2019年11月24日

Tenderlonious『Hard Rain』

UK新世代ジャズ経由のテクノ/ハウス作品☆Tenderlonious『Hard Rain』
ハード・レイン
発表年:2019年
ez的ジャンル:UK新世代ジャズ系テクノ/ハウス
気分は... :アナザー・サイド

新作アルバムから、サウスロンドン注目の音楽クルー/音楽レーベル22aのリーダーTenderloniousことEd Cawthorneの2ndソロ・アルバム『Hard Rain』です。
※共同名義のアルバムを含めると3枚目のアルバム

UK新世代ジャズ・ミュージシャンの一人でもあるTenderloniousの紹介は、1stソロ・アルバム『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)に続き2回目となります。

『Shakedown Featuring The 22archestra』は、22aの面々がジャズ・ミュージシャンとしての側面を見せつけた本格的なジャズ作品でした。

それに対して、2ndソロ・アルバムとなる本作『Hard Rain』はデトロイト・テクノの影響が色濃いテクノ/ハウス作品に仕上がっています。ジャケだけ見ると、バリバリの60年代Blue Note作品のようなのですが(笑)

このギャップに戸惑う方もいるかもしれませんね。『Shakedown Featuring The 22archestra』と本作とではリスナー層が異なると思います。

僕は前作も本作も渋谷の某大手CDショップで購入しましたが、前作をジャズ・コーナーで購入したため、本作もジャズ・コーナーで探していたら見つからず、店員さんに調べてもらったらクラブミュージック・コーナーに置いてありました。

プロデュース、ソングライティング、アレンジ、パフォーマンス全てTenderlonious一人でこなしています。

デトロイト・テクノ影響下のテクノ/ハウス作品ですが、UK新世代ジャズ・ミュージシャンならではの感性、さらにJ DillaやUkブロークンビーツのエッセンスが織り交ぜられているのが本作の魅力です。

Moodyman的な漆黒の電子グルーヴ「Casey Jr.」、デトロイト・テクノ的なタイトル曲「Hard Rain」「Another State Of Consciousness」J Dilla的な「GU22」、Tenderloniousのフルートも交えたクロスオーヴァー「Aesop Thought」、UK新世代ジャズの感性が冴える「Workin' Me Out」、ブロークンビーツなボーナス・トラック「Brokentom」が僕のおススメです。

『Shakedown Featuring The 22archestra』では聴けなかったTenderloniousのもう一つの顔を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Casey Jr.」
オープニングはMoodyman好きが気に入りそうな漆黒の電子グルーヴ。

「Buffalo Gurl」
70年代クロスオーヴァー的なエッセンスも感じる仕上がり。

「Hard Rain」
タイトル曲はデトロイト・テクノ的なエレクトリック・サウンドを楽しめる1曲。目を閉じて聴いていると瞑想モードに浸れる感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=oWyPvW6Re50

「GU22」
J Dilla的なHip-Hopトラック。1分半の短いトラックですがUK新世代ジャズな雰囲気もあって楽しめます。

「Low Tide」
幻想的なビートレスの小曲。コズミックな雰囲気がいいですね。

「Another State Of Consciousness」
デトロイト・テクノ的な電子音を楽しめる1曲。本作の中でも派手めな音使いで印象に残ります。

「Aesop Thought」
Tenderloniousのフルートも交えた1曲。デトロイト・テクノ×Ukブロークンビーツなクロスオーヴァー・サウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=bSGHrj3QgG8

「Love You」
1分半の小曲ですが、サウンド・コラージュ的な面白さがあります。

「Workin' Me Out」
UK新世代ジャズ・ミュージシャン&トラックメイカーならではの音世界を楽しめます。サウンド的にはアルバムで一番刺激的かも?

「Almost Time」
本編ラストはジャジー・ムードで締め括ってくれます。淡々とした雰囲気が好きです。

「Brokentom」
国内盤CDボーナス・トラック。タイトルの通り、ブロークンビーツな仕上がり。クラブジャズ好きの人は気に入るはず!

未聴の方は『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)もチェックを!

『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)
SHAKEDOWN FEAT. THE 22
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2019年11月17日

Portico Quartet『Memory Streams』

UKミニマリズム・ジャズ☆Portico Quartet『Memory Streams』
MEMORY STREAMS
発表年:2019年
ez的ジャンル:UKミニマリズム・ジャズ
気分は... :魅惑のハングドラム!

新作からUKのジャズ・ユニットPortico Quartetの最新アルバム『Memory Streams』です。

Portico Quartetは2005年ロンドンで結成されたジャズ・ユニット。

デビュー・アルバム『Knee-Deep in the North Sea』(2007年)を皮切りにコンスタントにアルバムをリリースしています。新進ユニットの印象も受けますが、結成から14年のキャリアを誇る中堅ユニットです。

現在のメンバーはDuncan Bellamy(ds、electronics)、Milo Fitzpatrick(b)、Keir Vine(hang ds、key)、Jack Wyllie(sax、key)。

最新作『Memory Streams』は、『Art in the Age of Automation』(2017年)に続くマンチェスターのGondwana Recordsからの第2弾アルバムとなります。

Gondwanaといえば、GoGo Penguinを発掘したレーベルとして知られていますね。

正直、彼らの過去作品を聴いたことがありませんでしたが、CDショップで試聴して一発で気に入った次第です。

予備知識がなく進化形ジャズの1枚といった感覚で聴きましたが、アンビエント/エレクトロニカなミニマリズム・ジャズが新鮮に聴こえました。個人的にはハングドラムの音色にグッときた部分も大きいかもしれません。

販売元の宣伝文句にThe Cinematic Orchestraからの影響も指摘されていましたが、確かにそういった魅力もあるかもしれません。

サウンドスケープ的な感じも僕好みかもしれません。ただし、サックスだけはフリーキーに鳴り響いているのが面白いです。

プロデュース、アレンジ、作曲はすべてグループ自身です。

今年はサウス・ロンドンの次世代ジャズを好んで聴いている僕ですが、それとは異なるベクトルのUKらしい現在進行形ジャズを楽しめる1枚です。

これ聴きながら仕事すると集中力が増してきます!

全曲紹介しときやす。

「With, Beside, Against」
アンビエントな序盤からGoGo Penguin調のUKジャズらしいサウンドへ展開するオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=INk3luiNndg

「Signals In The Dusk」
本曲を聴いてCD購入を決めました。アンビエントなミニマリズム・ジャズがグッとくる演奏です。Gondwanaらしいセンスの進化形ジャズを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=o7cu-KmzyGc

「Gradient」
エレクトロニカなサウンドで幻想的な音世界を奏でます。冬のサウンドスケープ的な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=luUKW4kjl0o

「Ways Of Seeing」
コンテンポラリーな演奏ですが、ハングドラムの音色を巧みに生かした感じが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=MPW61oaezYg

「Memory Palace」
ピアノにノイズ効果を加味したアンビエントな小曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=JwGVKKL0arY

「Offset」
スケールの大きなドラマチックな演奏です。荒々しさをハングドラムの音色が中和している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zecyKRV6YN0

「Dissident Gardens」
このバンドの美学を感じるミニマリズム・ジャズな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=lTN4BeRMbpU

「Double Helix」
このバンドならではの幻想的ジャズ・ワールドにグイグイ引き込まれます。知らぬ間にジワジワ高揚しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GEArU9PWDCo

「Immediately Visible」
ハングドラムの煌びやかな音色が響くアンビエントなミニマリズム・ジャズで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bTDaW7TWkds

Portico Quartetの他作品もチェックを!

『Knee-Deep in the North Sea』(2007年)
ニー・ディープ・イン・ザ・ノース・シー

『Isla』(2009年)
Isla

『Portico Quartet』(2012年)
ポルティコ・クァルテット

『Live/Remix』(2013年)
Live/Remix

『Art in the Age of Automation』(2017年)
ART IN THE AGE OF AUTOMATION [LP] [12 inch Analog]

『Untitled (AITAOA #2)』(2018年)※ミニ・アルバム
UNTITLED (AITAOA #2)
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2019年11月10日

Sudan Archives『Athena』

Stones Throw期待の女性R&Bアーティスト待望のフル・アルバム☆Sudan Archives『Athena』
Athena
発表年:2019年
ez的ジャンル:Stones Throw系異才女性R&Bアーティスト
気分は... :現代R&Bの女神・・・

新作からStones Throw期待の女性ヴァイオリン奏者/R&Bシンガー/ビートメイカーSudan Archivesの1stアルバム『Athena』です。

Sudan Archives(本名:Brittney Denise Parks)は、オハイオ州シンシナティ出身。

幼少期からヴァイオリンを演奏していた彼女は、Sudan Moonのアーティスト名でHip-Hopアーティスト/ビートメイカーと交流しながらトラック制作を開始します。

2014年にはSudan Moon名義でのEP「Goldencity」をリリースしています。

その後、アフリカ音楽の影響を受けた彼女はアーティスト名をSudan Archivesと改め、19歳でL.A.に進出します。

彼女のデモ・テープをStones ThrowのオーナーPeanut Butterが気に入り、Stones Throwとの契約に成功します。

Stones Throwでは、これまで「Sudan Archives」(2017年)、「Sink」(2018年)という2枚のEPとデジタル配信のシングル「Water」(2017年)をリリースしています。

これらの既発表曲は、昨年リリースされた日本独自CD『Sudan Archives』で聴くことができます。

『Sudan Archives』(2018年) ※日本独自CD
sudan archives sudan archives.jpg

こうした流れで、Stones Throw好きや先物買いのR&Bファンから注目されていたSudan Archivesですが、機が熟したこのタイミングで1stアルバム『Athena』を届けてくれました。

これまではセルフ・プロデュースを基本としてきた彼女ですが、本作『Athena』では意図的に外部プロデューサーを多数起用しています。

Will ArcherWashed OutRodaidh McDonaldPaul WhiteAndre EliasBlack TaffyJohn DeBoldKenny GilmoreRetroといった面々です。

アルバム・タイトルはギリシア神話の芸術の女神Athena
アルバム・ジャケもそれを想起させるSudanのブロンドの彫像が示されています。

そんな芸術の女神を冠したタイトルに相応しいアーティスティックなR&B作品に仕上がっています。

ヴァイオリンという楽器をここまで効果的に駆使したR&B作品は珍しいのでは?

それも含めてヴァイオリニストならではの感性による唯一無二のR&Bワールドは実に魅力的です。

これからの活動も要注目の女性アーティストです。

全曲紹介しときやす。

「Did You Know?」
Sudan Archiveプロデュース。芸術の女神Athenaらしい雰囲気のオープニング。ヴァイオリニストならではの感性によるビートメイキングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6c9lLO0SFcI

「Confessions」
Sudan Archive/Will Archerプロデュース。アルバムからの先行シングル。ヴァイオリン奏者/R&Bシンガー/ビートメイカーというSudanの持つ3つの顔をすべて楽しめる1曲。彼女にしか生み出せない独特の雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Zgjrt12QTVQ

「Black Vivaldi Sonata」
Sudan Archive/Black Taffyプロデュース。Sudanの哀愁ヴォーカルと乾いたビートが印象的なダウナー。美しくも儚いムードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tjFTssXNlSE

「Down On Me」
Sudan Archive/Rodaidh McDonaldプロデュース。ヴァイオリニスト兼R&Bシンガーとしての美学を感じる哀愁ネオソウル。やはりヴァイオリンが肝です。
https://www.youtube.com/watch?v=n0l5LU4-B5I

「Ballet Of The Unhatched Twins I」
Sudan Archiveプロデュース。インタールード的なインスト。厳かな弦の音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=mFjDD4riAfI

「Green Eyes」
Sudan Archive/Andre Eliasプロデュース。フューチャリスティック&ミステリアスなエレクリック・ソウル。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uo0dV5fBD8w

「Iceland Moss」
Rodaidh McDonaldプロデュース。白日夢のなかの幻想的なビューティフルR&Bといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=s-CQ9rBiPuQ

「Coming Up」
Sudan Archive/Rodaidh McDonald/John DeBoldプロデュース。ヴァイオリンの音世界とビートメイキングを見事に融合させた哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=3bu5gpueIHY

「House Of Open Tuning II」
Sudan Archiveプロデュース。インタールード的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=zpsgJTbR9rY

「Glorious」
Sudan Archive/Will Archerプロデュース。アフリカ音楽のエッセンスとHip-Hopを融合させた1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=BJDMSctOnQY

「Stuck」
Sudan Archive/Retroプロデュース。1分強の短い演奏ながらもミステリアスな雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=-WMI6cDAa9M

「Limitless」
Paul Whiteプロデュース。穏やかなメロウネスが漂うR&Bチューン。希望の光が差し込んでくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OEhmX-ZZT0o

「Honey」
Sudan Archive/Retroプロデュース。退廃的かつ官能的ムードがたまらない1曲。ヴァイオリンの響きがエクスタシー感を高めます。
https://www.youtube.com/watch?v=9e_BtzaKAbc

「Pelicans In The Summer」
Sudan Archive/Kenny Gilmoreプロデュース。ラストはビートメイキングのセンスが冴えるダーク・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1AeJnUxrWII

『Sudan Archives』(2018年) ※日本独自CD
sudan archives sudan archives.jpg
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2019年11月03日

Ashley Henry『Beautiful Vinyl Hunter』

南ロンドン新世代ジャズ・ピアニストの傑作デビュー・アルバム☆Ashley Henry『Beautiful Vinyl Hunter』
Beautiful Vinyl Hunter
発表年:2019年
ez的ジャンル:南ロンドン新世代ジャズ・ピアニスト
気分は... :祭典のフィナーレ・・・

新作ジャズから南ロンドン出身の新世代ジャズ・ピアニストAshley Henryのデビュー・アルバム『Beautiful Vinyl Hunter』です。

Ashley Henryは1991年南ロンドン生まれのピアニスト。

ジャマイカにルーツを持つAshleyは父の影響で幼少期よりクラシック・ピアノを学ぶ一方で、ロック、Hip-Hop、グライム等も聴ききながら青春を過ごしていました。

18歳でジャズに目覚め、音楽大学でクラシックとジャズ・ピアノを学び、2016年よりジャズ・ミュージックとして本格的に活動するようになります。

2016年にオーセンティックなコンテンポラリー・ジャズ色の強いデビューEP「Ashley Henry's 5ive」をリリース。

さらに、当ブログでもデビュー・アルバム『Xover』(2018年)を紹介したUKビートメイキング・デュオBlue Lab BeatsのデビューEP「Blue Skies EP」(2016年)のレコーディングにも参加しています。

2017年にはAshley Henry & The RE:ensemble名義でのEP「Easter EP」をリリース。ブロークンビーツ、アフロ、カリビアンのエッセンスを取り入れ、さらにはHip-HopクラシックNas「The World Is Yours」をカヴァーするといったジャズの枠に収まらない音楽性を披露してくれました。

「Easter EP」は2018年には大手Sony Musicからリリースされるほど注目を浴び、そして2019年にSonyから待望のデビュー・アルバム『Beautiful Vinyl Hunter』がリリースされました。

アルバムには女性R&BシンガーJudi Jackson、"今ジャズ"注目のUSトランぺッターKeyon HarroldTheo Croker、マンチェスターを拠点とするHip-HopアーティストSparkz、シカゴの新世代ドラマー/ビートメイカーMakaya McCravenMoses Boyd Exodusの活動でも知られるBinker & Moses(Binker Golding/Moses Boyd)がフィーチャリングされています。

それ以外にAshley Henry(p、el-p)以下、Daniel Casimir(b)、Tenderlonious率いる音楽クルー22aの注目ユニットRuby RushtonのメンバーEddie Hick(ds)とFergus Ireland(b)、WaajuのメンバーErnesto Marichales(per)、
The Cinematic OrchestraLuke Flowers(ds)、Moses Boyd ExodusArtie Zaitz(g)、南ロンドン・ジャズのアフロ・ジャズ・ファンク・バンドEzra CollectiveDylan Jones(tp)、Benin CityHughLV & Joshua Idehenのメンバーとしても活躍するJoshua Idehen(vo)、リトアニア出身のドラマーMarijus Aleksa(ds)、ロンドン在住ソマリア出身の女性ジャズ・シンガーSahra Zoe Ahmed Gure(vo)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

この参加メンバーを眺めただけで興味が尽きませんね。

実際の内容もそんな期待を裏切らない、南ロンドン新世代ジャズの面白さが濃縮された傑作だと思います。

ソウル、Hip-Hop、ブロークンビーツ、グライム、ロック、ラテン、クラシックといった様々なエッセンスを取り込み、新世代ジャズの面白さをあの手この手で聴かせてくれます。

グラミー・ベストR&Bパフォーマンス受賞曲Solange「Cranes In The Sky」、インディ・ロックThe Enemy「Pressure (Instrumental)」、Hip-HopクラシックNas「The World Is Yours」(※国内盤ボーナス・トラック)といったカヴァー・セレクトも本作の面白さを反映しています。

YouTubeに音源が少ないのが残念ですが、今聴くべき新世代ジャズ作品をぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Star Child」
女性R&BシンガーJudi Jacksonをフィーチャー。Ashley Henryプロデュース。ネオソウル好きの人も気に入るであろうバラード。AshleyのエレガントなピアノとJudiのしっとり艶やかなヴォーカルの組み合わせがたまりません。

「Realisations」
Ashley Henry/Moses Boydプロデュース。The Cinematic OrchestraのLuke Flowersのドラミングがリードするブロークンビーツ調の南ロンドン新世代ジャズらしい演奏を披露してくれます。Binker GoldingとDylan Jonesによるホーン・サウンドもグッド!

「Between The Lines」
注目のUSトランぺッターKeyon Harrold、UKラッパーSparkzをフィーチャー。Ashley Henryプロデュース。Robert Glasper Experiment『Black Radio』的なJ Dilla経由のHip-Hopジャズを楽しめます。Keyon Harroldのトランペット・ソロも雰囲気あります。
https://www.youtube.com/watch?v=NrfPT3naJRI

「Introspection」
US期待のジャズ・トランぺッターTheo Crokerをフィーチャー。Ashley Henryプロデュース。Theoのトランペットが映えるクールな哀愁ジャズといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VCOlTzjWrRY

「Colors」
Ashley Henryプロデュース。Joshua Idehenがヴォーカルをとるグライム的アプローチの南ロンドン新世代ならではの演奏です。個人的にはアルバムで一番興味を惹かれる演奏です。

「Cranes (In The Sky)」
Solangeのグラミー・ベストR&Bパフォーマンス受賞曲「Cranes In The Sky」をカヴァー(Raphael Saadiq/Solange/Troy Johnson作)。Ashley Henryプロデュース。R&B名曲を気の利いたコンテンポラリー・ジャズとして聴かせてくれます。

「I Still Believe」
シカゴ出身の男性ジャズ・シンガーMilton Suggsをフィーチャー。Ashley Henryプロデュース。ワルツ調のソウル・ジャズです。Milton Suggsの深淵なヴォーカルはDwight Tribleがお好きな人にフィットするのでは?

「Elipsis (Interlude)」
Ashley Henryプロデュース。Ashleyがウーリッツァーをプレイする短いインタールード。

「Sunrise」
Ashley Henryプロデュース。Ferg Ireland(b)、Marijus Aleska(ds)とのピアノ・トリオ演奏ですが、エレガントな疾走感が実に心地好いです。

「Dark Honey (4TheStorm)」
シカゴの新世代ドラマー/ビートメイカーMakaya McCravenをフィーチャー。Ashley Henry/Mo Hausler/Scott McNieceプロデュース。ここでのAshleyはローズを弾き、モーダルな演奏を聴かせてくれます。Makaya McCravenがドラマーとして格好良い腕前を披露してくれます。James Copus、Jaimie Branchという2人のトランぺッターが盛り上げ、終盤にはSahra Zoe Ahmed Gureが幻想的なスキャットを聴かせてくれます。

「Pressure (Instrumental)」
コベントリー出身のインディ・バンドThe Enemy、2007年のデビュー・アルバム『We'll Live And Die In These Towns』収録曲をカヴァー。EP「Easter EP」でもヴォーカル入りカヴァーを取り上げていましたが、本ヴァージョンはインスト・カヴァーです。Ashleyは余程この曲が好きなのでしょうね。荒々しいインディ・ロックを今ジャズ感覚の演奏で聴かせてくれます。Ashley Henryプロデュース。

「Ahmed」
Ashley Henryプロデュース。軽くラテン・フレイヴァーを効かせた品格のあるピアノ・トリオ演奏を聴かせてくれます。

「Lullaby (Rise & Shine)」
再び女性R&BシンガーJudi Jacksonをフィーチャー。Ashley Henryプロデュース。美しくブルージーな演奏をバックに、Judi Jacksonがコケティッシュなヴォーカルを聴かせてくれます。

「Battle」
Binker & Moses(Binker Golding/Moses Boyd)をフィーチャー。Ashley Henryプロデュース。Moses Boyd Exodus好きの人ならば気に入るであろう、Moses Boydのドラミングが炸裂する南ロンドン新世代らしいエキサイティングなバトルを満喫できます。

「The Mighty」
Ben Marcをフィーチャー。プロデュースもBen Marc。エキゾチックな雰囲気のダンサブルな演奏はクラブジャズ好きも気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=GGZy6E8aHlA

「The World Is Yours」
国内盤ボーナス・トラック。前述したEP「Easter EP」収録のNasによるHip-Hopクラシックのカヴァーです。Robert Glasper『In My Element』に通じる雰囲気ですね。

ロンドンといえば、ラグビーW杯決勝はイングランドにとって残念な結果になりました。

まぁ、昨晩に限っていえば、イングランドが勝てる雰囲気は全くありませんでしたね。

初戦でニュージーランドに敗れた南アフリカが、準決勝でニュージーランドに完勝したイングランドを力でねじ伏せてしまうというのが面白いですね。

今振り返れば、日本は王者南アフリカ相手に善戦しましたよね。

まさかラグビーW杯でこれほど感動するとは思えなかった、夢のような1か月半に感謝ですね。
posted by ez at 03:00| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月27日

Kiefer『Superbloom』

次世代ピアニストのStones Throw第2弾☆Kiefer『Superbloom』
Superbloom
発表年:2019年
ez的ジャンル:Stones Throw系次世代ジャズxHip-Hop
気分は... :百花繚乱!

新作アルバムからL.A.の次世代ジャズxHip-Hop作品Kiefer『Superbloom』です。

1992年サンディエゴ生まれ。現在はL.A.を拠点に活動するピアニスト/ビートメイカーKiefer(本名Kiefer Shackelford)の紹介は、『Happysad』(2018年)に続き2回目となります。

Stones Throw Records第1弾アルバムであった『Happysad』(2018年)
は、次世代ジャズ・ピアニスト×ビートメイカーという個性を見事に反映し、各方面で高評価を得ました。

その後も、今最も旬な西海岸Hip-Hop/R&BアーティストAnderson .Paak『Oxnard』(2018年)、『Ventura』(2019年)という2枚のアルバムのプロデュースを手掛けるなど多方面で活躍しています。

Stones Throw Recordsからの第2弾アルバムとなる最新作『Superbloom』は、前半Superbloomと後半Bridgesという2パートから成り立っています。

Superbloomとは、砂漠などで一斉に花が咲き乱れる現象を意味します。Bridgesとは、この場合、曲のBメロのことをさすようです。

Bridgesパートは、今年4月にデジタルとカセットでリリースされたEP「Bridges」を収録したものです。

前作『Happysad』は、某大手CDショップのHip-Hopコーナーで購入しましたが、本作はジャズ・コーナーで購入しました。

アルバム全体としては、よりメロディ、サウンドを重視した演奏が目立ちます。ピアノのみならずシンセも駆使してサウンドの幅を広げています。

その意味ではStones Throwらしい作品ではなく、Hip-Hop好きの人には物足りなさも感じるかもしれません。

その一方で、J Dillaを通過してきた次世代ジャズ・ピアニストとしてのKieferに魅力を感じる人には、彼の進化を感じる1枚に仕上がっていると思います。

Kieferの新たな一面を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

Superbloom

「Golden」
非日常的な音世界が展開されるオープニング。ピアノのみならずシンセも加わった本作らしいサウンドを楽しめます。終盤はサウンドが一挙にカラフルとなります。
https://www.youtube.com/watch?v=-hSPx4y364s

「Frozen」
これまで以上にサウンドのメリハリを感じる演奏です。その分、ジャズ好きの人が聴いても楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NvDYEy5f0to

「May 20」
チープなリズム・ボックスがビートを刻む、Kieferらしいジャズ・ピアノ×Hip-Hopな音世界を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=qWO3lb3PmzA

「10,000 Days」
Kieferのジャズ・ピアノ×Hip-Hopな美学が一段上のステージへ上がったと感じる演奏です。気品を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=9A7fmEehmxY

「Good Looking」
Hip-Hopサウンドを強調した演奏ですが、それでもピアノHip-Hopではなく、ジャズ・ピアノと思えるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FRve6pPNbks

「Be Encouraged」
まさに百花繚乱といったひたすら美しく落ち着いた演奏です。優しく包み込むKieferのジェントルな側面を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=UPGNLa9uyEg

「And Encourage Others」
「Be Encouraged」のパート2といった美しい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=CJMf08V4T-M

Bridges

「Journey」
メロディ重視のBridgesパートのオープニングに相応しい優しいタッチの演奏で、(良い意味で)これまでのKiefer像を覆してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dBi-zAquRdo

「Island」
ジャズ・ピアノ×Hip-Hopな演奏ですが、よりメロディを大切にしているKieferのスタンスが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=8iNZHmF-6rA

「Orange Crayon」
より洗練されたジャズ・ピアノ×Hip-Hopな演奏を楽しめます。小難しくするのではなく、より聴きやすくなっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rswt16YNoZs

「Cute」
本作らしい音色へのこだわりを感じるメロディアスな演奏です。何処となく儚さを伴う美しさが日本人の涙腺に触れるのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=Kaa9DkW_OvE

「Sunny」
タイトルの通り、太陽を感じる穏やかな演奏です。Kieferの新たな一面を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=x_C935CGzWQ

「Green Crayon」
ラストも次世代ジャズ・ピアニストらしい落ち着いた雰囲気の演奏で締めくくってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ybfYfCkfkV8

Kieferの他作品もチェックを!

『Kickinit Alone』(2017年)
Kickinit Alone (キッキンイット・アローン)

『Happysad』(2018年)
HAPPY SAD
posted by ez at 00:59| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする