の一番のお気に入り。ポジティヴ&ピースフルなヴァイヴに包まれた1曲。緩急も含めて、このスーパートリオらしい雰囲気を楽しめると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=5LAzl0BKZWg

「Lutar e Vencer」
戦いと勝利をタイトルにしたトラック。そのせいかヴォーカルも力強いです。Dadiのシタールによるアクセントがいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=LWCMtdEa3lM

「Os Peixinhos」
Carminhoをフィーチャー。ラストは水の中のMPBとでも形容したくなるドリーミーな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-hyyThEKafM

Tribalistas『Tribalistas (2002)』(2002年)
Tribalistas

Marisa MonteCarlinhos Brownの過去記事もチェックを!

Marisa Monte『Marisa Monte(MM)』(1989年)
マリーザ・モンチ

Marisa Monte『Mais』(1991年)
Mais

Marisa Monte『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』(1994年)
ローズ・アンド・チャコール

Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』(1996年)
Great Noise

Marisa Monte『Memorias, Cronicas e Declaracoes De Amor』(2000年)
アモール、アイ・ラヴ・ユー

Marisa Monte『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
Universo ao Meu Redor

Marisa Monte『Infinito Particular』(2006年)
Infinito Particular

Marisa Monte『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)
あなたが本当に知りたいこと

Carlinhos Brown『Alfagamabetizado』(1996年)
Alfagamabetizado

Carlinhos Brown『Bahia Do Mundo, Mito E Verdade』(2001年)
Bahia Do Mundo-Mito E Verdade

Carlinhos Brown『A Gente Ainda Nao Sonhou』(2007年)
Gente Ainda Nao Sonhou (Dig)
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2021年08月19日

Femi Kuti『Africa For Africa』

Fela Kutiの長男、その遺志を継ぐアフロビート☆Femi Kuti『Africa For Africa』

発表年:2010年
ez的ジャンル:Fela Kuti継承者アフロビート
気分は... :アフロビートDNA!

今回はアフロビートの創始者Fela Kutiの長男、Femi Kuti『Africa For Africa』(2010年)です。

Femi KutiFela Kutiの長男として、1962年UKのロンドンで生まれました。

ちなみに以前に当ブログで紹介したSeun Kutiは、Fela Kutiの一番下の息子です。

1979年に父Fela KutiのバンドAfrica 70のメンバーとなり、その発展形であるEgypt 80ではバンド・リーダーを務めていた時期もありました。

1986年には自身のバンドPositive Forceを結成し、1989年には初の自身のリーダー作『No Cause for Alarm?』をリリースしています。

1997年のFela Kutiの死去以降は、アフロビートの継承者としての注目度も高まり、そのDNAを受け継いだあアルバムをリリースし続けています。

今年には息子Made Kutiの作品とのカップリングによる2枚組CDFemi Kuti & Made Kuti『Legacy +』をリリースしています。

本作『Africa For Africa』(2010年)は、前作『Day by Day』(2008年)から2年ぶりのアルバムとなりますが、それまでのアフロビートをアップデートさせようとするアプローチではなく、原点回帰で父Fela Kuti譲りのアグレッシヴな直球アフロビートを聴かせてくれたことで高評価を得たアルバムです。レコーディングもナイジェリアで行われました。

ジャケの雰囲気も父Fela Kutiのアルバム・ジャケを彷彿させるものであり、Femi Kutiの本作に賭ける意欲が伝わってきます。

プロデュースはデビュー当時からFemi Kuti作品に関わってきたフランス人プロデューサー/エンジニアのSodi

Fela Kutiの遺志を継ぐ"闘うアフロビート"を展開しつつ、格好良いダンスミュージックとしてのアフロビートのエッセンスをうまく強調できている点がいいですね。

アフロビートの格好良さをダイレクトに満喫できるという意味では、普段アフロビートを聴かない人の入門アルバムとしても最適だと思います。

アフロビートの継承者による王道アフロビートをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Dem Bobo」
重厚なホーン・サウンドが牽引するオープニング。ゆったりした中にも力強さが漲っているのがいいですね。70年代Fela Kutiアルバムにタイムスリップした感覚になります。
https://www.youtube.com/watch?v=GirD-VXGk5k

「Nobody Beg You」
パワー全開のアグレッシヴで扇動的なアフロビートで突っ走ります。これぞアフロビートの継承者ですね。みんなが求めているアフロビートです!
https://www.youtube.com/watch?v=oLdk1nLdJNs

「Politics In Africa」
タイトルからしてFela Kuti直系のアフロビートですね。軽快なサウンドに乗って、Femi Kutiが鋭いメッセージを突き刺します。キーボードの音色がケバケバしくなく洗練されている点のみが2010年仕様の部分かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=iCx5XrXCsIo

本作には未収録ですが、アフロ・トライバル・ハウス好きの方はTimmy Regisfordがリミックスした12"も要チェックです。

「Bad Government」
コレもFela Kutiを継承するタイトルですね。厚みのあるホーン・アンサンブル、扇動的なオルガン、躍動するビート、ストレートに政府を批判する歌詞すべてがFela Kuti譲りです。
https://www.youtube.com/watch?v=dmSnu9Wkejo

「Can't Buy Me」
アッパーかつパワフルに疾走する漆黒のアフロビート。思い切り巻き舌で叫ぶFemi Kutiのヴォーカルもいいですね。思わず拳を突き上げて、一緒に♪Can't Buy Me♪Ctan't Buy Me♪Can't Buy Me♪と叫んでしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=ai3qV039-Xw

「Africa For Africa」
タイトル曲はレゲエ調。Fela Kuti×Bob Marleyの遺志を受け継ぐいったところでしょうか。ホーン隊はしっかりアフロ・ファンクしています。
https://www.youtube.com/watch?v=QMrdPevAsmQ

「Make We Remember」
グルーヴィーなオルガンと共に始まる黒人リーダー賛歌。父Fela Kutiをはじめ、マルコムX、キング牧師、ネルソン・マンデラなどの名も登場します。
https://www.youtube.com/watch?v=upX7GQsm8b8

「Obasanjo Don Play You Wayo」
素晴らしいホーン・アンサンブルが印象的です。友に、兄弟に、姉妹に、父に、母に、娘に、妻に呼びかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=jbfP4LQLioc

「Boys Dey Hungry For Town」
軽快に疾走するアフロビート。ベースが牽引する原点回帰らしいグルーヴを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XngStem4QpA

「Now You See」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。ダンスミュージックとしてスリリングで格好良いアフロビートを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=aqu6iTNdkNU

「No Blame Them」
少しテンポを落としたグルーヴでヴォーカルがより際立つ演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=wDKrrGYu0QI

「Yeparipa」
キャッチーなコーラスが印象的なトラック。アフリカの窮状を切々と訴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=JZXOo17N1zw

「E No Good」
「Now You See」と並ぶ僕のお気に入り。扇動的でアッパーなアフロビートはスリリングな魅力に溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=pXcO52WXkCQ

「It Don't Mean」
ラストも軽快なアフロビートで締め括ってくれます。ダンスミュージックとしての格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YUVT33FQ5nk

Femi Kutiの他作品もチェックを!

『Femi Kuti』(1995年)


『Shoki Shoki』(1998年)


『Shoki Remixed』(2000年)


『Fight to Win』(2001年)


『Africa Shrine』(2004年)


『Day by Day』(2008年)


『No Place for My Dream』(2013年)


『One People One World』(2018年)


Femi Kuti & Made Kuti『Legacy +』(2021年)
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