2022年01月26日

Moodymann『Moodymann』

ソウル/ファンク寄りのアプローチ☆Moodymann『Moodymann』
Moodymann
発表年:2014年
ez的ジャンル:漆黒デトロイト・ハウス
気分は... :違和感が学びを生む!

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymann『Moodymann』(2014年)です。

Moodymann(本名Kenny Dixon Jr.について、当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Silentintroduction』(1997年)
 『Mahogany Brown』(1998年)
 『Forevernevermore』(2000年)
 『Silence in the Secret Garden』(2003年)

セルフ・タイトルとなった本作『Moodymann』(2014年)。
本作はソウル/ファンク寄りのトラックが多く、さらに人気男性ジャズ・シンガーJose Jamesをフィーチャーしたジャズ・トラックも収録されています。その意味ではいつものMoodymannとは少し異なる印象のアルバムかもしれません。

その意味では、普段ハウスをあまり聴かない、ソウル/ファンク好きの方も楽しめる1枚だと思います。

全27トラックというヴォリュームですが、インタールード的なトラックが10あるので実質17トラック位です。

Moodymannファンにとっては好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、その異色な部分を楽しむべきアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Jimmy D... Nickle」
疑似ライヴ調の短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ZWnFAuYm4o8

「Hold It Down」
Marvin Gaye「Life Is a Gamble」ネタと共に始まるソウルフル・トラック。デモ・テープみたいな仕上がり。Bubz Fiddler(b)、Amp Fiddler(key)というFiddler兄弟が参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=2Sn2MUo9gpE

「Never Quite the Same」
O.C. Smith「Moody」をモロ使いしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=-Dihr8418WQ

「Desire」
Jose Jamesをフィーチャー。この二人の共演は興味深いですね。Jose Jamesに寄って、Moodymannがジャズしています。クラブジャズ好きの人は楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=dTNN2R6YBBw

「You're 2 Moody」
Belle Epoque「Losing You」をモロ使いしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=giLPYLfDkx8

「Lyk U Use 2」
Andresをフィーチャー。何処となくPrince殿下を思わせる妖しげな雰囲気のトラック。自身の「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=z_trFeBXW5c

「No」
Moodymannらしい漆黒ディープ・ハウス。明るいところではなく、真っ暗ななかで聴きたいですね。アンダーグラウンドな臭いがプンプンしてくる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=1XytFu93Zro

「I Got Werk」
Moodymann流のディスコ・ファンク。70年代ディスコ/ファンクへのリスペクトを感じます。禁断の世界モードなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qfI13ytw0go

「Max Julien Jacket」
短いインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=RQAYKRiKf2c

「Iguessuneverbeenlonely」
変態チックと儚さが同居するムードがたまらないトラック。

「U Don't Even Lyk This Song」
自身の「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」もサンプリングしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=w0et0cSmsEc

「Come 2 Me」
アフロ・ビートIkenga Super Stars of Africa「Soffry Soffry Catch Monkey」をサンプリングしたアフロ・ハウス。BPMも早くしすぎていないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=F8d1uet9jug

「Ulooklykicecreaminthesummertyme」
Nikki-Oをフィーチャー。前半はメロウな雰囲気ですが、Pitch Black City「Runaway」がサンプリングされる中盤から表情が少しずつ変り、儚げななダンス・トラックが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQ8nr8sk7f0

「How Do U Get 2 Detroit」
演説調のインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=gdHwQnfFP2E

「Radio」
哀愁モードのインスト・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=3UUOI_Vp7cg

「Yet Unknown」
インタールード。

「Born 2 Die」
Lana Del Reyをフィーチャー。前半はダウナーな哀愁トラックですが、後半はアッパーなハウス・チューンへと変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=wFQpi_8uJys

「The Most Fearful」
インタールード。

「I Still Don't Know Yo Name」
三度「Freeki Mutha F Cker (Original Long Version)」をサンプリング。

「Watchin U」
ソウルフルなメロウ・グルーヴ。フリーソウル的な魅力があるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZuOvFdM_5g8

「Ponydowncrew」
サウンド・コラージュ的なインタールード。

「Got Dem Freaks Wit Me」
危険な臭いのするアンダーグラウンド感覚のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=vQSlIkAsMMU

「Freeki Muthafucka」
温度低めのアッパー・チューンといった感じ。少しダークなトーンが逆に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=i76wpqjxTok

「Sunday Hotel」
本作ではこういう漆黒ディープ・ハウスを聴くと安堵しますね(笑)Muddy Waters「Mannish Boy」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=5SWFx6Ro9gk

「Girl」
Taana Gardner「When You Touch Me」をサンプリングしたメロウなソウル・グルーヴ。とてもMoodymannのアルバムとは思えません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=myJhNwdCCtg

「Sloppy Cosmic」
Funkadelicをフィーチャーし、彼等のサイケでトリッピーなロウ・ファンク「Cosmic Slop」をMoodymann流に聴かせてくれる12分近い長尺。
https://www.youtube.com/watch?v=oQGMKN-Dp9s

「Heaven」
ラストは哀愁ギターをフィーチャーした切ないソウル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=G2rP1aOkP5g

Moodymannの他作品もチェックを!

『Silentintroduction』(1997年)
A Silent Introduction

『Mahogany Brown』(1998年)
マホガニー・ブラウン [名盤1000円]

『Forevernevermore』(2000年)
フォエヴァーネヴァーモア [名盤1000円]

『Silence in the Secret Garden』(2003年)
サイレンス・イン・ザ・シークレット・ガーデン [名盤1000円]

『Black Mahogani』(2004年)
BLACK MAHOGANI

『Black Mahogani II』(2004年)
BLACK MAHOGANI II ( 直輸入盤・帯ライナー付 )
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2021年10月13日

Tribalistas『Tribalistas (2017)』

15年ぶりに集結!MPBスーパー・トリオ☆Tribalistas『Tribalistas (2017)』
tribalistas(2017).jpg
発表年:2017年
ez的ジャンル:MPBスーパー・トリオ
気分は... :Marisaの新作も待ち遠しい!

今回はMPBの3つの才能、Marisa MonteCarlinhos BrownArnaldo Antunesによるスーパー・トリオTribalistasの2ndアルバム『Tribalistas (2017)』(2017年)です。
※1stアルバム『Tribalistas (2002)』(2002年)と区別するため、リリース年を補足しています。

来月にMarisa Monteの10年ぶりのスタジオ新作『Portas』がCDリリースされます。今から楽しみですが、その前哨戦としてTribalistasを紹介しておきます。

Tribalistasの紹介は、1stアルバム『Tribalistas (2002)』(2002年)に続き2回目となります。

当ブログでもお馴染みのMPBの歌姫Marisa Monteの主導により、あらゆる面でインパクトのある天才パーカッション奏者Carlinhos Brown、人気ロックバンドTitasの元メンバーであるArnaldo Antunesという3人の人気ブラジル人ミュージシャンが結集したTribalistas

その意味で、1stアルバム『Tribalistas (2002)』(2002年)は、ブラジル音楽好きの人であれば、相当グッときたユニットですよね。

そのスーパー・ユニットが15年ぶりに集結したのが、2ndアルバムとなる本作『Tribalistas (2017)』(2017年)です。

プロデュースはMarisa Monte
共同プロデューサーとして、Carlinhos BrownArnaldo AntunesDaniel CarvalhoAle Siqueiraがクレジットされています。

三人以外に、Dadi(b、g、p、sitar)、Cezar Mendes(g)、Pedro Baby(g)、Pretinho da Serrinha(cavaquinho)といったミュージシャンが参加しています。また、Carminhoがフィーチャリングされています。

ベテランの域に入った三人なので、派手さのある内容ではありませんが、その分、この三人にしか出せない深み、味わいに満ちた1枚に仕上がっています。エレクトロニクス等の隠し味もいい感じです。

聴き重ねるほどに味わいが増す1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Diaspora」
ワールド・ミュージックの香りのするオープニング。トラディショナルな雰囲気ながらもエレクトロニクスなスパイスを効かせているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=K0dDSRbpRHQ

「Um So」
Carlinhos Brownらしいリズム感覚が魅力の1曲。なかなかパワフルです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZTSd9AvKpaE

「Fora Da Memoria」
MPBらしい哀愁チューン。Marisa Monteの艶やかなヴォーカルとArnaldo Antunesのヴォーカルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=R4naHJKHl7A

「Alianca」
ベテラン勢ならではの味わい深い語り口が印象的です。腹に沁みてくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=moINq-uxPtY

「Trabalivre」
Carlinhos Brownの活躍が目立つ僕好みのトラック。開放感のある音宇宙が広がっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=5PDPYTKM_Vc

「Baiao do Mundo」
バイーア・モードのブラジリアン・フォーキー・グルーヴといった雰囲気ですね。自然体な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GeEZUk4lpSQ

「Anima」
タイトルの通り、精霊が宿っているかのような、厳かな音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=7_X_w2Xdm4g

「Feliz e Saudavel」
僕の一番のお気に入り。ポジティヴ&ピースフルなヴァイヴに包まれた1曲。緩急も含めて、このスーパートリオらしい雰囲気を楽しめると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=5LAzl0BKZWg

「Lutar e Vencer」
戦いと勝利をタイトルにしたトラック。そのせいかヴォーカルも力強いです。Dadiのシタールによるアクセントがいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=LWCMtdEa3lM

「Os Peixinhos」
Carminhoをフィーチャー。ラストは水の中のMPBとでも形容したくなるドリーミーな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-hyyThEKafM

Tribalistas『Tribalistas (2002)』(2002年)
Tribalistas

Marisa MonteCarlinhos Brownの過去記事もチェックを!

Marisa Monte『Marisa Monte(MM)』(1989年)
マリーザ・モンチ

Marisa Monte『Mais』(1991年)
Mais

Marisa Monte『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』(1994年)
ローズ・アンド・チャコール

Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』(1996年)
Great Noise

Marisa Monte『Memorias, Cronicas e Declaracoes De Amor』(2000年)
アモール、アイ・ラヴ・ユー

Marisa Monte『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
Universo ao Meu Redor

Marisa Monte『Infinito Particular』(2006年)
Infinito Particular

Marisa Monte『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)
あなたが本当に知りたいこと

Carlinhos Brown『Alfagamabetizado』(1996年)
Alfagamabetizado

Carlinhos Brown『Bahia Do Mundo, Mito E Verdade』(2001年)
Bahia Do Mundo-Mito E Verdade

Carlinhos Brown『A Gente Ainda Nao Sonhou』(2007年)
Gente Ainda Nao Sonhou (Dig)
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2021年08月19日

Femi Kuti『Africa For Africa』

Fela Kutiの長男、その遺志を継ぐアフロビート☆Femi Kuti『Africa For Africa』

発表年:2010年
ez的ジャンル:Fela Kuti継承者アフロビート
気分は... :アフロビートDNA!

今回はアフロビートの創始者Fela Kutiの長男、Femi Kuti『Africa For Africa』(2010年)です。

Femi KutiFela Kutiの長男として、1962年UKのロンドンで生まれました。

ちなみに以前に当ブログで紹介したSeun Kutiは、Fela Kutiの一番下の息子です。

1979年に父Fela KutiのバンドAfrica 70のメンバーとなり、その発展形であるEgypt 80ではバンド・リーダーを務めていた時期もありました。

1986年には自身のバンドPositive Forceを結成し、1989年には初の自身のリーダー作『No Cause for Alarm?』をリリースしています。

1997年のFela Kutiの死去以降は、アフロビートの継承者としての注目度も高まり、そのDNAを受け継いだあアルバムをリリースし続けています。

今年には息子Made Kutiの作品とのカップリングによる2枚組CDFemi Kuti & Made Kuti『Legacy +』をリリースしています。

本作『Africa For Africa』(2010年)は、前作『Day by Day』(2008年)から2年ぶりのアルバムとなりますが、それまでのアフロビートをアップデートさせようとするアプローチではなく、原点回帰で父Fela Kuti譲りのアグレッシヴな直球アフロビートを聴かせてくれたことで高評価を得たアルバムです。レコーディングもナイジェリアで行われました。

ジャケの雰囲気も父Fela Kutiのアルバム・ジャケを彷彿させるものであり、Femi Kutiの本作に賭ける意欲が伝わってきます。

プロデュースはデビュー当時からFemi Kuti作品に関わってきたフランス人プロデューサー/エンジニアのSodi

Fela Kutiの遺志を継ぐ"闘うアフロビート"を展開しつつ、格好良いダンスミュージックとしてのアフロビートのエッセンスをうまく強調できている点がいいですね。

アフロビートの格好良さをダイレクトに満喫できるという意味では、普段アフロビートを聴かない人の入門アルバムとしても最適だと思います。

アフロビートの継承者による王道アフロビートをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Dem Bobo」
重厚なホーン・サウンドが牽引するオープニング。ゆったりした中にも力強さが漲っているのがいいですね。70年代Fela Kutiアルバムにタイムスリップした感覚になります。
https://www.youtube.com/watch?v=GirD-VXGk5k

「Nobody Beg You」
パワー全開のアグレッシヴで扇動的なアフロビートで突っ走ります。これぞアフロビートの継承者ですね。みんなが求めているアフロビートです!
https://www.youtube.com/watch?v=oLdk1nLdJNs

「Politics In Africa」
タイトルからしてFela Kuti直系のアフロビートですね。軽快なサウンドに乗って、Femi Kutiが鋭いメッセージを突き刺します。キーボードの音色がケバケバしくなく洗練されている点のみが2010年仕様の部分かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=iCx5XrXCsIo

本作には未収録ですが、アフロ・トライバル・ハウス好きの方はTimmy Regisfordがリミックスした12"も要チェックです。

「Bad Government」
コレもFela Kutiを継承するタイトルですね。厚みのあるホーン・アンサンブル、扇動的なオルガン、躍動するビート、ストレートに政府を批判する歌詞すべてがFela Kuti譲りです。
https://www.youtube.com/watch?v=dmSnu9Wkejo

「Can't Buy Me」
アッパーかつパワフルに疾走する漆黒のアフロビート。思い切り巻き舌で叫ぶFemi Kutiのヴォーカルもいいですね。思わず拳を突き上げて、一緒に♪Can't Buy Me♪Ctan't Buy Me♪Can't Buy Me♪と叫んでしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=ai3qV039-Xw

「Africa For Africa」
タイトル曲はレゲエ調。Fela Kuti×Bob Marleyの遺志を受け継ぐいったところでしょうか。ホーン隊はしっかりアフロ・ファンクしています。
https://www.youtube.com/watch?v=QMrdPevAsmQ

「Make We Remember」
グルーヴィーなオルガンと共に始まる黒人リーダー賛歌。父Fela Kutiをはじめ、マルコムX、キング牧師、ネルソン・マンデラなどの名も登場します。
https://www.youtube.com/watch?v=upX7GQsm8b8

「Obasanjo Don Play You Wayo」
素晴らしいホーン・アンサンブルが印象的です。友に、兄弟に、姉妹に、父に、母に、娘に、妻に呼びかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=jbfP4LQLioc

「Boys Dey Hungry For Town」
軽快に疾走するアフロビート。ベースが牽引する原点回帰らしいグルーヴを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XngStem4QpA

「Now You See」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。ダンスミュージックとしてスリリングで格好良いアフロビートを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=aqu6iTNdkNU

「No Blame Them」
少しテンポを落としたグルーヴでヴォーカルがより際立つ演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=wDKrrGYu0QI

「Yeparipa」
キャッチーなコーラスが印象的なトラック。アフリカの窮状を切々と訴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=JZXOo17N1zw

「E No Good」
「Now You See」と並ぶ僕のお気に入り。扇動的でアッパーなアフロビートはスリリングな魅力に溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=pXcO52WXkCQ

「It Don't Mean」
ラストも軽快なアフロビートで締め括ってくれます。ダンスミュージックとしての格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YUVT33FQ5nk

Femi Kutiの他作品もチェックを!

『Femi Kuti』(1995年)


『Shoki Shoki』(1998年)


『Shoki Remixed』(2000年)


『Fight to Win』(2001年)


『Africa Shrine』(2004年)


『Day by Day』(2008年)


『No Place for My Dream』(2013年)


『One People One World』(2018年)


Femi Kuti & Made Kuti『Legacy +』(2021年)
posted by ez at 07:38| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月15日

Kintaro『Commando Existential & Universal EP』

Thundercatの弟☆Kintaro『Commando Existential & Universal EP』

発表年:2018年
ez的ジャンル:USトラックメイカー
気分は... :錦太郎です!

Thundercatの弟、KintaroJameel Bruner)の日本独自アルバム『Commando Existential & Universal EP』(2018年)です。

KintaroことJameel Brunerは、ジャズ・ドラマーのRonald Bruner Jr.、今や人気アーティストとなったベーシストThundercatStephen Bruner)を兄に持つキーボード奏者/トラックメイカー。

一時期、L.A.の人気R&BユニットThe Internetにキーボードとして加わり、アルバム『Ego Death』(2015年)のレコーディングにも参加しています。

Kintaroというアーティスト名は、江川達也作のマンガ『GOLDEN BOY』の主人公 大江錦太郎からとったものなのだとか。

本作はタイトルの通り、5曲入りEP「Universal EP」とミックステープ「Commando Existential」をセットにし、さらにボーナス・トラック1曲も追加し、アルバム仕様にした日本独自アルバムです。

Thundercatのイメージで聴くと、ギャップがあるのでご注意ください(笑)

全体的にはトラックメイカーとしてのKintaroを知るための1枚に仕上がっています。

ダークなトラップ・チューンが多く、必ずしも僕の嗜好にフィットするものではありませんが、音数を抑えた引き算のローファイ・サウンドに彼の美学を感じます。個人的にはローファイ・エレクトロなトラックが好きですね。その意味ではAnderson .Paakをフィーチャーした「Mk」がハイライトかもしれませんね。

Georgia Anne Muldrowのアルバム等で知られるTokio Aoyama(青山 宗央)さんがイラストを手掛けたジャケも印象的です。

全曲紹介しときやす。

まずは「Universal EP」の5曲。

「Alt Pln」
本作らしいダークなトラックのオープニング。重低音トラックをバックに、♪オマエの意見なんてどうでもいい♪死ぬまでベラベラしゃべってろ♪と吐き捨てます、
https://www.youtube.com/watch?v=80rsbYIoyZE

「Mk」
Anderson .Paakをフィーチャー。ある意味の本作のハイライトかもしれませんね。ローファイながらも、Anderson .Paakの個性をうまく取り込んだエレクトリックな質感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=dTKHvVhrMPo

「West」
音数を抑えたシンプルなトラックをバックに、心の叫びを赤裸々に歌います。

「Trap You」
不穏なトラックが物語るように、愛憎剥き出しの物騒なリリックを畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=gYWQHeaYAIs

「Alien Trap」
ダークなオカルトチックなトラップ・チューンですが、途中、学校のチャイム(ウェストミンスターの鐘)の音階が聴こえてくるのも不気味です。
https://www.youtube.com/watch?v=QxeY5iBdOr4

ここからはミックステープ「Commando Existential」の7曲。

「Aussie」
Tru-Soundをフィーチャー。ダークなトラックに、脳裏に浮かぶ様々な思いを次々とリリックにして畳み掛けます。

「Chillin」
ダークでヤバいチル・モードといった雰囲気です。

「Next To You」
僕好みのローファイ・エレクトロなR&Bチューン。こういうトラックをもっと多く聴きたかったですね。

「Song For Us Bounce」
エクスペリメンタルな中にもキャッチーさがあります。初期Thundercatあたりにも通じる雰囲気があるのでは?

「Song Joint Flip Lit」
切ない思いを吐露した哀愁メロウなR&B。ここでもローファイを逆手にとっている感じがいいですね。

「Soul Boy」
終わった恋を後悔する哀愁メロウなR&B。男の心の脆さが象徴されているようなトラックです。

「Untitled Bullshit」
再びダークなトラップ。音数を抑えて、これだけの雰囲気を印象づけるのも引き算の美学かもしれませんね。

「Once More With This "Put In Work Bullshit"」
>「Commando Existential」のラストは自分の決意表明のようなメロウ・トラックで締め括ってくれます。

最後にボーナス・トラック1曲。

「Beez In Duh Trap Final」
ここでもダークなトラップが展開されます。

開会式は23日ですが、先行して来週水曜には五輪競技が始まっていますね。
感染拡大に注意しつつも、効果を期待できない緊急事態宣言に辟易し、自国開催ムードとは程遠く、盛り上がりに欠ける五輪を迎える。

何だか異様なムードの19日間になりそうですね。
posted by ez at 03:31| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月17日

Donell Jones『Lyrics』

自身のレーベルからの第一弾アルバム☆Donell Jones『Lyrics』

発表年:2010年
ez的ジャンル:セクシー男性R&Bシンガー・ソングライター
気分は... :メジャーよりも自由を!

今回は人気男性R&BシンガーDonell Jonesの5thアルバム『Lyrics』(2010年)です。

1973年シカゴ生まれの男性R&BシンガーDonell Jonesに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『My Heart』(1996年)
 『Life Goes On』(2002年)
 『Journey Of A Gemini』(2006年)

5thアルバムとなる本作『Lyrics』(2010年)は、デビュー・アルバム『My Heart』(1996年)より在籍してきたBabyface/L.A. Reid主宰のLaFace Recordsを離れ、自身が設立したレーベルCandyman Musicからのリリースとなります。

USアルバム・チャート第15位、同R&Bアルバム・チャート第1位となった前作『Journey Of A Gemini』(2006年)と本作の間に、未発表曲集『The Lost Files』(2009年)をリリースしていましたが、純然たる新作としては4年ぶりとなりました。

メジャーを離れ、ジャケも含めてインディ感のあるアルバムですが、USアルバム・チャート第28位、同R&Bアルバム・チャート第9位となっています。

正直、前作『Journey Of A Gemini』(2006年)と比較して小粒になった印象は拭えませんが、それでもファンならば楽しめる1枚だと思います。

ソングライティングはすべてDonell Jonesのオリジナル。
プロデュースもMike Cityプロデュースの「The Finer Things In Life」以外はDonell Jones自身。

シングルになった「Love Like This」「All About The Sex」Mike Cityプロデュースの「The Finer Things In Life」、オートチューンを効果的に使った「The World Is Yours」「Backdoor」「Blackmail」Minnie Riperton「Memory Lane」をサンプリングした「Your Place」あたりが僕のおススメです。

インディからのリリースならではのDonell Jonesワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「The World Is Yours」
Joe Tex「Papa Was Too」のリズムを用いたHip-Hopビート、オートチューン・コーラスによるミディアム・グルーヴ。ファンクネスとメロディアスのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=PezEABsclko

「Your Place」
Minnie Riperton「Memory Lane」をサンプリングした重厚なトラックをバックに、Donellが歌い上げるミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=w49Y3tH2jvk

「Love Like This」
アルバムからの1stシングルとしてUS R&Bチャート第28位となっています。セクシーなDonell Jonesを満喫できるミディアム。派手さはありませんが、ファンならば気に入る仕上がりなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=SE7ZaEIXam4

「Imagine That」
(2010年)当時のR&Bらしい雰囲気のエレクトリック色が印象的な哀愁ミディアム。正直、僕がDonell Jonesに求めるのはコレではありませんが。
https://www.youtube.com/watch?v=OcMT9inQYQk

「Backdoor」
オートチューン使いのミディアム。Donellのセクシー・ヴォーカルにはオートチューン・コーラスがフィットしますね。このジワジワくる感じ好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=QZ1U2175CYE

「Blackmail」
哀愁メロウ・ミディアム。切々としたDonellのヴォーカル、オートチューン・コーラス、哀愁シンセのバランスがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=6nuzAkMNTsA

「All About The Sex」
アルバムからの2ndシングル。アコギによるアクセントが印象的なセクシー・ミディアム。Donellらしさを満喫できるメロディアスな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=rl26K9J3i0g

「Stripclub」
Young Jocのラップをフィーチャーした哀愁ミディアム。甘く切ないDonellの哀愁ヴォーカルと、そのムードを一掃するYoung Jocのラップのダークな雰囲気のコントラストが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ms7Lqajx7SA

「What's Next」
Inessaの女性ヴォーカルをフィーチャー。本作の中では異質のファンクネスを効かせたダンス・チューン。正直、Donell Jonesらしさは感じません。
https://www.youtube.com/watch?v=cMH9pe5-Wfc

「You Can Burn」
このトラックはBriana Fryという女性シンガーを紹介するためのダンサブル・チューンなので、別枠で聴いたほうがいいでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=6horZZeRxeM

「The Finer Things In Life」
この曲のみMike Cityプロデュース。僕の一番のお気に入りはコレ。やはりMike Cityはいい仕事しますね。適度にビートを効かせつつ、セクシー&メロディアスなDonellの魅力を見事に引き出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=K7DEIj7wPVw

「Just A Little」
哀愁メロウ・ミディアム。ハイトーン・ヴォーカルと囁きの低音ヴォイスの組み合わせが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=5Lf5WV-Vmes

「O How I Wonder」
ラストはオートチューン・ヴォーカルによるミディアムで締め括ってくれます。少しドリーミーな雰囲気を醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=L5UYGHkFH_4

Donell Jonesの他作品もチェックを!

『My Heart』(1996年)
My Heart

『Where I Wanna Be』(1999年)
Where I Wanna Be

『Life Goes On』(2002年)
Life Goes on

『Journey Of A Gemini』(2006年)
Journey of a Gemini

『The Lost Files』(2009年)※未発表曲集
The Lost Files

『Forever』(2013年)
Forever