2021年06月03日

Le' Jit『New Beginning』

兄弟R&Bグループのリユニオン作☆Le' Jit『New Beginning』

発表年:2013年
ez的ジャンル:復活系兄弟R&Bグループ
気分は... :新たなる出発!

今回は90年代に活躍した男性R&Bグループのリユニオン作品、Le' Jit『New Beginning』(2013年)です。

Le' Jitは、ルイジアナ州ラファイエット出身のJohn AnthonyChris AnthonyRoi AnthonyというAnthony3兄弟からなる男性R&Bグループ。

90年代に『Le' Jit』(1997年)、『Legitimately Yours』(1999年)という2枚のアルバムをリリースしています。

グループ解散後、2000年代後半よりRoi Anthonyのソロ作品諸作がCupid名義の作品も含めて、インディR&Bシーンで注目されるようになり、それがLe' Jitのリユニオンにもつながったようです。

そのリユニオン作『New Beginning』(2013年)ですが、コレがかなりいいんです!時代に左右されないバラード/ミディアムのみの構成でソウル/R&B好きを楽しませてくれます。ソウルとR&Bを巧みに融合、使い分けているのも魅力かもしれません。

Ambrosia「How Much I feel」ネタの「Dance The Night Away」、Four Tops「Ain't No Woman」ネタの「No Woman」、極上のスウィート・バラード「Honey」、ヴィンテージ感たっぷりの「I Found Love」Marvin Gayeライクな「It Won't Work」「How Can I」、グッド・ヴァイヴに満ちた「Groove Swing (Le'jit Remix)」あたりがおススメです。

リアルタイムで聴き逃していましたが、後追いでも出会えて良かった!と思わせてくれる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Feel Good」
Gerren “Gee” Francisプロデュース。パーカッシヴなミディアムがオープニング。力まず軽く準備運動的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=lnPRvWi1KFo

「The Best」
Chip 4 Mohitzプロデュース。3人のヴォーカル・ワークを重視したミディアム・グルーヴ。パーカッシヴなアクセントもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=Rr_ElxKgtCE

「Honey」
Chip 4 Mohitzプロデュース。バラード好きにたまらないムードの極上のスウィート・バラード。オーセンティックなソウル・バラードとモダンなR&Bバラードのいいとこ取りな感じもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hmwcFhlqfV0

「I Found Love」
Chip 4 Mohitz/NORMAN “Slim” HAMMERプロデュース。これはヴィンテージ感たっぷりのソウル・バラード。ここでも過度に熱唱しすぎないところが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=sBesiZoK6s4

「Dance The Night Away」
Gerren “Gee” Francis/Chip 4 Mohitzプロデュース。Ambrosia「How Much I feel」をサンプリングしたメロウ・バラード。メロウ好きにはグッとくるファルセット・ヴォーカルが映えるバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2FwwzAvS3YM

「Dedicate This To My Baby」
Chip 4 Mohitzプロデュース。アーバン・ナイトなミディアム・グルーヴ。セクシー&メロウな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3vrZEV82ddA

「No Woman」
John Anthonyプロデュース。Four Tops「Ain't No Woman」をサンプリングしたスウィート・バラード。オーセンティックなソウルマナーながらも、スマートで洗練されている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oeheI7ADSw0

「Farewell」
Curtis Smithプロデュース。感動的なビューティフル・バラード。バラード好きの方は満足度高いはず!
https://www.youtube.com/watch?v=SpsfMWnHf60

「It Won't Work」
Chip 4 Mohitzプロデュース。Marvin Gaye「Sexual Healing」ライクなイントロが印象的なセクシー&メロウなミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=XK65DhVz15Q

「Good Woman」
Roi Anthony/Chip 4 Mohitzプロデュース。オーセンティックな魅力を活かしたソウル・バラード。力まず奇をてらわず!といった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=0amBYezEq60

「How Can I」
目覚まし時計のベル音とともに始まります。ヴォーカルの雰囲気は異なりますが、Marvin Gayeライクな曲調がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=t97hb_QyOy0

「Sweet Potato」
甘すぎないスウィート・ポテトといった感じのバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=Vjo1baXbxR8

「After Party」
Chip 4 Mohitzプロデュース。タイトルの通り、パーティーの後の余韻のようなミディアム。

「Groove Swing (Le'jit Remix)」
Chip 4 Mohitzプロデュース。グッド・ヴァイヴに満ちたミディアム・グルーヴ。ライヴで観衆と一緒に歌うと盛り上がりそう!
https://www.youtube.com/watch?v=zhf5lAvGle4

「Thank You」
Chip 4 Mohitzプロデュース。ラストはビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XCnPGhPJ__Y

Le' Jitの他作品やRoi AnthonyCupid)のソロ作品もチェックを!

『Le' Jit』(1997年)


Roi Anthony『True Soul Experience』(2007年)


Cupid『Time For A Change』(2007年)


Roi Anthony『Who Am I Part I』(2010年)
roi anthony who am i part i.jpg
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2021年05月25日

Banks『Goddess』

ゴシックR&Bなデビュー・アルバム☆Banks『Goddess』

発表年:2014年
ez的ジャンル:オルタナティヴR&B/ゴシックR&B
気分は... :ダーク&メランコリック!

今回はダークなオルタナティヴR&B作品、Banks『Goddess』(2014年)です。

Banks(本名:Jillian Rose Banks)は1988年カリフォルニア州オレンジカウンティ出身の女性シンガー・ソングライター。

大学で心理学を学びながら音楽を作り続け、2013年2月にデビュー・シングル「Before I Ever Met You」をリリース。

その後、EP「Fall Over」「London」のリリースで注目が高まり、2014年リリースのデビュー・アルバム『Goddess』は高い評価を得ました。

さらに2nd『The Altar』(2016年)、3rd『III』(2019年)という2枚のアルバムをリリースしています。

Lauryn HillFiona Appleから影響を受けたBanks

デビュー・アルバムとなる本作『Goddess』で聴けるダークなエレクトロニック・ビートと物憂いヴォーカルによる音世界は、"ゴシックR&B"とも形容されました。アルバムはUSアルバム・チャート第12位となっています。

Lil SilvaSOHNJamie WoonJustin ParkerTotally Enormous Extinct DinosaursAl ShuxといったUKのプロデューサーが多数起用されているのが本作の特徴です。

それ以外にShlohmoTim AndersonJesse RoggといったL.A.のプロデューサーも起用されています。

Lana Del ReyのR&B版といった声も多いですね。オルタナティヴR&Bという点では、Rhye『Woman』(2013年)に通じるものもあると思います。

今聴くと、Rhye『Woman』(2013年)あたりと並んで、その後のオルタナティヴR&Bの流れを予感させる1枚に仕上がっています。

決して明るくない、ダークなメランコリックな音世界は好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、今の時代を反映している音世界に思えます。

僕の保有する国内盤は、ボーナス・トラックも含めて全19トラックとヴォリューミーですが、まずはシングルにもなった「Warm Water」「Brain」「Drowning」「Beggin For Thread」、Victoria's SecretのCMでも使われた「Waiting Game」、美しくも切ないタイトル曲「Goddess」あたりを聴けば、アルバムの雰囲気を掴めると思います。

たまにはダーク&メランコリックな音世界に浸るのもいいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Alibi」
SOHNプロデュース。自分の心に潜むモンスターを歌ったオープニング。心の叫びとエレクトリックのダークな質感がフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=OOp1MzVAqQ8

「Goddess」
Lil Silvaプロデュース。タイトル曲は美しくも切ない雰囲気のエレクトロニック・ビートが印象的なオルタナティヴR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=S98Q11zhS-g

「Waiting Game」
SOHNプロデュース。EP「London」収録曲であり、Victoria's SecretのCMでも使われました。彼女の作品が"ゴシックR&B"と呼ばれる理由が何となくわかるダークネスに満ちた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JCT_lgJ5eq8

「Brain」
Shlohmoプロデュース。アルバムからの2ndシングル。抑えていた感情が、重厚なエレクトロニック・サウンドと共に中盤に一気に吐き出されるような展開が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=NL9T42SVnN0

「This Is What It Feels Like」
Lil Silva/Jamie Woonプロデュース。EP「London」収録曲。深い底まで落ちていくようなダウナーな音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=o4W4uNZfAOg

「You Should Know Where I'm Coming From」
Totally Enormous Extinct Dinosaurs/Justin Parker/Tim Andersonプロデュース。Lana Del Reyを手掛けるJustin Parkerの参加が興味深いですね。ピアノをバックにBanksが切々と歌い上げる哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=BQDoIzNKVSY

「Stick」
Lil Silvaプロデュース。本作らしいエレクトロニック・ビートを楽しめる哀愁のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=BgYJyAvsvYs

「F*** Em Only We Know」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。放送禁止用語なタイトルですが、美しくも儚いムードのオルタナティヴR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7oNpcKxwqVY

「Drowning」
Al Shux/Tim Andersonプロデュース。アルバムからの3rdシングル。レイヤー感のエレクトリック・サウンドが印象的な1曲。この雰囲気かなり好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=HzGHgQBPyV0

「Beggin For Thread」
Jesse Rogg/Tim Andersonプロデュース。アルバムからの4thシングル。ダーク・トーンのダンサブル・チューンは本作の中ではかなりキャッチーな部類に入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Twix375Me4Q

「Change」
Tim Andersonプロデュース。EP「London」収録曲。オルタナティヴR&Bがお好きな人であれば気に入りそうな哀愁ラブソング。
https://www.youtube.com/watch?v=F0b8KA1drwI

「Someone New」
Tim Andersonプロデュース。本作の中では異色のアコースティック・ギターの質感が印象的です。優しさと脆さが伝わってくる切ないラブソングにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=hBZ3k3rcoQs

「Warm Water」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。2013年に先行シングルとしてリリースされたトラック。浮遊するエレクトリック・サウンドと届かぬ思いを歌い上げるBanksの切ないヴォーカルのバランスがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=hYG3iIcZOkw

「Under The Table」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。本編のラストは切ないピアノ・バラード。本人曰く、本作で最も心の弱さが出た曲なのだとか。そんな弱さが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=gpqEa9WYmwc

ここからはCDのボーナス・トラックです。

「And I Drove You Crazy」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。これも"ゴシックR&B"と称したくなるダークな美学のあるトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XWpw9XxWJmw

「Fall Over」
Jesse Roggプロデュース。EP「Fall Over」収録曲。抑えられない心も鼓動をエレクトロニック・ビートに託したダークなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=5g_S9Vzp9Hs

「Before I Ever Met You」
Jesse Roggプロデュース。EP「Fall Over」収録曲。トリップ・ホップの最新モデルとでも呼びたくなるダウナー・チューン。嫌いじゃないですこのサウンド。
https://www.youtube.com/watch?v=zzSQ67fhk6g

「Bedroom Wall」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。EP「London」収録曲。タイトルの通り、ベッドルーム・ミュージック的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=pLvoVotdneo

「Beggin For Thread (Bag Raiders Remix)」
国内盤独自のボーナス・トラック。「Beggin For Thread」のBag Raidersによるリミックス。エレクトリックなメリハリを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=F18FpmdJthI

Banksの他作品もチェックを!

『The Altar』(2016年)


『III』(2019年)
posted by ez at 01:39| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月08日

Cassandra Wilson『Another Country』

Fabrizio Sottiとタッグを組んだ1枚☆Cassandra Wilson『Another Country』

発表年:2012年
ez的ジャンル:ブルージー女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :アナザー・ワールドへ!

最高峰の女性ジャズ・シンガーの一人、"プリンセス・オブ・ダークネス"ことCassandra Wilson『Another Country』(2012年)です。

これまで当ブログで紹介したCassandra Wilsonは以下の9枚(発売年順)。

 『Point Of View』(1986年)
 『Days Aweigh』(1987年)
 『Jumpworld』(1990年)
 『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
 『New Moon Daughter』(1995年)
 Jacky Terrasson & Cassandra Wilson『Rendezvous』(1997年)
 『Traveling Miles』(1999年)
 『Belly Of The Sun』(2002年)
 『Glamoured』(2003年)

本作『Another Country』(2012年)は、長年在籍したBlue Noteを離れ、eOne Recordsからリリースされました。

本作でCassandraがタッグを組んだのは、イタリア人ジャズ・ギタリストFabrizio Sotti

共にプロデュースを手掛けるのみならず、全10曲中6曲で共にソングライティングを手掛け、さらにFabrizio Sotti単独でも2曲を提供しています。

レコーディング・メンバーはCassandra Wilson(vo、g)、Fabrizio Sotti(g)、Mino Cinelu(per)、Lekan Babalola(per)、Nicola Sorato(b)、Julien Labro(accordion)、New Orleans Center for Creative Arts Chamber Choir(vo)。

良い意味で、他のCassandra Wilson作品よりもサラッと聴けると思います。ブルージーでディープなのに、深い沼にハマらず、這い上がってこれそうなサラッとした感じがあります、

本作を象徴するオープニング「Red Guitar」、ブルージーな「No More Blues」、軽やかなメロウ・チューン「Almost Twelve」、程良いテンポの哀愁チューン「Passion」、パーカッシヴ&ブルージーな「Another Country」、アフリカン・テイストの「Olomuroro」あたりがおススメです。

少しだけいつもと違う、"プリンセス・オブ・ダークネス"のアナザーな音世界を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Red Guitar」
Cassandra Wilson作。抑えたトーンながらもブルージーなのはいつものCassandraですが、そんな中にもFabrizio Sottiの洗練されたエレクトリック・ギターがアクセントを加えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=12p0tkZHTMk

「No More Blues」
Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti作。Cassandraの低音ヴォーカルが映えるブルージーな演奏です。アコーディオンの音色のスパイスもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=8XJsOr8ur5k

「O Sole Mio」
有名なカンツォーネのカヴァー。といっても、変にカンツォーネ寄りになるのではなく、あくまでもミステリアス&ブルージーなCassandra節で聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=MbF3bySrAPg

「Deep Blue」
Fabrizio Sotti作。二人のギターのみインストには意表を突かれました。ディープ&ブルーな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=727qIibTN8U

「Almost Twelve」
Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti作。ブラジリアン・テイストの軽やかなメロウ・チューン。Sottiのメロウ・ギターとアコーディオンの音色の組み合わせがいいですね。Cassandrのヴォーカルもそんな曲調に合わせています。
https://www.youtube.com/watch?v=T8JKF54EUos

「Passion」
Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti作。Sottiの哀愁ギターとCassandraの低音ヴォーカルを程良いテンポで聴かせてくれます。ここでもアコーディオンの名脇役ぶりが光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=TizdyVEIu04

「When Will I See You Again」
Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti作。パーカッシヴな哀愁ミディアム。哀愁モードですが、湿っぽくなりすぎないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tYOY2VwdZ7E

「Another Country」
Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti作。タイトル曲はパーカッシヴ&ブルージーな演奏です。Cassandraの低音ヴォーカルがディープながらも爽やかな余韻を残してくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=x1AbGGULKNw

「Letting You Go」
Fabrizio Sotti作。ここで再び二人のギターのみインスト。Sottiの情感のこもったギターを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=JnT6gD_mvM4

「Olomuroro」
Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti/Lekan Babalola作。ラストは少女コーラス隊も加わったアフリカン・テイストのパーカッシヴ&ビューティフルな1曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0x14_KT4xDc

Cassandra Wilsonの過去記事もご参照下さい。

『Point Of View』(1986年)
ポイント・オブ・ヴュー

『Days Aweigh』(1987年)
デイズ・アウェイ

『Jumpworld』(1990年)
ジャンプワ−ルド(JUMPWORLD) (MEG-CD)

『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
Blue Light 'Til Dawn

『New Moon Daughter』(1995年)


Jacky Terrasson & Cassandra Wilson『Rendezvous』(1997年)


『Traveling Miles』(1999年)
トラヴェリング・マイルス

『Belly Of The Sun』(2002年)
Belly of the Sun

『Glamoured』(2003年)
Glamoured by Wilson, Cassandra 【並行輸入品】
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2021年03月19日

Build An Ark『Love Part 2』

『Love (Part 1)』の続編はアンビエント☆Build An Ark『Love Part 2』
ラヴ・パート2 [限定盤]
発表年:2010年
ez的ジャンル:L.A.スピリチュアル・ジャズ・プロジェクト
気分は... :梵我一如・・・

今回はL.A.のスピリチュアル・ジャズ・プロジェクトBuild An Arkの4thアルバム『Love Part 2』(2010年)です。

US西海岸の奇才ミュージシャン/プロデューサーCarlos Ninoを中心としたスピリチュアル・ジャズ・プロジェクトBuild An Arkについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

『Peace With Every Step』(2004年)
『Dawn』(2007年)
『Love (Part 1)』(2009年)

本作はタイトルの通り、『Love (Part 1)』(2009年)の続編として制作されたアルバムです。

ただし、それまでのBuild An Ark作品と同じく、ラブ&ピースなスピリチュアル・ジャズ・ワールドを展開したPart 1とは、かなり雰囲気の異なるアルバムです。

瞑想のスピリチュアル/アンビエント・ジャズというのがアルバム全体の印象です。

プロデュースはCarlos Nino

Carlos Nino(per)、Miguel Atwood-Ferguson(violin、viola、cello、harp、p)、Dwight Trible(vo)、Nick Rosen(b)、Tara Speiser(bassoon)、Yaakov Levy(fl、ballaphone)、Tony Austin(ds)、Jim Lang(org)、Andres Renteria(ds、per)、Damon Aaron(g、per)、Peter Jacobson(cello)、Rebekah Raff(harp)、Paul Livingstone(sirar)、Michael White(violin)、Mia Doi Todd(vo、g)、Waberi Jordan(chant)、Gaby Hernandez(chant)Nedra Wheeler(b)、Alan Lightner(ds)、Nate Morgan(p)、Leisei Chen(vo)、NTrevor Ware(b)、Thomas White (ds)、Derf Reklaw(congas)、John Rangel(p)、 Carmen Lundy(vo)等のミュージシャンが参加しています。

多くは『Love (Part 1)』(2009年)の参加ミュージシャンです。

目立つのはHal David/Burt Bacharach作品のカヴァー「What The World Needs Now Is Love」Donny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー「Tryin' Times」という2曲のヴォーカル曲ですが、個人的には瞑想モードの「Nature」「Ginger」「Improvisation Day 10」やビートの効いたスリリングな「Improvisation Day 8」、前衛的スピリチュアル・ジャズ「Say Yes!」、美しきスピリチュアル・ジャズ「Improvisation Day 2」あたりがお気に入りです。

いつものBuild An Arkとは異なる雰囲気ですが、瞑想モードでお楽しみください。

全曲紹介しときやす。

「Cosmic Tuning」
Build An Ark作。正に宇宙のチューニングといった雰囲気のアルバムのプロローグ。

「Nature」
Build An Ark作。東洋的な瞑想の世界へ誘われるサウンドです。曼荼羅で見えてきます・・・

「Ginger」
Build An Ark作。目を閉じて聴けば、シタールの音色と共に瞑想モードへ・・・こういうの大好き!

「Say Yes!」
Build An Ark/Mia Doi Todd作。Mia Doi Toddのヴォーカルをフィーチャーした前衛的スピリチュアル・ジャズ。

「Improvisation Day 1」
Build An Ark作。バラフォン(マリンバの先祖にあたるアフリカの民族楽器)の音色が印象的な演奏です。

「Improvisation Day 8」
Miguel Atwood-Ferguson/Nick Rosen/Tony Austin作。6曲目にして、ようやくビートの効いたジャズ演奏を楽しめます。なかなかスリリングで格好良いです。

「Cadence Of The Love Messengers」
Tony Austinのドラム・ソロです。

「What The World Needs Now Is Love」
Hal David/Burt Bacharach作。Jackie DeShannonのヒット曲をカヴァー。ヴォーカルはDwight Trible。彼の深遠なヴォーカルと生かしたソウルフルな仕上がりです。Dwight Tribleは当ブログでも紹介した自身のアルバム『Inspirations』(2017年)でも本曲をカヴァーしています。

それ以外に当ブログではCal TjaderEnoch LightSamuel Jonathan JohnsonThe Sweet Inspirationsヴァージョンも紹介済みです。

「Improvisation Day 10」
Build An Ark作。ハープとシタールの響きが織り成す瞑想モードのアンビエント。アートマンがブラフマンに包まれていきます。

「Improvisation Day 2」
Build An Ark作。Yaakov LevyのフルートとMiguel Atwood-Fergusonのピアノらが織り成す美しきスピリチュアル・ジャズ。心が洗われます。

「Tryin' Times」
ラストはDonny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー。『First Take』(1969年)収録のRoberta Flackヴァージョンや『Everything Is Everything』(1970年)収録のDonny Hathawayヴァージョンでお馴染みの曲です。ヴォーカルはDwight TribleとCarmen Lundy。ソウルフルなジャズ・バラードですが、コンガのアクセントが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ncbl80YbvVI

この曲もDwight Trible『Inspirations』(2017年)でカヴァーしています。
当ブログではCourtney Pineのカヴァーも紹介済みです。

Build An Arkの他作品もチェックを!

『Peace With Every Step』(2004年)
ピース・ウィズ・エヴリー・ステップ

『Dawn』(2007年)
ドーン

『Love (Part 1)』(2009年)
ラヴ

『The Stars Are Singing Too』(2011年)
THE STARS ARE SINGING TOO ~10 YEARS ANNIVERSARY SPECIAL 2001-2011~
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2021年03月04日

Galactic『Ya-Ka-May』

ニューオリンズの音楽パーティー☆Galactic『Ya-Ka-May』
Ya-Ka-May (Dig)
発表年:2010年
ez的ジャンル:ニューオリンズ・ファンク・バンド
気分は... :ガンボ!

今回はニューオリンズが誇るファンク・ジャム・バンドGalactic『Ya-Ka-May』(2010年)です。

1994年にニューオリンズで結成されたファンク・ジャム・バンドGalacticについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
 『Ruckus』(2003年)
 『From The Corner To The Block』(2007年)

本作『Ya-Ka-May』(2010年)は、前作『From The Corner To The Block』(2007年)でのHip-Hopアプローチとバンドの原点ともいうべきニューオリンズ・ファンクを融合させたニューオリンズ音楽パーティー的な1枚に仕上がっています。

本作におけるメンバーはBen Ellman(horns、harps、prog)、Robert Mercurio(b)、Stanton Moore(ds)、Richard Vogel(key)、Jeff Raines(g)。

プロデュースはBen Ellman
Chuck BrodyCount がプロデュースに加わっているトラックもあります。

The Rebirth Brass BandIrma ThomasBig Chief Bo DollisThe Wild Magnolias)、Allen ToussaintWalter "Wolfman" Washingtonなどニューオリンズの新旧アーティストが多数フィーチャリングされています。

また、Louis "Becky" Clark(per)、Steve Riley(accordion)、Mark paradis(cello)、Anders Osborne(g)といったミュージシャンも参加しています。

ニューオリンズのブラス・バンドThe Rebirth Brass Bandをフィーチャーした「Boe Money」、ベテラン女性ソウル・シンガーIrma Thomasをフィーチャー「Heart Of Steel」The Wild MagnoliasのリーダーBig Chief Bo Dollisをフィーチャーした「Wild Man」Katey RedSissy NobbyのラップをフィーチャーしたHip-Hopトラック「Katey Vs. Nobby」、僕の一番のお気に入りのインスト・ファンク「Cineramascope」あたりが僕のおススメです。

進化と原点回帰をうまくバランスさせた僕好みのダイナミックなニューオリンズ・ファンクで魅せてくれる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Friends Of Science」
ドライヴ感のあるファンキー・チューンがオープニング。このバンドの持つミクスチャー感覚を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=dzgZejA9jyA

「Boe Money」
ニューオリンズのブラス・バンドThe Rebirth Brass Bandをフィーチャー。素晴らしいブラス・アンサンブルで楽しませてくれる迫力満点のニューオリンズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=RiS5M7TgtpQ

「Double It」
Big FreediaのラップをフィーチャーしたHip-Hopバンド的なトラック。不穏ムードのコズミック感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=r_-oAWEE8mY

「Heart Of Steel」
ベテラン女性ソウル・シンガーIrma Thomasをフィーチャー。ニューオリンズ・ファンクの伝統とHip-Hop経由のファンク・アプローチをうまく融合させています。Irmaのヴォーカルにはベテランならではの色気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8Tqlaogfu7M

「Wild Man」
ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのバンドThe Wild Magnoliasのリーダーであり、部族のビッグ・チーフ(酋長)であるBig Chief Bo Dollisをフィーチャー。ニューオリンズ・マナーに配慮したモダンでパワフルなファンク・チューンで楽しませてくれます。このドライヴ感は格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=Wu0pwcFPb6I

「Bacchus」
ニューオーリンズを代表する大物ミュージシャンAllen Toussaintをフィーチャー。そんな大物を迎えても、攻めのアプローチで新旧ニューオリンズ・サウンドをミクスチャーさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=Daz4jvU9Hec

「Katey Vs. Nobby」
Katey Red、Sissy Nobbyのラップをフィーチャー。ワイルドなドライヴ感にエレクトロニクスなアクセントをうまく織り交ぜたトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NO4XSObbLvE

「Cineramascope」
Corey Henry、Trombone Shortyというホーン隊をフィーチャー。僕の一番のお気に入り。ダイナミックなホーン・サウンドが躍動するインスト・ファンクは格好良すぎます!
https://www.youtube.com/watch?v=MaoUyW5sXfc

「Dark Water」
John Boutteをフィーチャー。タイトルの通りダークトーンの仕上がり。少しロッキンな感じもあります。チェロのアクセントも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=advYZmmMGys

「Do It Again」
Cheeky Blakkのラップをフィーチャー。生音Hip-Hopバンド的な格好良さがあるファンク・グルーヴ。Cheeky Blakkのラップも存在感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=41USJy2r6gY

「Liquor Pang」
Breakestraなどでも知られるドラマーJosh CohenとMorning 40 Federationなどでの活動でも知られるRyan Scullyをフィーチャー。ダークなロック・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=K8tMSD9XTko

「Krewe D'Etat」
繋ぎの短いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=9EO_HqGloAQ

「You Don't Know」
Glen David Andrews、The Rebirth Brass Bandをフィーチャー。ニューオリンズらしいブラス・アンサンブルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=uxNFYbCDkrY

「Speaks His Mind」
伝説のブルース・アーティストWalter "Wolfman" Washingtonをフィーチャー。Walter "Wolfman" Washingtonのブルージーな魅力を生かしつつ、モダンにアップデートさせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SMTw8BPScN0

「Do It Again (Again)」
「Do It Again」のリプライズでアルバム本編を締め括ってくれます。

「Muss The Hair」
国内盤ボーナス・トラック。Allen Toussaintをフィーチャー。本編に収録されていた「Bacchus」以上に、Allen Toussaintらしいニューオリンズ・ワールドを楽しめます。

Galacticの他作品もチェックを!

『Coolin' Off』(1996年)
Coolin Off

『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
Crazyhorse Mongoose

『Late for the Future』(2000年)
Late for the Future

『We Love 'Em Tonight: Live at Tipitina's』(2001年)
We Love Em Tonight

『Ruckus』(2003年)
Ruckus

『From The Corner To The Block』(2007年)
From The Corner To The Block[対訳歌詞・解説・ボーナストラック付き国内盤]

『The Other Side Of Midnight: Live In New Orleans』(2011年)
Other Side of Midnight:Live in New O

『Carnivale Electricos』(2012年)
Carnivale Electricos

『Into the Deep』(2015年)
Into the Deep

『Already Ready Already』(2019年)
posted by ez at 02:45| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする