2020年09月04日

Jackson Browne『For Everyman』

コロナ禍の今だから聴くべきタイトル曲☆Jackson Browne『For Everyman』

発表年:1973年
ez的ジャンル:西海岸SSW
気分は... :フラジャイルな魅力...

久々に大好きなUSシンガー・ソングライターJackson Browneです。
約11年ぶりに投稿するのは2ndアルバム『For Everyman』(1973年)です。

僕の音楽ライフの原点と呼べるアーティストJackson Browneについて、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の4枚。

 『Late For The Sky』(1974年)
 『The Pretender』(1976年)
 『Running On Empty』(1977年)
 『Hold Out』(1980年)

僕にとってのJackson Browneは上記4枚が神アルバムで、特に高校・大学の頃はかなりの頻度で聴いていました。

それと比較すると、デビュー・アルバム『Jackson Browne』(1972年)や2ndとなる本作『For Everyman』(1973年)への愛着度は1ランク下だったかもしれません。勿論、この2枚も秀逸なアルバムなのですが。

そんな僕の中の位置づけのせいで、2009年の『The Pretender』(1976年)の投稿で、Jackson Browneについては最低限取り上げるべき作品は出揃った!と安心してしてしまい、今日の投稿まで11年を要してしまいました。

世界が激変してしまった現在のコロナ禍で、ここ数日急に本作のタイトル曲「For Everyman」が聴きたくなり、約10年ぶりに『For Everyman』を聴いています。

コロナ禍という非常事態で人々が自らの脆さ・弱さを痛感する中で、Jackson Browneの持つフラジャイルな歌世界は、傷ついた心に優しく寄り添ってくれます。

プロデュース&ソングライティングはJackson Browne自身(共作含む)。

レコーディング・メンバーは、Jackson Browne(vo、g、p)以下、David Crosby(back vo)、Craig Doerge(p)、CrusadersWilton Felder(b)、EaglesGlenn Frey(back vo)とDon Henley(back vo)、、Doug Haywood(b、back vo)、Little FeatBill Payne(p)、Elton John(Rockaday Johnnie名義)(p)、後にTotoを結成するDavid Paich(p)、Joni Mitchell(el-p)、Jim Keltner(ds)、Sneaky Pete Kleinow(pedal steel g)、Russ Kunkel(ds)、David Lindley(g、el-fiddle)、Gary Mallaber(ds)、Mickey McGee(ds)、Spooner Oldham(org)、Leland Sklar(b)、Mike Utley(org)、Bonnie Raitt(back vo)。

何といっても、これ以降のJackson Browne作品には不可欠となるギタリストDavid Lindleyの参加が目を引きます。

前述のように、今このアルバムを聴く最大の意味合いはタイトル曲「For Everyman」だと思います。

それ以外であれば、Eaglesヴァージョンで知られる人気曲「Take It Easy」、数々のカヴァー・ヴァージョンで知られる名曲「These Days」Elton John(Rockaday Johnnie名義)が参加した1stシングル「Redneck Friend」あたりが目立つかもしれません。

個人的には「Our Lady of the Well」「Colors of the Sun」「I Thought I Was a Child」「The Times You've Come」といった楽曲にフラジャイルで、誠実で、イノセントなJackson Browneの魅力が詰まっていると思います。

最近、こういう音楽をあまり聴かなくなってきていますが、やはり僕はJackson Browneが好きだ!

全曲紹介しときやす。

「Take It Easy」
説明不要の人気曲ですね。この曲のみEaglesのGlenn Freyとの共作。本作の前年にEaglesヴァージョン(アルバム『Eagles』収録)がUSシングル・チャート第12位のヒットとなっています。Eaglesヴァージョンを聴き慣れていると、こちらの方が青臭く聴こえますが、その青臭さこそが魅力なのでは?David Lindleyのギター、Sneaky Pete Kleinowのペダル・スティールがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=kBL80U12YAc

「Our Lady of the Well」
邦題「泉の聖母」。「Take It Easy」からのシームレスな流れがいい感じです。Browneらしいメロディとフラジャイルな魅力に溢れた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NtSu_VlGfCo

「Colors of the Sun」
Don Henleyがバック・ヴォーカルで参加。Browneらしい生真面目さが伝わってくるピアノ・バラード。Browneの誠実で繊細であるが故の翳りがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GyPeWbVP3fs

「I Thought I Was a Child」
初期Browneらしいイノセントな魅力に溢れた名曲。迷える青春時代に聴くと、優しく寄り添ってくれます。Lindleyの素敵なアコギの響きもサイコー!ピアノはBill Payne。
https://www.youtube.com/watch?v=eoZRAYzbCaY

「These Days」
邦題『青春の日々』。オリジナル・レコーディングは1967年のNicoヴァージョン。1968年にはNitty Gritty Dirt Bandがカヴァーしています。Browneのセルフ・カヴァーは本作と同年にリリースされたGregg Allmanヴァージョン(アルバム『Laid Back』収録)の影響を受けていると思われます。Lindleyのスライド・ギターを中心にレイド・バックな1曲に仕上がっています。この曲もコロナ禍の今聴くと感慨深いものがあります。コロナ前のあの日々は戻ってこないのか・・・
https://www.youtube.com/watch?v=oFYgaarYepw

前述のヴァージョン以外に、Iain Matthews、Cher、Everything but the Girl等数多くのアーティストがカヴァーしています。
Gregg Allman「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=3e7tFUe8JPs
Nico「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=0_z_UEuEMAo
Nitty Gritty Dirt Band「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=yKKdaRYJ4XM
Iain Matthews「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=my46UlUuqzM
Cher「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZT5ElNhFdDI
Everything but the Girl「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=8C0dxeHvpbA

「Redneck Friend」
アルバムからの1stシングル。Elton John(Rockaday Johnnie名義)がピアノで参加。Lindleyの軽快なギターが先導するロックンロールです。正直僕はJackson Browneにこういった曲を期待していませんが、アルバムの構成上は必要なのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=-QaX-njWXtw

「The Times You've Come」
Jackson Browneワールド全開で大好きなアコースティック・バラード。はかなさの美学が日本人の感覚にもフィットするのかもしれませんね。Bonnie Raittがバック・コーラスで参加。
https://www.youtube.com/watch?v=ujt5kwDs9pU

「Ready or Not」
これもBrowneらしい曲調ですね。リラックスした雰囲気の中にも若いカップルの葛藤が感じられていいですね。Lindleyのエレクトリック・フィドルがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=KPpfcYgnfLw

「Sing My Songs to Me」
Joni Mitchellがエレピで参加。洗練された都会的なバッキングに魅了されるメロウ・ミディアム。エンディングを飾るタイトル曲への名繋ぎ役になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=L-5XajPClLs

「For Everyman」
ラストは終末をテーマにしたタイトル曲。Crosby, Stills & Nash「Wooden Ships」へのアンサー・ソングとして書かれたものです。崩壊していく社会で、ユートピア目指して船で旅立つ人々を歌ったCSNに対して、Browneは船に乗ることができない人々のことを思い、"僕はここで普通の人々を待つ"と歌います。コロナ禍で世界が崩壊しつつある今だからこそ聴くべき1曲なのではないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=Dw9U9dtQKQo

未聴の方はJackson Browneの他の初期作品もチェックを!

『Jackson Browne』(1972年)


『Late For The Sky』(1974年)


『The Pretender』(1976年)


『Running On Empty』(1977年)


『Hold Out』(1980年)
posted by ez at 03:22| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月03日

De La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』

AOIシリーズ第一弾☆De La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』

発表年:2000年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hop-Hop
気分は... :アオイではありません(笑)

TrugoyPosMaseoの3人組Hip-HopユニットDe La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』(2000年)です。

これまで当ブログで紹介してきたDe La Soul作品は以下の6枚。

 『3 Feet High And Rising』(1989年)
 『De La Soul Is Dead』(1991年)
 『Buhloone Mindstate』(1993年)
 『Stakes Is High』(1996年)
 『AOI:Bionix』(2001年)
 『The Grind Date』(2004年)

本作はArt of Official Intelligence(AOI)シリーズ第一弾としてリリースされた5thアルバムです。

元々Art of Official Intelligence(AOI)シリーズは三部作として企画され、本作に続き『AOI:Bionix』(2001年)が第二弾がリリースされましたが、
Tommy Boy
との契約が切れてしまい、シリーズ完結作となるはずであった第三弾アルバムは未完に終わりました。

シリーズ第一弾となる本作『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』(2000年)は、アルバムはUSアルバム・チャート第9位、同R&Bアルバム・チャート第3位となり、チャート・アクション的にもまずまずの結果を残しました。

内容的にも90年代とは異なる2000年代らしさを感じるトラックがく、De La Soulが新ステージに突入したことを実感できる作品に仕上がっています。

Redmanをフィーチャーした1stシングル「Oooh.」Chaka Khanをフィーチャーした2ndシングル「All Good?」をはじめ、キャッチーなトラックが並びます。

どうしても80年代〜90年代前半のイメージが強いDe La Soulですが、AOIシリーズの2枚もなかなか魅力的だと思います。

2000年代ならではのDe La Soulを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Spitkicker.com/Say R. (Intro)」
De La Soulプロデュース。アルバムのイントロ。

「U Can Do (Life)」
Supa Dave Westプロデュース。Chic「Le Freak」、M「Pop Muzik」ネタを使っている割には派手さはありませんが、De La Soulらしさを感じるトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cRhtB1YnwFg

「My Writes」
Tha Alkaholiks/Xzibitをフィーチャー。Ad Lib/De La Soulプロデュース。アブストラクト感のある硬質なビートが格好良いトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KeDkxQgSW9k

「Oooh.」
Redmanをフィーチャー。De La Soul/Prince Paulプロデュース。アルバムからの1stシングル。Diana Ross主演、Michael Jacksonも出演した映画『The Wiz』(1978年)をモチーフにしたPVも楽しめます。Lee Dorsey「The Greatest Love」、Fred Wesley & The J.B.'s「Blow Your Head」、Lalo Schifrin「The Human Fly」ネタのトラックに、The Jimmy Castor Bunch「It's Just Begun」、The Fearless Four「Rockin' It」、A Tribe Called Quest「Can I Kick It?」、Sugar Bear「Don't Scandalize Mine」、Run-D.M.C.「Together Forever (Krush-Groove 4)」ネタのリリックが散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=uqp33KRndl8

「Thru Ya City」
D.V. Alias Khristをフィーチャー。Jay Dee (J Dilla)プロデュース。Cheri「Come With Me (To My Island)」ネタのトラックに乗って、いきなりLovin' Spoonful「Summer in the City」のフレーズでスタート。De La Soulらしい少しとぼけた雰囲気とJ Dillaらしいセンスのトラックが噛み合った見事な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lKsxi1_UXO4

「I.C. Y'All」
Busta Rhymesをフィーチャー。Rockwilderプロデュース。War「Galaxy」をサンプリングしたスペイシー・トラックに乗って、Busta Rhymes、De La Soulがリリックを繋ぎますが、Bustaの声が加わると彼の個性で持っていかれ、De La SoulメンバーもBustaっぽくなってしまいますね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=__r_YLFSL4w

「View」
De La Soulプロデュース。Lou Donaldson「Ode To Billie Joe」ネタのビートの印象的です。Roland Kirk「The Inflated Tear」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=TeTYTPhxblM

「Set The Mood」
Indeedをフィーチャー。Mr. Khaliylプロデュース。Roberta Flack「25th of Last December」をサンプリングした哀愁トラックに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=c-wef_So5bc

「All Good?」
Chaka Khanをフィーチャー。De La Soulプロデュース。アルバムからの2ndシングルにもなりました。哀愁メロウなトラックに乗って、Chaka Khanがベテランらしい風格のあるソウル・ヴォーカルで魅せるキャッチーな仕上がり。Kurious「Back With V.I.C.」等のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KRIc_EjwMp8

「Declaration」
De La Soulプロデュース。James Brown「There It Is」、「Blues and Pants」、The Roots feat. Dice Raw「Don't See Us」、Mobb Deep feat. Big Noyd and Rakim「Hoodlum」、EPMD「Never Seen Before」、Mountain「Long Red」といったヴォーカル/リリック・ネタが散りばめられています。2000年らしいトラック・センスのビートの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=_yZRI8ry_ws

「Squat!」
Beastie BoysのMike D/Ad-Rockをフィーチャー。De La Soulプロデュース。Beside「Change the Beat (Female Version)」をサンプリング。Beastie BoysとDe La Soulの個性のぶつかり合いが面白いトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=p5e4Ep2RnS0

「Words From The Chief Rocker」
Busy Bee Starskiをフィーチャー。De La Soulプロデュース。Fab 5 Freddy「Down by Law」をサンプリング。1分に満たないトラックですが、ドライブ感があってなかなか格好良いです。

「With Me」
De La Soulプロデュース。Marvin Gaye「After the Dance」をモロ使いしたソウルフル・トラック。ある意味、De La Soulらしいかもしれませんが・・・

「Copa (Cabanga)」
Supa Dave Westプロデュース。僕の密かなお気に入り。浮遊感のある軽快なトラックに乗って、De La Soulらしい力の抜けたフロウを聴かせてくれます。

「Foolin'」
De La Soul & Deaf 2 U Inc.プロデュース。Quincy Jones feat. Minnie Riperton, Leon Ware & Al Jarreau「If I Ever Lose This Heaven」をサンプリング。ソウルフルでありながら、2000年らしいセンスで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=odsPr0GzSLs

「The Art of Getting Jumped」
De La Soulプロデュース。Odair Cabeça De Poeta and Grupo Capote「A Dor E Curta E O Nome Comprido」、The Blackbyrds「Rock Creek Park」、Aretha Franklin「Jump to It」をサンプリングしたラテン・フレイヴァーの仕上がり。Stetsasonic「Go Stetsa I」
Ed O.G. & Da Bulldogs「I Got to Have It」ネタも散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=s7Dw5i8cgRw

「U Don't Wanna B.D.S.」
Freddie Foxxxをフィーチャー。De La Soulプロデュース。ラストはDe La Soulらしく楽しく締め括ってくれます。

De La Soul作品の過去記事もご参照下さい。

『3 Feet High And Rising』(1989年)
3 Feet High and Rising

『De La Soul Is Dead』(1991年)
De La Soul Is Dead

『Buhloone Mindstate』(1993年)


『Stakes Is High』(1996年)
Stakes Is High

『AOI:Bionix』(2001年)
AOI: Bionix

『The Grind Date』(2004年)
グラインド・デイト
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2020年09月01日

『今の気分は...2020年9月1日編』

今回は2010年代カテゴリーからラテン/チカーノ/アフロ・ラテン系を10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Snowboy & The Latin Section「New York Afternoon」
https://www.youtube.com/watch?v=BfCNtHXSXtk
From 『New York Afternoon』(2016年)
New York Afternoon

Los Stellarians「Didn't I」
https://www.youtube.com/watch?v=LzXckxbCzPo
From 『Los Stellarians』(2016年)
Los Stellarians

Thee East L.A. Philharmonic「You'll Never Find Another Love Like Mine」
https://www.youtube.com/watch?v=ogaVtOA_TiA
From 『Thee East L.A. Philharmonic』(2012年)
Thee East L.a.  Philharmonic

Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible「Motel Baja」
https://www.youtube.com/watch?v=z2ukr-aYIdw
From 『Motel Baja』(2014年)
Motel Baja

Bosq「Pegate Pa Sa」
https://www.youtube.com/watch?v=kXWdXspzySw
From 『Love and Resistance』(2018年)
Love And Resistance

Afro Latin Vintage Orchestra「Mamadou」
https://www.youtube.com/watch?v=AJsDJDvf-sI
From 『Ayodegi』(2010年)
Ayodegi

Ondatropica「Hummingbird」
https://www.youtube.com/watch?v=AW2v5Yqt84I
From 『Baile Bucanero』(2017年)
バイレ・ブカネロ

Roman Andren「En Mi Corazon, Vive un Sueno」
https://www.youtube.com/watch?v=huPI6nxNSwo
From 『Cabra Negra』(2012年)
カブラ・ネグラ

Grupo Fantasma「Montanozo」
https://www.youtube.com/watch?v=xWWCjgR--lo
From 『El Existential』(2010年)
エル・エクシステンシャル

Chicano Batman「Cyles Of Existential Rhyme」
https://www.youtube.com/watch?v=ZzMoOHygatM
From 『Cycles Of Existential Rhyme』(2014年)
サイクルズ・オブ・エグジステンシャル・ライム
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2020年08月31日

Mahavishnu Orchestra『The Inner Mounting Flame』

衝撃のジャズ・ロック!☆Mahavishnu Orchestra『The Inner Mounting Flame』
内に秘めた炎(期間生産限定盤)
発表年:1971年
ez的ジャンル:超絶ギタリスト系ジャズ・ロック
気分は... :内に秘めた炎!

John McLaughlin率いるMahavishnu Orchestraの衝撃の1stアルバム『The Inner Mounting Flame』(1971年)です。

John McLaughlin率いるジャズ・フュージョン/ジャズ・ロック・バンドMahavishnu Orchestraについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Birds of Fire』(1972年)
 『Visions of the Emerald Beyond』(1975年)
 『Inner Worlds』(1976年)

The Tony Williams Lifetimeエレクトリック・マイルスへ参加し、電化ジャズ最前線を体験したJohn McLaughlinが独自のジャズ・ロック・ワールドを目指すべく結成したのがMahavishnu Orchestraであり、その所信表明となったアルバムが本作『The Inner Mounting Flame』(1971年)です。

バンド名も含めて、ジャズ・ロックに収まらない神秘的&スピリチュアルな雰囲気があるのがこのユニットの魅力だと思います。

プロデュース&ソングライティングはすべてJohn McLaughlin

本作におけるMahavishnu Orchestraのメンバーは、John McLaughlin(g)、Rick Laird(b)、Billy Cobham(ds、per)、Jan Hammer(key、org)、Jerry Goodman(violin)。

主役John McLaughlinの超絶ギターは勿論のこと、バンド全体の推進役となるBilly Cobhamのドラミング、ジャズ・ロックに収まらない神秘的なアクセントを加えるJerry Goodmanのヴァイオリンにも注目です。

僕の嗜好からすると、この狂暴なジャズ・ロックはいつも聴きたい音ではありませんが、たまに聴くとスカっとしますね(笑)

当時の音楽シーンに大きなインパクトを与えたジャズ・ロックを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Meeting of the Spirits」
このグループのスケールの大きさを実感できる衝撃のオープニング。インドの神秘的なベールに包まれた白熱のジャズ・ロックです。単に激しいのみならず深遠さも兼ね備えているのがいいですね。McLaughlinのギターが主役ですが、Jerry Goodmanのヴァイオリンがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DQG7XpCiSVA

Jurassic 5「Lesson 6 (The Lecture)」、Aceyalone「The Hurt」のサンプリング・ソースとなっています。
Aceyalone「The Hurt」
 https://www.youtube.com/watch?v=WP8F8esJIPQ

「Dawn」
タイトルの通り夜明けモードの演奏です。メリハリの効いたジャズ・ロックですが、ここでもGoodmanのヴァイオリンがある分、オリエンタルなムードが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=y7SoYb9KLDE

Ambersunshower「Serengeti Plains」等のサンプリング・ソースとなっています。
Ambersunshower「Serengeti Plains」
 https://www.youtube.com/watch?v=FcNFKb3XTX0

「The Noonward Race」
Billy CobhamとMcLaughlinによる白熱バトルのイントロがサイコー!中盤はエレクトリック・マイルスに通じる格好良さを感じます。コチラの方が遥かに狂暴ですが。
https://www.youtube.com/watch?v=GSv6SEN3SKo

「A Lotus on Irish Streams」
McLaughlinのギター、Goodmanのヴァイオリン、Jan Hammerのピアノが織り成す美しい演奏です。McLaughlinのギターが時折シタール風になるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1m5V8zbyR2M

「Vital Transformation」
Cobhamの格好良いブレイクと共に始まる超絶ジャズ・ロック。このユニットらしいエキサイティングなプレイを存分に満喫できます。激しく唸りつづけるMcLaughlinのギターでトランス状態になりそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=boOu0L45M44

「The Dance of Maya」
ジャズ・ロックなのにブルースな面白い演奏です。このグループの変幻自在さを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q1qIQjUy5B0

HCH「I Orkomosia」、Godfather Don「Slave of New York」のサンプリング・ソースとなっています。
HCH「I Orkomosia」
 https://www.youtube.com/watch?v=ov_u4VB6350
Godfather Don「Slave of New York」
 https://www.youtube.com/watch?v=Njv_IynPL9Q

「You Know You Know」
このユニットならではのスピリチュアルな演奏です。嵐の前の静けさのような不気味さも漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=5mdGCqZTres

Massive Attack「One Love」Black Sheep「Similak Child」、「Flavor of the Month」、MC Serch「Hits the Head」、Blahzay Blahzay「Intro」、Mos Def「Kalifornia」、Jill Scott「The Real Thing」等のサンプリング・ソースとなっています。
Massive Attack「One Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=QNnofKV6Osc
Black Sheep「Flavor of the Month」
 https://www.youtube.com/watch?v=F01fzPwBwc4
MC Serch「Hits the Head」
 https://www.youtube.com/watch?v=NrFDS8BoIj8
Blahzay Blahzay「Intro」
 https://www.youtube.com/watch?v=VTLHsqB2rpI
Mos Def「Kalifornia」
 https://www.youtube.com/watch?v=JlSsbNc0_u0
Jill Scott「The Real Thing」
 https://www.youtube.com/watch?v=MoQpZ9n_St0

「Awakening」
ラストは超絶集団による白熱のジャズ・ロックで締め括ってくれます。聴く側も息が出来ないようなスピード感で駆け抜けていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=HRM8N1987qA

Mahavishnu Orchestraの他作品もチェックを!

『Birds of Fire』(1972年)
火の鳥(期間生産限定盤)

『Between Nothingness & Eternity』(1973年)
虚無からの飛翔(期間生産限定盤)

『Apocalypse』(1974年)
Apocalypse

『Visions of the Emerald Beyond』(1975年)
Visions of the Emerald Beyond

『Inner Worlds』(1976年)
Inner Worlds
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2020年08月30日

Bruna Mendez『Corpo Possivel』

ブラジル新世代アーティスト☆Bruna Mendez『Corpo Possivel』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジル新世代SSW
気分は... :ジャケに騙されるな・・・

今回はブラジル新世代シンガー・ソングライターBruna Mendezの最新作『Corpo Possivel』です。
※デジタル配信は2019年ですがCD化は2020年なので、便宜上2020年代カテゴリーに分類しておきます。

Bruna Mendezはブラジル、ゴイアニア出身の女性シンガー・ソングライター。現在28歳だそうです。

2014年にデビューEP「Pra Ela」をリリース。
2016年には1stアルバム『O Mesmo Mar Que Nega a Terra Cede a Sua Calma』をリリースしています。

2ndアルバムとなる最新作『Corpo Possivel』は、エレクトリックでフューチャリスティックな仕上がりで、RubelAna Frango EletricoGus LevyRicardo Richaidなどのリオのオルタナ・ポップ第三世代アーティストなどと同じく、次世代のMPBを担うアーティストとして位置付けられそうです。

また、"ブラジルのH.E.R."とでも呼びたくなるオルタナティヴR&B調のトラックがあるのも魅力です。

本作はブラジル南部のクリチバで制作され、クリチバの新進男女トリオTuyoがフィーチャリングされたトラックも収録されています。

プロデュースはGianlucca AzevedoPedro Soares

ジャケに引きずられて素朴なSSW作品をイメージしていると、かなりギャップがあると思います。

コレはハマる人が多い1枚になるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Avisa」
哀愁モードのエレクトリック・サウンドが印象的なオープニング。フューチャリスティックな中にもシンガー・ソングライターらしさを感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=62Huf_yTSyA

「Corpo Miragem」
幻想的でフューチャリスティックなサウダージ感があります。RubelGus Levyあたりが好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=m_BL-ek8xgM

「Bem」
"ブラジルのH.E.R."とでも呼びたくなるオルタナティヴR&B調の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=iQCxJWDydKs

「Transbordo Longe」
彼女のシンガー・ソングライターとしての魅力を実感できる1曲。オルタナティヴR&Bと一緒に聴いてもフィットする儚い美しさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=Xil3eYOf-QY

「Tropical」
エレクトリック色を前面に打ち出したダンサブル・チューン。ジャケに写るBrunaとはギャップのあるダンサブル・サウンドが新鮮です。
https://www.youtube.com/watch?v=hKZO62LJhTY

「Pele De Sal」
クリチバの新進男女トリオTuyoをフィーチャリング。幻想的なエレクトリック・サウンドの音世界にグイグイ引き込まれていく胡蝶の夢のような仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=AhaASz7_sOg

「Imagem Em Mim」
これも"ブラジルのH.E.R."的な1曲。余計なものを削ぎ落したサウンドが彼女の歌を際立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=pcY_qxWp82Q

「Licenca」
ブラジル人SSWならではのエレクトリック・トラックといった雰囲気です。すべて埋め尽くさない余白・余韻が魅力のトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=6sLpRqwp3aU

「Dancei」
本作のセンスの良さを満喫できるトラック。ポップと先鋭のバランスが絶妙です。リピートして聴きたくなる中毒性があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Oq0PhV9qtDI

「Prata」
ローファイHip-Hopにも通じる肌触りの1曲。終盤の弾き語りによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=-ZGm9uhF5nE

「Azul Profundo」
本編ラストは幻想的なエレクトリック・ワールドで締め括ってくれます。前曲に続き、終盤は弾き語りになります。
https://www.youtube.com/watch?v=01audJqL4BU

「Nostros」
国内盤CDのボーナス・トラック。Tuyoをフィーチャリングとなっていますが、元々はBruna MendezをフィーチャリングしたTuyoのシングル曲です。本編にはないボッサ感覚のフューチャリスティック・トラックに仕上がっています。コレはかなり僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=PTYstyofIzM

ご興味がある方はリオのオルタナ・ポップ第三世代アーティストの作品もチェックを!

Rubel『Casas』(2018年)
カーザス CASAS

Ana Frango Eletrico『Little Electric Chicken Heart』(2019年)


Gus Levy『Magia Magia』(2020年)


Ricardo Richaid『Travesseiro Feliz』(2020年)
posted by ez at 01:30| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする